Cisco ENCS 5400-W シリーズ上の Cisco vWAAS
この章では、シスコ エンタープライズ ネットワーク コンピューティング システム、W シリーズ アプライアンス上の Cisco vWAAS について説明します。
Cisco ENCS 5400-W シリーズ上の Cisco vWAAS
ここでは、次の内容について説明します。
Cisco ENCS 5400-W および ENCS 5400 シリーズについて
シスコ エンタープライズ ネットワーク コンピューティング シリーズ(ENCS)は、シスコ エンタープライズ ネットワーク機能仮想化(NFV)ソリューションをホストするために使用されます。ENCS は、シスコ NFV インフラストラクチャ ソフトウェア(NFVIS)、およびシスコとサードパーティの VNF を Cisco エンタープライズ NFV に展開するためにも使用されます。
Cisco NFVIS の詳細については、第 9 章の「Cisco vWAAS と Cisco Enterprise NFVIS」を参照してください。
表 7-1 では、ENCS 5400 シリーズと ENCS 5400-W シリーズ(vWAAS で使用)がエンタープライズ NFV で使用される方法について説明します。Cisco ENCS 5400-W シリーズの詳細については、「 Cisco 5400 エンタープライズ ネットワーク コンピューティング システム データ シート 」[英語] を参照してください。
表 7-1 Cisco ENCS 5400 シリーズおよび ENCS 5400-W シリーズ
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ENCS 5400 シリーズ |
Cisco ENCS 5400 シリーズ(ENCS 5406、5408、および 5412)は、Cisco SD ブランチおよびエンタープライズ NFV ソリューション向けに設計されたコンピューティング アプライアンス製品ラインです。 |
ENCS 5400-W シリーズ |
ENCS 5400-W シリーズ(ENCS 5406-W、5408-W、および 5412-W)は、Cisco エンタープライズ NFV ソリューション向けに設計された、ブランチ展開および WAAS アプリケーションのホスト用の x86 ハイブリッド プラットフォームです。これらの高性能ユニットは、仮想化されたネットワーク機能を導入するためのインフラストラクチャを提供し、同時に処理、ワークロード、およびストレージに関する課題に対処するサーバとして機能することで、この目標を実現します。
(注) vWAAS は、3 つの Cisco ENCS 5400-W シリーズ モデル(ENCS 5406-W、ENCS 5408-W、ENCS 5412-W)、および 3 つの Cisco PID(ENCS 5406-K9、ENCS 5408-K9、ENCS 5412-K9)でアプライアンス モードまたは仮想ネットワーク機能(VNF)として動作するように設計されています。
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Cisco ENCS 5400-W シリーズ上の VM としての vWAAS
ENCS 上のシスコ エンタープライズ NFVIS を使用する vWAAS の場合、vWAAS は WAN とアプリケーションの最適化を提供する VM として動作し、オプションで Akamai Connect を使用してアプリケーションを最適化します。
シスコ エンタープライズ NFVIS を使用する vWAAS は、ブランチ展開向け、およびルーティングおよびホスト アプリケーション向けの Cisco x86 ハードウェア プラットフォームである Cisco ENCS 5400-W シリーズ上で動作します。
表 7-2 に、Cisco ENCS 5406-W、5408-W、および 5412-W でサポートされる vWAAS モデルを示します。
表 7-2 Cisco ENCS 5400-W シリーズでサポートされる vWAAS モデル
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ENCS 5406-W |
Intel Xeon プロセッサ D-1528 (1.9 GHz、9 MB L2 キャッシュ) |
6コア |
16 GB |
vWAAS-200 または vWAAS-750 |
ENCS 5408-W |
Intel Xeon プロセッサ D-1548 (2.0 GHz、および 12 MB L2 キャッシュ) |
8 コア |
16 GB |
vWAAS-1300 |
ENCS 5412-W |
Intel Xeon プロセッサ D-1557 (1.5 GHz、および 18 MB L2 キャッシュ) |
12 コア |
ユーザ 1 人あたりの月間インターネット トラフィックは |
vWAAS-2500 または vWAAS 6000R |
EOL/EOS WAVE デバイスを置き換える ENCS 5400-W モデル
Cisco WAVE アプライアンスには、販売終了(EOS)およびサポート終了(EOL)の日付が設定されています。「 Cisco WAVE 294、594、694、7541、7571 および 8541 の販売終了とサポート終了のお知らせ 」[英語] を参照してください。
表 7-3 に、EOS/EOL WAVE モデルを置き換える ENCS 5400-W シリーズ モデルと、各 ENCS 5400 モデルでサポートされる vWAAS モデルを示します。
表 7-3 WAVE デバイスを置き換える ENCS 5400-W シリーズ モデル
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WAVE モデルを置き換える ENCS 5400 モデル
