簡易ネットワーク管理プロトコルのサポート
SNMP は、ノードやルータなどのネットワーク デバイス間で管理情報を容易に交換できるようにするアプリケーション レイヤ プロトコルです。TCP/IP プロトコル スイートの一部である SNMP を使用すると、管理者は、ネットワーク パフォーマンスのリモート管理、ネットワーク問題の検出と解決、およびネットワークの拡張計画を行うことができます。
Cisco Unified Serviceability を使用すると、コミュニティ ストリング、ユーザ、および V1、V2c、V3 の通知先など、SNMP 関連の設定を行うことができます。同様に、SNMP 設定ウィンドウでは、クラスタ内のすべてのノードに設定を適用できます。
ヒント Cisco Unified CallManager または Cisco Unified Communications Manager 4.X で指定した SNMP 設定パラメータは、Cisco Unified Communications Manager 6.0 へのアップグレード時に移行されません。Cisco Unified Serviceability で SNMP 設定手順を再度実行する必要があります。
この項は、次の内容で構成されています。
• 「SNMP の基本」
• 「SNMP バージョン 1 のサポート」
• 「SNMP バージョン 2c のサポート」
• 「SNMP バージョン 3 のサポート」
• 「SNMP サービス」
• 「SNMP コミュニティ ストリングおよびユーザ」
• 「SNMP 管理情報ベース(MIB)」
• 「SNMP トラップおよび通知」
SNMP の基本
SNMP で管理されるネットワークは、管理対象デバイス、エージェント、およびネットワーク管理システムの 3 つの主要なコンポーネントから構成されます。
• 管理対象デバイス:SNMP エージェントを含むネットワーク ノードで、管理対象ネットワークに常駐します。管理対象デバイスは、管理情報を収集して格納し、SNMP を使用してその情報を使用できるようにします。
Cisco Unified Communications Manager クラスタ内のファースト ノードは、管理対象デバイスとして動作します。
• エージェント:ネットワークで管理されるソフトウェア モジュールで、管理対象デバイスに常駐します。エージェントは、管理情報の知識をローカルで保持し、その知識を SNMP と互換性のある形式に変換します。
Cisco Unified Communications Manager は、マスター エージェントとサブエージェント コンポーネントを使用して SNMP をサポートします。マスター エージェントは、エージェント プロトコル エンジンとして動作し、SNMP 要求に関連する認証、認可、アクセス制御、およびプライバシー機能を実行します。同様に、マスター エージェントは、MIB-II に関連する少数の MIB 変数を備えています。また、マスター エージェントは、サブエージェントが必須タスクを完了した後で、サブエージェントへの接続と切断を行います。SNMP マスター エージェントは、ポート 161 でリッスンし、SNMP パケットを Vendor MIB に転送します。
Cisco Unified Communications Manager サブエージェントは、ローカルの Cisco Unified Communications Manager のみと対話します。Cisco Unified Communications Manager サブエージェントは、トラップおよび情報メッセージを SNMP Master Agent に送信し、SNMP Master Agent は SNMP トラップ受信者(通知先)と通信します。
• ネットワーク管理システム(NMS):SNMP 管理アプリケーション(およびアプリケーションが動作する PC)で、ネットワーク管理に必要な処理リソースおよびメモリ リソースの大部分を備えています。NMS は、管理対象デバイスをモニタおよび制御するアプリケーションを実行します。Cisco Unified Communications Manager は、次の NMS と連携します。
–CiscoWorks2000
–HP OpenView
–SNMP および Cisco Unified Communications Manager SNMP インターフェイスをサポートするサードパーティ アプリケーション
SNMP バージョン 1 のサポート
SNMP バージョン 1(SNMPv1)は、Structure of Management Information(SMI; 管理情報構造)の仕様の範囲内で機能する SNMP の初期実装であり、User Datagram Protocol(UDP; ユーザ データグラム プロトコル)や Internet Protocol(IP; インターネット プロトコル)などのプロトコル上で動作します。
SNMPv1 SMI は、表形式のオブジェクト(つまり、複数の変数を含むオブジェクト)のインスタンスをグループ化するために使用される、高度に構造化されたテーブル(MIB)を定義します。テーブルにはインデックス付きの行が 0 個以上含まれているため、SNMP は、サポートされているコマンドを使用して行全体の取得や変更を行うことができます。
