割り込み、プライバシー、
および Privacy on Hold
割り込み機能、プライバシー機能、および Privacy on Hold 機能は相互に作用します。これらの機能は共通回線でだけ機能します。
割り込みは、進行中のコールにユーザを追加します。ソフトキーを押すと、ユーザ(発信側)が共通回線コール(発信先)に追加され、現在通話中のユーザがビープ音を受信します(設定されている場合)。割り込みは、組み込み Conference Bridge と共有 Conference Bridge をサポートしています。
管理者は、プライバシー機能と Privacy on Hold 機能を有効化または無効化することができます。Privacy on Hold 機能をアクティブにするには、そのデバイスのプライバシー機能を有効にする必要があります。ユーザは、プライバシー機能のオンとオフを切り替えます。
プライバシーが有効になっている場合、システムは回線を共有しているすべての電話機からコール情報を削除し、その他の共通回線がそのコールに割り込めないようにします。プライバシーが無効になっている場合、システムは共通回線表示を持つすべての電話機でコール情報を表示し、その他の共通回線がそのコールに割り込めるようにします。
Privacy on Hold 機能は、共通回線上でプライベート コールが保留されているときに、プライバシーを維持します。Privacy on Hold 機能が有効な場合、プライバシー機能が有効なときにブロックされた発信側の名前と電話番号は、コールの保留中にもブロックされたままになります。また、システムは、その他の共通回線が保留されたコールを再開できないようにします。Privacy on Hold 機能が無効で、プライベート コールが保留されている場合、システムは、共通回線表示を持つすべての電話機で発信側の名前と電話番号を表示し、その他の共通回線が保留されたコールを再開できるようにします。
Privacy on Hold 機能が有効な場合は、ユーザはコールが保留中でもプライバシー機能をオンに切り替えることで Privacy on Hold 機能をアクティブ化できます。同様に、コールの保留中にプライバシー機能をオフに切り替えることで、Privacy on Hold 機能を非アクティブ化することができます。Privacy on Hold 機能が無効な場合は、プライバシー機能のオン/オフを切り替えても保留されたコールには影響しません。
ある電話機でプライベート コールが保留されると同時に取得され、その後プライバシー機能がオフに切り替えられた場合、システムは共通回線表示を持つすべての電話機でコール情報を表示しますが、別の電話機が保留されたコールを再開したり、それに割り込んだりできないようにします。
管理者は、すべてのデバイスについてプライバシーを設定したり、またはデバイスごとにプライバシーを設定したりできます。管理者は、クラスタに対して Privacy on Hold 機能を設定します。
この章では、割り込みとプライバシーに関する次の情報について説明します。
• 「割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold の概要」
• 「割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold のシステム要件」
• 「インタラクションおよび制限事項」
• 「割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold のインストールとアクティブ化」
• 「割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold の設定」
• 「割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold 用のサービス パラメータの設定」
• 「割り込みとプライバシーのトラブルシューティング」
• 「その他の情報」
割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold の概要
次の各項で、割り込みとプライバシーについて説明します。
• 「割り込み」
• 「プライバシー」
• 「Privacy on Hold」
割り込み
割り込みを使用すると、共通回線上のリモートでアクティブなコールにユーザを追加できます。回線のリモートでアクティブなコールとは、その回線で電話番号を共有する別のデバイスとの間のアクティブな(接続された)コールのことです。割り込みは、この種のリモートで使用中のコールをサポートします。
電話機は次の 2 つの会議モードで割り込みをサポートします。
• 発信先デバイス(割り込まれる電話機)での組み込み Conference Bridge。このモードは[Barge(ワリコミ)]ソフトキーを使用します。
• 共有 Conference Bridge。このモードは[cBarge(C ワリコミ)]ソフトキーを使用します。
リモートで使用中のコール状態で[ワリコミ]ソフトキーまたは[C ワリコミ]ソフトキーを押すと、ユーザがコールに追加されてすべての参加者と通話できるようになり、参加者はすべて割り込みビープ音を受信します(設定されている場合)。割り込みが失敗した場合、元のコールとステータスはアクティブなままです。
使用可能な Conference Bridge(組み込みまたは共有)がない場合、割り込み要求は拒否され、割り込みの発信側のデバイスにメッセージが表示されます。
