VLAN
ここでは、主に次の内容について説明します。
• 「VLAN について」
• 「VLAN 設定時の注意事項および制約事項」
• 「VLAN のデフォルト設定」
• 「VLAN の設定」
VLAN について
VLAN は、1 つまたは複数の LAN 上のデバイス グループで、実際には複数の異なる LAN セグメント上にある場合でも、同じワイヤに接続するように通信設定されています。VLAN は物理的な接続ではなく論理的な接続に基づくため、非常に柔軟性があります。
(注) VTP バージョン 3 アップデートは、混合モード トランク ポートを通過しません。
VLAN は、レイヤ 2 ネットワークのブロードキャスト ドメインを決定します。ブロードキャスト ドメインは、設定内のいずれかのデバイスから発信されたブロードキャスト フレームを受信するすべてのデバイスのセットです。ブロードキャスト ドメインは通常、スイッチによって分割されます。これはスイッチがブロードキャスト フレームを転送しないためです。レイヤ 2 スイッチは、スイッチの設定に基づいてブロードキャスト ドメインを作成します。スイッチは、複数のブロードキャスト ドメイン作成を可能にするマルチポート ブリッジです。ブロードキャスト ドメインは、スイッチ内の個々の仮想ブリッジのように機能します。
スイッチ内で 1 つまたは複数の仮想ブリッジを定義できます。スイッチ内で作成した仮想ブリッジは、新しいブロードキャスト ドメイン(VLAN)を定義します。スイッチ内、または 2 つのスイッチ間で、トラフィックが直接別の VLAN(ブロードキャスト ドメイン間)に接続されることはありません。2 つの異なる VLAN を相互接続するには、スイッチまたはレイヤ 3 スイッチを使用する必要があります。Catalyst 4500 シリーズ スイッチの VLAN 間ルーティングの詳細については、「レイヤ 3 インターフェイスの概要」を参照してください。
図 12-1 に、論理的に定義されたネットワークを作成する 3 つの VLAN の例を示します。
図 12-1 VLAN の例
VLAN は多くの場合、IP サブネットワークと対応付けられています。たとえば、特定の IP サブネットに含まれるすべてのエンド ステーションを同じ VLAN に所属させる場合などです。VLAN 相互間のトラフィックは、ルーティングする必要があります。LAN インターフェイスの VLAN メンバシップは、インターフェイス別に割り当てる必要があります(これはインターフェイスベースまたはスタティックな VLAN メンバシップと呼ばれます)。
管理ドメイン内に VLAN を作成する場合、次のパラメータを設定できます。
• VLAN 番号
• VLAN 名
• VLAN タイプ
• VLAN ステート(アクティブまたは中断)
• VLAN の Maximum Transmission Unit(MTU; 最大伝送ユニット)
• Security Association Identifier(SAID)
• VLAN タイプを別のタイプに変換する場合に使用する VLAN 番号
(注) ソフトウェアを使用して VLAN のタイプを変換する場合は、各メディア タイプごとに異なる VLAN 番号が必要になります。
VLAN 設定時の注意事項および制約事項
ネットワーク上で VLAN を作成および変更するときは、次の注意事項および制約事項に従ってください。
• VLAN を作成する前に、Catalyst 4500 シリーズ スイッチを VTP サーバ モードまたは VTP トランスペアレント モードに変更してください。Catalyst 4500 シリーズ スイッチが VTP サーバであれば、VTP ドメインを定義する必要があります。VTP の設定手順については、「VLAN トランキング プロトコル」を参照してください。
• VLAN データベース モードでは、Cisco IOS の end コマンドはサポートされていません。
• Ctrl+Z を押して、VLAN データベース モードを終了することはできません。
• Multiple Spanning-Tree Protocol(MSTP; マルチプル スパニング ツリー プロトコル)が稼動し、使用可能なすべての VLAN(4094)が設定されている Catalyst 4948 スイッチが、タイムアウトが 500 ms 未満に設定された 2 つの Hot Standby Router Protocol(HSRP; ホットスタンバイ ルータ プロトコル)ピアのパスにある場合、HSRP がフラップします。
回避策:
– 使用する VLAN の数を減らします。
– タイマーを 600 ms より大きい値に設定します。
– no igmp snooping(グローバル)および access-list hardware capture mode VLAN コマンドを入力します。
VLAN 範囲
(注) 4094 の VLAN を使用するには、拡張システム ID をイネーブルにする必要があります。「ブリッジ ID の概要」を参照してください。