SNMPv1 では、NMS が要求を発行し、管理対象デバイスが応答を返します。エージェントは、Trap 操作を使用し、NMS に対して重要なイベントを非同期的に通知します。
Cisco Unified Serviceability では、SNMP v1 のサポートの設定は、V1/V2c の設定ウィンドウで行います。
SNMP バージョン 2c のサポート
SNMPv1 と同様、SNMPv2c も管理情報構造(SMI)の仕様の範囲内で機能します。MIB モジュールには、相互に関連する管理対象オブジェクトの定義が含まれています。SNMPv1 で使用される操作は、SNMPv2 で使用されるものと似ています。たとえば、SNMPv2 Trap 操作では、機能は SNMPv1 で使用されるものと同じです。ただし、使用されるメッセージ形式が異なるため、SNMPv1 Trap は置き換えられます。
SNMPv2c の Inform 操作を使用すると、NMS は、別の NMS にトラップ情報を送信し、その NMS から応答を受信できます。
Cisco Unified Serviceability では、SNMP v2 のサポートの設定は、V1/V2c の設定ウィンドウで行います。
SNMP バージョン 3 のサポート
SNMP バージョン 3 は、認証(要求元の真正性の確認)、プライバシー(データの暗号化)、許可(要求された操作がユーザに許可されているかどうかの確認)、およびアクセス制御(要求されたオブジェクトへのアクセスがユーザに許可されているかどうかの確認)などのセキュリティ機能を備えています。SNMP パケットがネットワークに公開されないようにするには、SNMPv3 を使用して暗号化を設定します。
SNMP v3 は、SNMP v1 や v2 のコミュニティ ストリングの代わりに、SNMP ユーザを使用します。詳細については、「SNMP コミュニティ ストリングおよびユーザ」を参照してください。
Cisco Unified Serviceability では、SNMP v3 のサポートの設定は、V3 の設定ウィンドウで行います。
SNMP サービス
SNMP をサポートするには、次のサービスを使用する必要があります。これらのサービスは、Cisco Unified Serviceability の[Service Activation]ウィンドウや[Control Center]ウィンドウに表示されます。各サービスについては、「サービスの概要」を参照してください。
• Cisco CallManager SNMP サービス
• SNMP Master Agent
• MIB2 Agent
• Host Resources Agent
• System Application Agent
• Native Agent Adaptor
• Cisco CDP Agent
• Cisco Syslog Agent
注意 SNMP サービスを停止すると、ネットワーク管理システムが Cisco Unified Communications Manager ネットワークをモニタしなくなるため、データが失われる場合があります。テクニカル サポート チームから指示を受けた場合を除き、このサービスは停止しないでください。
SNMP コミュニティ ストリングおよびユーザ
SNMP コミュニティ ストリングはセキュリティを備えていませんが、MIB オブジェクトへのアクセスを認証し、組み込みパスワードとして機能します。SNMP コミュニティ ストリングの設定対象は、SNMP v1 および v2c のみです。
SNMP v3 は、コミュニティ ストリングを使用しません。代わりに、バージョン 3 は SNMP ユーザを使用します。このユーザの用途はコミュニティ ストリングと同じです。ただし、ユーザには暗号化や認証を設定できるため、セキュリティが確保されます。
Cisco Unified Serviceability には、コミュニティ ストリングまたはユーザのデフォルトは存在しません。
SNMP トラップおよび通知
SNMP エージェントは NMS に対して、重要なシステム イベントを識別するための通知をトラップ形式または通知形式で送信します。トラップは宛先から確認応答を受信しませんが、通知は確認応答を受信します。通知先を設定するには、Cisco Unified Serviceability の[SNMP Notification Destination Configuration]ウィンドウを使用します。
アラーム定義のルーティング リストに SNMP トラップが表示されているアラームの場合、CCMAgent がアラームからアラーム通知を受信することがあります。この通知は XML メッセージとして受信、解析され、その後トラップが送信されます。Phone Failed イベントおよび Phone Status イベントの場合、Phone Failed MMF および Phone Status MMF にデータが読み込まれます。他のすべての通知では、即座にトラップが送信されます(対応するトラップ フラグが有効になっている場合)。syslog エージェントの場合、CallManager アラームとシステム レベル ログ メッセージが syslog デーモンに送信され、ロギングされます。また、一部の標準的なサードパーティ アプリケーションでも、ログ メッセージを syslog デーモンに送信してロギングします。これらのログ メッセージはローカルの syslog ファイルにロギングされ、SNMP トラップまたは通知に変換されます。
