プロバイダー固有機能
Cisco Hosted Unified Communications Services Release 7.1(a) は、プロバイダー固有機能のサポートを導入しています。
ここでは、Cisco Hosted UCS 7.1(a) 環境でのプロバイダーまたは国別プロバイダー固有機能をプロビジョニングするために必要な手順について説明します。
この項の構成は、次のとおりです。
• 「強制セントラル PSTN ブレークアウト」
• 「強制オフネット」
• 「強制承認コード(FAC)」
強制セントラル PSTN ブレークアウト
Cisco Hosted UCS 5.1(b) プラットフォームは、強制セントラル PSTN ブレークアウト機能をサポートするように拡張されました。
USM を使用して発信 PSTN コールを分析して、一部の PSTN 宛先について「強制的に」中央ゲートウェイを使用するように Cisco PGW を設定することができます。さらに、管理者はこれらの番号のサブセットをプロビジョニングして、ローカル ゲートウェイの使用を「許可」することも可能です。
次の項では、強制セントラル PSTN ブレークアウトを 2 つの方法で設定する方法について説明します。
• 「強制使用」
• 「使用許可」
強制使用
「強制的に」中央ゲートウェイを使用する番号範囲をプロビジョニングするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [Provider Administration] > [Providers] に移動します 。
ステップ 2 [Search Result] エリアから設定するプロバイダーを選択します。
ステップ 3 [Advanced Mgt.] をクリックします。
ステップ 4 [International Gateway Usage] をクリックします 。
ステップ 5 [Search Result] エリアから設定する Cisco PGW を選択します。
ステップ 6 [Add] をクリックします。
ステップ 7 次のように入力します。
• [Country]:<country>(例: United States
)。
• [National Code]:National Code と呼ばれていても、E.164 番号の任意の部分(1 つの番号だけを「強制的に」セントラル PSTN ブレークアウトに通す場合はフル E.164 番号)を入力できます(例: 212211
)。
ステップ 8 [Force Central] を選択します。
(注) [Country] および [Gateway Usage] は必須フィールドです。
ステップ 9 [Add] をクリックします。
これで、強制セントラル PSTN ブレークアウトの設定詳細が生成されます。
使用許可
ローカル ゲートウェイの使用を「許可」する番号範囲をプロビジョニングするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [Provider Administration] > [Providers] に移動します。
ステップ 2 [Search Result] エリアから設定するプロバイダーを選択します。
ステップ 3 [Advanced Mgt.] をクリックします。
ステップ 4 [International Gateway Usage] をクリックします。
ステップ 5 [Search Result] エリアから設定する Cisco PGW を選択します。
ステップ 6 [Add] をクリックします。
ステップ 7 次のように入力します。
• [Country]:<country>(例: United States
)。
• [National Code]:National Code と呼ばれていても、E.164 番号の任意の部分(1 つの番号だけを「強制的に」セントラル PSTN ブレークアウトに通す場合はフル E.164 番号)を入力できます(例: 2122112
)。
ヒント 上記の番号例は、212-211-0000 ~ 212-211-1999 と、212-211-3000 ~ 212-211-9999 の範囲にあるすべての番号で強制的に中央 PSTN ブレークアウトを使用させます。
ステップ 8 [Allow Local] を選択します。
ステップ 9 [Add] をクリックします。
これで、強制セントラル PSTN ブレークアウトの設定詳細が生成されます。
すべてのプロバイダーに対してこの手順を繰り返します。
強制オフネット
Cisco Hosted UCS 7.1(a) は、強制オフセット機能をサポートするように拡張されました。
これにより、発信 PSTN コールを分析して、宛先がホステッド UCS 環境内のユーザであっても、「強制的に」すべてのオフネット コールをホステッド UCS 環境外に出すように、USM を使用する Cisco PGW を設定できるようになります。
次のセクションでは、強制オフネット オプションの設定方法について説明します。
「強制的に」ホステッド UCS 環境外に出す番号範囲をプロビジョニングするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [Provider Administration] > [Countries] に移動します。
ステップ 2 [Search Result] エリアから設定する国を選択します。
注意 正しいプロバイダーに対してリセラーが追加されていることを確認します。この場合、プロバイダー名が表示されます。
ステップ 3 [Force OffNet] をクリックします。
