(注) |
Cisco IOS XE Release 2.6、Cisco IOS Release 15.0(1)S、および Cisco IOS Release 15.1(3)T では、インターフェイス コンフィギュレーション モードで fair-queue コマンドは表示されなくなりました。このコマンドは Cisco IOS ソフトウェアで引き続き使用できますが、CLI のインタラクティブ ヘルプでは、コマンド ラインで疑問符を入力して表示しようとしても表示されません。このコマンドは、将来のリリースで完全に削除されます。つまり、適切な代替コマンド(またはコマンド
シーケンス)を使用する必要があります。詳細(代替コマンドのリストを含む)については、『Cisco IOS Quality of Service Solutions Configuration Guide』の「Legacy QoS Command Deprecation」機能ドキュメントまたは『Cisco IOS XE Quality of Service Solutions Configuration Guide』の「Legacy QoS Command Deprecation」機能ドキュメントを参照してください。
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(注) |
Cisco IOS XE Release 3.2S 以降では、fair-queue コマンドはモジュラ QoS CLI (MQC) コマンド(または MQC コマンドのシーケンス)に置き換えられています。適切な代替コマンド(またはコマンド シーケンス)については、『Cisco IOS XE Quality of Service Solutions Configuration Guide』の「Legacy QoS Command Deprecation」機能ドキュメントを参照してください。
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Weighted Fair Queuing(WFQ; 重み付け均等化キューイング)を有効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードまたはポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードで fair-queue コマンドを使用します。WFQ を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。
fair-queue [ congestive-discard-threshold [ dynamic-queues [reservable-queues] ] ]
no fair-queue
構文の説明
congestive-discard-threshold
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(オプション)各キューで許可されるメッセージ数。指定できる範囲は 1 ~ 4096 であり、デフォルトは 64 メッセージに設定されています。会話がこのしきい値に到達すると、新しいメッセージ パケットは廃棄されます。
(注)
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階層型キューイング フレームワーク(HQF)を設定している場合、値は 16 ~ 4096 です。
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dynamic-queues
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(オプション)ベストエフォート型会話(特殊なネットワーク サービスを必要としない通常の会話)に使用されるダイナミック キューの数。値は、16 、 32 、 64 、 128 、 256 、 512 、 1024 、 2048 、および 4096 です。デフォルトのダイナミック キューの数については、fair-queue (class-default)コマンドの表を参照してください。
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reservable-queues
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(オプション)0 ~ 1000 の範囲の予約された会話に使用される予約可能なキューの数。デフォルトは 0 です。予約可能なキューは、リソース予約プロトコル(RSVP)などの機能に設定されるインターフェイスで使用されます。
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コマンド デフォルト
均等化キューイングは、2.048 Mbps 以下の帯域幅かつ次のものを使用しない物理インターフェイスに対してデフォルトで有効になっています。
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X.25 および Synchronous Data Link Control(SDLC)カプセル化
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Link Access Procedure, Balanced(LAPB; 平衡型リンク アクセス手順)
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Tunnels
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ループバック
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ダイヤラ
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ブリッジ
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仮想インターフェイス
上記のプロトコルでは、均等化キューイングはオプションではありません。ただし、カスタム キューイングまたはプライオリティ キューイングを対象のリンクに有効にすると、均等化キューイングは上書きされて無効になります。さらに、自律スイッチング エンジンまたはシリコン
スイッチング エンジン メカニズムを有効にすると、均等化キューイングは自動的に無効になります。
(注) |
各種キューイング メカニズムは、マルチシャーシ マルチリンク PPP(MMP)などのマルチリンクを使用して設定できます。ただし、PPP のみがトンネルされたインターフェイスに使用されている場合、たとえば仮想プライベート ダイヤルアップ ネットワーク(VPDN)、PPP
over Ethernet(PPPoE)、PPP over Frame Relay(PPPoFR)などの場合は、仮想インターフェイスでキューイングは設定されません。
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ダイナミック キューの数は、インターフェイスまたは ATM 相手先固定接続(PVC)の帯域幅から導出されます。WFQ およびクラスベース WFQ(CBWFQ)がインターフェイスで有効になっている場合に使用するダイナミック キューのデフォルト数については、fair-queue (class-default)コマンドの表を参照してください。WFQ または CBWFQ が ATM PVC で有効になっている場合に使用するダイナミック キューのデフォルト数については、fair-queue (class-default)コマンドの表を参照してください。