Cisco IOS Release 12.2(25)EWA 以降では、Catalyst 4500 シリーズ スイッチは IEEE 802.1Q 規格に準拠し、4096 の VLAN をサポートしています。これらの VLAN は、予約、標準、拡張の 3 つの範囲に分けられます。
4096 の VLAN の一部は、VLAN トランキング プロトコル(VTP)を使用した場合、ネットワーク内の他のスイッチに伝播されます。拡張範囲 VLAN は伝播されないので、各ネットワーク デバイス上で拡張範囲 VLAN を手動で設定する必要があります。
表 12-1 で、VLAN 範囲の使い方について説明します。
表 12-1 VLAN 範囲
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|
|
|
0、4095 |
予約 |
システム専用。ユーザはこれらの VLAN を表示または使用できません。 |
-- |
1 |
標準 |
シスコのデフォルト。ユーザはこの VLAN を使用できますが、削除はできません。 |
可 |
2 ~ 1001 |
標準 |
イーサネット VLAN 用。ユーザはこれらの VLAN を作成、使用、削除できます。 |
可 |
1002 ~ 1005 |
標準 |
Fiber Distributed Data Interface(FDDI; ファイバ分散データ インターフェイス)およびトークンリングの場合のシスコのデフォルト。ユーザは VLAN 1002 ~ 1005 を削除できません。 |
可 |
1006 ~ 4094 |
拡張 |
イーサネット VLAN 専用。拡張範囲 VLAN を設定する場合、次の点に注意してください。 • レイヤ 3 ポートおよび一部のソフトウェア機能には、内部 VLAN が必要です。内部 VLAN は 1006 以上から割り当てます。このような用途にすでに割り当てられている VLAN を使用できません。内部利用の VLAN を表示するには、 show vlan internal usage コマンドを入力します。 • Catalyst 製品ファミリ ソフトウェアが稼動しているスイッチでは、VLAN 1006 ~ 1024 を設定できません。VLAN 1006 ~ 1024 を設定する場合は、その VLAN が Catalyst 製品ファミリ ソフトウェアが稼動しているスイッチに拡張されないようにしてください。 • 拡張範囲 VLAN を使用するには、拡張システム ID をイネーブルにする必要があります。 |
不可 |
標準範囲の VLAN で設定できるパラメータ
(注) イーサネット VLAN 1 および 1006 ~ 4094 で使用するのは、デフォルト値だけです。
VLAN 2 ~ 1001 には次のパラメータを設定できます。
• VLAN 名
• VLAN タイプ
• VLAN ステート(アクティブまたは中断)
• SAID
• VLAN の Spanning-Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)タイプ
VLAN のデフォルト設定
表 12-2 に、VLAN のデフォルト設定の値を示します。
表 12-2 イーサネット VLAN のデフォルトおよび範囲
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VLAN ID |
1 |
1 ~ 4094 |
VLAN 名 |
VLAN x 。 x はソフトウェアで割り当てられた番号です。 |
範囲なし |
802.10 SAID |
100,001 |
1 ~ 4,294,967,294 |
MTU サイズ |
1500 |
1500 ~ 18,190 |
トランスレーショナル ブリッジ 1 |
1002 |
0 ~ 1005 |
トランスレーショナル ブリッジ 2 |
1003 |
0 ~ 1005 |
VLAN ステート |
active |
active、suspend、shutdown |
(注) Catalyst 4500 シリーズ スイッチは、トークンリングまたは FDDI メディアをサポートしません。スイッチは FDDI、FDDI-Net、Token Ring Concentrator Relay Function(TrCRF; トークンリング コンセントレータ リレー機能)、または Token Ring Bridge Relay Function(TrBRF; トークンリング ブリッジ リレー機能)トラフィックを転送しませんが、VTP を通して VLAN 設定を伝播します。ソフトウェアはこれらのメディア タイプのパラメータを保存しますが、実際にはサポートされていません。
VLAN の設定
(注) VLAN を設定する前に、VLAN トランキング プロトコル(VTP)を使用して、ネットワークのグローバル VLAN 設定情報を維持する必要があります。VTP については、「VLAN トランキング プロトコル」を参照してください。