ステップ 4 [Add Prefix] エリアで、次のように入力します。
• [Prefix]:<Prefix>。「強制的に」オフネットにする E.164 番号範囲を定義する E.164 番号プレフィクスを入力します(例: 441630212
)。
• [Country Code]
ヒント 上記の例のプレフィクスは、441630212000 ~ 441630212999 の範囲にあるすべての番号を強制的にホステッド UCS 環境外に出します。
ステップ 5 [Add] をクリックします。
これで、強制セントラル PSTN ブレークアウトの設定詳細が生成されます。
すべてのプロバイダーに対してこの手順を繰り返します。
Cisco Hosted UCS 7.1(a) にアップグレードしようとする場合、管理者は既存の「強制」オフネット設定を削除します。
PGW トランザクション(PGW モデルで「強制」セントラル PSTN ブレークアウト機能に使用される)を、「強制」オフネット機能で必要な PGW トランザクションに置き換えることによって、Cisco Hosted UCS 5.1(b) で「強制」オフネット機能をプロビジョニングし、次に「強制」セントラル PSTN ブレークアウトをプロビジョニングするために USM インターフェイスを利用する際に、これが発生します。
Cisco Hosted UCS 7.1(a) へのアップグレード後、管理者は、 「強制セントラル PSTN ブレークアウト」 で説明されているプロビジョニング手順を使用して、前に設定された番号を再プロビジョニングする必要があります。
強制承認コード(FAC)
Forced Authorization Codes(FAC; 強制承認コード)を使用すると、管理者はコールのアクセスとアカウンティングを管理できます。この機能は、特定のユーザが発信できるコールのタイプを規定するもので、ユーザがコールを確立する前に有効な承認コードを入力する必要があります。各 FAC にはこれに関連付けられた 3 つのデータ項目があり、ルート パターンに対応付けられています。次の各項では、HUCS 7.1a 展開での FAC のプロビジョニング方法について説明します。
• 「FAC 静的設定」
• 「強制承認コードの追加」
• 「ロケーションへの FAC の移動」
FAC 静的設定
CUCM の FAC はルート パターンと関連付けられています。したがって、FAC が必要なルート パターンは、CUCM で更新する必要があります。
ステップ 1 FAC が必要な CUCM のルート パターンを検索します。FAC を使用するロケーションで発信セントラル ブレークアウト PSTN コールが必要な場合、CUCM でそのロケーションの PSTN ルート パターンを検索します。たとえば FAC が必要な 9.01[2-9][02-9]XXXXXXX ルート パターンを検索します。ダイヤル番号で選択されたルート パターンがわからない場合は、CUCM Digit Analyzer を使用できます。
ステップ 2 [Require Forced Authorization Code] チェックボックスをオンにします。
ステップ 3 [Authorization Level] を設定します。デフォルトは 0 です。
(注) ルート パターンの承認レベルは、FAC を使用する通話終了の FAC コード許可レベルよりも低くなる必要があります。低くない場合、そのルート パターンを通じたダイヤル番号へのコール ルーティングが失敗します。
強制承認コードの追加
USM を通じて CUCM でプロビジョニング FAC を追加するには、次の手順に従います。
ステップ 1 プロバイダー レベルで [Resources] > [Authorization Codes] にナビゲートします。
ステップ 2 [Add Range] をクリックします。
ステップ 3 [Details] セクションで、次を入力します。
• [Range Start]:<FACRangeStart>(例:1234)
• [Name]:<FACname>(例:FACTOPSTN)
• [Level]:<AuthorisationLevel>(例:2)
• [Range Size]:<CodeRangeSize>(例:1)
ステップ 4 [Add Range] をクリックします。
(注) ルート パターンの承認レベルは、FAC を使用する通話終了の FAC コード許可レベルよりも低くなる必要があります。低くない場合、そのルート パターンを通じたダイヤル番号へのコール ルーティングが失敗します。
ロケーションへの FAC の移動
FAC を追加した後で、FAC が必要となるロケーションに移動する必要があります。
手順:
ステップ 1 プロバイダー レベルで [Resources] > [Authorization Codes] にナビゲートします。
ステップ 2 ロケーションに移動する FAC で、カラム [Assign/Release] の [Assign] をクリックします。
ステップ 3 [Range Size](たとえば 1)を入力します。
ステップ 4 [Location] を選択します。
ステップ 5 [Assign Range] をクリックします。
カスタマー固有機能
ここでは、Cisco Hosted UCS 7.1(a) 環境でのカスタマー固有機能を設定するために必要な手順について説明します。
(注) このセクションで取り上げる手順はオプションです。HUCS7.1a 展開においてこのセクションで説明しているカスタマー固有機能が必要な場合、機能要件に基づいて次の手順を実行してください。
