Flexible NetFlow の設定
フローは、パケット フィールドを含む場合があるキー フィールド アトリビュート、パケット ルーティング アトリビュート、および入出力インターフェイス情報の一意のセットとして定義されます。NetFlow 機能は、フローを、機能キー フィールドの値が同じ一連のパケットとして定義します。Flexible Netflow(FNF)を使用すれば、さまざまなフロー アトリビュートが指定されたフロー レコードを収集して、オプションで転送することができます。Netflow 収集は、IP、IPv6、およびレイヤ 2 トラフィックをサポートします。
(注) この章では、Catalyst 4500 スイッチ固有の情報について説明します。プラットフォーム固有の設定やコマンド情報については、次のリンクを参照してください。
Flexible NetFlow コンフィギュレーション ガイド:
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/fnetflow/configuration/guide/12_4t/fnf_12_4t_book.html
Flexible NetFlow コマンド リファレンス:
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/fnetflow/command/reference/fnf_book.html
次の項目は、Catalyst 4500 シリーズ スイッチに適用されます。
1. Supervisor Engine 7-E は、スイッチ上のすべてのポートと VLAN で共有された 100,000 エントリのハードウェア フロー テーブルをサポートします。特定のインターフェイスまたは VLAN 上のテーブル エントリ数を制限するには、cache entries number コマンドを入力します。
次に、1,000 エントリを保持するようにフロー モニタ m1 キャッシュを設定する例を示します。この設定では、インターフェイス gig 3/1 で最大 1,000 個のフローを、インターフェイス gig 3/2 で最大 1,000 個のフローを作成することができます。
! exporter specifies where the flow records are send to
! record specifies packet fields to collect
match ipv4 source address
match ipv4 destination address
collect counter bytes long
collect counter packets long
collect timestamp sys-uptime first
collect timestamp sys-uptime last
! monitor refers record configuration and optionally exporter
! configuration. It specifies the cache size i.e. how many unique flow
cache timeout inactive 30
!interface GigabitEthernet 3/1
! layer2-switched allows collection of flow records even when the packet is
ip flow monitor m1 layer2-switched input
interface GigabitEthernet 3/2
2. フロー収集は、複数のターゲット(ポート、VLAN、ポート単位/VLAN 単位(特定のポートの VLAN 上で FNF をイネーブルにできる))と 1 つのポートチャネル(FNF が個々のメンバー ポートではなく、ポートチャネル インターフェイス上で設定される)上でサポートされます。
3. 64 個の一意のフロー レコード設定がサポートされます。
4. フロー QoS/UBRL と FNF は同じターゲット上で設定できません(フロー ベースの QoS については、「フローベース QoS」を参照してください)。
5. 14,000 個の一意の IPv6 アドレスをモニタすることができます。
6. 特定のターゲット上で、トラフィック タイプごとに 1 つずつのモニタを使用することができます。ただし、同じターゲット上の複数のモニタを複数のトラフィック タイプ用に設定することができます。
たとえば、次の設定が使用できます。
ip flow monitor <name> input
ipv6 flow monitor <name> input
次の設定は使用できません。
interface GigabitEthernet 3/1
7. レイヤ 2 とレイヤ 3 をモニタしている特定のターゲット上で、同時トラフィックはサポートされません。
interface channel-group 1
datalink flow monitor m1 input
!
8. 1 つのフロー レコード定義でレイヤ 2 パケット フィールドとレイヤ 3 パケット フィールドを選択することはできません。ただし、パケット COS とレイヤ 3 パケット フィールドを選択することはできます。
9. 永続的と通常のフロー キャッシュ タイプしかサポートされません。
10. フロー キャッシュ内でのフローの有効期限は、アクティブと非アクティブのタイマー設定を通して制御されます。アクティブと非アクティブのエージング タイマーの最小値は 5 秒です。このタイマーは、5 秒単位にする必要があります。
(注) ハードウェア テーブル内のフローは、アクティブまたは非アクティブ タイマーの設定値に関係なく、5 秒間の無活動期間後に削除されます。これにより、新しいハードウェア フローをすばやく作成することができます。
11. First-seen および Last-seen フローのタイムスタンプの精度は 3 秒以内です。
• TTL がフロー フィールドとして設定されている場合は、次の値が特定のパケット TTL 値として報告されます。 表 30-1 に、パケット TTL と報告される値を示します。
表 30-1 TTL マップ
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|
0 |
0 |
1 |
1 |
2 ~ 10 |
10 |
11 ~ 25 |
25 |
26 ~ 50 |
50 |
51 ~ 100 |
100 |
100 ~ 150 |
150 |
150 ~ 255 |
255 |
• パケット長がフロー フィールドとして設定されている場合は、次の値が特定のパケット長として報告されます。 表 30-2 に、パケット TTL と報告される値を示します。