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ENCS 5400 でサポートされる vWAAS モデル
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WAVE-294 |
ENCS 5406-W |
vWAAS 200 |
200 接続 |
WAVE-594-8G |
ENCS 5406-W |
vWAAS-750 |
750 接続 |
WAVE-594-12G |
ENCS 5408-W |
vWAAS-1300 |
1300 接続 |
WAVE-694-16G |
ENCS 5412-W |
vWAAS-2500 |
2500 接続 |
WAVE-694-24G |
ENCS 5412-W |
vWAAS-6000-R |
6000 接続 |
ENCS 5400-W ハードウェアの機能と仕様
表 7-4 に、3 つの ENCS 5400-W シリーズ モデルすべてに適用される機能と仕様を示します。Cisco ENCS 5400-W シリーズの外観および詳細については、「 Cisco 5400 エンタープライズ ネットワーク コンピューティング システム データ シート 」[英語] を参照してください。
表 7-4 ENCS 5400-W シリーズの機能と仕様
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サポートされる vWAAS モデル |
次のいずれかの設定
- ENCS 5406-W は vWAAS 200、vWAAS-750 をサポート
- ENCS 5408-W は vWAAS-1300 をサポート
- ENCS 5412-W は vWAAS-2500、vWAAS-6000-R をサポート
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CPU |
次のいずれかの仕様
- ENCS 5406-W:
Intel Xeon プロセッサ D-1528(6 コア、1.9 GHz、9 MB キャッシュ)
- ENCS-5408-W:
Intel Xeon プロセッサ D-1548(8 コア、2.0 GHz、12 MB キャッシュ)
- ENCS-5412-W:
Intel Xeon プロセッサ D-1557(12 コア、1.5 GHz、18 MB キャッシュ)
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BIOS |
バージョン 2.4 |
KVM ハイパーバイザ上の Cisco NFVIS |
KVM ハイパーバイザ バージョン 3.10.0-327.el7.x86_64 |
CIMC |
Version 3.2 |
ネットワーク コントローラ |
Intel FTX710-AM2 |
WAN イーサネット ポート |
Intel i350 デュアル ポート |
DIMM |
次の容量を持つ ENCS モデル用の 2 つの DDR4 デュアル インライン メモリ モジュール(DIMM)スロット。
- ENCS 5406-W:16 GB
- ENCS 5408-W:16 GB
- ENCS 5412-W:32 GB
各スロットのメモリ モジュールは最大 32 GB にアップグレードできます。これにより、最大容量 64 GB の DIMM を使用できるようになります。 |
ギガビット イーサネット ポート |
2 つのギガビット イーサネット ポート:各 RJ45 ポートに対応する光ファイバ ポートがあります。特定の時点で、RJ45 接続または対応する光ファイバ ポートのいずれかを使用できます。 |
NIM |
1 つのネットワーク インターフェイス モジュール(NIM)拡張スロット:NIM スロットに NIM を取り付けることができます。または、スロットが不要な場合は NIM モジュールから NIM を削除できます。各 ENCS 5400 モデルは、Cisco 4 ポート 1G fail-to-wire NIM カード用の 1 つ の NIM スロットをサポートしています。 |
Management Controller |
システム全体の健全性をモニタする Cisco Integrated Management Controller(CIMC)用のイーサネット管理ポート。 |
HDD ストレージ |
ホットスワップ可能な HDD スロットが 2 つありますが、ENCS 5400-W シリーズ用の HDD ストレージは推奨されません。 |
SSD ストレージ |
- RAID なしおよび 1 960 GB SSD
- RAID-1 および 2 SSD(960 GB SSD)
(注) ご使用のシステム用に RAID-1 を追加または削除する必要がある場合は「ENCS 5400-W シリーズ用の RAID-1 の追加または削除」を参照してください。RAID-1 オプションは、WAAS バージョン 6.4.1a 以降用の vWAAS で使用可能であることに注意してください。
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オフロード機能 |
VM 間のトラフィックなどの CPU リソースを最適化し、オープン ソフトウェアのサポートを維持するためのオフロード機能を提供するオプションの暗号化モジュール。 |
vWAAS バンドル イメージのインストール手順
はじめる前に
WAAS システム上で ENCS 5400-W シリーズ デバイスに NFVIS とともに vWAAS をインストールするには、次の手順に従います。