Cisco Hosted UCS 7.1(a) は、Block OffNet To OffNet Transfer(BO2OT)カスタマー固有機能をサポートしています。
USM を使用して、ホステッド UCS IP ロケーションにあるユーザを、PSTN から PSTN に戻る着信コールの転送からブロックするように、USM を使用するカスタマーを設定できます。
この項は、次のように構成されています。
• 「Unified CM での BO2OT の有効化」
• 「カスタマー用の BO2OT の設定」
Unified CM での BO2OT の有効化
Block OffNet To OffNet Transfer(BO2OT)パラメータを有効にするために Unified CM をプロビジョニングするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 CUCM クラスタにログインします。
ステップ 2 [System] > [Service Parameters] にナビゲートします。
ステップ 3 CUCM サーバを選択します。
ステップ 4 Cisco CallManager サービスを選択します。
ステップ 5 [Clusterwide Parameters(Feature - General)] で、[Block OffNet To OffNet Transfer] を [True] に設定します。
ステップ 6 [Save] をクリックします。
カスタマー用の BO2OT の設定
特定のカスタマーを Block OffNet To OffNet Transfers にプロビジョニングにするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [General Administration] > [Customers] を選択します。
ステップ 2 [Search Result] エリアから設定するカスタマーを選択します。
注意 正しいリセラーのカスタマーを設定していることを確認します。
ステップ 3 BO2OT が必要なカスタマーにナビゲートします。
ステップ 4 [Advanced Mgt] をクリックします。
ステップ 5 [Advanced Telephony Settings] をクリックします 。
ステップ 6 [Block Offnet to Offnet Transfer] の隣にある [Enable] をクリックします 。
ロケーション固有機能
ここでは、Cisco Hosted UCS 7.1(a) 環境でのロケーション固有機能を設定するために必要な手順について説明します。
(注) このセクションで取り上げる手順はオプションです。HUCS7.1a 展開においてこのセクションで説明しているロケーション固有機能が必要な場合、機能要件に基づいて次の手順を実行してください。
次の各項目では、Cisco Hosted UCS 5.1(b) で最初に導入されたオーバーレイ エリア コードのサポートに重点を置いています。
NPA が枯渇しそうになったときに番号リリーフを提供する場合、2 つの主な方法が使用されます。
• 「NPA オーバーレイ」
• 「NPA 地理的分割」
NPA オーバーレイ
オーバーレイは、エリア追加の代替方法です。名前が示すように、新規エリア コードをすでに存在するエリア コードに「オーバーレイする(重ねる)」もので、ほとんどの場合同じ地理的エリアが対象になります。この新規 NPA エリアからの番号は、すべてのサービス プロバイダーおよびカスタマーの新規増加に割り当てられます。
米国では、「CC Docket 96-98」の「Second Report and Order(R&O)」にある FCC の決定に従って、コード リリーフの NPA オーバーレイの実装において、すべてのサービス プロバイダーとの間で優先接続を保証するために、ローカル コールについて NPA 内および NPA 間で 10 桁のダイヤルが必要です。
NPA オーバーレイのメリットは、カスタマーが既存のエリア コードを保持できることです。新しい回線だけが新しいエリア コードを取得します。
オーバーレイでは、既存エリアコード内の電話番号を持つカスタマーを含むすべてのカスタマーが、ローカル コール用のエリア コードをダイヤルする必要があります。
NPA 地理的分割
ほとんどのエリア コードは地理的な分割を目的に追加されます。既存のエリア コードでカバーされている地理的エリアは、2 つ(または 3 つ)に分割されます。セクションの 1 つ(通常は番号の変更を最小限にするためにカスタマー密度の高いところのエリア)は既存のエリア コードを保持し、他のエリアは新しいエリア コードを取得します。
地理的分割のメリットは、エリア コードが引き続き地理的エリアとして定義されていて、カスタマーは電話している相手のロケーションを理解しやすいということです。
地理的分割のデメリットは、多くのカスタマーがエリア コードを変更するという不便さに耐える必要がある点です。
ここでは、10 桁のローカル コールのダイヤルをサポートする米国のロケーションにおける、オーバーレイ エリア コードを定義するために必要な手順について説明します。コードが設定されると、これらのロケーションにいるユーザは、「外部プレフィクス」とその後に続く NPA-NXX-XXXX(ここで NPA は設定されたオーバーレイ エリア コード)をダイヤルすることで、オーバーレイ エリア コード内にある電話機に対してローカル コールをかけることができます。
オーバーレイ エリア コードの追加
オーバーレイ エリア コードは、隣接エリア コードとして USM 内に定義されます。