表8-1 に、組み込み Conference Bridge と共有 Conference Bridge での割り込みの違いを示します。
表8-1 組み込み Conference Bridge と共有 Conference Bridge の違い
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[ワリコミ]ソフトキーを使用(発信先デバイスでの組み込み Conference Bridge)
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[C ワリコミ]ソフトキーを使用(共有 Conference Bridge)
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標準ソフトキー テンプレートにこのソフトキーが含まれている。 |
はい |
いいえ |
割り込み設定中にメディアが中断される。 |
いいえ |
はい |
設定されている場合は、ユーザが割り込み設定音を受信する。 |
はい |
はい |
To Conference によって割り込みの発信側の電話機に名前として表示される内容。 |
ワリコミ |
ワリコミ |
To Conference によって発信先の電話機に名前として表示される内容。 |
To/From Other |
ワリコミ |
To Conference にその他発信先の電話機に名前として表示される内容。 |
To/From Target |
ワリコミ |
発信先デバイスでプロンプト ステータス メッセージの右側にらせん状の円が表示される。 |
はい |
いいえ |
ブリッジが、すでに割り込まれているコールへの第 2 の割り込み設定をサポートしている。 |
いいえ |
はい |
発信側がコールをリリースする。 |
2 人の元のユーザに対してメディアが中断されない。 |
ユーザが 2 人だけ残っている場合に共有 Conference Bridge をリリースして、残っている両ユーザをポイントツーポイント コールとして再接続するために、メディアが中断される。 |
発信先がコールをリリースする。 |
発信側を発信先にポイントツーポイント コールとして再接続するために、メディアが中断される。 |
ユーザが 2 人だけ残っている場合に共有 Conference Bridge をリリースして、残っている両ユーザをポイントツーポイント コールとして再接続するために、メディアが中断される。 |
もう一方のユーザがコールをリリースする。 |
3 人のユーザすべてがリリースされる。 |
ユーザが 2 人だけ残っている場合に共有 Conference Bridge をリリースして、残っている両ユーザをポイントツーポイント コールとして再接続するために、メディアが中断される。 |
発信先がコールを保留にし、直接転送、参加、またはコールパークを実行する。 |
発信側がリリースされる。 |
発信側ともう一方のユーザは接続されたままになる。 |
組み込み会議を使用した割り込み:[ワリコミ]ソフトキー
[ワリコミ]ソフトキーは、リモートで使用中のコール状態でだけ使用できます。組み込み Conference Bridge は、割り込みの設定時にメディアの中断や元のコールへの表示変更が起こらないので、便利です。発信先デバイスでは、プロンプト ステータス メッセージ ウィンドウの右側にらせん状の円が表示されます。
割り込みの発信側がコールをリリースすると、割り込みの発信側と発信先の間で割り込みコールがリリースされます。発信先デバイスともう一方のデバイスの間の元のコールはアクティブなままです。残っているすべてのユーザに対して割り込み切断トーン(ビープ音)が再生されます。
発信先デバイスがコールをリリースすると、割り込みの発信側ともう一方のデバイスの間のメディアが一時的に中断され、その後ポイントツーポイント コールとして再接続されます。接続されたデバイスを反映するため、割り込みの発信側のデバイスで表示が変更されます。
もう一方のデバイスがコールをリリースすると、元のコールと割り込みコールの両方がリリースされます。
割り込みの発信側がコールを保留にした場合、発信先デバイスともう一方のデバイスではコールが継続されます。
発信先デバイスがコールを保留または会議の状態にした場合やコールを転送した場合、割り込みの発信側は割り込みコールからリリースされ、元のコールは保留または会議の状態になるか、転送されます。発信先でメディアが再確立されると、割り込みの発信側はコールに再び割り込むことができます。
もう一方のユーザがコールを保留や会議の状態にした場合やコールを転送した場合は、発信先デバイスと割り込みの発信側の両方でコールが継続されます。
ネットワークや Cisco CallManager で障害が発生した場合、割り込みコールは(すべてのアクティブなコールと同様に)保持されます。
一部の Cisco IP Phone(モデル 7940 や 7960 など)には、割り込み使用される組み込み Conference Bridge 機能があります。
(注) Cisco IP Phone モデル 7940 および 7960 では、2 つのメディア ストリーム暗号化、つまり SRTP ストリームを同時にサポートすることはできません。この条件によって動作が不安定にならないよう、システムでは、デバイス セキュリティ モードが Encrypted に設定されたときは、Cisco IP Phone モデル 7940 および 7960 の組み込みブリッジを自動的に使用不可にします。詳細については、『Cisco CallManager セキュリティ ガイド』を参照してください。
