Cisco Unified Communications Manager へのボイスメールの接続性
企業の通信システムにおいて不可欠な要素になっているボイス メッセージ システムは、すべてのユーザにボイス メッセージ機能を提供します。メールボックスにボイス メッセージを受信すると、ユーザの電話機にメッセージ受信のライトが点灯します。ユーザは内線または外線通話でボイス メッセージ システムにアクセスして、メッセージの取得、聞き取り、返信、転送、および削除ができます。
(注) ユーザが Cisco Unity ボイスメール デバイスからメッセージを取得できるようにするには、管理者はすべてのユーザとその電話番号を Cisco Unified Communications Manager の管理ページに入力する必要があります。
Cisco Unified Communications Manager は、ボイス メッセージ システムの種類の増加をサポートしています。また、シェアドライン アピアランスを使用するユーザを含むすべてのユーザに対し、メッセージ受信のインジケータが設定できるようになっています。
企業内の Cisco Unified Communications Manager クラスタの規模や数が増加するにつれて、管理者が複数のボイス メッセージ システムを展開する必要性も高まります。
この章は、ボイス メッセージ システムと機能の設定に関する次の項で構成されています。
• 「ボイスメール インターフェイス」
• 「ボイスメール システム アクセス」
• 「メッセージ受信」
• 「ボイス メッセージのプライム回線のサポート」
• 「複数ボイスメール システム環境における自動転送」
• 「ボイス メッセージ システムでのコール転送」
• 「参考情報」
ボイスメール インターフェイス
Cisco Unified Communications Manager は、直接接続型のメッセージ システムとゲートウェイベースのメッセージ システムの両方をサポートしています。直接接続型のボイス メッセージ システムでは、パケット プロトコルを使用して直接 Cisco Unified Communications Manager と通信します。ゲートウェイベースのボイス メッセージ システムは、Cisco ゲートウェイに接続するアナログ トランクまたはデジタル トランクを使用して、Cisco Unified Communications Manager に接続します。
Cisco Unified Communications Manager は、次のタイプのインターフェイスを使用して、ボイス メッセージ システムと対話します。
• Skinny Protocol:直接接続型のボイス メッセージ システムで Skinny Protocol を使用するが、他のプロトコルを使用して Cisco Unified Communications Manager と通信する場合もある。Cisco Unified Communications Manager の管理ページでは、ボイスメール ポートを作成して、直接接続型ボイス メッセージ システムへのインターフェイスを設定できます。ボイス メッセージ システムへの複数の同時コールを処理するには、複数のボイスメール ポートを作成し、これらのポートを回線グループに割り当て、さらにその回線グループをルート/ハント リストに割り当てます。直接接続型のボイス メッセージ システムは、Cisco Unified Communications Manager の管理ページで設定されているメッセージ受信がオンおよびオフの番号にコールして、メッセージ受信インジケータを送信します。『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』のを参照してください。
ボイスメール ポートおよび Cisco Unity SCCP デバイスのセキュリティを設定した場合、各デバイスが他のデバイスの証明書を受け付けた後、認証済みのデバイスに対して TLS 接続(ハンドシェイク)が開きます。同様に、デバイスの暗号化を設定した場合、システムはデバイス間に SRTP ストリームを送信します。
デバイス セキュリティ モードが認証のみ、または暗号化の場合、Cisco Unity TSP は、Cisco Unified Communications Manager TLS ポートを使用して Cisco Unified Communications Manager に接続します。セキュリティ モードが非セキュアの場合、Cisco Unity TSP は、Cisco Unified Communications Manager SCCP ポートを使用して Cisco Unified Communications Manager に接続します。
• PSTN ゲートウェイ インターフェイス:H.323 ベースのボイス メッセージ システムおよび従来のボイス メッセージ システムは、PSTN ゲートウェイ インターフェイスを使用する。これらのボイス メッセージ システムは、通常(例外もあります)は Simplified Message Desk Interface(SMDI)を EIA/TIA-232 インターフェイス経由で使用して、メッセージ受信インジケータを送信します。また、Cisco Unified Communications Manager は同じ SMDI インターフェイスを使用して、通話履歴メッセージをボイス メッセージ システムに送信します。Cisco Messaging Interface サービスが、これらのインジケータを Cisco Unified Communications Manager に中継します。