(注) VLAN は多くのパラメータをサポートしています。ここでは、すべてのパラメータについては詳しく説明しません。詳細については、『Catalyst 4500 Series Switch Cisco IOS Command Reference』を参照してください。
(注) VLAN の設定は vlan.dat ファイルに保存され、vlan.dat ファイルは不揮発性メモリに保存されます。vlan.dat ファイルを手動で削除すると、VLAN データベースに矛盾が生じる可能性があります。VLAN の設定または VTP を変更する場合は、ここに記載されているコマンドおよび『Catalyst 4500 Series Switch Cisco IOS Command Reference』に記載されているコマンドを使用してください。
ここでは、VLAN の設定手順について説明します。
• 「グローバル コンフィギュレーション モードでの VLAN の設定」
• 「VLAN へのレイヤ 2 LAN インターフェイスの割り当て」
グローバル コンフィギュレーション モードでの VLAN の設定
スイッチが VTP サーバ モードまたはトランスペアレント モードの場合は(「VLAN トランキング プロトコル」を参照)、グローバルおよび VLAN コンフィギュレーション モードで VLAN を設定できます。VLAN をグローバルおよび config-vlan コンフィギュレーション モードで設定した場合、VLAN の設定は running-config または startup-config ファイルではなく、 vlan.dat ファイルに保存されます。VLAN の設定を表示するには、 show vlan コマンドを入力します。
スイッチが VLAN トランスペアレント モードの場合に、 copy running-config startup-config コマンドを実行すると、VLAN の設定が startup-config ファイルに保存されます。実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションとして保存したあとに、 show running-config コマンドおよび show startup-config コマンドを実行すると、VLAN の設定が表示されます。
(注) スイッチの起動時に、startup-config ファイルおよび vlan.dat ファイル内の VTP ドメイン名と VTP モードが異なる場合、スイッチは vlan.dat ファイル内の設定を使用します。
ポート メンバシップ モードを定義したり、VLAN のポートを追加および削除するには、インターフェイス コンフィギュレーション コマンド モードを使用します。これらのコマンドの結果は、 running-config ファイルに書き込まれます。このファイルを表示するには、 show running-config コマンドを使用します。
ユーザ設定 VLAN には 1 ~ 4094 の一意の ID があります。VLAN を作成するには、 vlan コマンドと使用されていない ID を入力します。特定の ID が使用されているかどうかを確認するには、 show vlan id ID コマンドを入力します。VLAN を修正する場合は、既存の VLAN に vlan コマンドを使用します。
VLAN の作成時に割り当てられるデフォルト パラメータの一覧は、「VLAN のデフォルト設定」を参照してください。 media キーワードを使用しないで VLAN タイプを指定する場合、VLAN はイーサネット VLAN になります。
VLAN を作成するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch#
configure terminal
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)#
vlan
vlan_ID
|
イーサネット VLAN を追加します。 VLAN を削除する場合は、この VLAN に割り当てられたアクセス ポートとして設定された LAN インターフェイスはいずれも、非アクティブになります。これらのインターフェイスは、新しい VLAN に割り当てられるまで、元の VLAN に(非アクティブのまま)対応付けられています。 VLAN を削除する場合は、 no キーワードを使用します。 Switch(config-vlan)# と表示される場合、VLAN コンフィギュレーション モードで実行しています。新しく作成された VLAN のパラメータを変更する場合は、このモードを使用します。 |
ステップ 3 |
|
VLAN コンフィギュレーション モードからイネーブル モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
Switch#
show vlan [
id |
name ]
vlan_name
|
VLAN の設定を確認します。 |
イーサネット VLAN を作成または変更する場合は、次の点に注意してください。
