IPCC Enterprise のレポーティングを設定する方法
IPCC Enterprise のレポーティングに必要なセットアップ作業の大半は、これまでの章で説明した IPCC コンポーネントの通常の設定作業を通じてすでに完了しています。 この章では、レポーティングの設定に関連してすでに説明した作業を除く必須の作業およびオプションの作業について説明します。 この章で説明する作業は、すべて ICM アドミン ワークステーションの ICM コンフィギュレーション マネージャで行います。
レポーティングを設定するため前提条件について
この章に記載されているレポーティング関連の設定作業を行う前に、次の作業を完了しておく必要があります。
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CallManager をインストールして設定します。 |
ICM をインストールして設定します。 |
ICM の設定で、次の作業を完了しておく必要があります。 • IPCC PG のエージェント レポーティングを有効にします。 • IPCC PG のエージェント イベント詳細を有効にします。 • コール タイプ、エージェント、およびスキル グループを作成します。 |
IP IVR または CVP をインストールして設定します。 |
IPCC システムのすべてのペリフェラルを定義します。 |
IPCC のレポーティングの設定作業について
次の表に、IPCC Enterprise システムで必要となるレポーティングの設定作業が記載されています。 これらの作業は、記載されている順序どおりに実行する必要があります。 各作業の手順は、このセクションの後半に記載されています。
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1. エージェント レポーティングを設定します。 |
2. サービス レベルを設定します。 |
3. バケット レベルを設定します。 |
4. IVR アプリケーションを設定します。 |
5. 必要に応じて、ショート コール設定を変更します。 |
6. 必要に応じて、レポーティングに影響する他の機能を変更します。 |
エージェント レポーティングを設定する方法
エージェント レポーティングを有効にするには、ICM システムを適切に設定する必要があります。 エージェント レポーティングを有効にするに方法は次のとおりです。
• CallManager PG のエージェント レポーティングを有効にします
• CallManager PIM のアドミン ワークステーション ディストリビュータを指定します
CallManager PG のエージェント レポーティングを有効にする方法
CallManager PG のエージェント レポーティングを有効にする方法は次のとおりです。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[Explorer Tools]>[PG Explorer]の順に選択します。
2. [Retrieve]をクリックします。
3. PG ごとに CallManager PIM を選択して(ペリフェラル選択)、次の手順を実行します。
a. [Distribution]タブを選択します。
b. [Enable Agent Reporting]および[Agent Event Detail]チェックボックスが選択されていることを確認します。
c. [Save]をクリックします。
CallManager PIM のアドミン ワークステーション ディストリビュータを指定する方法
ICM Router および Logger からのエージェント情報の送信先となるアドミン ワークステーションを指定する必要があります。 これを行うには、[Agent Distribution]リストに、適切なアドミン ワークステーションのエントリを追加します。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[Explorer Tools]>[PG Explorer]の順に選択します。
2. [Retrieve]をクリックします。
3. PG ごとに CallManager PIM を選択して(ペリフェラル選択)、次の手順を実行します。
a. [Distribution]タブを選択します。
b. [New]をクリックします。
c. [Distributor Site Name]に、ICM Router および Logger からのエージェント情報の送信先となるアドミン ワークステーションのサイト名を入力します。 この名前は、AW ディストリビュータのセットアップ時に入力した名前と同じです。 インストール時にサイト名を入力しなかった場合は、ホスト名がデフォルトになります。
d. [Enabled]チェック ボックスがオンになっていることを確認します。
e. [Save]をクリックします。
サービス レベルを設定する方法
サービス レベルを使用すると、コールの応答に関する目標を設定して測定できます。 サービス レベルは、必要な情報の種類に応じて定義できます。
サービス レベルは、コール タイプおよびサービスに対して定義します。 コール タイプに対しては、システム全体のサービス レベルを定義する必要があります。 これは、特定のコール タイプのローカル設定で上書きできます。 サービスに対しては、個々のサービスに関するサービス レベルだけを定義します。 IPCC Enterprise のサービス レポーティングは、IVR サービスだけを対象としています。
サービス レベル設定のシステム デフォルトは次のとおりです。
• コール タイプのサービス レベルしきい値:20
• コール タイプのサービス レベル タイプ:
• サービスのサービス レベルしきい値: -1
• サービスのサービス レベル タイプ:Default
コール タイプのシステム サービス レベルを設定する方法