Cisco Unified Communications Manager の管理ページでは、CAS プロトコルまたは PRI プロトコルでアナログ FXS ゲートウェイまたはデジタル T1/E1 ゲートウェイをプロビジョニングするだけで、ゲートウェイベースのボイス メッセージ システムへのインターフェイスをプロビジョニングできます。個々のゲートウェイ ポートまたは T1 スパンが含まれるルート グループを作成することにより、ボイス メッセージ システムへの同時コールを使用可能にできます。また、ボイス メッセージ システムが SMDI を使用している場合は、Cisco Messaging Interface サービスを設定して実行する必要があります。『 Cisco Unified Serviceability Administration Guide 』を参照してください。
• クラスタ間インターフェイス:管理者がクラスタ間トランクにボイスメール パイロット番号をプロビジョニングしている場合、あるクラスタ内の Cisco Unified Communications Manager は別のクラスタ内のボイス メッセージ システムへのアクセスを提供できる。クラスタが QSIG トランクで接続されている場合、ボイス メッセージ システムは他のクラスタ内のデバイスに対して、メッセージを残したりメッセージ受信インジケータを設定したりできます。
ボイスメール システム アクセス
直接接続型のボイス メッセージ システムでは、Cisco Unified Communications Manager はボイスメール ポートに割り当てられている電話番号を使用します。管理者は、ボイスメール ポートを回線グループに割り当て、この回線グループをルート/ハント リストに割り当てます。複数のユーザが同時にボイス メッセージ システムにアクセスする場合でも、ボイス メッセージ システムにアクセスするためのポートをすべてのユーザが使用できます。ユーザがボイス メッセージにアクセスする場合、ボイスメール パイロット番号をダイヤルするか、電話機のメッセージ ボタンを押します。
ゲートウェイベースのボイス メッセージ システムでは、Cisco Unified Communications Manager はルート リストを使用します。ユーザがルート リスト番号にコールすると、ルート リストは検索アルゴリズムを使用して、ボイス メッセージ システムの各ポートへの着信コールを提供します。ゲートウェイベースのボイス メッセージ システムでは、ボイスメール パイロット番号は、ルート リスト自体を示します。
ボイス メッセージ システムに関連付けられた電話番号にコールされると、コールされたボイス メッセージ システムがそのコールを処理します。ボイス メッセージ システムに直接コールされると、プロンプトが表示され、メールボックスとメッセージの取得に必要なパスワードの情報が要求されます。
ユーザは、ボイスメール パイロット番号を入力する(知っている場合)か、7900 シリーズの Cisco Unified IP Phone 上のメッセージ ボタンを押すことによって、ボイス メッセージ システムにアクセスできます。メッセージ ボタンを押した場合、コールは、Cisco Unified IP Phone 上で現在使用中の回線に対して管理者が設定したボイスメール パイロット番号に送信されます。使用中の回線に対してボイスメール パイロット番号が設定されていない場合、Cisco Unified Communications Manager はボイス メッセージ コールをデフォルト プロファイルに送ります。
ボイスメール パイロット番号
ボイスメール パイロット番号は、自分のボイス メッセージにアクセスするときにダイヤルする電話番号です。電話機のメッセージ ボタンを押すと、Cisco Unified Communications Manager は自動的にボイス メッセージ番号にダイヤルします。各ボイスメール パイロット番号は、異なるボイス メッセージ システムに属することができます。
ボイス メッセージ番号は、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [ボイスメールパイロット番号の設定(Voice Mail Pilot Configuration)] ウィンドウで定義します。
Cisco Unified Communications Manager には、デフォルトのボイスメール パイロット番号があります。新しいデフォルトのボイスメール パイロット番号を作成し、現在のデフォルト値と置き換えることができます。『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』のを参照してください。
ボイスメール プロファイル
デバイスに複数の異なる回線がある場合、異なるボイスメール プロファイルが存在します。たとえば、管理アシスタントの電話機に管理者用の第 2 の回線があるとき、その回線は管理者のボイス メッセージ システムにルーティングします。管理アシスタントの回線は、アシスタント本人のボイス メッセージ システムにルーティングします。
ボイスメール プロファイルでは、電話番号(デバイスではない)に関連付けられている回線に関連する、ボイスメール情報をすべて定義できます。ボイスメール プロファイルには、次の情報が含まれています。
• ボイスメール プロファイル名
• 説明
• ボイスメール パイロット番号
• ボイスメールボックス マスク
• デフォルト(特定のプロファイルがデフォルト プロファイルの場合にオン)
