特定の DiffServ コード ポイント(DSCP)値に集約重み付けランダム早期検出(WRED)パラメータを設定するには、QoS ポリシー マップ クラス コンフィギュレーション モードで random-detect dscp values (aggregate) コマンドを使用します。集約 WRED DSCP 値の設定を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。
random-detect dscp sub-class-val1 sub-class-val2 sub-class-val3 sub-class-val4 min-thresh max-thresh mark-prob
no random-detect dscp sub-class-val1 sub-class-val2 sub-class-val3 sub-class-val4 min-thresh max-thresh mark-prob
Cisco 10000 シリーズ ルータ(PRE3)
random-detect dscp values sub-class-val1 [ . . . [sub-class-val8] ] minimum-thresh min-thresh-value maximum-thresh max-thresh-value mark-prob mark-prob-value
no random-detect dscp values sub-class-val1 [ . . . [sub-class-val8] ] minimum-thresh min-thresh-value maximum-thresh max-thresh-value mark-prob mark-prob
構文の説明
sub-class-val1
sub-class-val2
sub-class-val3
sub-class-val4
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次の WRED プロファイル パラメータ指定に対する DSCP の値が適用されます。最大 8 のサブクラス(DSCP の値)が、コマンドライン インターフェイス(CLI)エントリごとに指定できます。有効な DSCP 値のリストについては、「使用上のガイドライン」を参照してください。
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min-thresh
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キューで使用可能なパケットの最小数。平均キューの長さが最小しきい値に達すると、WRED では、指定された DSCP の値で一部のパケットがランダムにドロップされます。有効な最小しきい値は 1 ~ 16384 です。
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max-thresh
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キューで使用可能なパケットの最大数。キューの平均の長さが最大しきい値を超えると、WRED は指定した DSCP 値のすべてのパケットをドロップします。有効な最大しきい値の範囲は 1 ~ 16384 です。
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mark-prob
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平均キューの深さが最大しきい値の場合にドロップされたパケットの割合の分母。たとえば、分母が 512 の場合、平均キューが最大しきい値のときに、512 パケットごとに 1 パケットがドロップされます。有効な値は 1 ~ 65535 です。
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Cisco 10000 Series Router
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values sub-class-val1 [...[subclass-val8 ]]
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次の WRED プロファイル パラメータ指定に対する DSCP の値が適用されます。最大 8 つのサブクラス(DSCP 値)を各 CLI エントリに指定できます。DSCP 値は、0 ~ 63 の値にすることができます。または、次のキーワードのいずれかにすることができます。ef 、af11 、af12 、af13 、af21 、af22 、af23 、af31 、af32 、af33 、af41 、af42 、af43 、cs1 、cs2 、cs3 、cs4 、cs5 、または cs7
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minimum-thresh min-thresh
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キューで使用可能なパケットの最小数を指定します。平均キューの長さが最小しきい値に達すると、WRED では、指定された DSCP の値で一部のパケットがランダムにドロップされます。有効な最小しきい値は 1 ~ 16384 です。
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maximum-thresh max-thresh
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キューで使用可能なパケットの最大数。キューの平均の長さが最大しきい値を超えると、WRED は指定した DSCP 値のすべてのパケットをドロップします。有効な最大しきい値の範囲は 1 ~ 16384 です。
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mark-probability mark-prob
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平均キュー深度が最大しきい値に達した場合にドロップされるパケットの割合を示す分母を指定します。たとえば、分母が 512 の場合、平均キューが最大しきい値のときに、512 パケットごとに 1 パケットがドロップされます。有効な値は 1 ~ 65535
です。
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コマンド デフォルト
すべての優先レベルについて、デフォルトの mark-prob の値は 10 パケットです。
コマンド モード
QoS ポリシーマップ クラス コンフィギュレーション
コマンド履歴
リリース
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変更箇所
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12.2(18)SXE
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このコマンドが導入されました。
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12.2(33)SRA
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このコマンドが、Cisco IOS Release 12.2(33)SRA に統合されました。
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12.2(31)SB2
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このコマンドが Cisco IOS Release 12.2(31)SB2 に統合され、Cisco 10000 シリーズ ルータに実装されました。
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使用上のガイドライン
ATM インターフェイスの場合、集約 WRED 機能では ATM SPA カードが Cisco 7600 SIP-200 キャリア カードまたは Cisco 7600 SIP-400 キャリア カードにインストールされている必要があります。
ATM インターフェイスに WRED を設定するには、 random-detect aggregate コマンドを使用する必要があります。標準 random-detect コマンドは ATM インターフェイスでサポートされなくなりました。