次の設定によって、組み込み Conference Bridge が有効または無効になります。
• Cisco CallManager のクラスタ全体のサービス パラメータ Built-in Bridge Enable をオンまたはオフに設定することによって、組み込みブリッジを有効または無効にします。
• Phone Configuration ウィンドウで Built In Bridge ドロップダウン リスト ボックスを使用することにより(オン、オフ、またはデフォルトを選択)、各デバイスに対して組み込みブリッジを有効または無効にします。オンまたはオフに設定すると、Built-in Bridge Enable サービス パラメータが上書きされます。デフォルトを選択すると、サービス パラメータの設定が使用されます。
(注) 組み込みブリッジで割り込みを使用するには、前の項目が有効で、プライバシーが無効で、各デバイスに[ワリコミ]ソフトキーが割り当てられていることを確認します。使用しない場合は、共有 Conference Bridge を使用するため、各デバイスに[C ワリコミ]ソフトキーを割り当てます。
詳細については、「割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold の設定」を参照してください。
関連項目
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サーバ上のサービスに対するサービス パラメータの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco IP Phone の設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「ソフトキー テンプレートの設定」
共有会議を使用した割り込み:[C ワリコミ]ソフトキー
[C ワリコミ]ソフトキーは、リモートで使用中のコール状態でだけ使用できます。標準ソフトキー テンプレートには、[C ワリコミ]ソフトキーは含まれていません。[C ワリコミ]ソフトキーを使用するには、管理者がそれをソフトキー テンプレートに追加し、そのソフトキー テンプレートをデバイスに割り当てます。
[C ワリコミ]を押すと、共有 Conference Bridge が使用可能な場合はそれを使用して割り込みコールが設定されます。元のコールは分割され、Conference Bridge で結合されます。このため、一時的にメディアが中断されます。すべての参加者のコール情報が割り込みに変更されます。
割り込まれたコールは会議コールになり、割り込みの発信先デバイスが会議コントローラになります。これは、会議へのその他のユーザの追加やユーザの切断を実行できます。
いずれかのユーザがコールからリリースされ、会議にユーザが 2 人だけ残った場合、その 2 人のユーザは一時的に中断され、その後ポイントツーポイント コールとして再接続されます。この再接続によって、共有会議リソースがリリースされます。
詳細については、「割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold の設定」を参照してください。
関連項目
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「ソフトキー テンプレートの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco IP Phone の設定」
プライバシー
プライバシーを使用すると、同じ回線(電話番号)を共有する電話機のユーザのコール ステータス表示機能やコールへの割り込み機能を有効または無効にできます。管理者は、クラスタ内の各電話機またはすべての電話機でプライバシーを有効または無効にできます。
デフォルトでは、クラスタ内のすべての電話機でプライバシーが有効になっています。すべての電話機でプライバシーを有効にするには、クラスタ全体のサービス パラメータを True に設定し、電話機のプライバシー設定をデフォルトに設定します。
特定の電話機にプライバシーへのアクセスを設定するには、管理者は次の手順を実行して、プライバシーを有効または無効にします。
• サービス パラメータを設定します。
• 電話機のプライバシー設定を On に設定します。
• 電話機ボタン テンプレートに Privacy ボタンを追加します。
• Privacy ボタンのある電話機ボタン テンプレートを各デバイスに追加します。
プライバシー用に設定したデバイスを Cisco CallManager に登録すると、プライバシーを有効にして設定された電話機の機能ボタンにラベルが付けられ、そのステータスがアイコンで示されます。ボタンにランプがある場合は、点灯します。
電話機が着信コールを受信すると、ユーザは Privacy 機能ボタンを押してそのコールをプライベートにします(したがって、共通回線にコール情報は表示されません)。Privacy 機能ボタンはオンとオフを切り替えることができます。
(注) BargeEnabled パラメータを含む Cisco CallManager データベースが
