インストールに関する問題の分離
ここでは、インストールに関する問題を分離する方法について説明します。次のトピックについて取り上げます。
• 「VMware のライセンス バージョンの確認」
• 「分散仮想スイッチからホストを認識できない場合」
• 「vCenter Server 接続のリフレッシュ」
VMware のライセンス バージョンの確認
インストールに関する問題のトラブルシューティングを開始する前に、次の手順に従って、使用している ESX Server に VMware Enterprise Plus がライセンスされていることを確認します。このライセンスには、Distributed Virtual Switch(DVS; 分散仮想スイッチ)機能が含まれます。
はじめる前に
この手順を開始する前に、次のことを確認または実行する必要があります。
• ESX Server 上で vSphere Client にログインしていること。
• Cisco Nexus 1000V のコマンドライン インターフェイス(CLI)に EXEC モードでログインしていること。
• この手順では、ESX Server が VMware Enterprise Plus のライセンスを使用することを理解します。このライセンスには、Cisco Nexus 1000V を認識できるようにする分散仮想スイッチ機能が含まれています。
• vSphere ESX Server に Enterprise Plus がライセンスされていない場合は、ライセンスをアップグレードする必要があります。
手順の詳細
ステップ 1 vSphere Client で、Enterprise Plus が付与されているかどうかを確認するホストを選択します。
ステップ 2 [Configuration] タブをクリックし、[Licensed Features] をクリックします。
Enterprise Plus にライセンスされている機能が表示されます。
ステップ 3 [Licensed Features] に、次の情報が表示されていることを確認します。
• Enterprise Plus のライセンス
• 分散仮想スイッチ機能
ステップ 4 次のいずれかを実行します。
• ESX Server に Enterprise Plus がライセンスされている場合は、正しいライセンスが示され、Cisco Nexus 1000V が認識されます。
• ESX Server に Enterprise Plus がライセンスされていない場合は、Cisco Nexus 1000V が認識されるように、VMware のライセンスを Enterprise Plus にアップグレードする必要があります。
分散仮想スイッチからホストを認識できない場合
仮想スーパーバイザ モジュール(VSM)を使用してホストとアダプタを追加した場合は、図 3-1 に示す [vCenter Client Add Host to Distributed Virtual Switch] ダイアログボックスでもそれらを追加する必要があります。
図 3-1 分散仮想スイッチからホストを認識できる場合
図 3-2 に示すように、このダイアログボックスにホストとアダプタが表示されない場合は、ESX Server にインストールされている VMware ライセンスが正しくない可能性があります。
「VMware のライセンス バージョンの確認」に従って確認してください。
図 3-2 分散仮想スイッチからホストを認識できない場合
vCenter Server 接続のリフレッシュ
Cisco Nexus 1000V と vCenter Server の間の接続をリフレッシュするには、次の手順に従います。
ステップ 1 VSM の Cisco Nexus 1000V 接続コンフィギュレーション モードで、次のコマンド シーケンスを入力します。
n1000v(config)# svs connection s1
n1000v(config-svs-conn)# no connect
n1000v(config-svs-conn)# connect
ステップ 2 これで手順は完了です。
パフォーマンスの向上
ESX ホストおよび仮想マシン(VM)のパフォーマンスを向上させるには、次の点を確認します。
• ハードウェア アクセラレーションを「フル」に設定して、vCenter Server VM に VMware ツールをインストールする。
• VM では、グラフィカル インターフェイスではなく、できる限り、コマンドライン インターフェイスを使用する。
ドメイン設定の確認
仮想スーパーバイザ モジュール(VSM)と Virtual Ethernet Module(VEM; 仮想イーサネット モジュール)は、レイヤ 2 ドメイン内で分離されています。VSM と VEM のペアが同じレイヤ 2 ドメイン内で通信するためには、各ペアが同じ識別子を持つ必要があります。ドメイン ID は、VSM と VEM のペアが同じレイヤ 2 ドメイン内で通信できるようにするための一意の識別子の役割を果たします。
Cisco Nexus 1000V のインストール手順に従って、ドメイン ID を設定していること確認します。ドメイン ID が設定されていない場合、VSM は vCenter Server に接続できません。次の注意事項に従ってください。
• ドメイン ID は、1 ~ 4095 の範囲の値である必要がある。
• VSM と VEM の間のすべての制御トラフィックは、設定されているコントロール VLAN 経由で伝送される。
• VSM と VEM の間のすべてのデータ トラフィックは、設定されているパケット VLAN 経由で伝送される。
• VSM および VEM VM をホスティングしているホストの物理ネットワーク インターフェイス カード(NIC)が接続されているアップストリーム スイッチのポート上で、コントロール VLAN とパケット VLAN が許可されていることを確認する。
VSM VM 仮想インターフェイスに対するポート グループ(PG)の割り当ての確認
vCenter Server を介して VSM VM をホスティングしている ESX 上に 2 つの Port Group(PG; ポート グループ)が作成されていることを確認するには、次の手順に従います。次のポート グループ(PG)が作成されている必要があります。
• 制御 PG(VLAN = コントロール VLAN)
• パケット PG(VLAN = パケット VLAN)
• 管理 PG(VLAN = 管理 VLAN)