次のリストは、設定されたトラップ宛先に送信される Cisco Unified Communications Manager SNMP トラップまたは通知メッセージを示しています。
• Cisco Unified CallManager failed
• Phone failed
• Phones status update
• Gateway failed
• Media resource list exhausted
• Route list exhausted
• Gateway layer 2 change
• Quality report
• Malicious call
• Syslog message generated
ヒント 通知先を設定する前に、必要な SNMP サービスがアクティブで動作していることを確認してください。また、コミュニティ ストリングまたはユーザの特権が正しく設定されていることも確認してください。
SNMP トラップ宛先を設定するには、Cisco Unified Serviceability で[SNMP]>[V1/V2]>[Notification Destination]または[SNMP] >[V3]>[Notification Destination]の順に選択します。
表14-1 は、ネットワーク管理システム(NMS)で設定する Cisco Unified Communications Manager のトラップまたは通知パラメータを示しています。 表14-1 の値を設定するには、NMS で適切なコマンドを発行します。詳細については、NMS をサポートする SNMP 製品マニュアルを参照してください。
(注) 表14-1 に示されているすべてのパラメータは、最後の 2 つを除いて CISCO-CCM-MIB の一部であることに注意してください。最後の 2 つの clogNotificationsEnabled および clogMaxSeverity は、CISCO-SYSLOG-MIB の一部を構成しています。
表14-1 Cisco Unified Communications Manager トラップまたは通知の設定パラメータ
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ccmCallManagerAlarmEnable |
True |
ccmCallManagerFailed ccmMediaResourceListExhausted ccmRouteListExhausted ccmTLSConnectionFailure |
デフォルトの仕様を保持します。 |
ccmGatewayAlarmEnable |
True |
ccmGatewayFailed ccmGatewayLayer2Change
(注) Cisco Unified Communications Manager の管理ページでは、Cisco ATA 186 デバイスを電話機として設定できますが、Cisco Unified Communications Manager は、Cisco ATA デバイスに SNMP トラップを送信するときに、ゲートウェイ タイプのトラップ(たとえば ccmGatewayFailed)を送信します。
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なし。デフォルトでは、このトラップは有効として指定されています。 |
ccmPhoneStatusUpdateStorePeriod ccmPhoneStatusUpdateAlarmInterval |
1800 0 |
ccmPhoneStatusUpdate |
ccmPhoneStatusUpdateAlarmInterval を 30 ~ 3,600 の値に設定します。 |
ccmPhoneFailedStorePeriod ccmPhoneFailedAlarmInterval |
1800 0 |
ccmPhoneFailed |
ccmPhoneFailedAlarmInterval を 30 ~ 3,600 の値に設定します。 |
ccmMaliciousCallAlarmEnable |
True |
ccmMaliciousCall |
なし。デフォルトでは、このトラップは有効として指定されています。 |
ccmQualityReportAlarmEnable |
True |
(注) このトラップが生成されるのは、ローカルの Cisco Unified Communications Manager ノードで Cisco Extended Functions サービスがアクティブで動作している場合のみです。
ccmQualityReport |
なし。デフォルトでは、このトラップは有効として指定されています。 |
clogNotificationsEnabled |
False |
clogMessageGenerated |
トラップ生成を有効にするには、clogNotificationsEnable を True に設定します。 |
clogMaxSeverity |
Warning |
clogMessageGenerated |