IPCC Enterprise システムのコール タイプ サービス レベルを設定する方法は次のとおりです。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[Miscellaneous Tools]>[System Information]の順に選択します。
2. [Service Level Threshold]の値を秒単位で指定します。
3. [Service Level Type]を選択します。
4. [Save]をクリックします。
コール タイプのサービス レベルを設定する方法
必要な場合は、特定のコール タイプに対してサービス レベルを設定することもできます。 これらの設定は、システム レベルの設定よりも優先されます。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[List Tools]>[Call Type List]の順に選択します。
2. [Retrieve]をクリックします。
3. サービス レベルを設定するコール タイプを選択します。
4. [Service Level Threshold]の値を秒単位で指定します。
5. [Service Level Type]を選択します。
6. [Save]をクリックします。
サービスのサービス レベルを設定する方法
必要な場合は、特定のサービスに対してサービス レベルを設定することもできます。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[Explorer Tools]>[Service Explorer]の順に選択します。
2. 変更を加えるサービスを含むペリフェラルを選択します。
3. 任意のフィルタ データを入力します。[Retrieve]をクリックします。
4. サービス レベルを設定するサービスを選択します。
5. [Service Level Threshold]の値を秒単位で指定します。
6. [Service Level Type]を選択します。
7. [Save]をクリックします。
バケット インターバルを設定する方法
バケット インターバルを使用すると、特定の期間内(たとえば 0 秒から 8 秒までの間や、60 秒以内などの期間内)に放棄または応答されたコールに関するデータを追跡できます。 バケット インターバルはコール タイプに関連付けられ、システム全体に対しても、特定のコール タイプに対しても設定できます。 ローカル設定は、システム レベルの設定よりも優先されます。 サービス レベルとの関係においてインターバルを設定すると、サービス レベルのどれくらい近くでコールが放棄されたかを追跡できます。 複数のバケット インターバル グループを作成して、コール タイプごとに使い分けることもできます。
レポートの矛盾を避けるために、バケット インターバル設定の変更は特定の時間区切り(1 日、1 週間、または 1 か月の最後など)に行ってください。 インターバルの区切りを変更する場合は、そのインターバルに関するレポートを実行しているユーザがいないことを確認してください。
IPCC は、システム デフォルトのバケット インターバルが 1 種類だけ設定された状態で出荷されます。このインターバルの区切り(期間)は、8、30、60、90、120、180、300、600、1,200(秒)に設定されています。
バケット インターバルを定義する方法
バケット インターバルをシステムまたは特定のコール タイプに割り当てる前に、バケット インターバルを定義する必要があります。 バケット インターバルを定義する方法は次のとおりです。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[List Tools]>[Bucket Intervals List]の順に選択します。
2. [Retrieve]をクリックします。
3. [Add]をクリックします。
4. [Add Name]フィールドに、インターバルの名前を入力します。
5. [Upper Bounds]フィールドに、測定期間の時間区切り(秒単位)を 9 個まで追加します。
6. [Save]をクリックします。
システムのバケット インターバルを設定する方法
IPCC Enterprise システムのバケット インターバルを設定する方法は次のとおりです。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[Miscellaneous Tools]>[System Information]の順に選択します。
2. [Bucket Intervals]リストから、使用するインターバルを選択します。
3. [Save]をクリックします。
コール タイプのバケット インターバルを設定する方法
必要な場合は、特定のコール タイプに対してバケット インターバルを設定することもできます。 これらの設定は、システム レベルの設定よりも優先されます。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[List Tools]>[Call Type List]の順に選択します。
2. [Retrieve]をクリックします。
3. バケット インターバルを設定するコール タイプを選択します。
4. [Bucket Intervals]リストから、使用するインターバルを選択します。
5. [Save]をクリックします。
IVR アプリケーションを設定する方法
(LAA 選択モードを使用する場合は)コールがキューイングされず、IVR からエージェントに直接送信される場合があります。 そのようなコールを、放棄されたコールとみなすのではなく、IVR サービスで応答されたコールとみなすように IVR PG を設定する必要があります。
(注) この設定が必要になるのは、(CVP ではなく)IP IVR を IPCC Enterprise システムで使用する場合だけです。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[Explorer Tools]>[PG Explorer]の順に選択します。
2. [Retrieve]をクリックします。
