Cisco CallManager サービス
Cisco CallManager サービスは、Cisco IP Telephony Applications Server 上で稼働し、ソフトウェアだけのコール処理、シグナリング、コール制御などの機能を提供します。Cisco CallManager サービスは、Cisco CallManager CD からインストールします。
Cisco Extended Functions サービス
Cisco Extended Functions NT サービスは、Quality Report Tool(QRT)を含む一部の Cisco CallManager 機能をサポートします。個々の機能の詳細については、『 Cisco CallManager システム ガイド 』および『 Cisco IP Phone アドミニストレーション ガイド for Cisco CallManager 』を参照してください。
Cisco CDR Insert サービス
Call Detail Record(CDR; コール詳細レコード)の収集を使用可能にすると、コールが行われた時点で Cisco CallManager から CDR がサブスクライバ データベース上のフラット ファイルに書き込まれます。Cisco CDR Insert サービスは、定期的にこれらのファイルからレコードをパブリッシャ集中型 SQL データベースに挿入します。ただし、CDR Format エンタープライズ パラメータの値が Flat の場合、Cisco CDR Insert サービスはレコードを挿入しません。CDR および関連するパラメータの詳細については、『 Cisco CallManager システム ガイド 』を参照してください。
Cisco TFTP
Cisco Trivial File Transfer Protocol(TFTP; 簡易ファイル転送プロトコル)は、FTP の簡易版である TFTP に準拠したファイルを作成および提供します。Cisco TFTP は、組み込み型コンポーネント実行可能ファイル、呼び出し音ファイル、およびデバイス コンフィギュレーション ファイルを提供します。
コンフィギュレーション ファイルには、デバイス(電話およびゲートウェイ)の接続先となる Cisco CallManager のリストが含まれています。デバイスがブートすると、コンポーネントは Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サーバにネットワーク構成情報をクエリーします。DHCP サーバはデバイスの IP アドレス、サブネット マスク、デフォルト ゲートウェイ、Domain Name System(DNS; ドメイン ネーム システム)サーバ アドレス、および TFTP サーバの名前またはアドレスを応答します。
デバイスは、TFTP サーバにコンフィギュレーション ファイルを要求します。コンフィギュレーション ファイルには、Cisco CallManager と、デバイスがそれらの Cisco CallManager に接続するときに経由する TCP ポートのリストが含まれます。
Cisco Database Layer Monitor サービス
Cisco Database Layer Monitor サービスは、データベース レイヤの様子とコール詳細レコード(CDR)をモニタします。データベース レイヤは、一連のダイナミック リンク ライブラリ(DLL)から構成されています。これらの DLL は、データを追加、取得、および変更するためにデータベースにアクセスする必要があるアプリケーションのための、共通のアクセス ポイントを提供します。Cisco Database Layer Monitor サービスは、フェールオーバー中にプライマリ サーバが使用可能であるかどうかの判別、一定の間隔でサブスクライバ データベースからプライマリ データベースに CDR を移動、Max CDR Records パラメータで定義されている制限に達したときに最も古い CDR の削除などの機能を必要に応じて実行します。Cisco CallManager では、CDR の最大数は Max CDR Records パラメータの値と同じ値に、CMR の最大数は Max CDR Records パラメータの値を 3 倍した値に制限されます。
Cisco CallManager で CDR を除去する方法については、『 Cisco CallManager 4.2(1) Call Detail Record Definition 』 を参照してください。
Cisco CTL Provider
この Windows 2000 サービスは、ローカル システム アカウント特権で実行され、クラスタのセキュリティ モードをノンセキュア モードから混合モードに変更するためのプラグインである Cisco CTL Provider ユーティリティと連携して動作します。プラグインをインストールすると、Cisco CTL Provider サービスは CTL ファイル用に、クラスタ内のすべての Cisco CallManager サーバと Cisco TFTP サーバのリストを取得します。CTL ファイルには、セキュリティ トークン、Cisco CallManager サーバと TFTP サーバ、および署名証明書が存在する CAPF のリストが含まれます。
Cisco Serviceability Reporter
Cisco Serviceability Reporter サービスは、次の日次レポートを生成します。
• Device Statistics
• Server Statistics
• Service Statistics
• Call Activities
• Alert
このサービスは、クラスタ内のすべての Cisco CallManager ノードにインストールされます。Reporter は、ログに記録された情報に基づいて、1 日に一度レポートを生成します。Cisco CallManager Serviceability 内で Reporter が生成したレポートには、Tools メニューからアクセスできます。