• レイヤ 3 ポートおよび一部のソフトウェア機能には、1006 以上から昇順に内部 VLAN を割り当てる必要があるため、拡張範囲 VLAN は 4094 から降順に設定してください。
• 拡張範囲 VLAN が設定できるのはグローバル コンフィギュレーション モードだけです。VLAN データベース モードでは拡張範囲 VLAN を設定できません。
• レイヤ 3 ポートおよび一部のソフトウェア機能は、拡張範囲 VLAN を使用します。作成または変更対象の VLAN がレイヤ 3 ポートまたはソフトウェア機能によって使用中の場合、スイッチからメッセージが表示され、VLAN 設定は変更されません。
• VLAN コンフィギュレーション コマンドで VLAN を作成すると、VLAN は自動的に既存の VTP ドメインに追加されます。ユーザが行う必要はありません。
次に、グローバル コンフィギュレーション モードでイーサネット VLAN を作成し、設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
---- -------------------------------- --------- -------------------------------
VLAN Type SAID MTU Parent RingNo BridgeNo Stp BrdgMode Trans1 Trans2
---- ----- ---------- ----- ------ ------ -------- ---- -------- ------ ------
3 enet 100003 1500 - - - - - 0 0
Primary Secondary Type Interfaces
------- --------- ----------------- -------------------------------------------
VLAN へのレイヤ 2 LAN インターフェイスの割り当て
管理ドメイン内で作成された VLAN は、VLAN に 1 つまたは複数の LAN インターフェイスを割り当てるまで未使用の状態のままとなります。
(注) 適切なタイプの VLAN に LAN インターフェイスを割り当ててください。イーサネットタイプの VLAN には、ファスト イーサネット インターフェイス、ギガビット イーサネット インターフェイス、10 ギガビット イーサネット インターフェイスを割り当てます。
VLAN に 1 つまたは複数の LAN インターフェイスを割り当てるには、「レイヤ 2 スイッチング用のイーサネット インターフェイスの設定」に記載されている作業を行います。
VLAN トランキング プロトコル
ここでは、Catalyst 4500 シリーズ スイッチの VLAN トランキング プロトコル(VTP)について説明します。
ここでは、主に次の内容について説明します。
• 「VTP について」
• 「VTP 設定時の注意事項および制約事項」
• 「VTP のデフォルト設定」
• 「VTP の設定」
VTP について
VTP はレイヤ 2 のメッセージ プロトコルで、VTP ドメインにおける VLAN の追加、削除、名前変更などを管理することにより、VLAN 設定の一貫性を維持します。VTP ドメイン(別名 VLAN 管理ドメイン)は、同じ VTP ドメイン名を共有し、トランクで相互接続された 1 つまたは複数のネットワーク デバイスで構成されます。VTP を使用すると、VLAN 名の重複、無効な VLAN タイプの指定、セキュリティ違反などのさまざまな問題によって生じる不正な設定および設定の矛盾を最小限に抑えることができます。
VLAN を作成する前に、ネットワークで VTP を使用するかどうかを決定する必要があります。VTP を使用すると、1 台または複数のネットワーク デバイス上で中央集約的に設定変更を行い、それらの変更を自動的にネットワーク上の他のネットワーク デバイスに伝達できます。VLAN の設定の詳細については、「VLAN」を参照してください。
ここでは、VTP の機能について説明します。
• 「VTP ドメインの概要」
• 「VTP モードの概要」
• 「VTP アドバタイズメントの概要」
• 「VTP バージョンの概要」
• 「VTP プルーニングの概要」
VTP ドメインの概要
VTP ドメインは、同じ VTP ドメイン名を共有し、相互接続された 1 台または複数のネットワーク デバイスで構成されます。1 台のネットワーク デバイスが所属できる VTP ドメインは 1 つだけです。ドメインのグローバル VLAN 設定を変更するには、Command-Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)または Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)を使用します。
