この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、TL1 コマンドを使用して ONS 15216 EDFA3 をプロビジョニングする方法について説明します。この章の構成は次のとおりです。
• 「TL1 を使用したデフォルト パスワードでのログイン」
• 「TL1 を使用したパワー バス モードの設定(シンプレックスまたはデュプレックス)」
• 「LAN インターフェイス(イーサネット)を使用した Telnet セッションの開始」
• 「TL1 を使用した ONS 15216 EDFA3 との接続」
ONS 15216 EDFA3 の初期設定パラメータの中には、TL1 を使用して設定しなければならないものがあります。初期パラメータの設定後は、Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)管理インターフェイスを介して SNMP コマンドを発行することも、そのまま TL1 で作業を続けることもできます。シスコの SNMP 管理インターフェイスについては、 第10章「SNMP および MIB」 を参照してください。
(注) セキュリティを適用するには、コミュニティを作成する必要があります。コミュニティ ストリングが設定されていないと、ACT-USER など、一部の TL1 コマンドが正常に完了しません。ONS 15216 EDFA3 にユーザを追加する方法については、「TL1 インターフェイスの起動」を参照してください。
ハイパーターミナルを開始すると、TL1 インターフェイスが起動します。ハイパーターミナルの起動については、「シリアル EIA/TIA-232(RS-232)インターフェイスを介した EDFA3 との通信」を参照してください。
TL1 ログイン プロンプトとして、次のようなメッセージが表示されます。
次の構文で、ACT-USER コマンド( ACT-USERを参照)を使用してログインします。
この場合、 ACT-USER
はコマンド、tid はデフォルトでヌルなので、何も入力しません。 CISCO15
はデフォルトのユーザ ID、 123
はこのコマンドを識別するための ctag です。********** はパスワードを表します。
(注) セキュリティ上の理由から、パスワードはデフォルト値から変更することを推奨します(TL1 を使用した増幅器用パスワードの設定を参照し、TL1 を使用して増幅器のパスワードを設定してください)。
例7-1 のようなログイン応答が表示されます。
>
ACT-USER::CISCO15:123;
ONS 15216 EDFA3 に対して EIA/TIA-232(RS-232)リンクが確立されます。ユーザが ONS 15216 EDFA3 をプロビジョニングできるようになりました。
ED-DAT コマンド( ED-DATを参照)を使用して、日付および時刻を設定します。TL1 を使用してタイム ゾーンを設定することはできません。時刻の設定は、次の構文による世界標準時(UTC)に限定されます。
utcdate および utctime のエントリは、yyyy-mm-dd、hh-mm-ss の形式に従う必要があります。例7-2 を参照してください。
ONS 15216 EDFA3 を使用すると、ユーザはシンプレックス(電源がバス A 1つ)またはデュプレックス(バス A およびバス B の冗長電源)の パワー バス モードを設定できます。デフォルトのモードはデュプレックスです。次の構文で ED-EQPT コマンドを使用して、適切なパワー バス モードを設定します。
pwrbusmode 値は SIMPLEX または DUPLEX です。例7-3を参照してください。
有効なアラームが発生したときに、ONS 15216 EDFA3 前面パネル(図7-1)の RJ-45 ALARM OUT および RJ-45 LAN ポートを介して、ネットワーク オペレータに通知されるように、アラームのしきい値を設定します。
ネットワーク要素のその他の個別入力、オフィス アラーム パネル/システム、またはその両方を使用して、Network Operations Center(NOC; ネットワーク オペレーション センター)のNetwork Management System(NMS; ネットワーク管理システム)にアラームを接続できます。
デフォルトでは、増幅器とレーザーのステータスを OFF ステートで維持するために、
LINE1RXPwrTHFailLow は 10 dBm に設定されます。アラームしきい値コマンド アトリビュートの詳細については、 第8章「TL1 コマンドおよび自律メッセージ」 を参照してください。
アラームしきい値を表示するには、RTRV-TH-DWDM および RTRV-TH-EQPT コマンドを使用します。RTRV-TH-DWDM コマンドの構文は、次のとおりです。
RTRV-TH-DWDM コマンドに対する応答は、次の形式になります。
RTRV-TH-EQPT コマンドの構文は、次のとおりです。
RTRV-TH-EQPT コマンドに対する応答は、次の形式になります。
例7-4 に、コマンド出力の例を示します。
アラームしきい値を設定するには、SET-TH-DWDM( SET-TH-DWDMを参照)および SET-TH-EQPT( SET-TH-EQPTを参照)コマンドを使用します。
増幅器が光レベルで正常に動作しているかどうかを確認するには、増幅器の動作状態を調べる必要があります。増幅器の動作状態を確認するには、次の構文で RTRV-DWDM コマンド( RTRV-DWDMを参照)を使用します。