ステップ 1 vWAAS バンドル イメージ ファイルをご使用のラップトップにコピーします。この ISO ファイルには、NFVIS 3.10.1 イメージ(ファイル形式「Cisco_NFVIS...」)と WAAS 6.4.3a イメージ(ファイル形式「WAAS-APPLIANCE...」)が含まれています。
NFVIS 3.10.1 へのアップグレード方法については、「Cisco エンタープライズ NFVIS を使用する Cisco vWAAS」の「Cisco NFVIS 3.10.1 へのアップグレード」の項を参照してください。
ステップ 2 ご使用のラップトップのイーサネット ポートを、ENCS デバイスの Cisco Integrated Management Controller(CIMC)ポートに接続します。
ステップ 3 ラップトップの静的 IP アドレスを設定します。たとえば、192.168.1.3 です。
(注) デフォルトでは、ENCS デバイスの CIMC ポートの IP アドレスは 192.168.1.2 として設定されています。
ステップ 4 Web ブラウザを開き、https://192.168.1.2 と入力します。
CIMC コンソールのログイン ページが表示されます。
ステップ 5 ユーザ名とパスワードを使用してログインします。
デフォルトのユーザ名は admin です。
デフォルト パスワードは password です。
ステップ 6 [Login] をクリックします。
(注) [Change Password] ダイアログボックスは、CIMC コンソールに初めてログインしたときにのみ表示されます。必要に応じてパスワードを変更し、[Save] をクリックします。
ステップ 7 CIMC のホームページが表示されます。
ステップ 8 [Home] > [Compute] > [BIOS] > [Configure Boot Order] に移動します。
[Configure Boot Order] ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 9 [Device Types] リストで、[CD/DVD Linux Virtual CD/DVD] を選択します。
[Add] をクリックします。
ステップ 10 デバイス タイプのリストで、[HDD] を選択します。
[Add] をクリックします。
ステップ 11 [Up] および [Down] オプションを使用して、起動の順序を設定します。
ステップ 12 [CD/DVD Linux Virtual CD/DVD] は起動順序の最初に表示されている必要があります。
ステップ 13 起動順序の設定を完了するには、[Apply] をクリックします。
ステップ 14 KVM コンソールを起動します。KVM コンソールは、ホームページまたは [Remote Management] 領域から起動できます。
ステップ 15 KVM コンソールで、次の手順に従います。
KVM コンソールの初期化が完了したら、KVM コンソールで [Server] > [Remote Presence] > [Virtual Media] タブを使用して vWAAS バンドル イメージをマップします。
ステップ 16 マップされたイメージをロードするには、KVM コンソールの [Power] タブで、[Power Cycle System [cold boot]] オプションを使用して電源をオフにしてからデバイスの電源をオンにします。
(注) サーバが再起動すると、KVM コンソールによって、仮想 CD/DVD ドライブから Cisco Enterpirse NFVIS が自動的にインストールされます。インストールが完了するまで 30 ほどかかります。
ステップ 17 バックグラウンドでインストールが実行されている状態で、ラップトップを使用して SSH 経由で CIMC デフォルト IP(192.168.1.2)に接続します。
ステップ 18 インストールが成功すると、ENCS デバイスが再起動します。
[ OK ] Unmounted /mnt/sysimage/dev.
[ OK ] Unmounted /mnt/sysimage/sys.
Unmounting /mnt/sysimage...
[ OK ] Unmounted /mnt/sysimage.
[ OK ] Reached target Unmount All Filesystems.
[ OK ] Stopped target Local File Systems (Pre).
[ OK ] Stopped Create Static Device Nodes in /dev.
Stopping Create Static Device Nodes in /dev...
[ OK ] Stopped Remount Root and Kernel File Systems.
Stopping Remount Root and Kernel File Systems...
[ OK ] Stopped Collect Read-Ahead Data.
Stopping Collect Read-Ahead Data...
Stopping Monitoring of LVM2 mirrors...
dmeventd or progress polling...
[ OK ] Stopped Monitoring of LVM2 mirrors,...
ng dmeventd or progress polling.
Stopping LVM2 metadata daemon...
[ OK ] Stopped LVM2 metadata daemon.
[ OK ] Started Restore /rdracut Warning: Killing all remaining processes
[ deviceID] Restarting system.
