IPCC Enterprise で使用する CVP を設定する方法
インストールが完了したら、CVP を IPCC と統合できるように設定する必要があります。 次の表に、IPCC Enterprise で CVP を使用するために必要となる設定作業が記載されています。 これらの作業は、記載されている順序どおりに実行する必要があります。 各作業の手順は、このセクションの後半に記載されています。
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1. Application Server を設定します。 |
2. 音声ブラウザを設定します。 |
3. CVP と対話できるように Cisco ゲートウェイ/ゲートキーパーを設定します。 |
4. CVP Voice Browser をゲートウェイとして定義します。 |
5. SDDSN をサポートするために Cisco Listener および Alarm Tracker ソフトウェアをアップデートします。 |
6. CVP と対話できるように Cisco ICM ソフトウェアを設定します。 |
7. オプションで、ダイナミック ルーティング クライアント機能を使用できるように CVP を設定します。 |
Application Server を設定する方法
Application Server は、ICM ソフトウェアへの IVR メッセージを処理し、VXML メッセージを Voice Browser に送信します。
ヒント 手順 10 で入力する [VRU Port Connection] の値は、VRU PIM を含む PG の設定値と一致している必要があります。
Application Server を設定する方法は次のとおりです。
1. [Start] > [Program] > [Cisco Internet Service Node] > [Application Server] > [Application Administrator] の順に選択します。 [Enter Network Password] ダイアログボックスが開きます。
2. CVP のインストール時と同じユーザ名およびパスワードを使用して、Windows 2000 管理者としてログインします。 この情報がインストール時に入力した情報と完全に一致していないと、Application Server は正しく設定されません。[Application Administration Main Menu] が開きます。
3. [Call Definition] をクリックします。 [Call Definition] ページが開きます。
4. いずれかの [Group Number] リンクをクリックします。 [Port Group Configuration (ID from ICM / New Call)] ページが開きます。 次の項目をクリックします。
ポストルーティング用のコール パラメータを定義する場合は、[Group Number 100 / New Call] をクリックします。
トランスレーション ルーティング用のパラメータを定義する場合は、[Group Number 200 / ID from ICM] をクリックします。
5. [Initial Port] フィールドと [Last Port] フィールドを使用して、選択したグループ番号で使用する仮想ポートの範囲を指定します。
ポートを定義しないと、Application Server は起動しません。 また、定義したポートの数によって、同時に処理できるコールの数が決定されます。 多数のポートを設定すると、実際のコール数が多くない場合でも、システムのパフォーマンスに影響します。
6. [Update] をクリックします。 変更がただちに反映されます。
7. [Return to Main Menu] をクリックします。
8. デフォルトの VRU ポート設定を変更する必要がある場合は、[ICM] をクリックします。 [ICM Subsystem Configuration] ページが表示されます。
9. [VRU Connection Port] の値を指定します。 これは、Application Server が VRU PIM を含む ICM PG からのメッセージを受信するために使用する TCP/IP ソケット番号です。 この設定は、VRU PIM を含む ICM PG の設定と一致している必要があります。
10. [Update] をクリックしてから、[Return to Main Menu] をクリックします。
11. [Engine] をクリックします。 [Engine Status] ページが開きます。
12. [Log Configuration] をクリックします。 [Configuration] ページが開きます。
13. [SDDSN] セクションを使用して、Alarm Tracker プロセスで使用する設定を指定します。
14. 下にスクロールして、[Update] をクリックします。 SDDSN リンク設定に対する変更が、ただちに反映されます。
15. [Status] をクリックします。 [Engine Status] ページが開きます。
16. 自動リフレッシュ機能を有効にするには、該当するチェックボックスをクリックして、ページのリフレッシュ頻度を指定します。
17. [Start] をクリックして、表示された確認ボックスで [Yes] をクリックします。 Application Server のステータスが [RUNNING] に変わり、緑のライトが表示されます。これは、すべてのサブシステムが実行され、Application Server がコールを受け入れる準備ができたことを示します。
