Cisco CallManager 機能およびサービス ガイド Release 4.2(1)

• 「ディレクテッドコールパークのトラブルシューティング」

• 「その他の情報」

ディレクテッドコールパークの概要

Cisco CallManager では、各ディレクテッドコールパーク番号に、コールを 1 つだけパークすることができます。パークされたコールを取得するには、設定された取得プレフィックスに続けて、コールがパークされているディレクテッドコールパーク番号をダイヤルする必要があります。取得プレフィックスは、Directed Call Park Configuration ウィンドウで設定します。

ディレクテッドコールパーク機能の使用

次の例は、ディレクテッドコールパーク機能の使用方法を示しています。

例 1

ステップ 1 ユーザ A1 と A2 が接続されています。

ステップ 2 コールをパークするために、A1 が［テンソウ］ソフトキー（または、使用可能な場合は転送ボタン）を押してディレクテッドコールパーク番号 80（例）をダイヤルするか、またはディレクテッドコールパーク 80 の BLF ボタンを押します（電話機モデルが BLF ボタンをサポートしている場合）。

ステップ 3 A1 が、［テンソウ］ソフトキー（または転送ボタン）をもう一度押すか、またはオンフックになると、ディレクテッドコールパークの転送が完了します。この操作によって、A2 はディレクテッドコールパーク番号 80 にパークされます。

（注） Transfer On-hook Enabled サービスパラメータが True に設定されている場合は、［テンソウ］ソフトキー（または転送ボタン）の 2 回目の押下では転送は完了せず、オンフックになったときにだけ転送が完了します。『Cisco CallManager システムガイド』の「オンフックコール転送」を参照してください。

ステップ 4 ユーザ B1 は、パーティションとコーリングサーチスペースが正しく設定されている電話機から、ディレクテッドコールパークプレフィックス（たとえば、21）に続けてディレクテッドコールパーク番号 80 をダイヤルして、コールを取得します。B1 は A2 に接続します。

例 2

ステップ 1 ユーザ A1 と A2 が接続されています。

ステップ 4 Call Park Reversion Timer（サービスパラメータ）が期限切れになるまで、コールは取得されません。

ステップ 5 A2 はコールがパークされている番号に戻るか（Cisco CallManager 管理者がディレクテッドコールパーク番号の復帰オプションとして Use Originator を設定している場合）、または別の電話番号に戻ります（Cisco CallManager 管理者がディレクテッドコールパーク番号の復帰オプションとして Use Specified Number を設定している場合）。

ディレクテッドコールパークのシステム要件

ディレクテッドコールパークが動作するには、次のソフトウェアコンポーネントが必要です。

• Cisco CallManager 4.2 以降

ディレクテッドコールパーク番号を使用して、Cisco IP Phone モデル 7905、7912、7920、7940、7960、および 7970 といった転送を実行できる電話機から、コールをパークおよび取得できます。Cisco VG248 Analog Phone Gateway もディレクテッドコールパークをサポートしています。

次の電話機は、ディレクテッドコールパーク Busy Lamp Field（BLF）を使用して、ディレクテッドコールパーク番号のビジー/アイドルステータスを監視できます。

• Cisco IP Phone モデル 7940 および Cisco IP Phone モデル7941

• Cisco IP Phone モデル 7960 および Cisco IP Phone モデル 7961

• Cisco IP Phone モデル 7970 および Cisco IP Phone モデル 7971

• Cisco IP Phone 拡張モジュール 7914

インタラクションおよび制限事項

次の項では、ディレクテッドコールパークにおけるインタラクションおよび制限事項について説明します。

• 「インタラクション」

• 「制限事項」

インタラクション

次の各項では、ディレクテッドコールパークが Cisco CallManager アプリケーションおよびコール処理とどのように通信するかを説明します。

• 「Attendant Console」

• 「Music On Hold」

• 「ルートプランレポート」

• 「コーリングサーチスペースとパーティション」

• 「即時転送」

• 「割り込み」

• 「コールパーク」

Attendant Console

Cisco CallManager Administration の［ユーザの設定］ウィンドウには、コールパークの場合とは異なり、ディレクテッドコールパークに関する設定やアクティベーションは含まれていません。ディレクテッドコールパークとアテンダントコンソールの詳細については、「制限事項」を参照してください。