clogMaxSeverity を warning に設定した場合、SNMP トラップの生成は、Cisco Unified Communications Manager アプリケーションが warning 以上の重大度を持つ syslog メッセージを生成したときに行われます。 |
SNMP 管理情報ベース(MIB)
SNMP を使用すると、Management Information Base(MIB; 管理情報ベース)にアクセスできます。MIB とは、階層化された情報の集合のことです。MIB は、管理対象オブジェクトから構成されています。このオブジェクトは、オブジェクト識別子によって識別されます。MIB オブジェクトは、管理対象デバイスに関する固有の特性を持ち、1 つ以上のオブジェクト インスタンス(変数)から構成されています。
簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)拡張エージェントは、各 Cisco Unified Communications Manager ノードに常駐し、ノードで既知のデバイスについての詳細情報を含む CISCO-CCM-MIB を公開します。CISCO-CCM-MIB には、(クラスタではなく)ノードについての、デバイス登録状況、IP アドレス、説明、およびモデル タイプなどのデバイス情報が含まれています。
Cisco Unified Communications Manager は、次の MIB をサポートします。
CISCO-CDP-MIB
Cisco Discovery Protocol MIB(CISCO-CDP-MIB)を読み取るには、Cisco Unified Communications Manager CDP サブエージェントを使用します。この MIB を使用すると、Cisco Unified Communications Manager 自体をネットワーク上の他の Cisco デバイスにアドバタイズできます。
CDP サブエージェントは、CDP-MIB を実装しています。CDP-MIB には、次のオブジェクトが含まれています。
• cdpInterfaceIfIndex
• cdpInterfaceMessageInterval
• CdpInterfaceEnable
• cdpInterfaceGroup
• cdpInterfacePort
• CdpGlobalRun
• CdpGlobalMessageInterval
• CdpGlobalHoldTime
• cdpGlobalLastChange
• cdpGobalDeviceId
• cdpGlobalDeviceIdFormat
• cdpGlobalDeviceIdFormatCpd
SYSAPPL-MIB
SYSAPPL-MIB から情報を取得するには、System Application Agent を使用します。この情報には、インストールされているアプリケーション、アプリケーション コンポーネント、およびシステムで動作しているプロセスなどの情報があります。
System Application Agent は、SYSAPPL-MIB の次のオブジェクト グループをサポートします。
• sysApplInstalled
• sysApplRun
• sysApplMap
MIB-II
MIB-II から情報を取得するには、MIB2 エージェントを使用します。MIB2 エージェントは、RFC 1213 で定義されている interfaces や IP などの変数へのアクセスを提供します。また、次のオブジェクト グループをサポートします。
• system
• interfaces
• at
• ip
• icmp
• tcp
• udp
• snmp
HOST-RESOURCES MIB
HOST-RESOURCES-MIB から値を取得するには、Host Resources Agent を使用します。Host Resources Agent は、ストレージ リソース、プロセス テーブル、デバイス情報、およびインストール済みソフトウェア ベースなどのホスト情報への SNMP アクセスを提供します。また、次のオブジェクト グループをサポートします。
• hrSystem
• hrStorage
• hrDevice
• hrSWRun
• hrSWRunPerf
• hrSWInstalled
CISCO-SYSLOG-MIB
システムは、トラップ機能のみをサポートします。Cisco Syslog Agent は、CISCO-SYSLOG-MIB の次のオブジェクトのみをサポートします。
• clogNotificationsSent
• clogNotificationsEnabled
• clogMaxSeverity
• clogMsgIgnores
• clogMsgDrops
CISCO-CCM-MIB
CISCO-CCM-MIB には、ローカルの Cisco Unified Communications Manager とその関連デバイス(電話機やゲートウェイなど)に関する、動的な(リアルタイムの)情報と設定済みの(静的な)情報の両方が含まれています。簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)テーブルには、IP アドレス、登録状況、およびモデル タイプなどの情報が含まれています。
CISCO-CCM-MIB のサポート リストを表示するには、次のリンクにアクセスしてください。