管理者が回線を追加すると、事前定義されたデフォルトのボイスメール プロファイルが、自動的に回線に割り当てられます。ボイスメール プロファイルを検索すると、プロファイル名とともに「Default」プロファイルもリストに表示されます。
コールがボイス メッセージ システムにルーティングされる場合、ボイスメール プロファイルが他の設定値よりも優先されます。『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』のを参照してください。
ヒント コールが DN からボイス メッセージ サーバまたはボイス メッセージ サービスにリダイレクトされる場合、そのサーバまたはサービスが、SIP トランクを使用する Cisco Unified Communications Manager と連動しているときは、電話機のボイスメール プロファイルのボイスメールボックス マスクに基づいて SIP の Diversion ヘッダーの転送番号が変更されます。この処理が実行されるのは、Cisco Unified Communications Manager ではメールボックスの選択に Diversion ヘッダーが使用されるためであることに注意してください。
メッセージ受信
直接接続型のボイス メッセージ システムでは、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの 1 つの設定ウィンドウを使用してメッセージ受信を設定できます。[メッセージ受信の設定(Message Waiting Configuration)] ウィンドウでは、メッセージ受信インジケータがオンおよびオフの電話番号を定義します。直接接続型のボイス メッセージ システムでは、指定された電話番号を使用して、特定の Cisco Unified IP Phone のメッセージ受信インジケータを設定したりクリアしたりします。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [メッセージ受信の設定(Message Waiting Configuration)] ウィンドウには、次の情報が表示されます。
• Cisco Unified Communications Manager クラスタの、メッセージ受信がオンおよびオフである複数の番号の確認
• メッセージ受信検索スペースと各メッセージ受信がオンおよびオフの番号との明示的な関連付け
• メッセージ受信番号とコーリング サーチ スペース エントリの検証
• 番号計画での重複する番号の検索
メッセージ受信のインジケータ
発信者がメールボックスにメッセージを残すと、ボイス メッセージ システムは、そのボイス メッセージを受信した相手にメッセージ受信のインジケータを送信します。同様に、メールボックスのオーナーが保留中のボイス メッセージをすべて削除すると、ボイス メッセージ システムは、そのメールボックスのオーナーにメッセージ受信のインジケータを送信して、保留中のメッセージがなくなったことを通知します。
Cisco Unified Communications Manager では、保留中のボイス メッセージに対して、Cisco Unified IP Phone 7940 および 7960 の受話器のインジケータをどのように点灯するかを管理者が設定できます。次のいずれかの処理を実行するように Cisco Unified Communications Manager を設定できます。
• プライマリ回線上にメッセージがある場合、メッセージ受信ランプを点灯させてプロンプトを表示する。
• プライマリ回線上にメッセージがある場合、プロンプトを表示する。
• プライマリ回線上にメッセージがある場合、メッセージ受信ランプを点灯させる。
• 任意の回線上にメッセージがある場合、メッセージ受信ランプを点灯させてプロンプトを表示する。
• 任意の回線上にメッセージがある場合、プロンプトを表示するのみ。
• 任意の回線上にメッセージがある場合、メッセージ受信ランプを点灯させるのみ。
• メッセージ受信ランプを点灯させず、プロンプトも表示しない。
メッセージ受信のインジケータを設定するには、次の 2 つの方法があります。
• [電話番号の設定(Directory Number Configuration)]:[メッセージ受信ランプポリシー(Message Waiting Lamp Policy)] フィールドを使用して、特定の回線に対していつ受話器ランプを点灯させるかを設定する。使用可能な設定値は、次のとおりです。
– システムポリシーの使用
– ライトとプロンプト
– プロンプトのみ
– ライトのみ
– なし
• [サービスパラメータ設定(Service Parameter Configuration)](Cisco CallManager サービス用):クラスタ全体のサービス パラメータ Message Waiting Lamp Policy を使用して、7900 シリーズのすべての Cisco Unified IP Phone に対し、メッセージ受信のインジケータを設定する。使用可能な設定値は、次のとおりです。
– プライマリ回線:ライトとプロンプト
– プライマリ回線:プロンプトのみ
– プライマリ回線:ライトのみ
– ライトとプロンプト
– プロンプトのみ
– ライトのみ
– なし
どのメッセージ受信ポリシーを選択するかは、ユーザのニーズによって異なります。たとえば、管理アシスタントがマネージャの電話番号を第 2 の電話番号として共有している場合、メッセージ受信ポリシーは [ライトとプロンプト(Light and Prompt)] に設定する必要があります。管理者は、マネージャ回線に保留中のボイス メッセージがあるかどうかを確認できます。一般従業員は、ライン アピアランスを同僚と共有している場合は、プライマリ ライン アピアランスにメッセージが保留されている場合にだけランプが点灯するように設定します。