各要約レポートには、その特定のレポートの統計情報を示すさまざまな図が含まれています。
Cisco Serviceability Reporter には、次の 2 つのサービス パラメータがあります。
• Report Generation Time:午前 0 時からの時間(分単位)。レポートは最終日のこの時刻に生成されます。
• Report Deletion Age:レポートをディスクに保持する必要のある日数。指定した日数を過ぎたレポートは、システムにより削除されます。
詳細については、「Serviceability Reports Archive」 および『Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド』の第14章「Serviceability Reports Archive の設定」を参照してください。
Cisco IP Manager Assistant
Cisco IP Manager Assistant(Cisco IPMA)機能を使用すると、マネージャとそのアシスタントはより効率的に協業できます。Cisco IPMA は、プロキシ回線サポートと共有回線サポートの 2 つの操作モードをサポートしています。Cisco IPMA サービスは、1 つのクラスタ内でプロキシ回線サポートと共有回線サポートの両方をサポートしています。『Cisco CallManager 機能およびサービス ガイド』を参照してください。
機能は、コールルーティング サービス、マネージャのための電話機能の拡張、および主にアシスタントが使用するデスクトップ インターフェイスで構成されます。
サービスにより、マネージャへのコールが代行受信され、事前に設定されたコール フィルタに基づいて、選択したアシスタント、マネージャ、またはその他のターゲットにルーティングされます。マネージャはコール ルーティングを動的に変更できます。たとえば、電話のソフトキーを押すことで、マネージャはサービスにすべてのコールをアシスタントにルーティングするように指示し、これらのコールのステータスを受け取ることができます。
Cisco CallManager ユーザには、マネージャとアシスタントがいます。ルーティング サービスはマネージャ コールを代行受信し、それらを適切にルーティングします。アシスタント ユーザは、マネージャの代わりにコールを処理します。Cisco IPMA は、マネージャ用の機能とアシスタント用の機能から構成されます。
Cisco Extension Mobility
Cisco Extension Mobility サービスでは、Cisco CallManager Extension Mobility 機能の電話設定に対する期間制限などの、ログイン設定を定義できます。Cisco CallManager Extension Mobility 機能では、Cisco CallManager クラスタ内のユーザは、Cisco IP Phone 7960/7940 にログインすることにより、その電話を一時的に自分専用として設定できます。ユーザがログインすると、ユーザの、個人の電話番号、短縮ダイヤル、サービス リンク、およびその他のユーザ固有のプロパティが電話で使用されます。ログアウト後は、電話は元のユーザ プロファイルを使用します。Cisco CallManager Extension Mobility 機能の詳細については、『 Cisco CallManager システム ガイド 』および『 Cisco CallManager 機能およびサービス ガイド 』を参照してください。
Cisco WebDialer
Cisco WebDialer には、クリックツーダイヤル機能があります。この機能を使用すると、Cisco CallManager クラスタ内のユーザは、Web ページやデスクトップ アプリケーションから、クラスタの内側または外側にいる他のユーザに対してコールを開始できます。Cisco WebDialer は、クラスタ内のユーザどうしが相互にコールできる Web ページです。Cisco WebDialer には、WebDialer servlet と Redirector servlet の 2 つのコンポーネントがあります。
Redirector servlet には、サードパーティ アプリケーションから Cisco WebDialer を使用する機能が用意されています。Redirector servlet は、WebDialer ユーザに対して適切な Cisco CallManager クラスタを検索し、要求をそのクラスタ内の WebDialer にリダイレクトします。Redirector 機能は、Simple Object Access Protocol(SOAP)ベースの WebDialer アプリケーションでは使用できないため、HTTP/HTML ベースの WebDialer クライアント アプリケーションだけに適用されます。
Cisco WebDialer の詳細については、『 Cisco CallManager 機能およびサービス ガイド 』を参照してください。
Cisco Messaging Interface サービス
Cisco Messaging Interface を使用すると、Simplified Message Desk Interface(SMDI)に準拠した外部ボイス メッセージ システムと Cisco CallManager を接続できます。CMI サービスは、ボイス メッセージ システムと Cisco CallManager 間の通信を可能にします。SMDI は、電話システムが、着信コールをインテリジェントに処理するために必要な情報をボイス メッセージ システムに提供する方法を定義します。
Cisco IP Voice Media Streaming Application サービス