3. IP IVR ペリフェラルを選択します。
4. [Configuration Parameter]に、 /ASSUME_ANSWERED を挿入します。
5. [Save]をクリックします。
ショート コールを設定する方法
ショート コールとは、非常に短時間で放棄されたコール、または応答されたコールのことです。 ショート コールを定義することによって、システムに留まっていた時間が短すぎるため通常のコールとはみなされないコールを除外できます。 ショート コールは、コール タイプおよびサービスに対して設定できます。 また、サービスに関しては、放棄ショート コールと応答ショート コールを別々に設定できます。
(注) ショート コールという概念は音声メディア クラスだけに適用されます。
サービス レベル設定のシステム デフォルトは次のとおりです。
• コール タイプのサービス レベルしきい値:20
• コール タイプのサービス レベル タイプ:
• サービスのサービス レベルしきい値: -1
• サービスのサービス レベル タイプ:Default
ショート コール設定のシステム デフォルトは次のとおりです。
• コール タイプの放棄コール待機時間: 15
• サービスの放棄コール待機時間: 5
• サービスの応答ショート コールしきい値: 0
コール タイプのショート コールを設定する方法
コール タイプに関しては、放棄ショート コールだけを設定できます。 コール タイプは、応答ショート コールの設定をサポートしていません。
コール タイプの放棄ショート コールを設定する方法は次のとおりです。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[Miscellaneous Tools]>[System Information]の順に選択します。
2. [Abandoned Call Wait Time]の値を秒単位で設定します。 この値は、コールが放棄されたものとみなす時間の長さを示します。 放棄コールを追跡しない場合は、このフィールドを空白のままにしておきます。
3. [Save]をクリックします。
サービスのショート コールを設定する方法
サービスのショート コールの設定は PG に対して行います。
サービスの放棄ショート コールを設定する方法
放棄ショート コールを設定する方法は次のとおりです。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[Explorer Tools]>[PG Explorer]の順に選択します。
2. [Retrieve]をクリックして、PG のリストを取得します。
3. PG の下から、変更するペリフェラルを選択します。
4. [Peripheral]タブを選択します。
5. [Abandoned Call Wait Time]の値を秒単位で設定します。 この値は、コールが放棄されたものとみなす時間の長さを示します。 この数値は、コール タイプに対して設定した放棄コール待機時間と同じ値にする必要があります。 放棄コールを追跡しない場合は、このフィールドを空白のままにしておきます。
6. [Save]をクリックします。
7. 必要に応じて、他の PG またはペリフェラルについても、手順 3 ~ 5 を繰り返します。
サービスの応答ショート コールを設定する方法
応答ショート コールを設定する方法は次のとおりです。
1. ICM コンフィギュレーション マネージャで、[Tools]>[Explorer Tools]>[PG Explorer]の順に選択します。
2. [Retrieve]をクリックして、PG のリストを取得します。
3. PG の下から、変更するペリフェラルを選択します。
4. [Advanced]タブを選択します。
5. [Answered Short Calls Threshold]の値(秒単位)を、サービス レベルのしきい値より小さく、ゼロより大きい値に設定します(「サービスのサービス レベルを設定する方法」を参照してください)。
6. [Save]をクリックします。
7. 必要に応じて、他の PG またはペリフェラルについても、手順 3 ~ 5 を繰り返します。
その他のレポーティング設定オプションについて
このセクションでは、レポーティングに関係するその他の IPCC Enterprise 機能について説明します。
IPCC スーパーバイザ機能について
エージェント チームのスーパーバイザは、エージェント デスクトップ ソフトウェアを使用して、スーパーバイザ機能を実行できます。 スーパーバイザ機能には次のものがあります。
• スーパーバイザ アシストおよび緊急アシスト: エージェントは、デスクトップのスーパーバイザ アシスト ボタンまたは緊急アシスト ボタンを使用できます。
• 介入: スーパーバイザは、デスクトップからエージェントのコールに参加できます。
• 代行受信: スーパーバイザは、デスクトップからコールを代行受信する(引き継ぐ)ことができます。
(注) これらのスーパーバイザ機能は、IPCC の音声コンタクトだけに適用されます。 音声以外のメディア ルーティング ドメイン(MRD)を使用しているエージェントはこれらの機能を実行できません。
スーパーバイザ機能の設定に関するガイドラインと詳細については、『 Cisco IPCC Enterprise & Hosted Editions レポーティング ガイド 』を参照してください。
エージェント転送と会議について
コール転送および会議は、2 つの方法で実行できます。 1 つは、受信者の内線番号を直接ダイヤルして、他のエージェントまたは会議に参加している他のエージェントまたは他の参加者に手動でコールを転送する方法です。 もう 1 つは、ダイヤル番号計画を使用して、転送コールや会議コールを処理するためのルーティング スクリプトにアクセスする方法です。
エージェント転送と会議の設定に関するガイドラインおよび詳細については、『 IP Contact Center Enterprise Edition レポーティング ガイド 』を参照してください。