BAC プロセス ウォッチドッグ
BAC プロセス ウォッチドッグは、すべての BAC プロセスのランタイム状況を監視する管理エージェントです。このプロセス ウォッチドッグにより、プロセスが予想外に停止した場合に自動的に再開されるようになります。BAC コンポーネントを実行する各システム上で、BAC プロセス ウォッチドッグのインスタンスが 1 つ実行されます。
BAC プロセス ウォッチドッグは、監視対象プロセスの状態を開始、停止、再開、決定するコマンドライン ツールとして利用できます。
監視対象のアプリケーションが機能しなくなると、自動的に再開されます。何らかの理由で再開プロセスも機能しない場合は、BAC プロセス ウォッチドッグ サーバは所定の時間待機してから再開を試みます。
(注) Cisco Network Registrar にインストールされている拡張を監視するために、BAC プロセス ウォッチドッグおよび SNMP エージェントを使用する必要はありません。
再開を試みる間隔は 1 秒から始まり、後続の試行で 5 分に達するまで指数関数的に長くなります。その後、プロセスの再開が成功するまで 5 分間隔で試みられます。再開の成功の 5 分後に、期間は再び自動的に 1 秒にリセットされます。
次に例を示します。
1. プロセス A が失敗します。
2. BAC プロセス ウォッチドッグ サーバはプロセスの再開を試み、1 回目の再開が失敗します。
3. BAC プロセス ウォッチドッグ サーバは 2 秒間待機してからプロセスの再開を試み、2 回目の再開が失敗します。
4. BAC プロセス ウォッチドッグ サーバは 4 秒間待機してからプロセスの再開を試み、3 回目の再開が失敗します。
5. BAC プロセス ウォッチドッグ サーバは 16 秒間待機してからプロセスの再開を試みます。
コマンドラインからの BAC プロセス ウォッチドッグの使用方法
BAC プロセス ウォッチドッグは、システムのブートアップのたびに自動的に起動します。そのため、このウォッチドッグは、同じシステムにインストールされている BAC システム コンポーネントも起動します。 /etc/init.d/bprAgent コマンドを実行すると、単純なコマンドライン ユーティリティを使用して BAC ウォッチドッグを制御することができます。
表9-1 は、BAC プロセス ウォッチドッグに対して使用できる Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)コマンドを示しています。
表9-1 BAC CLI コマンド
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bprAgent start |
すべての監視対象プロセスを含む BAC プロセス ウォッチドッグを開始します。 |
bprAgent stop |
すべての監視対象プロセスを含む BAC プロセス ウォッチドッグを中止します。 |
bprAgent restart |
すべての監視対象プロセスを含む BAC プロセス ウォッチドッグを再起動します。 |
bprAgent status |
すべての監視対象プロセスを含む BAC プロセス ウォッチドッグの状態を入手します。 |
bprAgent start process-name |
特定の 1 つの監視対象プロセスを開始します。 process-name 値がそのプロセスを識別します。 |
bprAgent stop process-name |
特定の 1 つの監視対象プロセスを中止します。 process-name 値がそのプロセスを識別します。 |
bprAgent restart process-name |
特定の 1 つの監視対象プロセスを再開します。 process-name 値がそのプロセスを識別します。 |
bprAgent status process-name |
特定の 1 つの監視対象プロセスの状態を入手します。 process-name 値がそのプロセスを識別します。 |
この表に示す process-name は、次のいずれかになります。 • rdu :RDU サーバを指定します。 • dpe :DPE サーバを指定します。 • kdc :KDC サーバを指定します。 • snmpAgent :SNMP エージェントを指定します。 • tomcat :管理者を指定します。 • cli :DPE CLI を指定します。 |
(注) Solaris オペレーティング システムがリブートされると、BAC プロセス ウォッチドッグが最初に停止します。その結果、BAC サーバは正常にシャットダウンできます。オペレーティング システムをシャットダウンまたはリブートするには、Solaris shutdown コマンドを使用してください。Solaris reboot コマンドでは、アプリケーション シャットダウン フックは実行されません。BAC プロセスはシャットダウンされるのではなく、強制終了されるので注意してください。この処理は BAC に悪影響を与えるものではありませんが、場合によっては、サーバの起動が遅くなったり、特定の統計情報やパフォーマンス カウンタに歪みが生じたりすることがあります。