Cisco CallManager Release 3.3 から Release 4.0 以降にアップグレードされた場合、システムはプライバシー設定を BargeEnabled 設定と反対にします。
関連項目
• 「プラバシーおよび Privacy on Hold の設定チェックリスト」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サーバ上のサービスに対するサービス パラメータの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「電話ボタン テンプレートの追加」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco IP Phone の設定」
Privacy on Hold
Privacy on Hold 機能を使用すると、同じ回線(電話番号)を共有する電話機のユーザのコール ステータス表示機能や保留中のコールの取得機能を有効または無効にできます。
管理者は、クラスタ内のすべての電話機について Privacy on Hold を有効または無効にできます。Privacy on Hold を有効にするには、管理者は該当する電話機またはすべての電話機のプライバシー機能も有効にする必要があります。Privacy on Hold が有効な場合は、すべてのプライベート コールで Privacy on Hold が自動的にアクティブになります。
デフォルトでは、クラスタ内のすべての電話機で Privacy on Hold は無効になっています。すべての電話機で Privacy on Hold を有効にするには、クラスタ全体の Privacy サービス パラメータを True に、クラスタ全体の Enforce Privacy Setting on Held Calls サービス パラメータを True に設定し、電話機のプライバシー設定をデフォルトのままにします。
特定の電話機に Privacy on Hold へのアクセスを設定するには、次のように、管理者は Enforce Privacy Setting on Held Calls サービス パラメータを True に設定し、さらに電話機のプライバシー設定を True に設定します。
• Enforce Privacy Setting on Held Calls サービス パラメータを True に設定します。
• Privacy サービス パラメータを設定します。
• 電話機のプライバシー設定を On に設定します。
• 電話機ボタン テンプレートに Privacy ボタンを追加します。
• Privacy ボタンのある電話機ボタン テンプレートを各デバイスに追加します。
Privacy on Hold をアクティブにするには、プライベート コール中に[ホリュウ]ソフトキーを押します。コールに戻るには、[フッキ]ソフトキーを押します。コールを保留している電話機は保留されたコールのステータス インジケータを表示します。また、共通回線はプライベート コールと保留されたコールのステータス インジケータを表示します。
関連項目
• 「プラバシーおよび Privacy on Hold の設定チェックリスト」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サーバ上のサービスに対するサービス パラメータの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「電話ボタン テンプレートの追加」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco IP Phone の設定」
割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold のシステム要件
割り込みとプライバシーが動作するには、次のソフトウェア コンポーネントが必要です。
• Cisco CallManager 4.0 以降
Privacy on Hold が動作するには、次のソフトウェア コンポーネントが必要です。
• Cisco CallManager 4.2 以降
次の電話機は、Cisco CallManager ソフトキー テンプレートの[ワリコミ]ソフトキーまたは[Cワリコミ]ソフトキーによる割り込みをサポートしています。
• Cisco IP Phone モデル 7905、7912、7920、7940、7960、7970
(注) Cisco IP Phone モデル 7905 および 7912 は、C 割り込みだけをサポートしています。
次の電話機は、電話機ボタン テンプレートの Privacy ボタンによるプライバシーをサポートしています。
• Cisco IP Phone モデル 7905、7912、7940、7960、7970
次の電話機は、組み込み Conference Bridge 機能をサポートしています。
• Cisco IP Phone モデル 7940、7960、7970
(注) 電話機が Privacy ボタンをサポートしていない場合、デフォルトでは、その電話機のプライバシーは Off のままです(その電話機と回線を共有するすべてのデバイスが電話情報を表示します)。
インタラクションおよび制限事項
次の項では、割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold におけるインタラクションと制限事項について説明します。