メッセージ受信のインジケータについて複雑な要件がない場合は、Cisco CallManager サービス パラメータを使用して、Cisco Unified Communications Manager がメッセージ受信ランプを点灯させる条件を指定できます。
ヒント Multiple Tenant MWI Modes サービス パラメータは、Cisco CallManager サービスをサポートしますが、このパラメータによって、ボイスメール メールボックス番号にトランスレーション パターンを適用するかどうかが指定されます。有効な値は [True] または [False] です。[True] を指定すると、ボイス メッセージ システムによってメッセージ受信インジケータを設定するコマンドが発行された場合に、Cisco Unified Communications Manager でトランスレーション パターンが使用されて、ボイスメール メールボックス番号が電話番号に変換されます。[False] を指定すると、Cisco Unified Communications Manager では、ボイス メッセージ システムから受信したボイスメール メールボックス番号は変換されません。このサービス パラメータでは、Cisco Unified Communications Manager と Cisco Unity Connection または Cisco Unity との連動がサポートされています。ボイスメールの内線に、Cisco Unified Communications Manager での変換が必要である場合は、Cisco Unified Communications Manager 8.5(1) にアップグレードまたはインストールした後、Multiple Tenant MWI Modes サービス パラメータを [True] に設定します。
ボイス メッセージのプライム回線のサポート
ボイス メッセージのプライム回線がサポートされているので、ユーザが電話機のメッセージ ボタンを押すと、ボイス メッセージを取得するための電話機のプライマリ回線が必ずアクティブな回線になります。
Always Use Prime Line for Voice Message サービス パラメータを Cisco CallManager サービスに対して設定したり(これは、クラスタ全体の設定に適用されます)、[ボイスメッセージには常にプライム回線を使用する] 設定をデバイスやデバイス プロファイルに対して指定することができます。[ボイスメッセージには常にプライム回線を使用する] 設定は、次の Cisco Unified Communications Manager の管理ページのウィンドウに表示されます。
• [システム(System)] > [サービスパラメータ(Service Parameters)] (Cisco CallManager サービスの場合)
• [デバイス(Device)] > [電話(Phone)]
• [デバイス(Device)] > [共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)]
• [デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [デフォルトのデバイスプロファイル(Default Device Profile)]
• [デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [デバイスプロファイル(Device Profile)]
電話機がアイドル状態またはビジー状態のとき、[ボイスメッセージには常にプライム回線を使用する] 設定がどのように機能するかについては、表 29-1 を参照してください。
ヒント [サービスパラメータ(Service Parameter)]、[共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)]、[電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウで [ボイスメッセージには常にプライム回線を使用する] 設定を指定した場合、[電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウの設定が Cisco Unified Communications Manager で使用されます。
表 29-1 [ボイスメッセージには常にプライム回線を使用する] の設定
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[ボイスメッセージには常にプライム回線を使用する] の設定
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アイドル(Idle) |
オン(On) |
電話機がアイドル状態の場合、電話機のプライマリ回線がボイスメッセージを取得するためのアクティブな回線になるのは、ユーザが電話機のメッセージ ボタンを押したときです。 [デバイスプロファイル(Device Profile)] ウィンドウまたは [デフォルトのデバイス プロファイル設定(Default Device Profile Configuration)] ウィンドウで [ボイスメッセージには常にプライム回線を使用する] 設定に [On] を選択し、Cisco エクステンション モビリティを正しく設定した場合、Cisco エクステンション モビリティをサポートするデバイスにログインした後、Cisco エクステンション モビリティ ユーザがこの機能を使用できます。 |
