Cisco IOS イメージのアップグレードまたはダウングレード
イメージ サービス機能を使用すると、Cisco IOS イメージをデバイス上で更新できるだけでなく、以前のバージョンのイメージに戻すことができます。これを実行すると、デバイス上の Cisco Configuration Engine エージェントの可用性が変わる可能性があります。つまり、IMGW を使用してエージェントでデバイス上の設定およびイメージの更新のシミュレートが必要になる場合があります。
デバイス レベルの Cisco Configuration Engine エージェントは、そのデバイス上で実行されている Cisco IOS の次の特定のバージョンの機能です。
•
12.0 以前:デバイス上に Cisco Configuration Engine エージェントはない
•
12.2:コンフィギュレーション エージェントおよびイベント エージェントがあるが、イメージ エージェントはない
•
12.3(3) 以降:コンフィギュレーション エージェント、イベント エージェント、およびイメージ エージェントがある
注意事項
•
IMGW は次の異なるタイプのエージェントをシミュレートできます。
–
コンフィギュレーション エージェントのみ
–
イメージ エージェントのみ
–
コンフィギュレーション エージェントとイメージ エージェントの両方
IMGW デバイスの作成時に、目的に合ったエージェントを選択するようにします。
•
同じデバイス オブジェクトに対し、1 セットの同じエージェントが常に実行されているようにする必要があります。イメージを別のバージョンにアップグレードまたはダウングレードする際によくある間違いを次に挙げます。
–
アップグレード:特定のエージェントをデバイス上で有効化したあと、Cisco Configuration Engine 上で同じエージェントをシミュレート中の IMGW デバイスがまだある、またはその逆の状態。
–
ダウングレード:特定のエージェントがデバイス上ですでに有効化されていないが、IMGW デバイスでこのエージェントをシミュレートしていない。次回の更新は失敗します。
12.0 から 12.2
イメージを 12.0 から 12.2 に更新するには、そのイメージは IMGW を使用してコンフィギュレーション エージェントとイメージ エージェントの両方をシミュレートする必要があります。
手順
ステップ 1
設定の更新のためのテンプレートを作成します。このテンプレートは、設定の更新を実行する際のデバイスだけに適用します。
ステップ 2
イメージのアクティベーションのためのテンプレートを作成します。
アクティベーション テンプレートには、ブート イメージ情報が含まれている必要があります。たとえば、イメージ image c837-k9o3y6-mz.122-13.ZH2.bin をフラッシュにコピーし、このイメージをアクティブ イメージとして実行する場合、次の CLI コマンドがアクティブ テンプレート内に含まれている必要があります。
no boot system
boot system flash:c837-k9o3y6-mz.122-13.ZH2.bin
ステップ 3
デバイスのためのイメージを作成します。
a.
FTP/TFTP サーバをセットアップします。
b.
イメージを FTP/TFTP サーバにコピーします。
c.
Cisco Configuration Engine にログインし、[Image Service] > [Images] > [Create Image] に移動します。
d.
このページにイメージ情報を入力する、または FTP/TFTP サーバ上の [Name] および [Image Locations] だけを入力し、[Populate] をクリックしてイメージ情報を取得します。
e.
[Create] をクリックします。
f.
確認するには、[Image Service] > [Images] > [View Image] に移動し、イメージを選択してイメージ情報を確認します。
ステップ 4
デバイス ホップ情報を使用して IMGW デバイスを作成します。コンフィギュレーション エージェントとイメージ エージェントの両方をシミュレートするためのエージェント タイプを選択するようにしてください(「非エージェント有効デバイスの追加」を参照)。
ステップ 5
イメージを更新します(「デバイス イメージの更新」を参照)。
ステップ 6
更新ステータスを確認するには、[Jobs] > [Query Job] に移動し、[Status] をクリックしてジョブ ステータスをチェックします。
ステップ 7
そのジョブ上のデバッグ メッセージをさらに確認するには、[Log Manager] > [View Logs] に移動し、表示するログを選択します。
ステップ 8
これで、12.2 イメージがデバイス上で実行されているはずです。コンフィギュレーション エージェントおよびイベント エージェントをデバイス上で有効にする場合、手順 1 で作成したデバイス設定テンプレートに次の CLI コマンドを含め、Cisco Configuration Engine から [Update Config] を実行します。
cns config partial server_ipaddress port
cns event server_ipaddress port
ステップ 9
確認するには、Cisco Configuration Engine の [View Device] ページに移動します。このデバイス オブジェクトの横に緑のインジケータが表示されるはずです。
(注) コンフィギュレーション エージェントおよびイベント エージェントを使用して設定の更新を行うには、IMGW デバイス オブジェクトを削除する必要があります。これは、Cisco Configuration Engine 上の同じデバイスに対して同じエージェントの 2 つのセットを持つことができないためです。
12.0 から 12.3(3) 以降
イメージを 12.0 から 12.3(3) 以降に更新するには、IMGW を使用してコンフィギュレーション エージェントとイメージ エージェントの両方をシミュレートする必要があります。
イメージの更新手順は、12.0 から 12.2 に更新する場合と手順 9 以外同じです。イメージ エージェントをデバイス上で有効にするには、次の行を設定テンプレートに追加し、デバイスへの設定を更新することもできます。
cns image server http://server_ipaddress/cns/HttpMsgDispatcher status http://server_ipaddress/cns/HttpMsgDispatcher
(注) コンフィギュレーション エージェント、イベント エージェント、およびイメージ エージェントを使用して設定およびイメージの更新を行うには、IMGW デバイス オブジェクトを削除する必要があります。これは、Cisco Configuration Engine 上の同じデバイスに対して同じエージェントの 2 つのセットを持つことができないためです。