• 「インタラクション」
• 「制限事項」
割り込みと C 割り込み
シスコは、[ワリコミ]ソフトキーまたは[C ワリコミ]ソフトキーのいずれかをソフトキー テンプレートに割り当てることをお勧めします。各デバイスにこれらのソフトキーのいずれかだけを割り当てることにより、ユーザの混乱を避け、パフォーマンスの問題が発生する可能性を防ぎます。
Cisco CallManager Release 4.0 以降へのアップグレード
BargeEnabled パラメータを含む Cisco CallManager データベースが
Cisco CallManager Release 3.3 から Release 4.0 以降にアップグレードされた場合、システムはプライバシー設定を BargeEnabled 設定と反対にします。
割り込みとコールパーク
発信先がコールをパークした場合は、割り込みの発信側がリリースされるか(組み込みブリッジを使用している場合)、割り込みの発信側ともう一方のデバイスが接続されたままになります(共有会議を使用している場合)。
割り込みと参加
発信先がコールを別のコールと結合した場合は、割り込みの発信側がリリースされるか(組み込みブリッジを使用している場合)、割り込みの発信側ともう一方のデバイスが接続されたままになります(共有会議を使用している場合)。
制限事項
割り込みには、次の制限事項があります。
• パフォーマンスを強化するには、組み込みブリッジを無効にするか、共通回線表示を持たないデバイスや割り込みを使用しないデバイスでプライバシーをオンにします。
• CTI は、TAPI/JTAPI アプリケーションが呼び出す API を介した割り込みをサポートしていません。CTI は、[ワリコミ]ソフトキーまたは[C ワリコミ]ソフトキーを使用して IP Phone から割り込みが手動で呼び出された場合に、割り込みのイベントを生成します。
• シスコは、割り込みが設定されたユーザに対しては C 割り込みを設定しないことをお勧めします。各ユーザに対して選択する割り込みメソッドは 1 つだけにしてください。
• 元のコールには G.711 コーデックが必要です。G.711 を使用できない場合は、代わりに C 割り込みを使用します。
• [ワリコミ]ソフトキーを含むソフトキー テンプレートは、すべての IP Phone に割り当てることができます。ただし、割り込み機能をサポートしていない IP Phone モデルもあります(Cisco IP Phone モデル 7905 およびモデル 7912 は、C 割り込みだけをサポート)。
• 割り込みに使用されている Cisco IP Phone 7970 に暗号化機能が設定されていないと、Cisco IP Phone 7970 ユーザは暗号化されたコールに割り込むことができません。このケースで割り込みが失敗すると、ユーザが割り込みを行った電話機でビジー音が再生されます。
発信側の電話機に暗号化機能が設定されている場合、割り込み発信側は暗号化された電話機からの認証されたコールまたはノンセキュア コールに割り込むことができます。割り込みが行われた後で、Cisco CallManager はコールをノンセキュアに分類します。
発信側の電話機に暗号化機能が設定されている場合、割り込みの発信側は暗号化されたコールに割り込むことができ、電話機にはコール状態が暗号化であることが示されます。
割り込みに使用された電話機がノンセキュアである場合でも、ユーザは認証されたコールに割り込むことができます。発信側の電話機がセキュリティをサポートしていない場合でも、認証アイコンはコール内の認証されたデバイス上に継続して表示されます。
ヒント 割り込み機能が必要な場合は C 割り込みを設定できます。ただし、Cisco CallManager は自動的にコールをノンセキュアに分類します。
• Cisco IP Phone モデル 7960 および 7940 に暗号化機能を設定した場合、暗号化されたこれらのデバイスでは、暗号化されたコールに参加するときに割り込み要求を受け入れることができません。コールが暗号化されている場合、割り込みは失敗します。電話機では、割り込みが失敗したことを示すトーンが再生されます。
次の設定を試みると、Cisco CallManager Administration にメッセージが表示されます。
–Phone Configuration ウィンドウで、Device Security Mode に Encrypted を選択し(システム デフォルトは Encrypted)、Built In Bridge 設定に On を設定し(デフォルト設定は On)、この特定の設定を作成した後で Insert または Update をクリックする。
–Enterprise Parameter ウィンドウで、Device Security Mode パラメータを更新する。
–Service Parameter ウィンドウで、Built In Bridge Enable パラメータを更新する。
プライバシーには、次の制限事項があります。
• パフォーマンスを強化するには、組み込みブリッジを無効にするか、共通回線表示を持たないデバイスや割り込みを使用しないデバイスでプライバシーをオンにします。
• CTI は、TAPI/JTAPI アプリケーションが呼び出す API を介したプライバシーをサポートしていません。CTI は、Privacy 機能ボタンを使用して IP Phone からプライバシーが有効または無効にされた場合に、イベントを生成します。