ポート グループが次の順序で VSM VM の 3 つの仮想インターフェイスに割り当てられていることを確認します。
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ネットワーク アダプタ 1 |
制御 PG |
ネットワーク アダプタ 2 |
管理 PG |
ネットワーク アダプタ 3 |
パケット PG |
VSM VM のネットワーク アダプタ 1、ネットワーク アダプタ 2、およびネットワーク アダプタ 3 がコントロール VLAN、管理 VLAN、およびパケット VLAN を伝送していることを確認するには、次の手順に従います。
ステップ 1 アップストリーム スイッチで、 show mac address-table dynamic interface vlan control-vlan コマンドを入力します。
予想される出力:VSM VM のネットワーク アダプタ 1 MAC アドレス。
ステップ 2 アップストリーム スイッチで、 show mac address-table dynamic interface vlan mgmt-vlan コマンドを入力します。
予想される出力:VSM VM のネットワーク アダプタ 2 MAC アドレス。
ステップ 3 アップストリーム スイッチで、 show mac address-table dynamic interface vlan packet-vlan コマンドを入力します。
予想される出力:VSM VM のネットワーク アダプタ 3 MAC アドレス。
VSM と vCenter Server の接続の確認
VSM と vCenter Server の間の接続のトラブルシューティング時には、次の注意事項に従ってください。
• ドメイン パラメータが正しく設定されていることを確認する。
• vCenter Server をホスティングしている Windows VM マシンの次のポートが開いていることを確認します。
– ポート 80
– ポート 443
• 上記の手順を確認しても接続に失敗する場合は、VSM のリロードを試みる。
• Web ブラウザで https://your-virtual-center/mob/ を参照し、[Content] > [Extension Manager] をクリックすることにより、vCenter Server によって VSM 拡張作成されているかどうかを調べる。
VSM と vCenter Server 間の接続をトラブルシューティングするには、次の手順に従います。
ステップ 1 Nexus N1000V VSM VM のネットワーク アダプタが適切に設定されていることを確認します。
ステップ 2 vCenter Server をホスティングしている Windows VM マシンの次のポートが開いていることを確認します。
• ポート 80
• ポート 443
ステップ 3 Nexus 1000V VSM から、vCenter Server を ping します。
ステップ 4 VMware VirtualCenter Server サービスが実行されていることを確認します。
vCenter Server への接続のトラブルシューティング
Cisco Nexus 1000V VSM と vCenter Server 間の接続をトラブルシューティングするには、次の手順に従います。
ステップ 1 Web ブラウザで、パス http://<VSM-IP> を入力します。
ステップ 2 cisco_nexus_1000v_extension.xml ファイルをデスクトップにダウンロードします。
ステップ 3 vCenter Server メニューから、[Plugins] [Manage Plugins] を選択します。空の領域を右クリックし、ステップ 2 のプラグインを新しいエクステンションとして選択します。
上記の手順に従わない場合、最新でない .xml ファイルが使用される可能性があります。
拡張を使用できることを確認するには、次の手順に従います。
ステップ 1 Web ブラウザで、パス http://<vCenter-Server-IP>/mob を入力します。
ステップ 2 [Content] をクリックします。
ステップ 3 [extensionManager] をクリックします。
ステップ 4 VALUE カラムに「extensionList[Cisco_Nexus_1000v_584325821]」と表示されている場合は、次の手順に進んで VSM に接続します。
(注) 「Cisco_Nexus_1000V_584325821」は、実際の値とは異なります。この値は、cisco_nexus_1000v_extension.xml ファイルの拡張キーと一致します。
ネットワーク管理者パスワードの回復
ネットワーク管理者パスワードの回復の詳細については、『 Cisco Nexus 1000V Password Recovery Guide 』を参照してください。
拡張キーの管理
ここでは、次の内容について説明します。
• 「拡張に関する既知の問題と解決方法」
• 「プラグインの競合の解決」
• 「Cisco Nexus 1000V での拡張キーの確認」
• 「特定の DVS に結び付けられた拡張キーの確認」
• 「拡張キーの確認」
拡張に関する既知の問題と解決方法
表 3-1 に、プラグインと拡張に関する既知の問題のトラブルシューティングと解決方法を示します。
表 3-1 拡張に関する既知の問題と解決方法
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拡張がただちにプラグインに表示されない。 |
VI クライアントをいったん閉じてから、再び開きます。 |
拡張を VI クライアントから削除できない。 |
MOB を使用して拡張を削除すると、VI クライアント画面が更新されずに、更新が削除されたことが示されることがあります。この場合は、VI クライアントをいったん閉じてから、再び開きます。 |
拡張の [download and instal] リンクをクリックすると、無効な Uniform Resource Identifier(URI)エラーが表示される。 |
なし。[download and install] をクリックする必要はありません。クリックしても、インストールや接続には作用しません。プラグインは、vCenter と一緒にインストールする必要があります。 |
プラグインの競合の解決