18. [File] > [Close] の順に選択して、Application Administrator ウィンドウを閉じます。 このウィンドウを閉じても、Application Server は ICM サービス制御の下で実行され続けています。
音声ブラウザを設定する方法
音声ブラウザは、H.323 VoIP コールを受け入れ、Application Server に URL 要求を送信し、メディア サーバ からシステム プロンプトを取得します。
音声ブラウザを設定する前に、音声ブラウザが実行されていることを確認してください。
音声ブラウザを設定する方法は次のとおりです。
1. [Start] > [Program] > [Cisco Internet Service Node] > [Voice Browser] > [VB Admin] の順に選択します。コマンド ライン プロンプト(>>>>)を表示するウィンドウが開きます。
2. setASList<NewValue> と入力します。 <NewValue>
の部分には、Application Server のベース URL を入力します。 ベース URL の構文は、<AppServer>:8000/servlet/isn です。 <AppServer>
の部分には、Application Server を実行しているマシンのホスト名または IP アドレスを入力します。 デフォルトは、localhost です。
:8000/servlet/isn は、AppServerList に含まれるすべての名前の後ろに追加する必要がある固定文字列です。 この文字列の先頭には、コロン [:] を付ける必要があります。
例:
setASList localhost:8000/servlet/isn
setASList “machine1:8000/servlet/isn machine2:8000/servlet/isn”
setASList コマンドでは、スペースを使用しません。 複数の Application Server を定義する場合は、二重引用符を使用する必要があります。
3. コールの途中で ICM または Application Server に問題が発生した場合に、コールを最初から再開するには、 SetNewCallOnly on と入力します。
この音声ブラウザにプレルート コールが送信される可能性がある場合は、この値を「on」に設定しないでください。 CVP は、プレルート コールを再開できません。
4. IP 転送を使用する環境の場合は、 setGatekeeper<NewValue> と入力します。 <NewValue>
の部分には、音声ブラウザで使用するゲートキーパーの IP アドレスを入力します。
この設定を有効にするには、音声ブラウザをシャット ダウンして再起動する必要があります。
5. SDDSN をインストールした後に、デフォルト設定の変更が必要になった場合は、次のコマンドを入力します。
setSDDSN1<NewValue> 。 <NewValue>
の部分には、SDDSN の最初のインスタンスのホスト名または IP アドレスを入力します。 (デフォルト:<none>)
setSDDSN2<NewValue> 。 <NewValue>
の部分には、SDDSN の 2 番目のインスタンスのホスト名または IP アドレスを入力します。 (デフォルト:<none>)
稼働中の SDDSN が 1 つだけの場合は、SDDSN2Node を SDDSN1Node と同じノードに設定する必要があります。
6. q と入力して、VB Admin を終了します。
CVP と対話できるように Cisco ゲートウェイ/ゲートキーパーを設定する方法
インバウンド コール(発信者から CVP に送信されるコール)とアウトバウンド コール(CVP を介してエージェントに転送されるコール)を正しくルーティングするには、ゲートウェイとゲートキーパーを設定する必要があります。
CVP の構成によっては、CVP Application Server マシンからゲートウェイに特定のファイルのフォルダをコピーする必要があります。 表 2-1 を参照して、コピーする必要のあるフォルダを確認してください。表の左側の 3 列は、CVP の構成として可能な機能の組み合せを示しています。
• 音声ブラウザ: CVP でコールをキューイングしたり、エージェントがコールに応答した後でコール転送を実行する必要がある場合は、CVP の構成に CVP Voice Browser が含まれます。
• CSS: Voice Gateway、ASR/TTS Server、HTTP Media Server、および CVP Application Server の間で高度なフェールオーバー機能とロード バランシング機能を使用する場合は、CVP の構成に 1 台以上の Cisco Content Services Switch が含まれることがあります。
(注) 注:構成に CSS が含まれる場合は、構成に含まれるすべてのサーバに対して CSS を使用する必要があります。
• Call Restart: コールの途中で CVP Application Server に障害が発生した際にコールを再開する必要がある場合は、CVP の構成に Call Restart 機能が含まれます。 再開されたコールは、ICM では別の新しいコールとして扱われます。
(注) Call Restart 機能は、CVP がタイプ 5 またはタイプ 6 のネットワーク VRU である場合、または CVP がコールのメイン ルーティング クライアントである場合にだけ使用できます。 NIC から CVP にコールがプレルートされる構成の場合(つまり、CVP が VRU タイプ 2、3、7 または 8 である場合)は、再開機能を使用できません。
CVP 構成に含まれる機能の組み合せを確認したら、表の左から 4 列目に記載されているフォルダを開いて、すべてのファイルを CVP Application Server マシンからゲートウェイのフラッシュ メモリにコピーしてください。
