Cisco Unified Communications Manager グループ
Cisco Unified Communications Manager グループは、最大 3 台の Cisco Unified Communications Manager を優先順に並べたリストです。各グループにはプライマリ Cisco Unified Communications Manager を含める必要があり、1 ~ 2 台のバックアップ用 Cisco Unified Communications Manager を含めます。グループ内で Cisco Unified Communications Manager をリストする順番が、優先順位になります。
Cisco Unified Communications Manager グループには、次の冗長化と回復の機能があります。
• フェールオーバー :グループ内のプライマリ Cisco Unified Communications Manager に障害が起こるとフェールオーバーが発生し、デバイスはそのグループ内のバックアップ Cisco Unified Communications Manager に再登録されます。
• フォールバック :障害を起こしたプライマリ Cisco Unified Communications Manager がサービスを再開すると、そのグループのデバイスはプライマリ Cisco Unified Communications Manager に再登録されます。
通常の動作時には、グループのプライマリ Cisco Unified Communications Manager が、そのグループに関連付けられた登録済みデバイス(電話機やゲートウェイなど)のコール処理を制御します。
何らかの理由でプライマリ Cisco Unified Communications Manager に障害が起こると、グループ内の第 1 バックアップ Cisco Unified Communications Manager が、プライマリ Cisco Unified Communications Manager に登録されていたデバイスを制御します。グループの第 2 バックアップ Cisco Unified Communications Manager を指定している場合は、プライマリおよび第 1 バックアップ Cisco Unified Communications Manager の両方に障害が起きた場合に、第 2 バックアップがデバイスを制御します。
障害を起こしたプライマリ Cisco Unified Communications Manager がサービスを再開すると、再びグループを制御し、グループ内のデバイスは自動的にプライマリ Cisco Unified Communications Manager に再登録されます。
デバイスを Cisco Unified Communications Manager グループに関連付けるには、デバイス プールを使用します。各デバイスを 1 つのデバイス プールに割り当て、各デバイス プールを 1 つの Cisco Unified Communications Manager グループに関連付けることができます。グループとデバイス プールをさまざまな方法で組み合わせることにより、目的のレベルの冗長化を達成できます。
(注) 1 つのグループに 1 台のサーバを置くことができ、そのサーバで最大 7500 台のデバイスをサポートできます(ハイエンド サーバのみ)。Cisco Unified Communications Manager がサポートするサーバのタイプについては、代理店にお問い合わせください。
たとえば、図 7-1 は、800 台のデバイスを制御する単一グループ内の 3 台の Cisco Unified Communications Manager を備えた簡単なシステムを示しています。
図 7-1 Cisco Unified Communications Manager グループ
図 7-1 は、2 つのデバイス プール DP1 と DP2 が割り当てられている Cisco Unified Communications Manager グループ G1 を示しています。Cisco Unified Communications Manager 1 は、グループ G1 のプライマリ Cisco Unified Communications Manager であり、通常の動作時には、DP1 と DP2 の 800 台のデバイスをすべて制御しています。Cisco Unified Communications Manager 1 に障害が起きた場合、800 台のデバイスの制御は Cisco Unified Communications Manager 2 に移ります。Cisco Unified Communications Manager 2 に障害が起きた場合、800 台のデバイスの制御は Cisco Unified Communications Manager 3 に移ります。
図 7-1 の構成では、コール処理の冗長化は実現していますが、コール処理の負荷は、この例の 3 台の Cisco Unified Communications Manager 間で適切に分散されていません。負荷バランシングの詳細については、「デバイスの分散による冗長化および負荷バランシング」を参照してください。
(注) 空の Cisco Unified Communications Manager グループは機能しません。
デバイスの分散による冗長化および負荷バランシング
Cisco Unified Communications Manager グループは、コール処理の冗長化と分散型コール処理の両方を実現します。デバイス、デバイス プール、および Cisco Unified Communications Manager をグループ間でどう分散するかによって、システムの冗長化と負荷バランシングのレベルが決まります。
多くの場合、グループ内の 1 台の Cisco Unified Communications Manager に障害が起きた場合に、他の Cisco Unified Communications Manager が過負荷にならないようにデバイスを分散する必要があります。図 7-2 は、3 台の Cisco Unified Communications Manager と 800 台のデバイスで構成されるシステムで、分散型コール処理と冗長化の両方を実現するための Cisco Unified Communications Manager グループとデバイス プールの設定例を示しています。
図 7-2 分散型コール処理と組み合せた冗長化
図 7-2 は、Cisco Unified Communications Manager グループの設定、デバイス プールへの割り当てを示しています。Cisco Unified Communications Manager 1 は、2 つのグループ G1 と G2 でプライマリ コントローラとして機能します。Cisco Unified Communications Manager 1 に障害が起きた場合、デバイス プール DP1 の 100 台のデバイスは Cisco Unified Communications Manager 2 に再登録され、DP2 の 300 台のデバイスは Cisco Unified Communications Manager 3 に再登録されます。同様に、Cisco Unified Communications Manager 2 は、グループ G3 と G4 のプライマリ コントローラとして機能します。Cisco Unified Communications Manager 2 に障害が起きた場合、DP3 の 100 台のデバイスは Cisco Unified Communications Manager 1 に再登録され、DP4 の 300 台のデバイスは Cisco Unified Communications Manager 3 に再登録されます。Cisco Unified Communications Manager 1 および Cisco Unified Communications Manager 2 の両方に障害が起きた場合、すべてのデバイスは Cisco Unified Communications Manager 3 に再登録されます。
分散型コール処理の詳細については、「コール処理の負荷バランス」を参照してください。