ftp://ftp.cisco.com/pub/mibs/supportlists/callmanager/callmanager-supportlist.html
次のリストは、CISCO-CCM-MIB に存在するテーブルを示しています。
• ccmPhoneFailedTable、ccmPhoneStatusUpdateTable、ccmPhoneExtnTable、ccmPhoneTable
Cisco Unified IP Phone の場合、ccmPhoneTable 内の登録済み電話機の数は、Cisco Unified Communications Manager/RegisteredHardware Phones パフォーマンス カウンタと一致している必要があります。ccmPhoneTable には、登録済み、登録解除された、または拒否された Cisco Unified IP Phone ごとに 1 つのエントリが含まれています。
• ccmCTIDeviceTable、ccmCTIDeviceDirNumTable
ccmCTIDeviceTable には、各 CTI デバイスが 1 つのデバイスとして格納されています。CTI Route Point または CTI Port の登録状況に基づいて、Cisco Unified Communications Manager MIB の ccmRegisteredCTIDevices、ccmUnregisteredCTIDevices、および ccmRejectedCTIDevices カウンタが更新されます。
• ccmSIPDeviceTable
CCMSIPDeviceTable には、各 SIP トランクが 1 つのデバイスとして格納されています。
• ccmH323Device
ccmH323DeviceTable には、ローカルの Cisco Unified Communications Manager に情報が格納されている H323 デバイスのリストが含まれています。H.323 電話機または H.323 ゲートウェイの場合、ccmH.323DeviceTable には、H.323 デバイスごとに 1 つのエントリが含まれています(H.323 電話機およびゲートウェイは、Cisco Unified Communications Manager に登録されません。Cisco Unified Communications Manager は、表示された H.323 電話機およびゲートウェイへのコールを処理できる状態になると、H.323Started アラームを生成します)。システムは、ゲートキーパー情報を H323 トランク情報の一部として提供します。
• ccmVoiceMailDeviceTable、ccmVoiceMailDirNumTable
Cisco uOne および ActiveVoice の場合、ccmVoiceMailDeviceTable には、ボイス メッセージ デバイスごとに 1 つのエントリが含まれています。登録状況に基づいて、Cisco Unified Communications Manager MIB の ccmRegisteredVoiceMailDevices、ccmUnregisteredVoiceMailDevices、および ccmRejectedVoiceMailDevices カウンタが更新されます。
• ccmGatewayTable
ccmRegisteredGateways、ccmUnregistered gateways、および ccmRejectedGateways はそれぞれ、登録済みゲートウェイ デバイスまたはポートの数、登録解除されたゲートウェイ デバイスまたはポートの数、および拒否されたゲートウェイ デバイスまたはポートの数を追跡します。
Cisco Unified Communications Manager は、デバイス レベルまたはポート レベルでアラームを生成します。CallManager アラームに基づく ccmGatewayTable には、デバイス レベルまたはポート レベルの情報が含まれています。登録済み、登録解除された、または拒否されたデバイスやポートはそれぞれ、ccmGatewayTable に 1 つのエントリを持っています。2 つの FXS ポートと 1 つの T1 ポートを持つ VG200 は、ccmGatewayTable に 3 つのエントリを持っています。ccmActiveGateway カウンタと ccmInActiveGateway カウンタは、アクティブな(登録済み)ゲートウェイ デバイスまたはポートの数と、接続が失われた(登録解除または拒否された)ゲートウェイ デバイスまたはポートの数を追跡します。
登録状況に基づいて、ccmRegisteredGateways、ccmUnregisteredGateways、および ccmRejectedGateways カウンタが更新されます。
• ccmProductTypeTable
このテーブルには、Cisco Unified Communications Manager クラスタでサポートされている製品タイプのリストが含まれています。この製品タイプには、電話機タイプ、ゲートウェイ タイプ、メディア デバイス タイプ、H323 デバイス タイプ、CTI デバイス タイプ、ボイス メッセージ デバイス タイプ、および SIP デバイス タイプがあります。