ステップ 19 ENCS デバイスが起動し、vWAAS をインストールするためのオプションが表示されます。ENCS モデルに応じて、次のいずれかのオプションが表示されます。
- ENCS 5406-W の場合:vWAAS 200 および vWAAS-750 が表示されます。
ENCS 5406-W 用の vWAAS モデルを 1 つ選択します。
- ENCS 5408-W の場合:表示される唯一のオプションは vWAAS-1300 です。
ENCS 5408-W に対して vWAAS-1300 が自動的に選択されます。
- ENCS 5412-W の場合:vWAAS-2500 および vWAAS-6000-R が表示されます。
ENCS 5412-W 用のモデルを 1 つ選択します。
例:
次の例では、ENCS 5412-W 用として vWAAS-6000-R が選択されています。
Please enter your choice: 2
表 7-5 に、vWAAS モデルごとのイスト時間および接続数を示します。
表 7-5 vWAAS モデルごとのインストール時間および接続数
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vWAAS-200 |
200 接続 |
60 分 |
15 分 |
75 分 |
vWAAS-750 |
750 接続 |
60 分 |
24 分 |
84 分 |
vWAAS-1300 |
1300 接続 |
55 分 |
28 分 |
83 分 |
vWAAS-2500 |
2500 接続 |
67 分 |
34 分 |
101 分 |
vWAAS-6000-R |
6000 接続 |
66 分 |
38 分 |
104 分 |
ステップ 20 インストールが完了すると、Cisco WAAS ログイン プロンプトが表示されます。
ステップ 21 新しい OE-ENCS デバイスが WAAS Central Manager の [Devices] > [All Devices] リスト テーブルに表示されます。
ステップ 22 新しい OE-ENCS デバイスの詳細情報を表示するには、[Devices] > [DeviceName] > [Dashboard] に移動します。
ENCS 5400-W 上の vWAAS で使用される CLI コマンド
表 7-6 に、ENCS 上の vWAAS に関する情報を表示するために使用する CLI コマンドを示します。
表 7-6 ENCS 上の vWAAS で使用される CLI コマンド
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EXEC |
copy sysreport disk |
ENCS ログは、デバッグ用の sysreport 生成の一部です。 |
reload |
操作を停止し、VM のコールド リスタートを実行します。 |
show hardware |
指定されたデバイスに関する次の情報を表示します。
- ハードウェア情報:製造元、PID、シリアル番号、ハードウェア バージョン、CPU 情報、メモリ情報、およびディスク サイズ。
- システム情報:UUID、NFVIS バージョン、コンパイル時間、カーネル バージョン、Qemu バージョン、LibVirt バージョン、および OVS バージョン。
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show inventory |
デバイスの説明、デバイスの PID、シャーシまたはスロット番号、バージョン番号、シリアル番号など、システム インベントリ情報を表示します。 |
show nfvis version |
NFVIS および BIOS バージョンを表示します。 |
show version |
OE-ENCS デバイスのバージョン、およびデバイス ID、システムの再起動時間、システムの再起動の理由、およびシステムの稼働時間を表示します。 |
shutdown |
ENCS ホスト/サーバの電源をオフにします。 |
グローバル コンフィギュレーション |
interface virtual |
内部インターフェイスは、NFVIS ホストと WAAS ゲスト間の通信に使用されます。このインターフェイス (仮想 1/0) に関連付けられている IP アドレスは、起動時に NFVIS によって自動的に割り当てられ、変更することはできません。
(注) interface virtual slot/port コマンドは、ENCS 内部インターフェイスを設定するために使用することはできません。
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Akamai Connect を使用する ENCS 上の vWAAS のハードウェア要件
表 7-7 に、Akamai Connect を使用する ENCS 上の vWAAS のメモリおよびディスク要件を vWAAS モデルごとに示します。
表 7-7 Akamai Connect を使用する ENCS 上の vWAAS のメモリおよびディスク要件
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vWAAS-200、 200 ENCS 接続 |
3 GB |
160 GB |
100 GB |
vWAAS-750、 750 ENCS 接続 |
4 GB |
250 GB |
250 GB |
vWAAS-1300、 1300 ENCS 接続 |
6 GB |
300 GB |
300 GB |
vWAAS-2500、 2500 ENCS 接続 |
8 GB |
400 GB |
350 GB |
vWAAS-6000 6000 ENCS 接続 |
11 GB |
500 GB |
350 GB |
vWAAS ENCS 5400-W シリーズの登録と展開
ここでは、次の手順について説明します。
ENCS 5400-W の vWAAS の登録
作業を開始する前に、次のことを確認します。
- ディスクがすでにマウントされている。
- ギガビット イーサネット ポート 0/0 が vWAAS の管理またはデータ用に使用できる。