vCenter Server で Nexus 1000V プラグインを作成しているときに「The specified parameter was not correct」というエラーが表示される場合は、すでに登録されているプラグインを登録しようとしています。
この問題を解決するには、次の手順に従います。
ステップ 1 正しい cisco_nexus1000v_extension.xml ファイルを使用していることを確認します。
ステップ 2 このファイルがキャッシュされたあとに、ブラウザをリフレッシュしたことを確認します。ブラウザをリフレッシュしていない場合、古い内容が同じファイル名でキャッシュされている可能性があります。
ステップ 3 「拡張キーの確認」の手順に従って、VSM にインストールされている拡張キーと vCenter Server にインストールされているプラグインを比較します。
Cisco Nexus 1000V での拡張キーの確認
次の手順に従って、Cisco Nexus 1000V で拡張キーを確認できます。
はじめる前に
この手順を開始する前に、次のことを確認または実行する必要があります。
• Cisco Nexus 1000V VSM CLI に EXEC モードでログインしている。
• 「vCenter Server の拡張キーの登録解除」で見つけた拡張キーを使用できる。
手順の詳細
ステップ 1 表示する拡張キーを保有している VSM の Cisco Nexus 1000V から、次のコマンドを入力します。
show vmware vc extension-key
n1000v# show vmware vc extension-key
Extension ID: Cisco_Nexus_1000V_1935882621
特定の DVS に結び付けられた拡張キーの確認
次の手順に従って、特定の DVS に結び付けられた拡張キーを確認できます。
ステップ 1 vSphere クライアントから、確認する拡張キーを保有している DVS を選択します。
ステップ 2 [Summary] タブをクリックします。
[Summary] タブが開き、[Annotations] ブロックの [Notes] セクションに拡張キーが表示されます。
拡張キーの確認
次の手順に従って、Cisco Nexus 1000V と vCenter Server が同じ拡張キーを使用していることを確認できます。
Cisco Nexus 1000V インストールの再作成
他の回避策を使用して解決できない問題が持続する場合は、次の手順に従って、Cisco Nexus 1000V の設定全体を再作成します。
フローチャート: Cisco Nexus 1000V インストールの再作成
Cisco Nexus 1000V DVS からのホストの削除
次の手順に従って、Cisco Nexus 1000V DVS からホストを削除します。
はじめる前に
この手順を開始する前に、次のことを確認または実行する必要があります。
• vSphere クライアントにログインしている。
• vCenter Server から削除する Cisco Nexus 1000V DVS の名前を確認する。
手順の詳細
ステップ 1 vSphere Client で、[Inventory] [Networking] を選択します。
ステップ 2 Cisco Nexus 1000Vの DVS を選択し、[Hosts] タブをクリックします。
[Host] タブが開きます。
ステップ 3 各ホストを右クリックし、[Remove from Distributed Virtual Switch] を選択します。
これで、ホストは DVS から削除されました。
vCenter Server からの Cisco Nexus 1000V の削除
次の手順に従って、vCenter Server から Cisco Nexus 1000V DVS を削除できます。
はじめる前に
この手順を開始する前に、次のことを確認または実行する必要があります。
• VSM CLI に EXEC モードでログインしている。
手順の詳細
ステップ 1 Cisco Nexus 1000V VSM から次のコマンドを使用して、vCenter Server から DVS を削除します。
config t
svs connection vc
no vmware dvs
n1000v(config)# svs connection vc
n1000v(config-svs-conn)# no vmware dvs
DVS が vCenter Server から削除されます。
ステップ 2 これで手順は完了です。
「フローチャート:「Cisco Nexus 1000V インストールの再作成」」に戻ってください。
vCenter Server の拡張キーの登録解除
次の手順に従って、vCenter Server の Cisco Nexus 1000V 拡張キーを登録解除できます。
はじめる前に
この手順を開始する前に、次のことを確認または実行する必要があります。
• ブラウザ ウィンドウが開いている。
• この手順では、拡張キー名を vCenter Server MOB に貼り付ける必要がある。すでに、「Cisco Nexus 1000V での拡張キーの確認」で見つけた拡張キーが存在することを確認してください。
• この手順を使用して vCenter Server の拡張キーを登録解除した後、Cisco Nexus 1000V VSM ソフトウェアの新たなインストールを開始できる。
手順の詳細
ステップ 1 ブラウザで、次の URL を参照します。
https://<vc-ip>/mob/?moid=ExtensionManager
Manager Object Browser(MOB)に Extension Manager が開きます。
ステップ 2 [Unregister Extension] をクリックします。
https://<vc-ip>/mob/?moid=ExtensionManager&method=unregisterExtension
拡張を登録解除するためのダイアログボックスが開きます。
ステップ 3 値フィールドに、「Cisco Nexus 1000V での拡張キーの確認」で見つけた拡張キーを貼り付けて、[Invoke Method] をクリックします。
vCenter Server の拡張キーが登録解除されて、Cisco Nexus 1000V VSM ソフトウェアの新たなインストールを開始できるようになります。
ステップ 4 これで手順は完了です。
「フローチャート:「Cisco Nexus 1000V インストールの再作成」」に戻ってください。