Cisco IP Voice Media Streaming Application は、Cisco CallManager で MTP、会議、および Music on Hold(MOH; 保留音)を使用するための音声メディア ストリーミング機能を提供します。Cisco IP Voice Media Streaming Application は、Cisco CallManager からのメッセージを、IP Voice Media Streaming ドライバにリレーします。ドライバは、RTP ストリーミングを処理します。MTP および Cisco IP Voice Media Streaming Application の Conference Bridge コンポーネントは、G.711 mu-law および a-law コーデックをサポートします。MOH コンポーネントは、G.711 mu-law/a-law、G.729a、およびワイドバンド コーデックをサポートします。
Cisco Telephony Call Dispatcher サービス
Telephony Call Dispatcher(TCD)サービスは、Cisco WebAttendant および Attendant Console クライアントとパイロット ポイントに対応した中央集中型のサービスを提供します。Cisco WebAttendant および Attendant Console クライアントの場合、TCD はコール制御機能、Cisco CallManager ドメイン内のすべてのアクセス可能な回線の回線状態情報、およびディレクトリ情報のキャッシュを提供します。パイロット ポイントの場合、TCD はハント グループにリストされた電話番号への自動リダイレクションと、Cisco CallManager で障害が発生したときのフェールオーバーを提供します。
Cisco CTIManager サービス
CTI Manager には、アプリケーションとのインターフェイスとなる CTI コンポーネントが含まれます。CTI Manager を使用すると、アプリケーションはクラスタ内のすべての Cisco CallManagers のリソースと機能にアクセスでき、フェールオーバー機能を向上できます。1 つのクラスタ内で 1 つまたは複数の CTI Manager をアクティブにできますが、個々のサーバに存在できる CTI Manager は 1 つだけです。アプリケーション(JTAPI/TAPI)は複数の CTI Manager に同時接続できますが、メディアの停止により 1 つのデバイスを開くために同時に使用できるアプリケーションは 1 つだけです。
Cisco MOH Audio Translator サービス
Cisco MOH Audio Translator サービスは、MOH 機能で使用できるように、オーディオ ソース ファイルを各種コーデックに変換します。Cisco IP Voice Media Streaming Application サービスのインストール時に、Cisco CallManager が自動的にこのサービスをインストールします。
Cisco RIS Data Collector
Real-time Information Server(RIS)は、リアルタイムの Cisco CallManager 情報を維持します。また、その情報を Cisco RIS Data Collector サービスと SNMP エージェントが取得するために使用するインターフェイスを提供します。Cisco CallManager サービスを持つノードごとに 1 つずつ RIS が存在します。Cisco RIS Data Collector サービスは、Cisco CallManager Serviceability や Cisco CallManager Administration などのアプリケーションのインターフェイスを提供し、クラスタ内のすべての RIS ノードに格納されている情報を取得します。
Cisco Certificate Authority Proxy Function (CAPF)
Cisco Certificate Authority Proxy Function(CAPF)サービスは、CAPF アプリケーションと連携して動作し、設定に応じて次のタスクを実行できます。
• サポートされる Cisco IP Phone モデルにローカルで有効な証明書を発行する。
• SCEP を使用して、サポートされている Cisco IP Phone モデルの代わりにサードパーティ認証局に証明書を要求する。
• 電話の既存の証明書をアップグレードする。
• トラブルシューティングのために電話の証明書を取得する。
• ローカルで有効な証明書を電話から削除する。
(注) Cisco CallManager Real-Time Monitoring Tool(RTMT)でリアルタイム情報を表示すると、サブスクライバ ノードではなくパブリッシャ ノードの Cisco Certificate Authority Proxy Function(CAPF)サービスだけがリストされます。
参考情報
関連項目
• 「トレースの概要」
• 「トレース」
• 『 Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』の第5 章「トレースの設定」
• 『Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』の第6 章「トレース収集の設定」
• 『Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』の第7 章「トレース分析の設定」
参考資料
• Cisco CallManager システム ガイド
• Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド
• Cisco CallManager 機能およびサービス ガイド
• Cisco IP Phone およびサービス :
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/voice/c_ipphon/english/index.htm
• Cisco CallManager トラブルシューティング ガイド