コマンド モード
インターフェイス コンフィギュレーション(config-if)
ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション(config-pmap-c)
コマンド履歴
リリース
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変更箇所
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11.0
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このコマンドが導入されました。
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12.2(13)T
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このコマンドが変更され、プロトコルおよびトラフィック ストリーム識別フィールドのリストから Apollo、VINES、および XNS が削除されました。Apollo Domain、Banyan VINES、および Xerox Network Systems(XNS)がこのリリースで削除されたため、これらのプロトコルは削除されました。
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12.2(33)SRA
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このコマンドが、Cisco IOS Release 12.2(33)SRA に統合されました。
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12.2SX
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このコマンドは、Cisco IOS Release 12.2SX トレインでサポートされます。このトレインの特定の 12.2SX リリースにおけるサポートは、フィーチャ セット、プラットフォーム、およびプラットフォーム ハードウェアによって異なります。
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12.2(31)SB
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このコマンドが Cisco IOS Release 12.2(31)SB に統合されました。
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12.2(33)SB
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このコマンドの動作が、PRE3 用と PRE4 用の Cisco 10000 シリーズ ルータで変更されました。
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12.4(20)T
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モジュラ Quality of Service(QoS)コマンドライン インターフェイス(CLI)(MQC)を使用した HQF およびユーザ定義クラスのサポートが追加されました。
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Cisco IOS XE Release 2.6
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このコマンドが変更されました。このコマンドが非表示になりました。
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15.0(1)S
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このコマンドが変更されました。このコマンドが非表示になりました。
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15.1(3)T
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このコマンドが変更されました。このコマンドが非表示になりました。
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Cisco IOS XE Release 3.2S
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このコマンドが、MQC コマンド(または MQC コマンドのシーケンス)に置き換えられました。
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使用上のガイドライン
概要
このコマンドは WFQ を有効にします。WFQ を使用すると、パケットはフローによって分類されます。たとえば、パケットは、同じ発信元 IP アドレス、宛先 IP アドレス、発信元 TCP または User Datagram Protocol(UDP)ポート、宛先
TCP または UDP ポート、および同じフローに属するプロトコルを持ちます。プロトコルとトラフィック ストリーム識別フィールドの詳細なリストについては、下の表を参照してください。
WFQ をインターフェイスで有効にすると、WFQ によってトラフィックの優先順位管理が提供され、最初にアクセス リストを定義しなくても個々のトラフィック ストリームが自動的にソートされます。WFQ を有効にするために必要なのは、このコマンドのみです。
インターフェイスで WFQ を有効にすると、輻輳の破棄しきい値(設定したもの、またはデフォルト)に達した後、高帯域幅トラフィック ストリームの新しいメッセージは破棄されます。ただし、コントロール メッセージの通信など、低帯域幅の通信ではデータのキューイング処理が続行されます。その結果、均等化キューには、設定したしきい値の数よりも多いメッセージが含まれることがあります。
WFQ は、トラフィック データ ストリームの識別登録サービスを使用してトラフィック ストリームが属するメッセージを決定します。各転送プロトコルについて、トラフィックをデータ ストリームに分類するために使用するメッセージ属性を、次の表に示します。
表 6. 重み付け均等化キューイングのトラフィック ストリーム識別フィールド
フォワーダ
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使用されるフィールド
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AppleTalk
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送信元ネットワーク/ノード/ソケット
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宛先ネットワーク/ノード/ソケット
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タイプ