Music On Hold

• ユーザ保留：ユーザが保留ボタンまたは［Hold（ホリュウ）］ソフトキーを押すと、システムによってこのタイプの保留が呼び出されます。

• ネットワーク保留：ユーザが転送、会議、またはコールパーク機能をアクティブにすると、このタイプの保留が自動的に呼び出されます。ディレクテッドコールパークが転送機能であるため、この保留タイプはディレクテッドコールパークに適用されます。

ルートプランレポート

ルートプランレポートには、Cisco CallManager で設定されているパターンと電話番号が示されます。ディレクテッドコールパークに電話番号を割り当てる前に、ルートプランレポートを使用して、パターンと電話番号の重複を検索します。『 Cisco CallManager アドミニストレーションガイド 』の「ルートプランレポート」の章を参照してください。

コーリングサーチスペースとパーティション

デバイスのコーリングサーチスペースに基づいてユーザによるディレクテッドコールパークへのアクセスを制限するには、ディレクテッドコールパーク電話番号または範囲をパーティションに割り当てます。『 Cisco CallManager アドミニストレーションガイド 』の「コール検索スペースの設定」および「パーティションの設定」を参照してください。

即時転送

割り込み

次に、ディレクテッドコールパークでの割り込みと C 割り込みの違いについて説明します。

ディレクテッドコールパークでの割り込み

発信先の電話機（割り込み先の電話機）がコールを制御します。割り込みの発信側は発信先の電話機に「ピギーバッキング」します。割り込み中でも、共通機能のほとんどが発信先の電話機に属しているので、割り込みの発信側は機能を利用できません。発信先がディレクテッドコールパークを使用してコールをパークした場合、割り込みの発信側はそのコール（割り込み）をリリースする必要があります。

ディレクテッドコールパークでの C 割り込み

コールパーク

ディレクテッドコールパーク機能を使用してパークされている発信者（パーキー）は、パークされている間は、標準のコールパーク機能を使用できません。

制限事項

ディレクテッドコールパークには、次の制限事項があります。

• Cisco CallManager では、各ディレクテッドコールパーク番号に、コールを 1 つだけパークすることができます。

• 各ディレクテッドコールパーク電話番号、パーティション、および範囲が Cisco CallManager クラスタ内で固有であることを確認してください。［パーク］ソフトキーもアクティブになっている場合（非推奨）は、コールパーク番号とディレクテッドコールパーク番号が重複していないことを確認してください。

• ディレクテッドコールパーク機能を使用してパークされている発信者（パーキー）は、パークされている間は、標準のコールパーク機能を使用できません。

• ディレクテッドコールパーク BLF は、ディレクテッドコールパーク番号の範囲を監視できません。ユーザは、ディレクテッドコールパーク BLF を使用して、ディレクテッドコールパーク番号を個別でのみ監視できます。たとえば、ディレクテッドコールパーク番号範囲 8X を設定している場合は、ディレクテッドコールパーク BLF を使用して 80 ～ 89 の範囲全体を監視することはできません。

• アテンダントコンソールのアテンダントは、ディレクテッドコールパーク番号にコールを送信するために、打診転送ボタンを使用する必要があります。転送ボタンを使用した場合は、復帰タイマーが期限切れになっても、システムはコールをアテンダントに戻すことができず、発信者にはリオーダー音が聞こえます。

• デバイスに監視対象として設定されている（BLF ボタンを使用して）ディレクテッドコールパーク番号は削除できません。メッセージには、ディレクテッドコールパーク番号または範囲が使用中のため削除できないことが示されます。どのデバイスが番号を使用中であるかを特定するには、Directed Call Park Configuration ウィンドウの Dependency Records リンクをクリックします。

設定の詳細については、「ディレクテッドコールパーク番号の追加」を参照してください。

ディレクテッドコールパークのインストールとアクティブ化

システム機能のディレクテッドコールパークは、Cisco CallManager ソフトウェアに標準で備わっています。転送を実行できる電話機はすべて、ディレクテッドコールパークを使用できます。この機能は、特にインストールする必要はありません。シスコでは、コールパークまたはディレクテッドコールパークの両方ではなくどちらか一方を設定することを推奨しています。両方を設定する場合は、ディレクテッドコールパーク番号とコールパーク番号が重複しないようにしてください。