アイドル(Idle) |
オフ(Off) |
電話機がアイドル状態の場合、電話機のメッセージ ボタンを押すと、ボイス メッセージのある回線からボイス メッセージ システムにダイヤルされます。選択される回線は、ボイス メッセージのある 1 番目の回線です。どの回線にもボイス メッセージがない場合、ユーザがメッセージ ボタンを押すと、プライマリ回線が使用されます。 |
アイドル(Idle) |
デフォルト(Default) |
[電話の設定(Phone Configuration)]、[共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)]、[デバイスプロファイル(Device Profile)]、[デフォルトのデバイス プロファイル設定(Default Device Profile Configuration)] のいずれかのウィンドウで [ボイスメッセージには常にプライム回線を使用する] 設定に [Default] を選択した場合、ユーザ(Cisco エクステンション モビリティ ユーザなど)がこの機能を使用できるかどうかを判定するときに Always Use Prime Line サービス パラメータの設定が Cisco Unified Communications Manager によって使用されます。 [電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウで [ボイスメッセージには常にプライム回線を使用する] 設定に [Default] を選択した場合は、共通の電話プロファイルの設定が Cisco Unified Communications Manager によって使用されます。 |
話し中(Busy) |
オン(On) |
デバイスが話し中である場合、この機能は無効です。 |
ヒント ボイス メッセージのプライム回線のサポートには Cisco CallManager サービスが利用されているので、Cisco Unified サービスアビリティで [Tools] > [Service Activation] の順に選択して、このサービスを有効にします。また、Cisco CallManager サービスの SDI トレースを実行することもできます。ログを RTMT で参照すると、デバイスで使用される設定済みの値を確認できます(alwaysUsePrimeLineForVM=2 など。これは、デフォルト値がデバイスで使用されることを示しています)。
(注) 上記の設定を行う場合は、『Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration ガイド』の説明に従って、一括管理ツールでボイス メッセージのプライム回線のサポートを設定できます。
複数ボイスメール システム環境における自動転送
ボイス メッセージ システムがサポートする最大ユーザ数は、Cisco Unified Communications Manager がサポートしている最大ユーザ数と同じです。
コールが、意図した相手に関連付けられているボイス メッセージ システムに確実に転送されるようにするため、コールがボイス メッセージ システムに転送されるときに、自動転送機能が修正されます。
Cisco Unified Communications Manager は、複数のボイスメール パイロット番号(プロファイル)をサポートしています。各ボイスメール パイロット番号は、異なるボイス メッセージ システムに属することができます。ボイスメール パイロット番号は、回線ごとに設定します。Cisco Unified Communications Manager は、ボイスメール パイロット プロファイルが存在する場合、ボイスメール コールを元のリダイレクト エンドポイント(電話番号)のボイス メッセージ システムに転送します。
クラスタ間の自動転送には、制限事項が 1 つあります。別のクラスタからコールが転送され、その後ボイス メッセージ システムに送信される場合、Cisco Unified Communications Manager は、クラスタ内の最初のリダイレクト エンドポイントのボイス メッセージ システムにそのコールを転送します。これは、Cisco Unified Communications Manager が他のクラスタの元のエンドポイントにあるボイスメール パイロット プロファイルを持っていないためです。ただし、QSIG トランクがクラスタにリンクしている場合は、自動転送されるコールには、ボイスメール パイロット番号ではなく、正しいボイスメールボックス番号が割り当てられます。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [電話番号の設定(Directory Number Configuration)] ウィンドウには、[コール転送とピックアップの設定(Call Forward and Call Pickup Settings)] があります。[ボイスメール(Voice Mail)] チェックボックスがオンになっている場合、Cisco Unified Communications Manager はすべてのデバイスに対し、選択したボイスメール プロファイルを使用して不在転送(Forward All)、話中転送(Forward Busy)、または無応答時転送(Forward No Answer)が可能です。
