queue-limit(プライオリティ キュー)
プライオリティキューの深さを指定するには、プライオリティ キュー コンフィギュレーション モードで queue-limit コマンドを使用します。この指定を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
(注) |
このコマンドは、ASA 5580 の 10 ギガビット イーサネットインターフェイスではサポートされていません(10 ギガビット イーサネットインターフェイスは、ASA 5585-X でプライオリティキュー用にサポートされています)。また、このコマンドは、ASA 5512-X ~ ASA 5555-X の管理インターフェイスではサポートされていません。このコマンドは、ASA サービスモジュールではサポートされていません。 |
queue-limit number-of-packets
no queue-limit number-of-packets
構文の説明
number-of-packets |
キューイング(バッファリング)可能な低遅延または通常のプライオリティのパケットの最大数を指定します。この最大数を超えると、インターフェイスでパケットのドロップが開始されます。値の範囲の上限は、実行時にダイナミックに決定されます。この制限を表示するには、コマンドラインで help または ? を入力します。主な決定要素は、キューをサポートするために必要なメモリと、デバイス上で使用可能なメモリです。キューは、使用可能なメモリを超えることはできません。理論的な最大パケット数は、2147483647 です。 |
コマンド デフォルト
デフォルトのキューの制限は 1024 パケットです。
コマンド モード
次の表に、コマンドを入力できるモードを示します。
コマンドモード |
ファイアウォールモード |
セキュリティコンテキスト |
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ルーテッド |
トランスペアレント |
シングル |
マルチ |
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コンテキスト |
システム |
||||
プライオリティ キュー コンフィギュレーション |
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— |
コマンド履歴
リリース |
変更内容 |
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7.0(1) |
このコマンドが追加されました。 |
使用上のガイドライン
ASA では、遅延の影響を受けやすい、プライオリティの高いトラフィック(音声およびビデオなど)用の低遅延キューイング(LLQ)と、それ以外のトラフィック用のベストエフォート(デフォルト)という 2 つのトラフィッククラスを使用できます。ASA は、プライオリティトラフィックを認識して、適切な Quality of Service(QoS)ポリシーを適用します。プライオリティ キューのサイズと深さを設定して、トラフィック フローを微調整できます。
(注) |
インターフェイスのプライオリティキューイングを有効にするには、priority-queue コマンドを設定する必要があります。 |
1 つの priority-queue コマンドを、nameif コマンドで定義できるすべてのインターフェイスに対して適用できます。
priority-queue コマンドで、プライオリティ キュー コンフィギュレーション モードを開始します。これはプロンプトに表示されます。プライオリティキューモードでは、いつでも送信キューに入れることができるパケットの最大数(tx-ring-limit コマンド)、およびパケットをドロップする前にバッファに入れることができるタイプ(プライオリティまたはベストエフォート)のパケット数(queue-limit コマンド)を設定できます。
指定する tx-ring-limit および queue-limit は、プライオリティの高い低遅延キューとベストエフォート キューの両方に適用されます。tx-ring-limit は、ドライバが許容できる両方のタイプのパケットの数です。このパケット数を超えると、ドライバはインターフェイスの先頭にある複数のキューにパケットを戻し、輻輳が解消するまでそのキューでパケットをバッファしておきます。通常、これらの 2 つのパラメータを調整することで、低遅延トラフィックのフローを最適化できます。
キューは無限大ではないため、いっぱいになってオーバーフローすることがあります。キューがいっぱいになると、以降のパケットはキューに入ることができず、すべてドロップされます。これがテールドロップです。キューがいっぱいになることを避けるには、queue-limit コマンドを使用して、キューのバッファサイズを大きくします。
例
次に、test というインターフェイスのプライオリティ キューを設定して、キュー制限を 234 パケット、送信キュー制限を 3 パケットに指定する例を示します。
ciscoasa(config)# priority-queue test
ciscoasa(priority-queue)# queue-limit 234
ciscoasa(priority-queue)# tx-ring-limit 3