- ギガビット イーサネット ポート 0/1 が vWAAS の管理またはデータ用に使用できる。
- 既存の LAN ネットと SR-IOV が使用される。
ENCS 上の vWAAS を登録するには、次の手順に従います。
ステップ 1 ENCS デバイスの電源をオンにします。
ENCS デバイスの電源がオンになると、vWAAS は自動的に起動します。
ステップ 2 イーサネット ケーブルを使用して、ご使用のラップトップを ENCS デバイスの管理ポートに接続します。
ステップ 3 ラップトップで WiFi が無効になっていることを確認します。
ステップ 4 MAC システムで次の手順を実行します。
- [Preferences] > [Network] > [Thunderbolt] に移動します。
- [Configure IPv4] ドロップダウン リストから、[Manually] を選択します。
- [IP Address] フィールドに、IP アドレス(例:192.168.1.5)を入力します。
- [Subnet Mask] フィールドに 255.255.255.0 を入力します。
- 端末を開き、SSH を使用してデバイス(192.168.1.1)に接続します。
ログインおよびパスワードのクレデンシャルに admin を使用します。
ステップ 5 シェル スクリプト(mfg.sh)を実行します。これにより、vWAAS インスタンスの登録、インストール、およびステータスのチェックが行われます。
ステップ 6 終了します。
ENCS 5400-W 上での vWAAS の展開
ENCS 上で NFVIS 上に vWAAS を展開するには、次の手順に従います。
ステップ 1 「ENCS 5400-W の vWAAS の登録」に示す手順を実行します。
ステップ 2 vWAAS KVM tar.gz ファイルをご使用のラップトップ上のディレクトリ(例:「/downloads」)にコピーします。
ステップ 3 作成した一時ディレクトリに移動します。
ステップ 4 ラップトップ上で HTTP サーバを起動し、イメージをアップロードして登録します。
ステップ 5 ラップトップのイーサネット ポートを Cisco ENCS デバイスの管理ポートに接続します。
ステップ 6 ラップトップの静的 IP アドレスを設定します。たとえば、192.168.1.2 です。
デフォルトでは、Cisco ENCS の管理ポートは 192.168.1.1 です。
ステップ 7 ラップトップで、作成したディレクトリから製造スクリプトを起動します。
製造スクリプトは、次の動作を実行します。
a. Cisco ENCS デバイスに接続します。
b. 次のステータス メッセージが表示されます。
Trying to connect to ENCS Device
NFVIS server up and running
Reconfiguring the LAN bridge.......
Reconfiguring the WAN bridge.......
Cleaning existing vWAAS instance.......
Checking disk health.......
Following vWAAS images are available:
list of images
c. Enter the image number: プロンプトに対して、イメージ番号を入力します。
d. 次のステータス メッセージが表示されます。
Preparing for WAAS installation
Progress: ############ 100%
Installation is in progress.......
Progress: ############ 100%
Installation is completed!!!
ステップ 8 登録とインストールが完了します。
ステップ 9 終了します。
Central Manager を使用した ENCS 5400-W への vWAAS の登録
WAAS Central Manager を使用して、vWAAS インスタンスまたはアクセラレータ モードで実行されている WAAS アプライアンスを登録する必要があります。
Central Manager を使用して ENCS で NFVIS 上の vWAAS を登録するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 Central Manager の IP アドレスは 10.78.99.142 です。
登録する vWAAS インスタンスまたは WAAS アプライアンスで、次の Central Manager IP アドレス情報を入力します。
DC2-WAE-1(config)#central-manager address 10.78.99.142
DC2-WAE-1#show running-config | i central
central-manager address 10.78.99.142
ステップ 2 登録する vWAAS インスタンスまたは WAAS アプライアンスで、Centralized Management System(CMS)サービスを有効にします。
DC2-WAE-1(config)#cms enable
Registering WAAS Application Engine...
Sending device registration request to Central Manager with address 10.78.99.142
Please wait, initializing CMS tables
Successfully initialized CMS tables
Please preserve running configuration using 'copy running-config startup-config'.
Otherwise management service will not be started on reload and node will be shown
'offline' in WAAS Central Manager UI.