BAC ウォッチドッグ デーモンでアクションをトリガーするイベント(プロセス障害および再起動を含む)は、ログ ファイル BPR_HOME/agent/logs/agent.log に記録されます。ウォッチドッグ デーモンでは、重要なイベントも標準の local6 ファシリティの下の syslog に記録されます。
管理者のユーザ インターフェイス
BAC 管理者のユーザ インターフェイスは、BAC システムを集中管理するための Web ベースのアプリケーションです。このシステムを使用して、次の作業を行うことができます。
• グローバル デフォルトの設定
• カスタム プロパティの定義
• サービス クラスの追加、修正、および削除
• DHCP 基準の追加、修正、および削除
• デバイスの追加、修正、および削除
• デバイス情報の追加および編集
• デバイスのグループ化
• サーバの状態とサーバ ログの表示
• ユーザの管理
このインターフェイスの使用方法については、それぞれ次の章を参照してください。
• 第 11 章「管理者のユーザ インターフェイスについて」 :BAC 管理者のユーザ インターフェイスにアクセスする方法や設定方法について説明します。
• 第 12 章「管理者のユーザ インターフェイスの使用方法」 :各種 BAC コンポーネントの監視など、管理作業を行う方法について説明します。
• 第 13 章「Broadband Access Center の設定」 :BAC を設定するために実行する作業について説明します。
コマンドライン インターフェイス
BAC CLI は、Telnet または SSH を使用して DPE を設定したり、DPE の状態を表示したりするために使用する、IOS に似たコマンドライン インターフェイスです。CLI では、組み込み型のコマンド ヘルプとコマンドのオートコンプリート機能がサポートされています。
CLI の認証は、ローカルで設定したログイン パスワードと特権パスワード、または TACACS+ サービスのリモート ユーザ名とパスワードを使用してイネーブルにできます。
DPE CLI にアクセスするには、ローカル ホストまたはリモート ホストからポート 2323 への Telnet セッションを開きます。
ローカル ホストから DPE CLI へのアクセス
ローカル ホストから CLI にアクセスするには、次のコマンドを使用できます。
# telnet local_hostname 2323
または
# telnet 0 2323
リモート ホストから DPE CLI へのアクセス
リモート ホストから CLI にアクセスするには、次のコマンドを入力します。
# telnet remote-hostname 2323
(注) CLI への Telnet 接続を確立できない場合は、CLI サーバが稼働していない可能性があります。その場合は、次のように入力してサーバを起動します。
# /etc/init.d/bprAgent start cli
CLI にアクセスした後、続行するには DPE パスワードを入力する必要があります。デフォルトのログイン パスワードと特権パスワードは changeme です。
DPE がサポートする CLI コマンドの詳細については、『 Cisco Broadband Access Center DPE CLI Reference 4.0 』を参照してください。
SNMP エージェント
BAC では、RDU サーバおよび DPE サーバについて基本的な SNMP v2 ベースの監視がサポートされます。BAC SNMP エージェントでは SNMP 通知と SNMP トラップがサポートされます。それらをまとめて「通知」と呼びます。snmp-server CLI コマンドを使用して DPE に SNMP エージェントを設定し、SNMP 設定コマンドライン ツールを使用して RDU に SNMP エージェントを設定できます。
SNMP 設定コマンドライン ツールの詳細については、「snmpAgentCfgUtil.sh ツールの使用方法」を参照してください。DPE CLI の詳細については、『 Cisco Broadband Access Center DPE CLI Reference 4.0 』を参照してください。
BAC ツール
BAC には、特定の機能をより効率的に実行するための自動ツールが用意されています。
表9-2 は、この BAC リリースでサポートされている各種ツールを示しています。