12.2 から 12.3(3) 以降
イメージを 12.2 から 12.3(3) 以降に更新するには、次の 2 種類の方法があります。
1. デバイス上でエージェントが有効にされていない状態にし、IMGW を使用してコンフィギュレーション エージェントとイメージ エージェントの両方をシミュレートします。手順は、12.0 から 12.2 に更新する場合と同じです。
2. デバイス上でイベント エージェントとコンフィギュレーション エージェントを有効にし、アクティベーション テンプレートを更新して IMGW を使用してイメージ エージェントだけをシミュレートします。
手順
ステップ 1
デバイス上で、次のコマンドを使用してコンフィギュレーション エージェントとイメージ エージェントを有効化されていることを確認します(このコマンドは、ルータ コマンド ラインまたは Cisco Configuration Engine 設定の更新から実行できます)。
cns event server_ipaddress port
cns config partial server_ipaddress port
ステップ 2
ステップ 4 以外の 12.0 から 12.2 への更新手順を繰り返します。IMGW デバイスの作成時に、エージェントのタイプとしてイメージ エージェントを選択するようにします。
ステップ 3
イメージ エージェントをデバイス上で有効にするには、次の行を設定テンプレートに追加し、デバイスへの設定を更新することもできます。
cns image server http://server_ipaddress:http_port/cns/HttpMsgDispatcher status
http://server_ipaddress:http_port/cns/HttpMsgDispatcher
(注) コンフィギュレーション エージェント、イベント エージェント、およびイメージ エージェントを使用して設定およびイメージの更新を行うには、IMGW デバイス オブジェクトを削除する必要があります。これは、Cisco Configuration Engine 上の同じデバイスに対して同じエージェントの 2 つのセットを持つことができないためです。
12.3(3) 以降から 12.3(3) 以降
12.3(3) 以降から 12.3(3) 以降へのイメージのアップグレードは、デバイス上でエージェントが有効化されている状態で実行できます。IMGW は必要ありません。
手順
ステップ 1
デバイス上で、次のコマンドを使用してコンフィギュレーション エージェントが有効化されていることを確認します(このコマンドは、ルータ コマンド ラインまたは Cisco Configuration Engine 設定の更新から実行できます)。
cns event server_ipaddress prot
cns config partial server_ipaddress prot
cns image server http://server_ipaddress/cns/HttpMsgDispatcher status http://server_ipaddress/cns/HttpMsgDispatcher
ステップ 2
設定の更新のためのテンプレートを作成します。
ステップ 3
イメージのアクティベーションのためのテンプレートを作成します。
ステップ 4
デバイスのためのイメージを作成します。
a.
FTP/TFTP サーバをセットアップします。
b.
イメージを FTP/TFTP サーバにコピーします。
c.
Cisco Configuration Engine にログインし、[Image Service] > [Images] > [Create Image] に移動します。
d.
このページにイメージ情報を入力する、または FTP/TFTP サーバ上の [Name] および [Image Locations] だけを入力し、[Populate] をクリックしてイメージ情報を取得します。
e.
[Create] をクリックします。
f.
確認するには、[Image Service] > [Images] > [View Image] に移動し、イメージを選択してイメージ情報を確認します。
ステップ 5
デバイス オブジェクトをCisco Configuration Engine 上で作成します(「エージェント有効デバイスの追加」を参照)。
ステップ 6
デバイス オブジェクトをイメージ オブジェクトと関連付けます。
ステップ 7
イメージを更新します(「デバイス イメージの更新」を参照)。
ステップ 8
更新ステータスを確認するには、[Jobs] > [Query Job] に移動し、[Status] をクリックしてジョブ ステータスをチェックします。
ステップ 9
そのジョブ上のデバッグ メッセージをさらに確認するには、[Log Manager] > [View Logs] に移動し、表示するログを選択します。
12.3(3) 以降から 12.2
12.2 から 12.3(3) 以降のイメージにアップグレードする場合と同じです。更新を実行する前に、確認する必要がある事項がいくつかあります。
•
12.2 から 12.3(3) への更新の際、IMGW を使用してイメージ エージェントだけ(コンフィギュレーション エージェントおよびイベント エージェントを除く)をシミュレートする 2 番目の選択肢を採用する場合、すべてのエージェントがある 12.3(3) 以降のイメージを実行していても、デバイス上でイベント エージェントとコンフィギュレーション エージェントだけが有効(イメージ エージェントを除く)になっていることを確認します。サーバ側の IMGW がイメージ エージェントをシミュレートします。
•
Cisco Configuration Engine 上にすでにデバイスがある場合、追加する必要があるのは、Cisco Configuration Engine 上のデバイス オブジェクトと同じデバイス名の IMGW デバイスだけです。
•
イメージ エージェントを設定するためのすべてのコマンドを設定テンプレートから削除してください。
12.3(3) 以降から 12.0
12.0 から 12.3(3) 以降のイメージにアップグレードする場合と同じです。更新を実行する前に、確認する必要がある事項がいくつかあります。
ステップ 1
すべてのエージェントがある 12.3(3) 以降のイメージをルータが実行している場合でも、ルータ上で有効になっているエージェントがないことを確認します。サーバ側の IMGW がコンフィギュレーション エージェントとイメージ エージェントの両方をシミュレートします。
ステップ 2
Cisco Configuration Engine 上にすでにデバイス オブジェクトがある場合、追加する必要があるのは、Cisco Configuration Engine 上のデバイス オブジェクトと同じデバイス名の IMGW デバイスだけです。
ステップ 3
コンフィギュレーション エージェント、イベント エージェント、またはイメージ エージェントを設定するためのコマンドが設定テンプレート内にある場合、それらを削除してください。