ip rsvp precedence
ルータがリソース予約プロトコル(RSVP)フロースペックに適合するパケットまたはそれを超えるパケットに指定された値を使用して、RSVP 予約済みパス内のパケットのタイプ オブ サービス(ToS)バイトの IP プレシデンス値をマークできるようにするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ip rsvp precedence コマンドを使用します。既存の IP プレシデンスの設定を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
ip rsvp precedence { conform precedence-value | exceed precedence-value }
no ip rsvp precedence [ conform | exceed ]
構文の説明
conform precedence-value |
RSVP フロースペックに適合するトラフィックの IP プレシデンス値を 0 ~ 7 の範囲で指定します。IP プレシデンス値は、パケットの IP ヘッダーの ToS バイトの上位 3 ビット(ビット 5 ~ 7)に書き込まれます。conform または exceed キーワードが必要です。両方のキーワードを指定することもできます。 このコマンドの no 形式で使用する場合は、conform キーワードはオプションになります。 |
exceed precedence-value |
RSVP フロースペックを超えるトラフィックの IP プレシデンス値を 0 ~ 7 の範囲で指定します。IP プレシデンス値は、パケットの IP ヘッダーの ToS バイトの上位 3 ビット(ビット 5 ~ 7)に書き込まれます。conform または exceed キーワードが必要です。両方のキーワードを指定することもできます。 このコマンドの no 形式で使用する場合は、exceed キーワードはオプションになります。 |
コマンド デフォルト
このコマンドが使用されていない場合は、ToS バイトの IP プレシデンス ビットは変更されません。デフォルトの状態は、no ip rsvp precedence コマンドを実行したときの状態と同じです。
コマンド モード
インターフェイス コンフィギュレーション
コマンド履歴
リリース |
変更箇所 |
---|---|
12.0(3)T |
このコマンドが導入されました。 |
12.2(33)SRA |
このコマンドが、Cisco IOS Release 12.2(33)SRA に統合されました。 |
12.2SX |
このコマンドは、Cisco IOS Release 12.2SX トレインでサポートされます。このトレインの特定の 12.2SX リリースにおけるサポートは、フィーチャ セット、プラットフォーム、およびプラットフォーム ハードウェアによって異なります。 |
使用上のガイドライン
RSVP 予約済みパスのパケットは、予約フロースペックに適合するパケットと、予約に対応するものの予約フロースペックを超える(または、予約フロースペック外の)パケットの、2 つのクラスに分類されます。
ip rsvp precedence コマンドにより、この 2 つのクラスに属するパケットに適用する IP プレシデンス値を設定できます。このコマンドを使用する場合は、トラフィックの少なくとも 1 つのクラスに IP プレシデンス値を指定する必要があります。コマンドの単一のインスタンスを使用して、両方のクラスの値を指定することができます。この場合、conform および exceed キーワードを任意の順序で指定できます。
入力処理の一部として、RSVP は ip rsvp precedence コマンドを使用し、適合するパケットと適合しないパケットに IP プレシデンス ビットを設定します。per-VC DWRED が設定されている場合、システムはパケット ドロップ プロセスで出力インターフェイスの IP プレシデンス ビット設定と ToS ビット設定を使用します。パケットの IP プレシデンス設定は、ダウンストリーム ルータのインターフェイスでも使用できます。
ip rsvp precedence コマンドを実行すると、インターフェイス上にあるすべての既存の予約の IP プレシデンス値が変更されます。
(注) |
このコマンドを使用するには、インターフェイスで RSVP を有効にする必要があります。つまり、ip rsvp bandwidth コマンドを使用してから、ip rsvp precedence コマンドを使用する必要があります。RSVP は、VIP 分散型シスコ エクスプレス フォワーディング(dCEF)で設定できません。 |
RSVP は、基礎となる転送メカニズムからパケットを受信します。そのため、ip rsvp precedence コマンドを使用して IP プレシデンスを設定するには、次のいずれかの機能が必要です。
-
インターフェイスで重み付け均等化キューイング(WFQ)が有効になっている必要があります。
-
RSVP 相手先選択接続(SVC)が使用されている必要があります。
-
RSVP を支援するように NetFlow が設定されている必要があります。
(注) |
このコマンドの no 形式を使用することは、以前のプレシデンス設定にかかわらず、パケットのすべてのプレシデンスを 0 に設定する ip rsvp precedence 0 コマンドを使用することと同じではありません。 |
例
次の例では、ATM インターフェイス 0 上の RSVP フロースペックに適合するすべてのトラフィックに対して IP プレシデンス値を 3 に設定し、フロースペックを超えるすべてのトラフィックに対して IP プレシデンス値を 2 に設定します。
interface atm0
ip rsvp precedence conform 3 exceed 2
次の例では、ATM インターフェイス 1 上の RSVP フロースペックに適合するすべてのトラフィックに対して IP プレシデンス値を 2 に設定します。フロースペックを超えるパケットの IP プレシデンス値は変更されません。
interface ATM1
ip rsvp precedence conform 2