組み込み Conference Bridge には次の制限事項が適用されます。
• パフォーマンスを強化するには、組み込みブリッジを無効にするか、共通回線表示を持たないデバイスや割り込みを使用しないデバイスでプライバシーをオンにします。
• 発信側はコールのパークやコールの転送を実行できません。また、CTI/JTAPI/TSP インターフェイスを介した機能も使用できません。システムがサポートするのは保留と保留解除だけです。
Privacy on Hold には、次の制限事項があります。
• CTI は、TAPI/JTAPI アプリケーションが呼び出す API を介した Privacy on Hold をサポートしていません。CTI は、プライバシーが有効なコールが保留され、Privacy 機能ボタンを使用して IP Phone から保留されたコールのプライバシーが有効または無効にされた場合に、イベントを生成します。
割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold のインストールとアクティブ化
割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold の各システム機能は、Cisco CallManager ソフトウェアに標準で備わっています。管理者は、システムで使用可能にするため、インストール後にこれらの機能をアクティブにします。次の各項では、これらの機能のアクティブ化について説明します。
• 「組み込み Conference Bridge での割り込みのアクティブ化」
• 「共有 Conference Bridge での C 割り込みのアクティブ化」
• 「プライバシーのアクティブ化」
• 「Privacy on Hold のアクティブ化」
組み込み Conference Bridge での割り込みのアクティブ化
組み込み Conference Bridge で割り込みをアクティブにするには、ソフトキー テンプレートに[ワリコミ]ソフトキーを追加し、ソフトキー テンプレートをデバイスに割り当て、Built-in Bridge Enable サービス パラメータを On に設定し、Party Entrance Tone を True に設定します。詳細については、「割り込み設定チェックリスト」を参照してください。
(注) すべてのユーザに対して組み込み Conference Bridge で割り込みを設定するには、Built-in Bridge Enable サービス パラメータを On に設定します。個々のユーザに対して組み込み Conference Bridge で割り込みを設定するには、Phone Configuration ウィンドウで Built in Bridge フィールドを On に設定します。
共有 Conference Bridge での C 割り込みのアクティブ化
共有 Conference Bridge で割り込みをアクティブにするには、ソフトキー テンプレートに[C ワリコミ]ソフトキーを追加し、ソフトキー テンプレートをデバイスに割り当て、Party Entrance Tone を True に設定します。詳細については、「割り込み設定チェックリスト」を参照してください。
プライバシーのアクティブ化
Privacy Setting サービス パラメータが True に設定され、電話機のプライバシー設定がデフォルトの設定になっている場合、システムは自動的に Cisco CallManager クラスタのプライバシーをアクティブにします。また、管理者は、電話機ボタン テンプレートにプライバシーを追加し、電話機ボタン テンプレートをデバイスに割り当てる必要があります。詳細については、「プラバシーおよび Privacy on Hold の設定チェックリスト」を参照してください。
Privacy on Hold のアクティブ化
Enforce Privacy Setting on Held Calls サービス パラメータが True に設定され、電話機にプライバシー機能が設定されている場合、システムは Cisco CallManager クラスタ内の Privacy on Hold を自動的にアクティブにします。詳細については、「プラバシーおよび Privacy on Hold の設定チェックリスト」を参照してください。
割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold の設定
この項の内容は次のとおりです。
• 「割り込み設定チェックリスト」
• 「プラバシーおよび Privacy on Hold の設定チェックリスト」
• 「割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold 用のサービス パラメータの設定」
割り込み設定チェックリスト
表8-2 に、組み込み Conference Bridge で割り込みを設定する際のチェックリストを示します。
表8-2 組み込み Conference Bridge での割り込みの設定チェックリスト
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ステップ 1 |