ポリシー マップ コンフィギュレーション内で、このコマンドと random-detect aggregate コマンドを使用します。
WRED パラメータを共有している DSCP の値の各セットについて、このコマンドを繰り返します。
ポリシー マップが定義された後で、ポリシー マップをこのコマンドを仮想回線(VC)レベルで付加する必要があります。
random-detect dscp (aggregate) CLI で定義されたサブクラス(DSCP プレシデンス)値のセットは、単一のハードウェア WRED リソースに集約されます。これらのサブクラスの統計情報も、集約されます。
集約サブクラスの統計情報を表示するには、show policy-map interface コマンドを使用します。
Cisco 10000 シリーズ ルータ
PRE2 の場合、random-detect コマンドでキューのデフォルト プロファイルを指定します。PRE3 の場合、代わりに aggregate random-detect コマンドを使用して、WRED に集約パラメータを設定します。PRE3
でも PRE2 の random-detect コマンドを隠しコマンドとして使用できます。
PRE2 の場合、デフォルト プロファイルのアカウンティングはプレシデンスごとに行います。PRE3 の場合、デフォルト プロファイルのアカウンティングと設定はクラス マップごとに行います。
PRE2 の場合、明示的なしきい値設定をしないと、DSCP またはプレシデンス値のデフォルトしきい値は、プレシデンスごとに指定します。PRE3 の場合、デフォルトしきい値には WRED を設定しません。
PRE2 の場合、デフォルト プロファイル内の各プレシデンスのドロップ カウンタには、特定のプレシデンス値と一致するドロップ カウンタのみが含まれます。PRE2 にはデフォルト プロファイルのデフォルトしきい値があるため、CBQOSMIB にはデフォルトしきい値が表示されます。PRE3
の場合、デフォルト プロファイル内の各プレシデンスのドロップ カウンタには、デフォルト プロファイルの集約カウンタが含まれており、特定のプレシデンスに対応した個別のカウンタはありません。デフォルト プロファイルにしきい値を設定していない場合、PRE3
のデフォルト プロファイルでは、CBQOSMIB のデフォルトしきい値は表示されません。
DSCP 値
1 つまたは複数の Diffserv コード ポイント(DSCP)値を入力する必要があります。コマンドには、次の任意の組み合わせを含めることができます。
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Differentiated Service Code Point 値を表す数字(0 ~ 63)
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特定の AF DSCP を識別する af 番号(af11 など)
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特定の CS DSCP を識別する cs 番号(cs1 など)
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default :デフォルト DSCP を持つパケットに一致します。
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ef :EF DSCP を持つパケットに一致します。
たとえば、0、1、2、3、4、5、6、または 7 の DCSP 値が必要な場合(指定したすべての IP DSCP 値ではなく、1 つの IP DSCP 値だけが正常な一致基準であることに注意)、match dscp 0 1 2 3 4 5 6 7 コマンドを入力します。
例
次に、map1 という名前のクラス マップを作成し、map2 という名前のポリシー マップに関連付ける例を示します。設定により、DSCP 8 の最小しきい値 24 と最大しきい値 40 に基づいて、設定によって WRED から map1 パケットがドロップされます。map2
ポリシー マップは、発信 ATM インターフェイス 1/0/0 に割り当てられます。
Router(config-if)# class-map map1
Router(config-cmap)# match access-group 10
Router(config-cmap)# exit
Router(config)# policy-map map2
Router(config-pmap)# class map1
Router(config-pmap-c)# bandwidth 48
Router(config-pmap-c)# random-detect dscp-based
Router(config-pmap-c)# random-detect dscp 8 24 40
Router(config-pmap-c)# exit
Router(config-pmap)# exit
Router(config)# interface atm 1/0/0
Router(config-if)# service-policy output map2
次に、ATM インターフェイスの DSCP ベース集約 WRED 設定例を示します。まず、dscp-aggr-wred という名前のポリシー マップをデフォルト クラスに定義します。次に DSCP ベース集約 WRED を random-detect dscp-based aggregate コマンドで有効にした後、一連の random-detect dscp (aggregate) コマンドでサブクラスと WRED パラメータ値を割り当てます。最後に interface および service-policy コマンドで ATM VC レベルでポリシー マップを割り当てます。
Router(config)# policy-map dscp-aggr-wred
Router(config-pmap)# class class-default
Router(config-pmap-c)# random-detect dscp-based aggregate minimum-thresh 1 maximum-thresh 10 mark-prob 10
!
! Define an aggregate subclass for packets with DSCP values of 0-7 and assign the WRED
! profile parameter values for this subclass
Router(config-pmap-c)# random-detect dscp 0 1 2 3 4 5 6 7 minimum-thresh 10 maximum-thresh 20 mark-prob 10
Router(config-pmap-c) random-detect dscp 8 9 10 11 minimum-thresh 10 maximum-thresh 40 mark-prob 10
Router(config)# interface ATM4/1/0.11 point-to-point
Router(config-subif)# ip address 10.0.0.2 255.255.255.0
Router(config-subif) pvc 11/101
Router(config-subif)# service-policy output dscp-aggr-wred
例
次に、Gold という名前のクラス マップを作成し、Business という名前のポリシー マップに関連付ける例を示します。DSCP 8 の最小しきい値 24 と最大しきい値 40 に基づいて、設定によって WRED は Gold パケットをドロップします。Business
ポリシー マップは、発信 ATM インターフェイス 1/0/0 に割り当てられます。
Router(config-if)# class-map Gold
Router(config-cmap)# match access-group 10
Router(config-cmap)# exit
Router(config)# policy-map Business
Router(config-pmap)# class Gold
Router(config-pmap-c)# bandwidth 48
Router(config-pmap-c)# random-detect dscp-based
Router(config-pmap-c)# random-detect dscp values 8 minimum-thresh 24 maximum-thresh 40
Router(config-pmap-c)# exit
Router(config-pmap)# exit
Router(config)# interface atm 1/0/0
Router(config-if)# service-policy output Business