Cisco Unity Connection 9.x で、ユーザに対して音声認識カンバセーションではなく電話キーパッド カンバセーションが再生される
次の点を調べて、問題の原因確認と解決を行ってください。
1. この問題は、音声認識用に設定されたアカウントを持つすべてのユーザで発生するのか。その場合は、次のサブタスクを実行します。
a. サービス クラス(COS)が、音声認識が有効となるよう設定されていることを確認します。[サービス クラス(Class of Service)] ページの [ライセンス済み機能(Licensed Features)] で、[詳細機能へのアクセスを許可する(Allow Access to Advanced Features)] チェックボックスをオンにして、[音声認識の使用をユーザに許可する(Allow Users to Use Voice Recognition)] チェックボックスをオンにします。
b. 影響を受けるユーザが正しい COS に関連付けられていることを確認します。
2. この問題は、音声認識用に設定されたアカウントを持つ単一のユーザだけで発生するのか。その場合は、次のサブタスクを実行します。
a. 影響を受けるユーザが正しいサービス クラスに関連付けられていることを確認します。
b. 電話メニュー入力スタイルが、音声認識に設定されていることを確認します。入力スタイルは、Messaging Assistant Web ツールまたは Cisco Unity Connection の管理で設定できます。
3. ユーザが初めてサインインしたときに、音声認識サービスが利用できないことを示すプロンプトが再生されるか。
その場合は、「エラー プロンプト:「音声認識リソースが十分にありません」」を参照してください。
4. 正しいコーデックが使用されているか。
Connection サーバまたは電話システムが G.729a を使用している場合、G.729a プロンプトがインストールされている場合、またはグリーティングと名前が G.711 m-law 以外のオーディオ形式で録音されている場合は、音声認識が機能しません。
エラー プロンプト:「音声認識リソースが十分にありません」
エラー プロンプト「現在、音声認識リソースが十分にありません。この通話の間は、標準的なタッチトーンを使用する必要があります(There are not enough voice-recognition resources at this time. You will need to use the standard touchtones for the duration of this call.)」が聞こえたら、次のタスクを個々に示す手順で実行してください。
1. Cisco Unity Connection Serviceability の [ツール(Tools)] > [サービス管理(Service Management)] ページで、Connection Voice Recognizer サービスが稼働していることを確認します。
(注) Cisco Unity Connection Serviceability の詳細については、『Administration Guide for Cisco Unity Connection Serviceability Release 9.x』を参照してください。このドキュメントは、http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/connection/9x/serv_administration/guide/9xcucservagx.html から入手可能です。
2. Cisco Unity Connection の管理の [システム設定(System Settings)] > [ライセンス(Licenses)] ページで、Cisco Unity Connection のライセンスを確認します。ライセンスを受けたすべての音声認識セッションが、使用中になっている可能性があります。このエラーがユーザから頻繁に報告される場合は、音声認識の使用状況が Connection サーバでの現在のライセンスの限度を超えている可能性があります。
3. Connection Voice Recognizer サービスで生成されたエラーを確認します。Real-Time Monitoring Tool(RTMT)を使用すると、デフォルトのトレースをオンにして生成される診断ログ内のエラーを表示できます。トレース ログ ファイル名の形式は、diag_NSSserver_*.uc です。
(注) RTMT の詳細については、該当する『Cisco Unified Real-Time Monitoring Tool Administration Guide』を参照してください。このドキュメントは、http://www.cisco.com/en/US/products/ps6509/prod_maintenance_guides_list.html から入手可能です。
Cisco Unity Connection 9.x で、ボイス コマンドが認識されない
ボイス コマンドの認識率が低いという問題が発生する場合は、多数の原因が考えられます。たとえば、間違ったコマンドの使用、発音や外国語なまりの認識の問題、電話接続の品質が低い、ネットワークでのジッタなどが挙げられます。次のトラブルシューティング手順を使用して、問題の原因の絞込みと解決を行ってください。
1. 問題の性質を確認します。
a. 単一のコマンドで問題が発生している場合は、『 User Guide for the Cisco Unity Connection Phone Interface (Release 9.x) 』の「Cisco Unity Connection Phone Menus and Voice Commands」の章の「Voice Commands」の項で、優先されるボイス コマンドの表を参照してください(このガイドは、 http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/connection/9x/user/guide/phone/b_9xcucugphone.html から入手可能です)。音声認識文法ファイルには、優先されるコマンドの同義語が多数含まれていますが、ユーザが発音する可能性のあるすべての単語やフレーズを含むことは不可能です。最良のパフォーマンスを得るには、優先されるコマンドの使用をユーザに推奨してください。