(注) Hosted UCS 7.1a 内のオーバーレイ エリア コードは、セントラル PSTN ブレークアウトのあるロケーションでのみサポートされます。ローカル PSTN ブレークアウトのあるロケーションは、この機能をサポートしません。
オーバーレイ エリア コードを追加するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [General Administration] > [Locations] を選択します。
ステップ 2 オーバーレイ エリア コードを割り当てる場所を選択します。
注意 正しいロケーションに対してオーバーレイ エリア コードを追加していることを確認します。
ステップ 3 [Advanced Mgt.] をクリックします。
ステップ 4 [Adjacent Area Codes] をクリックします。
ステップ 5 [Add] をクリックします。
ステップ 6 [Enter Adjacent Area Code] に対して、<OverlayAreaCode> を入力します(例: 646
)。
ステップ 7 [Add] をクリックします。
必要なすべてのオーバーレイ エリア コードおよびすべてのロケーションに対して、この手順を繰り返します。
電話機固有の機能
このセクションは、Cisco Hosted UCS 7.1(a) 環境における電話機固有機能を設定することに役立ちます。
XML 電話アプリケーションに対するサポートは、Hosted UCS 7.1 (a) において最初にテストされました。
別の XML アプリケーションにアクセスするために Unified CM IP Phone を設定することができます。Cisco Unified CM IP Phone の Service ボタンを使用すると、これらの XML アプリケーションにアクセスするための電話サービス オプションを選択することに役立ちます。
ここでは、XML アプリケーションに対して実行できる 3 つの機能について説明します。
• 「XML 電話サービスのサービス タイプの作成」
• 「XML 電話サービスの機能グループへの追加」
• 「XML アプリケーションを使用した電話のパーソナライズ」
XML 電話サービスのサービス タイプの作成
新しい電話サービスを設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [Setup Tools] > [Service Types] に移動します。
ステップ 2 [Add] をクリックします。
ステップ 3 サービス名を指定します。例: Calendar
ステップ 4 説明を入力します。例: Calendar Phone Service
ステップ 5 タグを指定します。例: Calendar
ステップ 6 サービス カテゴリを選択します。例: phoneapplication
ステップ 7 サービスの URL を指定します。例: http://10.100.92.33/bvsmweb/bvsmroaming.cgi?device=#DEVICENAME#
ステップ 8 [Add] をクリックして、電話サービスを作成します。
XML 電話サービスの機能グループへの追加
すでに作成された電話サービスを使用するには、サービスをカスタマー機能グループに追加する必要があります。
これを行うには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [General Administration] > [Feature Groups] に移動します。
カスタマー レベルではない場合、作成または変更する機能グループのカスタマーを選択する必要があります。
ステップ 2 電話サービスを採用する機能グループを選択するか、新しい機能グループを作成します。
ステップ 3 前に作成した電話サービス タグを選択します。例: Calendar
ステップ 4 [Add] をクリックします。
XML アプリケーションを使用した電話のパーソナライズ
機能グループでは利用できない電話アプリケーションを、他の電話やユーザ モビリティ プロファイルに対してパーソナライズすることができます。同じ機能グループを使用するすべての電話機に対してある電話サービスを使用できるようにしないで、あるロケーションの特定の電話機にだけサービスを追加する必要がある場合、これを行うことができます。
これを行うには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [General Administration] > [Locations] に移動します。
ステップ 2 パーソナライズする電話機のあるロケーションを選択します。
ステップ 3 [Preferences] をクリックします。
ステップ 4 リストから [PersonalizePhoneApplications] をクリックします 。
ステップ 5 設定を有効にするチェックボックスをオンにして、[Modify] をクリックします。
このプリファレンスを有効にすると、そのロケーションにある任意の電話機をパーソナライズすることができます。
ステップ 6 [Location Administration] > [Phone Management] に移動します。
ステップ 7 パーソナライズする電話機の MAC アドレスをクリックします。
ステップ 8 [Phone Applications] エリアをスクロール ダウンして、[Personalize] をクリックします。
ステップ 9 [Subscribe] をクリックします。
ステップ 10 ドロップ ダウン メニューから、作成する電話サービスを選択して、[Submit] をクリックします。