組み込み Conference Bridge を使用して割り込みにアクセスする各デバイスに Standard User または Standard Feature ソフトキー テンプレート(どちらにも[ワリコミ]ソフトキーが含まれています)を割り当てます。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco IP Phone の設定」 |
ステップ 2 |
次のオプションの Cisco CallManager サービス パラメータを設定します。 • すべてのユーザに対して割り込みを有効にするには、クラスタ全体のサービス パラメータ Built-In Bridge Enable を On に設定します。
(注) このパラメータを Off に設定する場合は、Phone Configuration で Built in Bridge フィールドを設定することにより、各電話機に対して割り込みを設定します。
• クラスタ全体のサービス パラメータ Party Entrance Tone を True に設定します(ビープ音のために必要です)。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サーバ上のサービスに対するサービス パラメータの設定」 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco IP Phone の設定」 |
ステップ 3 |
[ユーザの設定]ウィンドウで、組み込み Conference Bridge 機能で割り込みにアクセスできる各ユーザに対し、[ワリコミ]ソフトキー テンプレートが割り当てられたデバイスを関連付けます。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「新規ユーザの追加」 |
ステップ 4 |
割り込み機能が使用可能であることをユーザに通知します。 |
ユーザが Cisco IP Phone で割り込みにアクセスする方法については、電話機のマニュアルを参照してください。 |
表8-3 に、共有 Conference Bridge で割り込みを設定するためのチェックリストを示します。
表8-3 共有 Conference Bridge(C 割り込み)での割り込みの設定チェックリスト
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ステップ 1 |
共有 Conference Bridge を使用して割り込みにアクセスする各デバイスに Standard User または Standard Feature ソフトキー テンプレート(いずれかのテンプレートに C 割り込みを設定します)を割り当てます。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco IP Phone の設定」 |
ステップ 2 |
オプションのクラスタ全体のサービス パラメータ Party Entrance Tone を True に設定します(ビープ音のために必要です)。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サーバ上のサービスに対するサービス パラメータの設定」 |
ステップ 3 |
[ユーザの設定]ウィンドウで、共有 Conference Bridge 機能で C 割り込みにアクセスできる各ユーザに対し、[C ワリコミ]ソフトキー テンプレートが割り当てられたデバイスを関連付けます。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「新規ユーザの追加」 |
ステップ 4 |
C 割り込み機能が使用可能であることをユーザに通知します。 |
ユーザが Cisco IP Phone で C 割り込みにアクセスする方法については、電話機のマニュアルを参照してください。 |
プラバシーおよび Privacy on Hold の設定チェックリスト
表8-4 に、プライバシーを設定するためのチェックリストを示します。
表8-4 プライバシー設定チェックリスト
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ステップ 1 |
クラスタ内のすべての電話機でプライバシーへのアクセスが必要な場合は、クラスタ全体のサービス パラメータ Privacy Setting を True(デフォルト)のままにし、Phone Configuration ウィンドウの Privacy フィールドをデフォルトのままにします。引き続き、次の手順を実行します。 クラスタ内の特定の電話機だけでプライバシーへのアクセスが必要な場合は、Privacy Setting サービス パラメータを False に設定し、Phone Configuration ウィンドウの Privacy フィールドを On に設定します。引き続き、次の手順を実行します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サーバ上のサービスに対するサービス パラメータの設定」 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco IP Phone の設定」 |
ステップ 2 |