RTRV-DWDM コマンドに対する応答は、次の形式になります。
例7-5 に、コマンドおよびコマンド出力の例を示します。
入力パワーは、光接続手順で測定された入力パワーと一致しなければなりません。出力パワー値は、入力パワーにゲイン値を加えた値でなければなりません。
ONS 15216 EDFA3 の出力信号がネットワーク要素のトランシーバで確実に受信されるようにするには、増幅器のゲインを正しく設定する必要があります。
各チャネルの適切な出力パワーは、増幅器を通過するチャネルの数によって異なります。入力パワー レベル、ネットワーク アプリケーション、およびエラーフリーの動作に必要なレシーバ仕様に基づいて、増幅器のゲインを設定してください。
増幅器のゲインを設定するには、ED-DWDM コマンド( ED-DWDMを参照)を次の構文で使用します。
GAINSP パラメータとともに、所定の光パワー ゲイン レベルに適した値を指定します。例7-6 に、ED-DWDM コマンドでゲインを設定する例を示します。
(注) ゲインを変更する、またはゲイン変更を実装する場合は、適正なネットワーク動作を確保するために、前もって TAC に相談してください。
増幅器が COPWR モードのときに ED-DWDM コマンドを実行する場合は、CTRLMODE 値を CGAIN に設定する必要があります。増幅器がすでに CGAIN モードになっている場合は、CTRLMODE パラメータの変更は不要です。
ONS 15216 EDFA3 では、入力障害下限しきい値のデフォルト値は 10 dBm です。このように大きいデフォルト値を設定することによって、インストレーション フェーズで EDFA3 が誤ってオンにならないようにします。
ONS 15216 EDFA3 上で光入力パワーしきい値を設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 RTRV-TH-DWDM TL1 コマンドを実行し、現在の光入力パワーしきい値を調べます。
ステップ 2 光入力パワーしきい値は、RTRV-TH-DWDM コマンドに対応する応答で、LINE1RXPWRTHFL というパラメータ名です。
ステップ 3 SET-TH-DWDM TL1 コマンドを実行し、第 1 ステージ増幅器の光入力パワーしきい値を変更します。
ステップ 4 LINE1RXPWRTHFL パラメータを指定し、そのパラメータに EDFA3 の設置場所に適した値を指定します。
ステップ 5 もう一度 SET-TH-DWDM TL1 コマンドを実行し、第 2 ステージ増幅器の光入力パワーしきい値を変更します。
ステップ 6 LINE2RXPWRTHFL パラメータを指定し、そのパラメータに EDFA3 の設置場所に適した値を指定します。
(注) EDFA3 を動作できるように設定するまでは、この手順を実行できません。必要な設定作業には、光入力信号の提供、光減衰器または分散補償ユニットを介した DC TX と DC RX ポートの接続、およびユーザ インターフェイスを介した光パワーしきい値の設定が含まれます。
EDFA3 が動作可能な場合は、EDFA3 前面の MONITOR OUT ポートに Optical Spectrum Analyzer(OSA; 光スペクトル アナライザ)を接続できます。MONITOR OUT ポートは、第 2 増幅器ステージからの 1% タップを意味するので、OSA に表示された波長は増幅されています。
ステップ 1 増幅器が使用されている増幅範囲(標準または拡張)に関して、ゲインの平滑性が範囲内であることを確認します。
ステップ 2 増幅器が使用されている増幅範囲(標準または拡張)に関して、ゲイン チルトが範囲内であることを確認します。
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(注) ユーザが変更しない限り、各チャネルのゲインは ONS 15216 EDFA3 によって、デフォルトで 22 dB に設定されます。ゲインは、総入力パワーが -5 dBm 以下の場合、22 dB で固定されます。入力パワーが -5 dBm を超える場合は、レベルを下げてゲインをリセットします。
LAN に ONS 15216 EDFA3 を接続する前に、モジュール前面の EIA/TIA-232(RS-232)ポートを使用し、ローカル シリアル通信インターフェイスから ONS 15216 EDFA3 の IP アドレスを設定する必要があります。IP アドレス手順は、次のとおりです。
• IP アドレス、サブネット マスク、およびゲートウェイ アドレスを指定して ED-NE-GEN コマンドを入力します(例7-7 を参照)。
• ONS 15216 EDFA3 をリブートし、IP アドレスをアクティブにします。
(注) ONS 15216 EDFA3 の IP アドレス、サブネット マスク、またはゲートウェイ アドレスが不明の場合は、ネットワーク管理者に問い合わせてください。
例7-7 IP アドレス、サブネット マスク、ゲートウェイ アドレスの設定
ONS 15216 EDFA3 をイーサネット LAN に接続すると、リモート アクセスが可能になります。
(注) イーサネット ポート経由で ONS 15216 EDFA3 の通信、管理をする前に、IP アドレスを入力する必要があります。システム管理者から未使用の IP アドレスを提供してもらってください。IP アドレスの設定については、「IP アドレスの設定」を参照してください。IP アドレスの工場出荷時のデフォルトは 0.0.0.0 です。
