CableHome の設定
この章では、適切な CableHome 配備を実現するために必要となる作業について説明します。CableHome テクノロジーには、セキュア(SNMP)とノンセキュア(DHCP)の 2 つのバージョンがあります。この章では、主にノンセキュア バージョンについて取り上げます。
この章は、ユーザが CableHome の仕様(CH-SP-CH1.0-I05-030801)の内容に精通していることを想定しています。
ノンセキュア CableHome プロビジョニングのフロー
ノンセキュア CableHome プロビジョニング フローでどのステップが失敗したかを特定してから、他の詳細事項を診断するようにすると、非常に便利です。図8-1 に、主要なプロビジョニング フローの要約を示します。
図8-1 ノンセキュア CableHome のフロー
表8-1 で、ノンセキュアな CableHome の配備のプロビジョニング フローについて説明します。
表8-1 CableHome プロビジョニング ワークフロー
|
|
|
CHPSWMD-1 |
DHCP 検出 |
WAN-MAN が、自身の IP リースを取得します。 |
CHPSWMD-2 |
DHCP オファー |
プロビジョニング システムが、次の CableHome Option 177 サブオプションとともに DHCP オファーを返します。 • 3:サービス プロバイダーの SNMP Entity Address を指定します。 • 6:プロビジョニング レルムの Kerberos レルム名を指定します。レルム名は、ポータル サービスが Key Distribution Center(KDC; 鍵発行局)のアドレスに対する DNS ルックアップを許可するために必要となります。 • 51:Kerberos サーバの IP アドレスを指定します。このサーバは、1 つ以上の Key Distribution Center サーバのネットワーク アドレスのポータル サービスを通知します。 このオファーの file フィールドと siaddr フィールドには、ポータル サービスを設定するのに必要なファイル情報も含まれます。 |
CHPSWMD-3 |
DHCP 要求 |
ポータル サービスが、DHCP オファーを受け入れるように、適切な DHCP サーバに DHCP 要求メッセージを送信します。 |
CHPSWMD-4 |
DHCP 確認 |
DHCP サーバが、ポータル サービスの IPv4 アドレスを含む DHCP 確認を返します。DHCP 確認で受信した情報に基づき、ポータル サービスが DHCP(ノンセキュア)モードでのプロビジョニングを指定する、cabhPsDevProvMode パラメータを修正します。また、Time of Day サーバのアドレスが cabhPsDevTimeServerAddr パラメータに保存されます。 |
CHPSWMD-5 |
ToD 要求 |
ポータル サービスが、DHCP 確認メッセージの Option 4 で指定されているタイム サーバとの Time of Day 同期を開始します。 |
CHPSWMD-6 |
ToD 応答 |
Time of Day サーバが現在時刻を UTC 形式で応答します。 |
CHPSWMD-7 |
TFTP による PS 設定ファイル |
ポータル サービスが、設定ファイルを取得するために TFTP 取得要求を送信します。 |
CHPSWMD-8 |
CableHome ファイアウォール設定ファイル要求 |
設定ファイルが TFTP 経由でダウンロードされます。オプションで、ロードするファイアウォール設定があり、その設定を指定するためにこの方式が選択されている場合、IP アドレスの名前とファイアウォール設定ファイルのハッシュが設定ファイルに含まれます。 |
CHPSWMD-9 |
CableHome ファイアウォール設定ファイル要求 |
ステップ CHPSWMD-8 で取得した設定ファイルにファイアウォール情報が含まれている場合、ポータル サービスは、ファイアウォール設定 TFTP サーバへの TFTP 取得要求経由のファイアウォール設定ファイルを取得する場合もあります。 設定ファイルにファイアウォール設定情報がない場合は、プロビジョニング プロセスはステップ CHPSWMD-9 と CHPSMWD-10 をスキップします。 |
CHPSWMD-10 |
CableHome ファイアウォール設定ファイル |
ファイアウォール設定 TFTP サーバが、ファイアウォール設定ファイルを含む TFTP 応答を送信します。 |
CHPSWMD-11 |
CableHome SYSLOG またはプロビジョニング完了の NMS 通知(または両方) |
設定が正常に終了すると、ポータル サービスは、正常に設定されたことを BAC に通知するために、syslog メッセージ、SNMP トラップ、または両方を送信します。 |
CableHome の設定
この項では、Cisco Network Registrar、および Cable Modem Termination System(CMTS; ケーブル モデム ターミネーション システム)の設定方法について説明します。
Network Registrar の設定
ステップ 1 プロビジョニングされる WAN-MAN とプロビジョニングされない WAN-MAN、さらにプロビジョニングされる WAN-Data の選択タグも作成します。
ケーブル モデムについて、プロビジョニングされないクライアント クラスとプロビジョニングされるクライアント クラス、およびスコープを『 User Guide for Cisco Network Registrar 7.0 』で指定されているように設定します。
ステップ 2 WAN-MAN について、プロビジョニングされないクライアント クラスとプロビジョニングされるクライアント クラス、およびスコープを設定します。
ステップ 3 WAN-Data について、プロビジョニングされるクライアント クラスとスコープを設定します。
ステップ 4 すべてのサブネットに到達するためのルートを追加します。
CableHome WAN-MAN の設定
1. プロビジョニングされる WAN-MAN の DHCP 基準を作成します。作成するには、クライアント クラスを Network Registrar CableHome WAN-MAN で設定されているクライアント クラス名に設定します。
2. プロビジョニングされる WAN-MAN のサービス クラスを作成します。
– /cos/chWanMan/file を、このサービス クラス用の適切な CableHome 設定ファイルに設定します。
– /chWanMan/firewall/file を、目的のファイアウォール設定ファイルに設定します。
CableHome WAN-Data の設定
ポータル サービスで WAN-Data の IP アドレスを取得するときは、そのたびに次の WAN-Data パラメータを設定します。
1. WAN-Data の DHCP 基準を作成します。
2. WAN-Data のサービス クラスを作成します。
DPE の設定
CableHome テクノロジーをサポートするように DPE を設定するには、次の手順に従います。
ステップ 1 CableHome デバイス プロビジョニング WAN-MAN 設定ファイルを開いて、DHCP Option 60 が CableHome1.0 または CableHome1.1 のいずれかに設定されていることを確認します。一部の製造業者では、独自の MIB オブジェクトを使用して、単純なケーブル モデム、CableHome 以外のルータ、または CableHome ルータとして動作するようにデバイスに指示していることがあります。デバイスの DHCP パケットの DHCP Option 60 に CableHome1.0 または CableHome1.1 が含まれていない場合、デバイスは必ずコンピュータとして表示されます。
ステップ 2 ポータル サービスで WAN-Data の IP アドレスを取得する場合は、次の手順に従います。
• WAN-MAN 設定ファイルに含まれる TLV 28 で、cabhCdpWanDataIpAddrCount が 0 を超える値に設定されていることを確認します。
• ケーブル モデム設定ファイルで、デバイスの最大数を WAN-Data IP アドレス数を収容できる値に設定します。
ステップ 3 CableHome デバイスのブート時にセルフプロビジョニングをイネーブルにするには、次の手順に従います。
• unprov-wan-man.cfg ポータル サービス設定ファイルで、ポータル サービスをパススルー モードで設定します。
• ケーブル モデム設定ファイルで、デバイスの最大数を 2 以上に設定して、WAN-MAN とコンピュータをプロビジョニングできるようにします。このコンピュータは、サインアップ Web ページに直接アクセスしてセルフプロビジョニングできます。