Bulk Administration Tool(BAT)
BAT は、Cisco CallManager 用のプラグイン アプリケーションです。Cisco CallManager のデータベースに対して、多数の電話機、ユーザ、ユーザ デバイス プロファイル、Cisco IPMA のマネージャとアシスタント、Cisco VG200 のゲートウェイとポート、および Cisco Catalyst 6000 の 24 ポート FXS アナログ インターフェイス モジュールの追加、更新、または削除を行うことができます。従来は、このような操作は手動で行われていましたが、BAT を使用すればこのプロセスが自動化され、追加、更新、および削除の作業が大幅に高速化されます。
Application メニューを使用して、BAT をインストールし、Cisco CallManager Administration からそれにアクセスすることができます。
詳細については、『 Cisco CallManager Bulk Administration Tool ユーザ ガイド 』を参照してください。
Cisco CallManager Serviceability
管理者は、Web ベースの Cisco CallManager Serviceability ツールを使用して、Cisco CallManager システムに関する問題のトラブルシューティングを行うことができます。Cisco CallManager Serviceability は、次のサービスを提供します。
• アラーム:Cisco CallManager サービス中に起きたアラームとイベントをトラブルシューティングのために保存する。また、出力されたアラーム メッセージを定義します。
• トレース:トラブルシューティングに備えて、Cisco CallManager サービスのトレース情報を各種ログ ファイルに保存する。管理者は、トレース情報の設定、収集、および分析を行うことができます。
• Real-Time Monitoring Tool:Cisco CallManager クラスタ内のコンポーネントの動作をリアルタイムでモニタする。
• Control Center:Cisco CallManager サービス全体の状況を表示する。管理者は、Control Center を使用してサービスの開始と停止を行います。
• Service Activation:複数のサービスを有効または無効にする、および有効にするデフォルトのサービスを選択する。
Cisco CallManager Administration ウィンドウから Serviceability にアクセスするには、メニューバーから Application > Cisco CallManager Serviceability の順に選択します。
詳細については、『 Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』および『 Cisco CallManager Serviceability System Guide 』を参照してください。
CDR Analysis and Reporting(CAR)
CAR は、Cisco CallManager Serviceability に組み込みの Web ベースのレポート生成アプリケーションです。音声品質に関する報告書を作成します。また、ゲートウェイのパフォーマンスに関する報告書も作成します。
• サービス品質
• トラフィックの詳細
• ユーザ コール量およびその詳細
• 基本的な課金の詳細
• ゲートウェイ情報
• コール詳細レコード
Cisco CallManager は、各コールに関連した情報を、call detail record(CDR; コール詳細レコード)、および call management record(CMR; コール管理レコード)に記録します。CDR と CMR は CAR の基本的な情報源であり、CAR データベースに保管されます。
CAR へのアクセスは、Cisco CallManager Serviceability Tools メニューに保護されているログインが必要になります。CAR へのアクセス用のユーザ ID とパスワード、および Cisco CallManager に設定されているユーザ プロファイル用のユーザ ID とパスワードは同じで、両方の場所に適用されます。
レポートを表示するには、Adobe Acrobat Reader を使用する必要があります。Acrobat Reader は CAR メインウィンドウからダウンロードし、インストールすることができます。
詳細については、『 Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』および『 Cisco CallManager Serviceability System Guide 』を参照してください。
リモート ネットワーク管理
ネットワーク管理ツールを適切に導入すれば、ネットワーク管理者は、企業ネットワークのすべてを詳細に把握できます。コンバージド ネットワークの登場により、ネットワーク管理システムには次の機能が必須条件になっています。
• ネットワーク ディスカバリおよびトポロジ マップ
• ネットワーク ノードのインベントリ制御と設定管理
• レポートの生成、システム ロギング、および関連データの分析
Cisco CallManager のリモート保守ツールと CiscoWorks2000 は、こうした機能を備えており、これらのツールを使用すれば、Cisco AVVID ネットワークの状況とアベイラビリティを監視できます。Cisco CallManager リリース 3.0 以降では、管理機能が大幅に強化され、Cisco AVVID ネットワークの動作とレポート機能を監視できるようになりました。 表 44-1 は、ネットワーク管理アプリケーション用に提供されている機能の一覧です。これらの機能により、データのエクスポート、および(特に CiscoWorks2000 の場合)レポート作成、予防的管理、デバッグが可能になります。
表 44-1 Cisco CallManager 用のリモート ネットワーク管理ツール
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Simple Network Management Protocol (SNMP) |
Cisco CallManager に組み込まれている 3 つの Management Information Bases(MIB; 管理情報ベース)により、ネットワーク管理システムは適切な情報を抽出できます。 |
Cisco Discovery Protocol (CDP) サポート (CDP MIB) |
CDP は、ネットワーク内の Cisco デバイスを検出します。CDP を使用して Cisco CallManager サーバを検出でき、CiscoWorks2000 を使用してこれらのサーバを管理できます。 |
システム ログ管理 |
Cisco Syslog Analysis は、アプリケーションから受け取るすべてのログ メッセージに共通の管理インターフェイスを備えているので、オープンな分散システムの管理を効率化できます。 |
パス分析インターフェイス |
パス分析インターフェイスは、ネットワーク上の指定された 2 ポイント間の接続性をトレースします。また、物理上または理論上のパスを分析します。コール詳細レコードを有効にしておく必要があります。 |