プライバシーのある電話機ボタン テンプレートごとに、機能ボタンのいずれかにプライバシーを追加します(電話機モデルの中には、Private ボタンを使用するものもあります)。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「電話ボタン テンプレートの設定」 |
ステップ 3 |
プライバシーが必要な電話機ユーザごとに、Privacy 機能ボタンを含む電話機ボタン テンプレートを選択します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco IP Phone の設定」 |
ステップ 4 |
[ユーザの設定]ウィンドウで、共通回線表示に関する情報を表示しないユーザごとに、Privacy 機能ボタンが割り当てられたデバイスを関連付けます。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「新規ユーザの追加」 |
ステップ 5 |
オプションの Privacy on Hold 機能を設定するには、Enforce Privacy Setting on Held Calls サービス パラメータを True に設定します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サーバ上のサービスに対するサービス パラメータの設定」 |
ステップ 6 |
プライバシー機能と Privacy on Hold 機能(設定されている場合)が使用可能であることをユーザに通知します。 |
ユーザが Cisco IP Phone でプライバシーにアクセスする方法については、電話機のマニュアルを参照してください。 |
割り込み、プライバシー、および Privacy on Hold 用のサービス パラメータの設定
Cisco CallManager にはクラスタ全体のサービス パラメータが 4 つあります。組み込み Conference Bridge 機能用の Built In Bridge Enable、プライバシー機能用の Privacy Setting、Privacy on Hold 機能用の Enforce Privacy Setting on Held Calls、割り込み中に再生されるビープ音用の Party Entrance Tone です。
• Built In Bridge Enable:デフォルトでは Off に設定されています。このパラメータは、[ワリコミ]ソフトキーを使用する電話機で組み込み Conference Bridge 機能を有効または無効にします。このパラメータは、Cisco CallManager サービスと割り込みが設定されたクラスタ内の各サーバに対して設定します。Phone Configuration で Built in Bridge が On に設定された場合、サービス パラメータ設定は上書きされます。
• Privacy Setting:デフォルトでは True に設定されています。このパラメータは、共通回線表示に関する情報を表示しない電話機ユーザに対してプライバシー機能を有効または無効にします。このパラメータは、Cisco CallManager サービスとプライバシーが設定されたクラス内の各サーバに対して設定します。特定の電話機だけでプライバシー機能が必要な場合は、このサービス パラメータを False に設定し、Phone Configuration の Privacy フィールドを On に設定します。
Phone Configuration ウィンドウの Privacy フィールドがデフォルトに設定されている場合、電話機は Privacy Setting サービス パラメータの設定を使用します。
• Enforce Privacy Setting on Held Calls:デフォルトは False に設定されています。このパラメータは、保留されたコールのプライバシーを維持したい電話機ユーザに対して、Privacy on Hold 機能を有効または無効にします。このパラメータは、Cisco CallManager サービスとプライバシーが設定されたクラス内の各サーバに対して設定します。
• Party Entrance Tone:デフォルトでは False に設定されています。このパラメータは、割り込み中に再生されるビープ音を有効または無効にします。このパラメータは、Cisco CallManager サービスと割り込み(ビープ音付き)が設定されたクラス内の各サーバに対して設定します。
その他の情報
関連項目
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「電話ボタン テンプレートの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco IP Phone の設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「ソフトキー テンプレートの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「新規ユーザの追加」
• 『 Cisco CallManager システム ガイド 』の「Cisco IP Phone」
その他のシスコ マニュアル
• Cisco IP Phone administration documentation for Cisco CallManager
• Cisco IP Phone のユーザ資料とリリース ノート
• Cisco CallManager セキュリティ ガイド