表 30-2 パケット長マップ
|
|
0 ~ 64 |
64 |
65 ~ 128 |
128 |
129 ~ 256 |
256 |
257 ~ 512 |
512 |
513 ~ 756 |
756 |
757 ~ 1500 |
1500 |
1500 ~ 4000 |
4000 |
4000+ |
8192 |
次の表に、FNF 経由で使用可能なオプションとサポートされているフィールドを示します。
表 30-3 FNF 経由で使用可能なオプションとサポートされているフィールド
|
|
|
データ リンク フィールド(レイヤ 2 フロー ラベル + A94) |
dot1q priority |
802 1Q ユーザ |
|
dot1q vid |
802.1Q VLAN ID |
出力 VLAN は収集オプションとしてのみサポートされます。 |
mac destination-address |
アップストリーム宛先 MAC アドレス |
|
mac source-address |
ダウンストリーム送信元 MAC アドレス |
|
|
destination address |
IPv4 宛先アドレス |
可 |
DSCP |
IPv4 DSCP(TOS の一部) |
|
fragmentation flags |
IPv4 フラグメンテーション フラグ |
非キーとしてサポートされます。DF フラグはサポートされません。 |
is-multicast |
IPv4 マルチキャスト パケットかどうか(0:マルチパケットでない場合、1:マルチパケットの場合) |
非キーとしてサポートされます。 |
Precedence |
IPv4 precedence |
|
Protocol |
IPv4 プロトコル |
|
source address |
IPv4 送信元アドレス |
|
total length |
IPv4 データグラム |
値は 表 30-2 に基づいて報告されます。 |
Total length minimum |
検出された最小パケット サイズ |
|
Total length maximum |
検出された最大パケット サイズ |
|
Tos |
IPv4 Type Of Service(TOS; タイプ オブ サービス) |
|
ttl |
Pv4 Time to Live(TTL) |
値は 表 30-1 に基づいて報告されます。 |
ttl minimum |
FNF は mon-key モードでのみこのフィールドをサポートします。 |
|
ttl maximum |
FNF は mon-key モードでのみこのフィールドをサポートします。 |
|
|
destination address |
IPv6 宛先アドレス |
|
dscp |
IPv6 DSCP(IPv6 トラフィック クラスの一部) |
|
flow-label |
IPv6 フロー ラベル |
|
is-multicast |
IPv6 マルチキャスト パケットかどうか(0:マルチパケットでない場合、1:マルチパケットの場合) |
非キー フィールドとしてサポートされます。 |
hop-limit |
IPv6 ホップ制限(従来の IPv4 ttl) |
値は 表 30-1 に基づいて報告されます。 |
hop-limit minimum |
フロー内で検出された IPv6 最小ホップ制限値。非キー フィールドとしてしか使用することができません。 |
|
hop-limit maximum |
フロー内で検出された IPv6 最大ホップ制限値。非キー フィールドとしてしか使用することができません。 |
|
next-header |
IPv5 ネクスト ヘッダー タイプ |
最初のネクスト ヘッダーのみが報告されます。 |
total length |
IPv6 総パケット長 |
値は 表 30-2 に基づきます。 |
Total length minimum |
検出された最小パケット サイズ |
|
Total length maximim |
検出された最大パケット サイズ |
|
protocol |
最後の IPv6 拡張ヘッダー内の IPv6 ネクスト ヘッダー タイプ |
|
source address |
IPv6 送信元アドレス |
|
traffic-class |
IPv6 トラフィック クラス |
可 |
|
forwarding-status |
パケットの転送ステータス(転送済み、ルータ内で終端、ACL、RPF、または CAR によってドロップ) |
非キー フィールドとしてサポートされます。 |
|
TCP ヘッダー フィールド |
destination-port TCP destination number |
TCP 宛先ポート |
|
flags [ack] [fin] [psh] [rst] [syn] [urg] |
TCP フラグ |
非キー フィールドとしてサポートされます。 |
source-port |
TCP 送信元ポート |
|
UDP ヘッダー フィールド |
destination-port |
UDP 宛先ポート |
|
source-port |
UDP 送信元ポート |
|
ICMP ヘッダー フィールド |
code |
ICMP コード |
|
type |
ICMP タイプ |
|
IGMP ヘッダー フィールド |
type |
IGMP |
|
インターフェイス フィールド |
input |
入力インターフェイス索引 |
|
output |
入力インターフェイス索引 |
出力インターフェイスは非キーとしてのみサポートすることができます。 |
Flexible NetFlow 機能関連フィールド |
direction: input |
|
|
カウンタ フィールド |
bytes |
32 ビット カウンタ |
|
bytes long |
64 ビット カウンタ |
|
packets |
32 ビット カウンタ |
|
packets long |
フロー内のパケットの 64 ビット カウンタ |
|
タイムスタンプ |
first seen |
フロー内でアカウントされた最初のパケットのタイムスタンプ(ミリ秒単位、ルータ起動後に開始) |
3 sec accuracy |
last seen |
フロー内でアカウントされた最後のパケットのタイムスタンプ(ミリ秒単位、ルータ起動後に開始) |
3 sec accuracy |
フロー モニタ キャッシュ値の設定
アクティブ キャッシュ タイムアウト値を小さくすると、より頻繁にフローがリモート コレクタに転送されます。また、ソフトウェアによって、転送されたフローがローカル キャッシュから削除されます。そのため、スイッチから報告されるキャッシュ統計情報に実際のモニタ対象フローが表示されない場合があります。