リモート ネットワーク管理の詳細については、『 Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
コール詳細レコード
CDR Enabled Flag Cisco CallManager サービス パラメータで CDR の収集を使用可能にすると、コールが行われたときに、Cisco CallManager は、コール詳細レコード(CDR)をサブスクライバ サーバ上のフラット ファイルに書き込みます。Call Diagnostics Enabled Cisco CallManager サービス パラメータで CDR Diagnostic の収集を使用可能にすると、コールが行われたときに、Cisco CallManager は、コール詳細診断レコードをサブスクライバ サーバ上のフラット ファイルに書き込みます。Cisco Database Layer Monitor サービスは CDR ファイルをサブスクライバ サーバからパブリッシャ サーバ(または設定されたサーバ)へ定期的に移動し、Cisco CDR Insert サービスは、設定された CDR データベースにレコードを挿入します。
(注) CDR Format エンタープライズ パラメータの値が「CDR will be kept in flat files」である場合、Cisco CDR Insert サービスはレコードを挿入しません。サービスが非活動である場合、Cisco CDR Insert によって CDR ファイルが削除されることはありません。
CDR の収集の有効化と設定を行うには、Cisco CallManager Administration 内でサービス パラメータおよびエンタープライズ パラメータを設定します。クラスタ内にある、レコードを生成する対象のそれぞれの Cisco CallManager に対して、CDR の収集を使用可能にする必要があります(「CDR に関連するサービス パラメータおよびエンタープライズ パラメータ」を参照)。
CDR に関連するサービス パラメータおよびエンタープライズ パラメータ
CDR には、次のサービス パラメータが適用されます。
• Max CDR Records:システム上の CDR の最大数を制御する Cisco Database Layer Monitor サービス パラメータ。この制限を超過すると、最も古い CDR から、関連した CMR レコードとともに 1 日 1 回自動的に削除されます。デフォルトは 150 万レコードです。
• CDR Enabled Flag:CDR を生成するかどうかを制御する Cisco CallManager サービス パラメータ。クラスタ内のそれぞれの Cisco CallManager に対して、このパラメータを設定します。変更内容を有効にするために、Cisco CallManager を再起動する必要はありません。
• CDR Log Calls With Zero Duration Flag:継続時間ゼロのコールを CDR に記録するかどうかを制御する Cisco CallManager サービス パラメータ。デフォルトは False(継続時間ゼロのコールを記録しない)です。
• Call Diagnostics Enabled:コールに関する QoS 情報を含むコール診断レコードを生成するかどうかを制御する Cisco CallManager サービス パラメータ。デフォルトは False(診断を生成しない)です。
CDR には、次のエンタープライズ パラメータが適用されます。
• CDR File Time Interval:CDR ファイルを書き込んだ時に、Cisco CallManager がその CDR ファイルを閉じ、次の CDR 開く前に、必要な時間を秒単位で指定するパラメータ。
• CDR Format:このファイルをデータベースに挿入するかどうかを決定するパラメータ。デフォルト値は Database です。
• CDR UNC Path:CDR ファイルのセントラル収集ポイント。値が空欄または不正確の場合は、Cisco Database Layer Monitor は CDR ファイルをプライマリ CDR サーバに移動することはありません。このパラメータは、インストーラが設定します。
• Cluster ID:このパラメータは、クラスタの固有の識別子です。このパラメータは CDR レコードで使用されるので、複数のクラスタからの CDR レコードの収集をソースにトレースできます。デフォルト値は StandAloneCluster です。
• Local CDR Path:Cisco CallManager が書き込むローカル CDR ファイルのディレクトリ。値が空または無効の場合、Cisco CallManager は CDR を書き込むことができません。
• Off Cluster CDR Connection String:このパラメータは、パブリッシャ上の CDR データベースに CDR を挿入しない場合に使用するオプションの DSN を指定します。このパラメータは、CDR データベース スキーマが一致する ODBC データベースを指す必要があります。DSN には、必要なユーザ情報とパスワード情報がすべて含まれている必要があります。ODBC データベースで Cisco CallManager インストレーション プロセスを実行する必要はありません。
CDR レコードの削除
Cisco CallManager アプリケーションは、CAR や他のサードパーティ製パッケージなどの後処理アプリケーションを使用して、CDR データを分析します。管理者は、すべての後処理アプリケーションによるデータ処理が完了したときに、CDR データを削除する必要があります。そのためにはデータベースの変更が必要なので、SQL ユーザ CiscoCCMCDR を使用してください。
CDR レコードが、設定された最大数(Max CDR Records サービス パラメータによって設定され、デフォルトは 150 万レコード)まで累積されると、最も古い CDR レコードから、関連した CMR レコードとともに 1 日 1 回削除されます。CAR を使用して、CDR レコードを削除できます。CAR を使用した手動でのレコード削除の詳細については、『 Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。分析後の CDR データを削除する際には、関連した CMR レコードもすべて必ず削除してください。
次の SQL コマンドを使用して CDR レコードを削除することもできます。
TRUNCATE TABLE CallDetailRecord
TRUNCATE TABLE CallDetailRecordDiagnostic
注意 SQL delete コマンドを使用して CDR を削除することはしないでください。SQL delete コマンドを使用すると、SQL サーバでの CPU 使用率が上昇し、SQL サーバのトランザクション ログがオーバーフローして、失敗します。
ヒント システムが大規模の場合は、日に一度か週に一度よりも頻繁に CDR レコードおよび CMR レコードを削除してください。レコードを削除するためのクエリーは、テーブルのサイズに比例した CPU 時間とトランザクション ログ スペースを消費します。テーブルが小さいほど、クエリーは高速になります。活動中のデータベースに対する大規模なクエリーは、コール処理に悪影響を及ぼす可能性があります。