(注) ゲートウェイにファイルをコピーする方法については、ゲートウェイのマニュアルで copy CLI コマンドの説明を参照してください。
CVP 機能の組み合せ |
コピーするフォルダ |
音声 ブラウザ |
CSS |
Call Restart |
〇 |
〇 |
〇 |
<basedir>/ApplicationServer/Downloads/VB-CSS-CallRestart |
〇 |
〇 |
× |
<basedir>/ApplicationServer/Downloads/VB-CSS-noCallRestart |
〇 |
× |
〇 |
<basedir>/ApplicationServer/Downloads/VB-noCSS-CallRestart |
〇 |
× |
× |
<basedir>/ApplicationServer/Downloads/VB-noCSS-noCallRestart |
× |
〇 |
〇 |
<basedir>/ApplicationServer/Downloads/noVB-CSS-CallRestart |
× |
〇 |
× |
<basedir>/ApplicationServer/Downloads/noVB-CSS-noCallRestart |
× |
× |
〇 |
<basedir>/ApplicationServer/Downloads/noVB-noCSS-CallRestart |
× |
× |
× |
<basedir>/ApplicationServer/Downloads/noVB-noCSS-noCallRestart |
(注) CVP の構成に CSS が含まれている場合は、Downloads ディレクトリのルートから CSS スイッチの Scripts ディレクトリに askeepalive.txt ファイルをコピーする必要もあります。
IP IVR の代わりに CVP を IPCC Enterprise システムで使用する場合は、CVP Voice Browser を Cisco CallManager 上のゲートウェイとして定義する必要があります。 音声ブラウザをゲートウェイとして定義すると、Cisco CallManager が音声ブラウザから複数のコールを受信できるようになります。
(注) Cisco CallManager 上で作成されるゲートウェイは、他のボイス ゲートウェイと似ていますが、DNS 参照はサポートされません。
音声ブラウザをゲートウェイとして定義する方法は次のとおりです。
1. Cisco CallManager Administration で、[Device] > [Gateway] の順に選択します。
2. [Find] をクリックします。 Cisco CallManager に、現在登録されているすべてのゲートウェイが表示されます。
3. 目的の 音声ブラウザが表示されない場合は、[Add a New Gateway] をクリックして、次のように指定します。
–[Gateway Type]: H.323 Gateway
–[Device Protocol]: H.225
4. [Next] をクリックします。
5. 次のように指定します。
–[Device Name]:音声ブラウザの IP アドレス
–[Description]: 音声ブラウザの IP アドレス(または、その音声ブラウザを識別するためのテキスト)
–[Device Pool]: Default
–[Calling Party]: Originator
–[Presentation Bit]: Allowed
–[Gatekeeper Name]: ゲートキーパーの IP アドレス
6. [Insert] をクリックします。
SDDSN をサポートするために Cisco Listener および Alarm Tracker をアップデートする方法
SDDSN をサポートするには、Cisco Listener および Alarm Tracker ソフトウェア(Remote Monitoring Suite の一部)に SDDSN のサポート ファイルを追加してアップデートする必要があります。 これを行うには、Listener または Alarm Tracker を実行しているマシンに「Update External SDDSN Components」という名前の CVP コンポーネントをインストールします。
外部の SDDSN コンポーネントをアップデートする方法は次のとおりです。
1. インストール CD から、SETUP.EXE を実行します。
2. [Welcome] 画面で、[Next] をクリックします。
3. [Copyrights] 画面で、[Next] をクリックします。
4. [CVP License Agreement] 画面で、[Yes] をクリックします。
5. [Choose Destination Location] 画面で、ソフトウェアをインストールするドライブおよびディレクトリを指定します。
–デフォルトのインストール先(C:\Cisco\ISN)をそのまま使用する場合は、[Next] をクリックします。
–別の場所を選択する場合は、[Browse] ボタンをクリックして、インストール先を指定してから、[Next] をクリックします。
(注) このインストール先のサブフォルダに、選択したすべての CVP コンポーネントがインストールされます。
6. [Install Cisco CVP Components] 画面で、[Update External SDDSN Components] オプションを選択します。これにより、CVP の外部コンポーネント(Cisco Listener や AlarmTracker など)のアップデートがインストールされます。 これらのアップデートをインストールすると、これらのコンポーネントで CVP ベースのイベント メッセージを処理することが可能になります。