例
最後に転送した電話機がボイスメールへの自動転送オプションを使用した場合のクラスタ内自動転送チェーン
あるボイスメール パイロットがサービスする電話機から、別のボイスメール パイロットがサービスする電話機への不在転送コール。2 番目の電話機はボイスメールに転送します。Cisco Unified Communications Manager は、最初の電話機に関連付けられているボイスメール パイロット番号にコールを送信します。
最後に転送した電話機がボイスメールへの自動転送オプションを使用しなかった場合のクラスタ内自動転送チェーン
あるボイスメール パイロットがサービスする電話機から、別のボイスメール パイロットがサービスする電話機への不在転送コール。2 番目の電話機はボイスメールに転送しますが、ボイスメール パイロット番号は、ボイスメール転送としてではなく特定の数字宛先として入力されました。Cisco Unified Communications Manager は、最後の電話機に関連付けられているボイスメール パイロット番号にコールを送信します。
CTI を使用したクラスタ内自動転送チェーン
Cisco Unified Communications Manager Attendant Console や別の CTI アプリケーションは、コールを制御するとき、多くの場合、元のコールに関する情報を削除するよう選択します。このため、次の宛先がボイス メッセージを受信することになります。Cisco Unified Communications Manager は、Cisco Unified Communications Manager が宛先として報告しているボイスメールボックスを管理しているボイス メッセージ システムに、コールを送信する必要があります。次にその例を示します。
コールが電話機に着信し、アテンダント コンソールに転送されます。発信者は名前でダイヤルし、Cisco Unified Communications Manager はこのコールを宛先に送信します。コールは、宛先からボイス メッセージ システムに転送されます。Cisco Unified Communications Manager はこのコールを、アテンダント コンソール宛ではなく、発信者が選択した宛先に関連付けられているボイス メッセージ番号に送信します。
もう 1 つ例を示します。電話機 A はすべてのコールを電話機 B に転送します。コールがアテンダント コンソールに着信し、アテンダント コンソールはこのコールを電話機 A に送信します。Cisco Unified Communications Manager はこのコールを電話機 B に転送します。誰もコールに応答しなかった場合、Cisco Unified Communications Manager はこのコールをボイス メッセージ システムに転送します。コールの元の宛先は電話機 A だったため、メッセージは、電話機 B ではなく電話機 A のボイスメールボックスに送信されます。
クラスタ間自動転送チェーン
クラスタ間コールのシナリオでは、Cisco Unified Communications Manager 上の電話機 A が同じ Cisco Unified Communications Manager 上の電話機 B にコールします。このコールはクラスタ間トランク経由で Cisco Unified Communications Manager に転送され、そこから電話機 C に送信されます。電話機 C はボイス メッセージ システムに転送します。Cisco Unified Communications Manager は、電話機 C に関連付けられているボイス メッセージ システムにコールを送信しますが、電話機 B の内線番号を報告します。
クラスタ間境界のため、電話機 B に関するボイスメール パイロット番号情報は存在しません。このため、Cisco Unified Communications Manager は、最後の宛先に関連付けられているボイスメール パイロット番号にコールを送信しますが、PBX から Cisco Unified Communications Manager に渡された電話番号をボイスメールボックスとして報告します。
ボイス メッセージ システムでのコール転送
Catalyst 6000 FXS Analog Interface Module または Cisco 6608 T1 CAS ゲートウェイ経由でボイス メッセージ システムに到達したユーザは、ボイス メッセージ システムから別の宛先にコールを転送できます。ユーザはボイス メッセージ プロンプトに応答しながら、番号を入力します。ボイス メッセージ システムは、フックフラッシュ転送を使用して、処理を開始します。Cisco Unified Communications Manager は、コールを宛先番号にブラインド転送することによって応答します。コール転送が完了すると、オリジナル コールをボイス メッセージ システムに接続した音声チャネルが解放されます。
Catalyst 6000 Voice T1 音声サービス モジュールのフックフラッシュ検出タイマーを設定するには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [ゲートウェイの設定(Gateway Configuration)] を使用します(『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』のを参照)。
(注) フックフラッシュ転送をサポートしているのは、E&M T1 ポートのみです。