Telnet は、イーサネット LAN 上で IP を使用したリモート管理を可能にするアプリケーションです。Telnet セッションから TL1 コマンドを実行できます。次の手順で、RJ-45 LAN ポート経由で SNMP および TL1 コマンドを受け付けるように、ONS 15216 EDFA3 モジュールを設定します。
ステップ 1 LAN ポートを使用し、ネットワークに ONS 15216 EDFA3 を接続します。
RJ-45 コネクタを備えたカテゴリ 5 イーサネット ケーブルを使用して、LAN または PC に接続します。EDFA3 は自動検知によって、クロスとストレート両方のイーサネット ケーブルを受け入れます。
ステップ 2 端末またはワークステーションで、Telnet アプリケーションを起動します。
(注) IP 上で TL1 コマンドを送信するには、Telnet クライアントが必要です。IP 上で SNMP 管理を実行するには、サードパーティの SNMP マネージャが必要です。
ステップ 3 次のように入力すると、Telnet を介して EDFA3 を管理できます。
例で使用している IP アドレスの代わりに、前の ED-NE-GEN コマンドで入力した IP アドレスを使用してください。入力する TL1 コマンドの Telnet キャラクタ エコー用に、ポート 3083 を指定する必要があります。
ONS 15216 EDFA3 システムは、最大 20 のユーザ アカウントをサポートし、イーサネット LAN ポート経由で同時に最大 10 の Telnet 接続をサポートします。(NSIF-033-1999 に準拠した)TL1 コマンドを使用した raw の場合は、TCP/IP ポート 3082から、(NSIF-033-1999 に準拠した)TL1 over Telnet の場合は 3083 から、あるいはその両方からイーサネット TL1 セッションを使用できます。使用できる FTP 接続は 1 つです。接続後、ACT-USER コマンドでセッションをアクティブにします。
接続数が限度を超えると、Telnet セッションが終了します。
(注) ユーザ名とパスワードが定義されているユーザであればだれでも、一度に 1 つだけ接続を開始できます。TL1、SNMP、Debug インターフェイス、および FTP に必要なポート以外、オープン ポートがあってはなりません。
(注) ポート 3082 上の TL1 セッションは、キャラクタ エコーがありません。したがって、入力したコマンドを確認できません。
管理者レベルのユーザは、次の構文で ENT-USER-SECU コマンドを使用して、ONS 15216 EDFA3 に新規ユーザを追加できます。
uid はユーザ名、pid はパスワード、al はアクセス レベル(R、RW、RWA)です。パスワードは 6 ~ 10 文字の ASCII 文字列とし、2 文字以上を英字以外の文字、1 文字以上を特殊文字にする必要があります。特殊文字は +、#、および % です(Telcordia GR-831-CORE で定義)。例7-8 を参照してください。
管理者レベルのユーザは、次の構文で ED-USER-SECU コマンドを使用して、ONS 15216 EDFA3 のユーザ情報を変更できます。
uid はユーザ名、pid はパスワード、al はアクセス レベル(R、RW、RWA)です。パスワードは最大 10 文字の ASCII 文字列とし、2 文字以上を英字以外の文字、1 文字以上を特殊文字にする必要があります。特殊文字は +、#、および % です(Telcordia GR-831-CORE で定義)。例7-9 を参照してください。
ONS 15216 EDFA3 へのアクセスを制限するには、次の構文でED-PID コマンド( ED-PIDを参照)を使用して、デフォルトのユーザ パスワードを変更します。
パスワードは最大 10 文字で、2 文字以上を英字以外の文字に、1 文字以上を特殊文字にする必要があります。例7-10 を参照してください。
(注) 管理者レベルのデフォルトのユーザ名は、CISCO15 です。デフォルトのパスワードはありません。
TL1 ENT-TRAPTABLE(Enter TRAPTABLE)コマンドを使用して、SNMP トラップ宛先テーブルにエントリを追加します。各 IP アドレス エントリが、新しいコミュニティ ストリングを表します。次のフィールドを定義します。
<aid> は IP アドレスであり、SNMP トラップ宛先テーブルの特定の行を識別するためにコマンドが使用します( 表8-9 を参照)。したがって、各 IP アドレスがテーブル内で重複しないようにする必要があります。
ENT-TRAPTABLE コマンドの AID は、トラップ レシーバだけではなく、SNMP マネージャにも使用されます。ユーザが MIB を参照できるのは、トラップ宛先テーブルに MIB ブラウザ ワークステーションの IP アドレスが入力されている場合だけです。
例7-11 ENT-TRAPTABLE コマンドによるコミュニティ ストリングの設定
セッションの終了後、ユーザは ONS 15216 EDFA3 からログオフする必要があります。ログオフするには、次の構文で CANC-USER コマンド( CANC-USERを参照)を使用します。
このコマンドの使用例については、例7-12 を参照してください。
タイムアウト値を取得するには、RTRV-DFLT-SECU TL1 コマンドを使用します。
タイムアウトが発生すると、対応するポートがドロップするので、次回、そのポートでセッションを開始するときには、通常のログイン手順が必要になります。次のメッセージが表示されます。