7. [Next] をクリックします。
8. [Start Copying files] 画面で、[Next] をクリックします。
9. [CVP Setup Complete] 画面で、[Finish] をクリックします。
CVP と対話できるように Cisco ICM ソフトウェアを設定する方法
NAM/ICM と CVP ソフトウェアの間の対話を可能にするには、次の手順を一度だけ実行する必要があります。
• 定義する必要のある CVP ネットワーク VRU のタイプを確認します。
• CVP ネットワーク VRU を定義します。
• [Enable Expanded Call Context] オプションを設定します。
• CVP の Expanded Call Context(ECC; 拡張コール コンテキスト)変数を定義します。
• デフォルトのネットワーク VRU を定義します。
• CVP の Peripheral Gateway(PG; ペリフェラル ゲートウェイ)を設定します。
(注) 詳細については、『Cisco Customer Voice Portal (CVP) Configuration and Administration Guide』の「CVP Deployment Options」のセクションを参照してください。
ダイナミック ルーティング クライアントを設定する方法
ICM で VRU トランスレーション ルート方式を使用してタイプ 2 の SCI VRU にコールをルーティングする場合、VRU がコールの新しいルーティング クライアントになります。 つまり、次の接続メッセージが VRU に送信され、コールが(エージェントなどに)接続されます。 ダイナミック ルーティング クライアント機能は、ICM で新しい VRU ルーティング クライアントを使用して以降のネットワーク転送を可能にするために必要です。
ダイナミック ルーティング クライアント機能は、次のコール シナリオで必要になります。
• CVP(リリース 2.1 以降)を使用してコールを制御するキャリアのプレルーティングの後、統合型エンタープライズ ネットワーク上でコールを受信する。
• コール コンテキストおよび全過程でのレポーティング機能を備えた CVP 制御ネットワークにコールが送信される前に、ロード バランシングのためにプレルーティングを使用する。
• ターゲットの電話機/留守番電話機へのアナウンスを提供するために共有ネットワーク VRU が使用される場合に、ホスト IPCC のアウトバウンド オプションをサポートする。
ルーティング クライアントによるネットワーク転送が可能ではない環境でネットワーク転送機能を利用するためには、すべてのプレルート コールを VRU トランスレーション ルート経由で CVP に転送する必要があります。
CVP をダイナミック ルーティング クライアントとして設定する方法は次のとおりです。
1. ダイナミック ルーティング クライアントとして使用する CVP マシンを、次の点を除いて通常どおり設定します。
–[ICM Configuration Manager] > [Network VRU Explorer] で、マシンを Type 2 VRU として定義します。
–[ICM Configuration Manager] > [PG Explorer] の [Routing Client] タブで、このペリフェラルの [Network Transfer Preferred] を選択解除します。
–[CVP AppAdmin] > [Call Definitions] > [Select Group 200] > [Add New DNIS] で、それぞれのトラスレーション ルート DNIS を追加します。
2. ネットワークの適切なサイズ指定と設定を行います。
コールを開始する CallManager クラスタ以外の場所に CVP マシンが常駐する場合、プロンプトは CVP マシンから G.711 で再生されるため、WAN 帯域幅を考慮に入れる必要があります。 このような帯域幅の要件を除去するために、できれば CVP を CallManager と同じ場所に配置してください。
3. CallManager で CVP マシン用のゲートウェイ デバイスを定義します。
CallManager Administration で [Device] > [Gateway] の順に選択し、CVP の IP アドレスを使用して H.323 ゲートウェイを定義します。 [Media Termination Point Required] チェックボックスをオンにする必要があります。
4. 選択している MTP のタイプ(ソフトウェアまたはハードウェア)に対して、CallManager の手順に従って MTP リソースを設定します。
5. ダイナミック ルーティング クライアントのラベルを設定します。
ICM コンフィギュレーション マネージャで、ルーティング ターゲット(ネットワーク VRU、デバイス ターゲット、サービスなど)のラベルを、ルーティング クライアントとしてタイプ 2 の VRU に設定しておく必要があります。
(注) VRU トランスレーション ルートのスクリプティングについては、『Cisco ICM/IPCC Enterprise & Hosted Editions スクリプティング/メディアルーティング ガイド』を参照してください。 アウトバウンド オプションを使用したダイナミック ルーティング クライアントの展開については、『Outbound Option User Guide for Cisco ICM/IPCC Enterprise & IPCC Hosted Editions』を参照してください。