management services enabled
ステップ 3 Central Manager で、[Devices] > [All devices] に移動します。
- WAAS アプライアンスは、[Device Type] 列に [OE-ENCS] として表示されます。
ステップ 4 終了します。
ENCS 5400-W シリーズ用の RAID-1 の追加または削除
(注) RAID-1 オプションは、WAAS バージョン 6.4.1a 以降用の vWAAS で使用できます。
ここでは、次の内容について説明します。
(注) RAID および ENCS 5400-W シリーズの詳細については、『Cisco 5400 Enterprise Network Compute System Hardware Installation Guide』[英語] を参照してください。
RAID なしおよび 1 SSD から RAID-1 および 2 SSD への機器の移行
(注) RAID-1 オプションは、WAAS バージョン 6.4.1a 以降用の vWAAS で使用できます。
はじめる前に
- ENCS で RAID-1 仮想ディスクを有効にするには、「RAID グループでのドライブ タイプの混在」を参照して、ハード ドライブの互換性とパフォーマンスのベストプラクティスを確認してください。仮想ディスクを作成する前に、両方のドライブが [Unconfigured Good] 状態になっている必要があります。ドライブが他のステータスの場合は、CIMC Web GUI または CLI を使用して、次の手順を実行します。
ディスクが JBOD 状態の場合
a. [Storage] タブ > [Physical Drive Info] タブに移動します。
b. [Actions] 領域で、[Set State as Unconfigured Good] を選択します。
c. ディスクが [Unconfigured Good] 状態であることを確認します。
ディスクが [Foreign Config] 状態の場合
a. [Storage] タブ > [Controller Info] タブに移動します。
b. [Actions] 領域で、[Clear Foreign Config] をクリックします。
c. [Actions] 領域で、[Unconfigured Good] を選択します。
d. ディスクが [Unconfigured Good] 状態であることを確認します。
仮想ディスクを作成するには、次の手順に従います。
ステップ 1 CIMC コンソールにログインします。
ステップ 2 CIMC コンソールの左ペインで、[Storage] タブをクリックします。
ステップ 3 CIMC コンソールの中央ペインで、[Controller Info] タブをクリックします。
ステップ 4 [Actions] 領域で、[Create Virtual Drive from Unused Physical Drives] クリックします。
[Create Virtual Drive from Unused Physical Drives Wait] ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 5 [Create Virtual Drive from Unused Physical Drives] ダイアログボックスで、次を選択します。
a. [RAID Level] ドロップダウン ボックスで、[1] を選択します。
b. [Create Drive Groups] 領域で、次の手順に従います。
[Physical Drives] ペインからご使用のシステムの物理ドライブを選択し、[>>] をクリックして [Drive Groups] ペインに追加します。
c. [Virtual Drive Properties] 領域で、次の手順に従います。
- [Virtual Drive Name] フィールドに、自動的に割り当てられた名前が表示されます。
- [Strip Size] ドロップダウン リストで、ストリップ サイズを選択します(デフォルトは 64 k)。
- [Write Policy] ドロップダウン リストで、書き込みポリシーを選択します(デフォルトは [Write Through])。
- [Access Policy] ドロップダウン リストで、アクセス ポリシーを選択します(デフォルトは [Read Write])。
- [Read Policy] ドロップダウン リストで、読み取りポリシーを選択します(デフォルトは [Read Ahead])。
- [Cache Policy] ドロップダウン リストで、キャッシュ ポリシーを選択します(デフォルトはダイレクト IO)。
- [Disk Cache Policy] ドロップダウン リストで、ディスク キャッシュ ポリシーを選択します(デフォルトは [Unchanged])。
- [Size] ドロップダウン リストの値が自動的に入力されます。
ステップ 6 [Create Virtual Drive] をクリックします。
RAID-1 および 2 SSD から RAID なしおよび 1 SSD への機器の移行
(注) RAID-1 オプションは、WAAS バージョン 6.4.1a 以降用の vWAAS で使用できます。
はじめる前に
- ディスクを WAE から物理的に取り外す前に、ディスクのシャットダウンが完了するのを待つ必要があります。RAID 削除プロセスが完了すると、WAAS はディスク障害アラームおよびトラップを生成します。さらに、syslog エラー メッセージが記録されます。
- RAID アレイの再ビルド プロセス中に削除イベントが発生した場合、RAID 削除プロセスの完了に最長 1 分かかることがあります。このプロセスの所要時間は、ディスクのサイズによって異なります。
RAID 再ビルド プロセス中にディスクを管理上のシャットダウンにする場合、RAID 再ビルドの中断アラームが生成されます。
RAID-1 ディスクを取り外す手順は、次のとおりです。
ステップ 1 ディスクを手動でシャットダウンするには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始してから、 disk disk-name diskxx shutdown コマンドを入力します。
WAE(config)# disk disk-name diskxx shutdown
ステップ 2 ディスクのシャットダウンが完了するのを待ってから、ディスクを WAE から物理的に取り外します。
ステップ 3 RAID 削除プロセスが完了すると、WAAS はディスク障害アラームおよびトラップを生成します。さらに、syslog エラー メッセージが記録されます。
(注) ディスクを取り外すためにシステムの電源を切る必要はないため、disk error-handling reload オプションが有効になっている場合は無効にすることを推奨します。
ENCS 5400-W 上の vWAAS での Fail-to-Wire
ここでは、次の内容について説明します。