ディレクテッドコールパークの設定

この項の内容は次のとおりです。

• 「ディレクテッドコールパークの設定チェックリスト」

• 「ディレクテッドコールパークのサービスパラメータの設定」

ディレクテッドコールパークの設定チェックリスト

表9-4 に、ディレクテッドコールパークを設定する際のチェックリストを示します。

表9-4 ディレクテッドコールパークの設定チェックリスト
設定手順		関連手順と関連項目
ステップ 1	コーリングサーチスペース内にパーティションを持つユーザだけがパーティションを使用できるように、ディレクテッドコールパーク番号のパーティションを設定します。パークされたコールを正常に取得するには、コールの取得元となるコーリングサーチスペースにディレクテッドコールパーク番号を持つパーティションが含まれている必要があります。	『 Cisco CallManager アドミニストレーションガイド』の「パーティションの追加」『 Cisco CallManager アドミニストレーションガイド』の「Media Termination Point の設定」『 Cisco CallManager アドミニストレーションガイド』の「コール検索スペースの設定」
ステップ 2	固有のディレクテッドコールパーク番号を設定するか、ディレクテッドコールパーク番号の範囲を定義します。範囲は、ワイルドカードを使用して指定する必要があります。たとえば、範囲 40XX を指定すると、4000 ～ 4099 の範囲が設定されます。注意範囲の入力時には、ダッシュは使用しないでください（4000-4040 など）。（注）ディレクテッドコールパーク BLF を使用して、ディレクテッドコールパーク番号を個別でのみ監視できます。番号の範囲を設定した場合は、BLF は範囲内の番号のビジー/アイドルステータスの監視はサポートしていません。	「ディレクテッドコールパーク番号の追加」
ステップ 3	ディレクテッドコールパークにアクセスできる各デバイスに Standard User ソフトキーテンプレートを割り当てます。ソフトキーを使用できない電話機に対しては、転送ボタンのある電話機ボタンテンプレートが自動的に設定されます。	『 Cisco CallManager アドミニストレーションガイド』の「ソフトキーテンプレートの設定」
ステップ 4	ディレクテッドコールパーク BLF をサポートする電話機モデルの場合は、1 つ以上の Call Park BLF ボタンを含む電話機ボタンテンプレートを設定し、さらにディレクテッドコールパーク BLF 設定項目を設定します。	『 Cisco CallManager システムガイド』の「電話ボタンテンプレートのカスタマイズのガイドライン」『 Cisco CallManager アドミニストレーションガイド』の「ディレクテッドコールパークの Busy Lamp Field の設定」
ステップ 5	ディレクテッドコールパーク機能が使用可能であることをユーザに通知します。	ユーザが Cisco IP Phone でディレクテッドコールパーク機能にアクセスする方法については、電話機のマニュアルを参照してください。

ディレクテッドコールパークのサービスパラメータの設定

クラスタ全体のサービスパラメータである Call Park Reversion Timer は、ディレクテッドコールパークに影響します。このパラメータは、コールのパーク状態を継続する時間を指定します。デフォルトは 60 秒です。タイマーが期限切れになると、Directed Call Park Configuration ウィンドウでの設定内容に応じて、パークされたコールは、コールをパークしたデバイスか別の指定された番号のどちらかに戻されます。

ディレクテッドコールパーク番号の検索

ネットワーク上には、複数のディレクテッドコールパーク番号が存在する可能性があるため、Cisco CallManager は特定の条件に基づいて、特定のディレクテッドコールパーク番号を検索します。ディレクテッドコールパーク番号を検索するには、次の手順を実行します。

（注）ブラウザセッションでの作業中、Cisco CallManager Administration は、ディレクテッドコールパーク番号の検索プリファレンスを保持します。ほかのメニュー項目に移動してこのメニュー項目に戻った場合、検索を変更するかブラウザを閉じない限り、Cisco CallManager Administration によってディレクテッドコールパーク番号の検索プリファレンスが保持されます。

手順

ステップ 1 Feature > Directed Call Park を選択します。

Find and List Directed Call Park Numbers ウィンドウが表示されます。2 つのドロップダウンリストボックスを使用して、ディレクテッドコールパーク番号を検索します。

ステップ 2 1 つめの Find Directed Call Park Numbers where ドロップダウンリストボックスから、次の条件のうち 1 つを選択します。

• Number

• Partition

• Reversion Number

• Description

（注）このドロップダウンリストボックスで選択した基準によって、検索で生成されるディレクテッドコールパーク番号のリストのソート方法が決まります。たとえば、Partition を選択すると、結果リストの左のカラムに Partition カラムが表示されます。