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コネクションレス型ネットワーク サービス(CLNS)
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DECnet
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フレーム リレー スイッチング
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IP
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トランスペアレント ブリッジング
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ソースルート ブリッジング
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ユニキャスト:送信元 MAC、宛先 MAC
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SAP/SNAP:宛先 MAC アドレス
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Novell NetWare
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送信元/宛先ネットワーク/ホスト/ソケット
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レベル 2 プロトコル
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その他すべて(デフォルト)
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IP precedence
IP プレシデンス、フレーム リレー スイッチングの輻輳、および廃棄適性(DE)フラグは、キューイングの重みに影響します。
ホストまたはポリシー マップによって設定される IP プレシデンスは、0 ~ 7 の範囲の数です。プレシデンス値 のデータ ストリームは、プレシデンス 0(通常)のデータ ストリームと比較して値 + 1 倍の速度の実効ビット レートが提供されるように重み付けされます。
FECN および BECN
フレーム リレー スイッチングでは、Forward Explicit Congestion Notification(FECN; 順方向明示的輻輳通知)のメッセージ フラグ、逆方向明示的輻輳通知(BECN)のメッセージ フラグ、および DE メッセージ
フラグにより、アルゴリズムは効果的に低い優先順位を適用する重みを選択します。キューの優先順位が低くなることで、アプリケーションに「減速」のフィードバックを提供してトラフィックをソートし、設定情報レート(CIR)の範囲内で最高のサービスを提供します。
均等化キューイング、カスタム キューイング、およびプライオリティ キューイング
均等化キューイングは、X.25 を除くすべての LAN および回線(WAN)プロトコル(LAPB と SDLC を含む)に対してサポートされています。「コマンド デフォルト」セクションの注を参照してください。トンネルは物理的なインターフェイスを介してルーティングされるソフトウェア
インターフェイスであるため、トンネルに対して均等化キューイングはサポートされません。均等化キューイングは、2 Mbps 以下の帯域幅のインターフェイスに対してはデフォルトです。
(注) |
Route Switch Processor(RSP)カードを備えた Cisco 7000 および 7500 ルータの Release 10.3 以降で、tx-queue-limit コマンドを使用して、Multiport Communications Interface(MCI)または Serial Port Communications Interface(SCI)カードのインターフェイスに利用可能な送信制限を設定し、そのインターフェイスにカスタム
キューイングまたはプライオリティ キューイングを設定した場合、設定した送信制限は自動的に上書きされ、1 に設定されていました。Cisco IOS Release 12.0 以降のリリースでは、WFQ、カスタム キューイング、およびプライオリティ
キューイングに対して、インターフェイスに設定された帯域幅の値から、bandwidth (インターフェイス) コマンドを使用して送信制限が取得されます。帯域幅の値を 512 で割って切り上げると、実効送信制限値を算出できます。ただし、算出された値は、tx-queue-limit コマンドが使用されていない場合にのみ適用されます。つまり、設定された送信制限は、この算出値を上書きします。
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RSVP
均等化キューイングをサポートするインターフェイス、または予約可能なキューを 0(デフォルト)に設定して均等化キューイングのために設定されたインターフェイスにリソース予約プロトコル(RSVP)を設定する場合、予約可能なキュー サイズは、32 kbps
でインターフェイスの帯域幅を割ることで自動的に設定されます。0 以外の予約キューを指定することによって、このデフォルト値を上書きできます。RSVP の詳細については、『Cisco IOS Quality of Service Solutions Configuration Guide』の「Configuring RSVP」の章を参照してください。
Cisco 10000 シリーズ ルータ
Cisco IOS Release 12.2(33)SB では、シリアル インターフェイスからの no fair-queue コマンドはルータによって削除されます。
HQF
Cisco IOS Release 12.4(20)T 以降では、イメージが HQF サポートを備えている場合、クラスのデフォルトで fair-queue コマンドが自動的に有効になることはありません。HQF 対応のイメージを使用する前に、fair-queue コマンドと、その他のサポートされるキューイング機能を有効にする必要があります。
例
次の例は、シリアル インターフェイス 0 で WFQ を有効にして輻輳しきい値を 300 にします。このしきい値は、300 以上のメッセージがキューに入れられ、キュー内に複数のメッセージが存在するデータ ストリーム内のキューにそのメッセージが入れられた場合にのみ、キューイング
システムからメッセージが破棄されることを意味します。中継キュー制限は、bandwidth コマンドによって設定される 384 キロビット(Kb)回線に基づいて 2 に設定されます。
interface serial 0
bandwidth 384
fair-queue 300
パラメータが指定されていない場合は、デフォルト値になります。
次に、64 メッセージ、512 ダイナミック キュー、および 18 RSVP キューを含む均等化キューを要求する例を示します。
interface serial 3/0
ip unnumbered ethernet 0/0
fair-queue 64 512 18
次の例に示すように、ユーザ定義クラスに対して fair-queue コマンドを適用できます。
policy-map p1
class c1
bandwidth 1000
fair-queue