ENCS 上の vWAAS での FTW について
Fail-to-Wire(FTW)は、ソフトウェアが介入することなく、ハードウェアによってインターフェイス ポート ペア間でパケットを転送できるようにするために、それらのポート ペアをバイパス モードにできる物理層(レイヤ 1)のバイパスです。FTW は、ソフトウェアまたはハードウェアの障害時にネットワーク接続を提供します。
ENCS 上の vWAAS on ENCS での FTW の動作ガイドライン
- FTW は、WAAS バージョン 6.4.3 以降用の vWAAS で使用できます。
- ハードウェア バイパスは、固定の一連のポートでのみサポートされます。たとえば、ポート 1 はポート 2 と、ポート 3 はポート 4 とペアリングできますが、ポート 1 をポート 4 とペアリングすることはできません。
- オンボード インターフェイスではスタンバイおよびポート チャネルの設定がサポートされています。オンボード インターフェイスではスタンバイ オーバー ポート チャネルの設定はサポートされていません。
- FTW インターフェイスではスタンバイ、ポート チャネル、およびスタンバイ オーバー ポート チャネルの設定がサポートされています。
FTW トラフィック代行受信モード
FTW は、インライン代行受信と WCCP の 2 つのトラフィック代行受信モードを使用します。
- インライン代行受信では、次の動作モードが使用されます。
– 代行受信モード:NIM ポートは代行受信モードです。vWAAS の 4 ポート NIM カード用に 2 つのインライン グループが作成されます。NIM カード ポートは、フェールオーバー タイムアウト後に fail-to-wire を行います。
– バイパス モード:インライン グループをシャットダウンして、対応するポートのペアをバイパス モードにすることができます。バイパス モードでは、ポート 0 に着信するトラフィックはポート 1 にリダイレクトされ、ポート 1 に着信するトラフィックはポート 0 にリダイレクトされます。
– 全バイバス モード:システムがリロードした場合、またはソフトウェアで予期しないイベントが発生した場合は、すべてのインライン グループをバイパス モードにすることができます。デバイス間でイーサネット接続を確立することはできません。
– スタンドアロン モード:NIM の各ポートを個別に使用できます。WAAS は、このモードを使用して WCCP 代行受信を有効にできます。NIM カードのポートは、このモードでは fail-to-wire を行わず、ウォッチドッグ タイマーは無効のままになります。
FTW の障害処理
FTW が次のシステム障害シナリオをどのように処理するかを次に示します。
- ディスクの問題:NFVIS はディスクの問題を検出し、NIM をバイパス モードにします。
- NFVIS の予期しないイベント:FTW は vWAAS キープアライブ メッセージが停止したことを検出し、FTW は NIM をパススルー FTW にします。
- WAAS リロード:vWAAS は FTW カードを即座に FTW モードにします。
- WAASnet の再起動または予期しないイベントの発生:vWAAS は FTW NIM カードを即座に FTW モードにします。WAASnet データパスが復元されると、vWAAS は FTW ポートをインライン モードに戻します。
ポート チャネルおよびスタンバイ インターフェイス用の CLI コマンド
ここでは、次の内容について説明します。
ポート チャネルおよびスタンバイ インターフェイスで使用される show コマンド
表 7-8 ポート チャネルおよびスタンバイ インターフェイスで使用される show コマンド
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show statistics f2w |
InlineGroup のステータスを表示します。これには、最後のキープアライブが受信されてから経過した時間、秒単位の時間、受信またはクリアされたバイパス アラームの数などが含まれます。 |
show interface InlineGroup |
InlineGroup 接続の統計情報と InlineGroup のステータス、およびフェールオーバーのタイムアウト頻度を表示します。 |
show interface InlinePort LAN |
InlinePort LAN 接続の統計情報と InlineGroup の特定のポート ステータスを表示します。 |
show interface InlinePort WAN |
InlinePort WAN 接続の統計情報と InlineGroup の特定のポート ステータスを表示します。 |
ポートチャネル インターフェイスの作成、削除、表示
次の例に、interface portchannel グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してポート チャネルを作成する方法を示します。
vWAAS(config)#interface portchannel 1
vWAAS(config-if)#ip address 10.10.10.10 255.0.0.0
次の例に、no interface portchannel グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してポート チャネルを削除する方法を示します。
vWAAS(config)#interface portchannel 1
vWAAS(config-if)#ip address 10.10.10.10 255.0.0.0
vWAAS(config-if)#no interface portchannel 1
(注) copy running-config startup-config または write-mem コマンドを実行した場合、グローバル コンフィギュレーション コマンド interface port channel および no interface port channel はリロード間で保存されます。
次の例に、ポート チャネル インターフェイスの show running config コマンドの出力を示します。
ip address 10.10.10.10 255.0.0.0
スタンバイ インターフェイスの作成、削除、および表示
次の例に、interface standby グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してスタンバイ インターフェイスを作成する方法を示します。
ENCS-APPLIANCE(config)#interface standby 1
ENCS-APPLIANCE(config-if)#ip address 10.10.10.10 255.0.0.0
ENCS-APPLIANCE(config-if)#exit
次の例に、no interface portchannel グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してスタンバイ インターフェイスを削除する方法を示します。