2 つめの Find Directed Call Park Numbers where ドロップダウンリストボックスから、次の条件のうち 1 つを選択します。

• begins with

• contains

• ends with

• is exactly

ステップ 3 必要に応じて適切な検索文字を入力して、 Find をクリックします。また、ページごとに表示する項目の件数を指定できます。

ヒント データベースに登録されているすべてのディレクテッドコールパーク番号を検索するには、検索文字を入力せずに ［検索］をクリックします。

検出されたディレクテッドコールパーク番号のリストが次の項目で表示されます。

• Directed Call Park Number icon

• Directed Call Park Number

• Partiton

• Description

• Reversion Number

• Retrieval Prefix

（注）ディレクテッドコールパーク番号の横にあるチェックボックスをオンにして［選択項目の削除］をクリックすることによって、Find and List Directed Call Park Numbers ウィンドウから複数のディレクテッドコールパーク番号を削除できます。ウィンドウに表示されたすべてのディレクテッドコールパーク番号を削除するには、Matching records タイトルバーのチェックボックスをオンにして、［選択項目の削除］をクリックします。

ステップ 4 レコードのリストから、検索基準に一致する Directed Call Park Number アイコンまたはディレクテッドコールパーク番号、関連付けられたパーティション、復帰番号、または取得用プレフィックスをクリックします。

選択したディレクテッドコールパーク番号がウィンドウに表示されます。

関連項目

ディレクテッドコールパーク番号の追加

この項では、1 つのディレクテッドコールパーク番号またはディレクテッドコールパーク番号の範囲を追加する方法について説明します。

手順

ステップ 1 Feature > Directed Call Park を選択します。

ステップ 2 ウィンドウの右上隅にある Add a New Directed Call Park Number リンクをクリックします。

Call Park Number Configuration ウィンドウが表示されます。

ステップ 3 適切な設定値を入力します（表9-5 を参照）。

ステップ 4 新規ディレクテッドコールパーク番号をデータベースに保存するには、 ［挿入］ をクリックします。

関連項目

ディレクテッドコールパーク番号の更新

この項では、1 つのディレクテッドコールパーク内線番号またはディレクテッドコールパーク内線番号の範囲を更新する方法について説明します。

手順

ステップ 1 「ディレクテッドコールパーク番号の検索」の手順を実行して、ディレクテッドコールパーク番号またはディレクテッドコールパーク番号の範囲を検索します。

ステップ 2 更新するディレクテッドコールパーク番号またはディレクテッドコールパーク番号の範囲をクリックします。

ステップ 3 該当する設定値を更新します（表9-5 を参照）。

ステップ 4 変更をデータベースに保存するには、 Update をクリックします。

（注）ディレクテッドコールパーク番号を更新するとすぐに、Cisco CallManager はその番号でパークされているコールをすべて戻します。これは、ディレクテッドコールパーク番号を更新すると、実際には、Cisco CallManager が古い情報を削除してから新しい情報を追加するために発生します。古い情報が削除された時点で、その番号にパークされていたコールを引き続きパークしたり、通常の方法で取得したりできなくなるため、必然的にコールは戻されます。

（注）ディレクテッドコールパーク番号またはディレクテッドコールパーク番号の範囲が変更されたときは必ず、BLF を使用してそれらのディレクテッドコールパーク番号を監視するように設定されているデバイスが再起動し、表示を適正にします。ディレクテッドコールパーク番号の変更が検出されると、影響を受けるデバイスは変更通知によって自動的に再起動されます。また、Directed Call Park Configuration ウィンドウの Restart Devices ボタンを使用してデバイスを再起動することもできます。

関連項目

ディレクテッドコールパーク番号の削除

この項では、Cisco CallManager データベースからディレクテッドコールパーク番号を削除する方法を説明します。

手順

ステップ 2 削除するディレクテッドコールパーク番号またはディレクテッドコールパーク番号の範囲をクリックします。

ステップ 3 Delete をクリックします。

（注）ディレクテッドコールパーク番号を削除するとすぐに、Cisco CallManager はその番号でパークされているコールをすべて戻します。これは、番号が削除された時点で、その番号にパークされていたコールを引き続きパークしたり、通常の方法で取得したりできなくなり、必然的にコールが戻されるために発生します。

（注）デバイスに監視対象として設定されている（BLF ボタンを使用して）ディレクテッドコールパーク番号は削除できません。メッセージには、ディレクテッドコールパーク番号が使用中のため削除できないことが示されます。どのデバイスが番号を使用中であるかを特定するには、Directed Call Park Configuration ウィンドウの Dependency Records リンクをクリックします。

関連項目