• ccmMediaDeviceInfo Table
このテーブルには、少なくとも 1 回はローカルの CallManager への登録を試行したことがあるすべてのメディア デバイスのリストが含まれています。
(注) phoneTable や gatewayTable などの動的テーブルでは、ローカルの Cisco CallManager サービスが動作している場合に限り、データが読み込まれます。Cisco Unified Communications Manager MIB の region、timezone、および devicepool などの静的テーブルでは、Cisco CallManager SNMP サービスの動作中にデータが読み込まれます。
(注) CISCO-CCM-MIB の「ccmAlarmConfigInfo」および「ccmQualityReportAlarmConfigInfo」グループは、「SNMP トラップおよび通知」に記載されている通知に関連する設定パラメータを定義します。
ベンダー固有の MIB
次の MIB は、ベンダーとモデル番号に応じて、さまざまな Cisco MCS に存在します。これらの MIB にクエリーを実行するには、ハードウェア ベンダーによって開発された、HP Systems Insight Manager(SIM)および IBM Director Server+Console などの標準の MIB ブラウザを使用します。MIB ブラウザの使用方法については、ハードウェア ベンダーが提供するマニュアルを参照してください。
ベンダー固有の MIB 情報を確認するには、次の表を参照してください。
• 表14-2 :サポートされる IBM の MIB について説明します。
• 表14-3 :サポートされる HP の MIB について説明します。
表14-2 IBM の MIB
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IBM-SYSTEM-HEALTH-MIB |
1.3.6.1.4.1.2.6.159.1.1.30 |
温度、電圧、およびファンのステータスを示します。 |
IBM-SYSTEM-ASSETID-MIB |
1.3.6.1.4.1.2.6.159.1.1.60 |
ハードウェア コンポーネントの資産データを示します。 |
IBM-SYSTEM-LMSENSOR-MIB |
1.3.6.1.4.1.2.6.159.1.1.80 |
温度、電圧、およびファンの詳細を示します。 |
IBM-SYSTEM-NETWORK-MIB |
1.3.6.1.4.1.2.6.159.1.1.110 |
Network Interface Card(NIC; ネットワーク インターフェイス カード)のステータスを示します。 |
IBM-SYSTEM-MEMORY-MIB |
1.3.6.1.4.1.2.6.159.1.1.120 |
物理メモリの詳細を示します。 |
IBM-SYSTEM-POWER-MIB |
1.3.6.1.4.1.2.6.159.1.1.130 |
電源の詳細を示します。 |
IBM-SYSTEM-PROCESSOR-MIB |
1.3.6.1.4.1.2.6.159.1.1.140 |
CPU 資産/ステータス データを示します。 |
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IBM-SYSTEM-TRAP |
1.3.6.1.4.1.2.6.159.1.1.0 |
温度、電圧、ファン、ディスク、NIC、メモリ、電源、および CPU の詳細を示します。 |
IBM-SYSTEM-RAID-MIB |
1.3.6.1.4.1.2.6.167.2 |
RAID ステータスを示します。 |
表14-3 HP の MIB
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CPQSTDEQ-MIB |
1.3.6.1.4.1.232.1 |
ハードウェア コンポーネントの設定データを示します。 |
CPQSINFO-MIB |
1.3.6.1.4.1.232.2 |
ハードウェア コンポーネントの資産データを示します。 |
CPQIDA-MIB |
1.3.6.1.4.1.232.3 |
RAID ステータス/イベントを示します。 |
CPQHLTH-MIB |
1.3.6.1.4.1.232.6 |
ハードウェア ステータス/イベントを示します。 |
CPQSTSYS-MIB |
1.3.6.1.4.1.232.8 |
ストレージ(ディスク)システム ステータス/イベントを示します。 |
CPQSM2-MIB |
1.3.6.1.4.1.232.9 |
iLO ステータス/イベントを示します。 |
CPQTHRSH-MIB |
1.3.6.1.4.1.232.10 |
アラームのしきい値管理を示します。 |
CPQHOST-MIB |
1.3.6.1.4.1.232.11 |
オペレーティング システム情報を示します。 |
CPQIDE-MIB |
1.3.6.1.4.1.232.14 |
IDE(CD-ROM)ドライブのステータス/イベントを示します。 |
CPQNIC-MIB |
1.3.6.1.4.1.232.18 |
ネットワーク インターフェイス カード(NIC)のステータス/イベントを示します。 |