ENCS-APPLIANCE(config)#interface standby 1
ENCS-APPLIANCE(config-if)#ip address 10.10.10.10 255.0.0.0
ENCS-APPLIANCE(config-if)#exit
ENCS-APPLIANCE(config-if)#no interface standby 1
(注) copy running-config startup-config または write-mem コマンドを実行した場合、グローバル コンフィギュレーション コマンド interface standby および no interface standby はリロード間で保存されます。
次の例に、スタンバイ インターフェイスの show running config コマンドの出力を示します。
ip address <addr> <netmask>
ENCS 上での FTW のインライン代行受信の設定
ここでは、次の内容について説明します。
WAAS Central Manager を使用したインライン代行受信の設定
ENCS 上での FTW のインライン代行受信を設定するには、次の手順に従います。
ステップ 1 [Devices] > [DeviceName] > [Configure] > [Interception] > [Interception Configuration] に移動します(図 7-1)。
図 7-1 WAAS Central Manager 代行受信方式の設定画面
ステップ 2 [Interception Method] ドロップダウン リストから、[Inline] を選択します。
ステップ 3 [Submit] をクリックします。
ステップ 4 [Devices] > [DeviceName] > [Configure] > [Network] > [Network Interface] に移動します(図 7-2)。
図 7-2 WAAS Central Manager の [Network Interface] 画面
ステップ 5 [Primary Interface Settings] 領域の [IPv4 Primary Interface] ドロップダウン リストで、プライマリ インターフェイスとなるインターフェイスを選択します。
ステップ 6 [IPv6 Primary Interface] ドロップダウン リストで、[None] を選択します。
ステップ 7 [Network Interface] テーブル リストについては、『 Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide 』[英語] の「Configuring Network Settings」の章の「Configuring Network Interfaces」の項を参照してください。
ステップ 8 [Logical Interface] テーブル リストについては、『 Cisco Wide Area Application Services Configuration Guide 』[英語] の「Configuring Network Settings」の章の「Configuring Network Interfaces」の項を参照してください。
WAAS CLI を使用したインライン代行受信の設定
表 7-9 に、ENCS 上の FTW のインライン代行受信を設定するために使用される CLI コマンドを示します。
表 7-9 インライン代行受信の CLI コマンド
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グローバル コンフィギュレーション |
(config) inline failover timeout {1 | 3 | 5 | 25} |
インライン インターフェイスのフェールオーバー タイムアウトを設定します。有効値は 1、3、5、または 25 秒です。デフォルト値は 3 です。 |
(config) interception-method inline |
インライン トラフィック代行受信を有効にします。 |
(config) interface InlineGroup slot/groupnumber |
インライン グループ インターフェイスを設定します。 |
EXEC |
show interface inlinegroup slot/groupnumber |
選択したインターフェイスのインライン グループ情報とスロットおよびインライン グループ番号を表示します。 |
FTW のアップグレードまたはダウングレードのガイドライン
FTW を使用する WAAS デバイスをアップグレードまたはダウングレードする場合は、次の点を考慮してください。
- WAAS 6.4.3 より前の WAAS バージョン用の vWAAS では、FTW はサポートされていません。
- FTW を使用する混合バージョンの Cisco WAAS ネットワークでは、Central Manager が WAAS 6.4.3 を実行している必要があります。
ENCS-W 上の vWAAS のアップグレードまたはダウングレードのガイドライン
ENCS 上の WAAS デバイスをアップグレードまたはダウングレードする場合は、次の点を考慮してください。
- WAAS Central Manager または CLI を使用して、ENCS-W デバイス上の vWAAS を次の WAAS および NFVIS バージョンにアップグレードできます。
– WAAS バージョン 6.4.3a および NFVIS 3.10.1
– WAAS バージョン 6.4.3 および NFVIS 3.9.1
– WAAS バージョン 6.4.1x および NFVIS 3.71
(注) nfvis-371-waas-641a または 641b を ENCS 5400-W デバイスで実行している場合:NFVIS をアップグレードする前に、WAAS バージョン 6.4.3 にアップグレードします。
- Central Manager を使用して、デバイス レベルとデバイス グループ レベルからアップグレードすることができます。Central Manager を使用して ENCS-W デバイス上の vWAAS をアップグレードするには、次の手順に従います。
1. vWAAS デバイスに Telnet で接続します。
2. Central Manager の IP アドレスを更新します。
3. Central Manager にログインします。
- Central Manager は、デバイス グループ内のすべての該当するデバイス タイプのダウングレードをサポートしています。
たとえば、物理 WAE、仮想 WAE、および ENCS プラットフォームを含むデバイス グループを WAAS バージョン 6.4.1 より前のバージョンにダウングレードする場合、Central Manager は物理および仮想 WAE のみを対象にダウングレード プロセスを開始し、ENCS プラットフォームに対しては開始しません。