b. Connection が確認のプロンプトを示すことなく、意図しない操作を実行するという問題が発生している場合、あるいは Connection が何度も確認のプロンプトを示す場合は、音声認識の確認信頼度しきい値の設定を確認します。「音声認識の確認信頼度しきい値の設定の確認」を参照してください。
2. リモート ポート ステータス モニタの実行中に問題の再現を試みて、Connection が発声されたと認識しているボイス コマンドを調べます。「リモート ポート ステータス モニタの使用」を参照してください。
3. ユーザの発声ファイルをキャプチャして再生し、問題が音質またはアクセントの認識に関連しているかどうかを調べます。「発声キャプチャ トレースを使用したユーザの発声の確認」を参照してください。
4. 診断トレースを有効にして、問題を再現します。「音声認識に対する診断トレースの使用」を参照してください。
音声認識の確認信頼度しきい値の設定の確認
音声認識の確認信頼度しきい値の設定を使用して、Cisco Unity Connection が特定のユーザの意図を確認するために、音声認識のユーザにプロンプトを示す頻度を調整することができます。たとえば、「cancel」または「hang up」の発音をシステムが誤認識するという苦情がユーザから寄せられる場合は、この設定の値を引き上げて、ユーザが意図しない操作を誤って実行しないようにすることができます。あるいは、システムが確認のプロンプトを何度も示すという苦情が寄せられる場合は、この設定の値を引き下げてください。
音声認識の確認信頼度は、Cisco Unity Connection の管理 の [システム設定(System Settings)] > [詳細設定(Advanced)] > [カンバセーション(Conversations)] ページで、システム全体に対して設定します。この設定は、個々のユーザの [電話メニュー(Phone Menu)] ページで、ユーザごとに変更することもできます。
この設定の現実的な値の範囲は 30 ~ 90 です。デフォルト値の 60 では、ほとんどのシステムでほとんどのエラーが確実に取り除かれ、必要であれば確認が行われます。
Cisco Unity Connection 9.x の音声認識の問題に対する診断ツール
音声認識の問題のトラブルシューティングに役立つ診断ツールが用意されています。次の項を参照してください。
• 「音声認識に対する診断トレースの使用」
• 「発声キャプチャ トレースを使用したユーザの発声の確認」
• 「リモート ポート ステータス モニタの使用」
音声認識に対する診断トレースの使用
Cisco Unity Connection Serviceability では、音声認識の問題のトラブルシューティングに役立つ、診断用マイクロ トレースおよびマクロ トレースが用意されています。トレースの有効化とトレース ログの表示方法については、 「Cisco Unity Connection 9.x の診断トレース」 の章を参照してください。
マイクロ トレース
• カンバセーション開発環境(CDE)
– 10 State Machine Trace
– 22 Speech Recognition Grammar
• メディア:入力/出力(MiuIO)
– 25 ASR and MRCP
• ユーザ カンバセーション(ConvSub)
– 03 Named Properties Access
– 05 Call Progress
• フレーズ サーバ
– 10 Speech Recognition
マクロ トレース
ボイス ユーザ インターフェイス/スピーチ認識トレースを設定します。
(注) このマクロ トレースを使用するのは、推奨されているマイクロ トレースを使って問題の診断を試みた後だけにしてください。マクロ トレースでは大量の診断情報が生成されるため、調査が困難となる可能性があります。
発声キャプチャ トレースを使用したユーザの発声の確認
VUI マイクロ トレース レベル 05(Capture Utterances)を有効にすると、Cisco Unity Connection はユーザの発声を WAV ファイルとして CCITT(u-law)8-kHz Mono 形式で保存します。これらのファイルはファイル システムに格納され、MRCP セッションごとに 1 つずつフォルダが作成されます(ASR および MRCP に対する MiuIO レベル 25 マイクロ トレースを有効にすることで、通話の MRCP セッション情報を診断ログで参照できます)。
発声ファイルには、Real-Time Monitoring Tool(RTMT)を使用してアクセスできます。次の手順に従ってください。
注意 発声キャプチャ マイクロ トレースを有効にすると、システム パフォーマンスに影響を与えることがあります。この作業はシステムの負荷が高くないときだけ行うようにし、必要な発声の収集が完了したら必ずトレースを無効にしてください。
RTMT を使用して発声キャプチャ トレースを有効にして表示する方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection Serviceability の [トレース(Trace)] メニューで、[マイクロ トレース(Micro Traces)] を選択します。
ステップ 2 [マイクロ トレース(Micro Traces)] ページの [サーバ(Server)] フィールドで、Connection サーバの名前を選択し、[移動(Go)] を選択します。
ステップ 3 [マイクロ トレース(Micro Trace)] フィールドで、[VUI] を選択し、[移動(Go)] を選択します。
ステップ 4 [発生をキャプチャする(Capture Utterances)] チェックボックス(レベル 05)をオンにして、[保存(Save)] を選択します。
ステップ 5 問題を再現します。
ステップ 6 発声ファイルにアクセスするには、Real-Time Monitoring Tool(RTMT)を起動します。詳細については、『 Cisco Unified Real-Time Monitoring Tool Administration Guide, Release 8.0(1) 』の「 Working with Trace and Log Central 」の章を参照してください。
ステップ 7 RTMT の [システム(System)] メニューで、[ツール(Tools)] > [トレース(Trace)] > [Trace & Log Central] を選択します。
ステップ 8 [Trace & Log Central] のツリー階層で、[リモートブラウズ(Remote Browse)] をダブルクリックします。
ステップ 9 [リモートブラウズ(Remote Browse)] ウィンドウで [トレースファイル(Trace Files)] を選択し、[次へ(Next)] を選択します。
ステップ 10 [CUC サービス/アプリケーションの選択(Select CUC Services/Application)] タブで、サーバの IP アドレスの横にあるチェックボックスをオンにして、[次へ(Next)] を選択します。
ステップ 11 [システム サービス/アプリケーションの選択(Select System Services/Applications)] タブで [完了(Finish)] をクリックします。
ステップ 12 Remote Browse が動作可能になったことを示す [結果(Result)] ポップアップが表示されたら、[閉じる(Close)] を選択します。
ステップ 13 [リモート ブラウズ(Remote Browse)] タブで、[ノード(Nodes)] > [サーバ名(Server Name)] > [CUC] > [Connection 音声認識トランスポート(Connection Voice Recognition Transport)] フォルダを参照します。
ステップ 14 Connection 音声認識トランスポート フォルダで、フォルダの名前をダブルクリックして、この MRCP セッションに対してキャプチャされたオーディオ ファイルを表示します(フォルダは、MRCP セッションごとに 1 つずつ作成されます)。
ステップ 15 ファイル ペインで、オーディオ ファイルの名前をダブルクリックして再生します。
ステップ 16 [ファイルを開くプログラムの選択(Open With)] ウィンドウで、オーディオ ファイルの再生に使用するアプリケーションを選択します。
該当するオーディオ プレーヤーがリストにない場合は、ウィンドウ下部の [その他(Other)] タブを選択し、オーディオ プレーヤーの場所を参照してその実行ファイルの名前をダブルクリックし、[開く(Open)] を選択します。先ほど追加したアプリケーションの名前を選択します。
ステップ 17 [OK] を選択します。
ステップ 18 Cisco Unity Connection Serviceability で、ステップ 3 で有効にしたトレースを無効にし、[保存(Save)] を選択します。
リモート ポート ステータス モニタの使用
リモート ポート ステータス モニタ ツールは、通話のカンバセーション フローをリアルタイムに表示することから、音声認識の問題のトラブルシューティングに役立ちます。表示される情報には、スピーチ入力と信頼度のスコア、システムによる発声の解釈、および通話中の名前と番号の解釈に影響を与える可能性がある検索範囲の変更が含まれます。このツールを使用するには、次の順序で各手順に従ってください。
リモート ポート ステータス モニタをダウンロードする方法
ステップ 1 ブラウザで、 http://www.ciscounitytools.com の Cisco Unity Tools Web サイトにアクセスします。
ステップ 2 [ツール アップデート ログ(Tool Update Log)] セクションで、[ポート ステータス モニタ(Port Status Monitor)] を選択します。
ステップ 3 ポート ステータス モニタ用の [Cisco Unified Communication ツール(Cisco Unified Communication Tools)] ページで、[今すぐダウンロード(Download Now)] を選択します。
ステップ 4 画面の指示に従って、リモート ポート ステータス モニタ ツールをダウンロードします。
リモート ポート ステータス モニタ用に Cisco Unity Connection を設定する方法
ステップ 1 Cisco Unity Connection の管理で [システム設定(System Settings)] を展開し、[詳細設定(Advanced)] > [カンバセーション(Conversations)] を選択します。
ステップ 2 [カンバセーションの設定(Conversation Configuration)] ページの [リモート ポート ステータス モニタの出力を有効にする(Enable Remote Port Status Monitor Output)] チェックボックスをオンにします。
ステップ 3 [ポート ステータス モニタの出力への接続を許可する IP アドレス(IP Addresses Allowed to Connect for Remote Port Status Monitor Output)] フィールドに、ワークステーションの IP アドレスを入力します。
入力できる IP アドレスは、70 個までです。各 IP アドレスとその次の IP アドレスは、カンマで区切る必要があります。
ステップ 4 [保存(Save)] を選択します。