デフォルトで、Catalyst 4500 シリーズ スイッチは VTP サーバ モードになっており、スイッチがトランク リンクを介してドメインに関するアドバタイズメントを受信するか、ユーザが管理ドメインを設定しない限り、ドメインは NULL に設定されます。管理ドメイン名を指定するか、スイッチがドメイン名を学習するまで、VTP サーバ上での VLAN の作成または変更はできません。
スイッチがトランク リンクを介して VTP アドバタイズメントを受信すると、スイッチは管理ドメイン名および VTP 設定リビジョン番号を継承します。スイッチは、別の管理ドメイン名または古い設定リビジョン番号が指定されたアドバタイズメントについては、一切無視します。
スイッチを VTP トランスペアレントとして設定した場合、VLAN の作成および変更は可能ですが、その変更が作用するのは個々のスイッチに限られます。
VTP サーバ上の VLAN 設定を変更すると、その変更は VTP ドメイン内のすべてのネットワーク デバイスに伝播されます。VTP アドバタイズメントは、すべての Inter-Switch Link(ISL; スイッチ間リンク)と IEEE 802.1Q トランク接続に伝送されます。
VTP は、固有の名前と内部インデックスの対応によって、複数の LAN タイプに対して VLAN を動的にマッピングします。このマッピングにより、ネットワーク管理者の不要なデバイス管理が軽減されます。
VTP モードの概要
次のいずれかの VTP モードで動作するように Catalyst 4500 シリーズ スイッチを設定できます。
• サーバ:VTP サーバ モードでは、VLAN の作成、変更、および削除を行えます。また、VTP ドメイン全体に対して他の設定パラメータ(VTP バージョン、VTP プルーニングなど)を指定できます。VTP サーバは、同一 VTP ドメイン内の他のネットワーク デバイスに VLAN 設定をアドバタイズし、トランク リンクを介して受信したアドバタイズメントに基づいて、VLAN 設定を他のネットワーク デバイスと同期させます。VTP サーバ モードがデフォルトの設定です。
(注) VTP バージョン 3 では、VLAN の操作はプライマリ サーバに対してだけ行えます。
• クライアント:VTP クライアントは、VTP サーバと同様に動作しますが、VTP クライアント上で VLAN の作成、変更、または削除は行えません。
• トランスペアレント:VTP トランスペアレント ネットワーク デバイスは、VTP に参加しません。VTP トランスペアレント ネットワーク デバイスは、VLAN 設定をアドバタイズせず、受信したアドバタイズメントに基づいて同期させることもありません。ただし VTP バージョン 2 では、トランスペアレント ネットワーク デバイスは、トランキング LAN インターフェイスで受信した VTP アドバタイズメントを転送します。
• オフ:VTP オフ モードでは、ネットワーク デバイスは、VTP アドバタイズメントを転送しない点を除いて、VTP トランスペアレント デバイスと同じように動作します。
(注) Catalyst 4500 シリーズ スイッチは、スイッチが Nonvolatile RAM(NVRAM; 不揮発性 RAM)への設定の書き込み中に障害を検出すると、自動的に VTP サーバ モードから VTP クライアント モードに切り替わります。この場合、NVRAM が正常に動作するまで、スイッチを VTP サーバ モードに戻すことはできません。
VTP アドバタイズメントの概要
VTP ドメインの各ネットワーク デバイスは、予約されたマルチキャスト アドレスに対して、各トランキング LAN インターフェイスからアドバタイズメントを定期的に送信します。VTP アドバタイズメントを受信したネイバー ネットワーク デバイスは、必要に応じて各自の VTP 設定および VLAN 設定を更新します。
VTP アドバタイズメントでは、次のグローバル設定情報が配布されます。
• VLAN ID(ISL および 802.1Q)
• エミュレートされた LAN 名(Asynchronous Transfer Mode(ATM; 非同期転送モード)LAN Emulation(LANE; LAN エミュレーション)用)
• 802.10 SAID 値(FDDI)
• VTP ドメイン名
• VTP 設定リビジョン番号
• 各 VLAN の最大伝送ユニット(MTU)サイズを含めた VLAN 設定
• フレーム フォーマット
VTP バージョン 2
ネットワークで VTP を使用する場合は、VTP バージョン 1 またはバージョン 2 のどちらを使用するかを決定する必要があります。
(注) Catalyst 4500 シリーズ スイッチは、トークンリングまたは FDDI メディアをサポートしません。スイッチは、FDDI、FDDI-Net、トークンリング コンセントレータ リレー機能(TrCRF)、またはトークンリング ブリッジ リレー機能(TrBRF)トラフィックを転送しませんが、VTP を通じて VLAN 設定を伝播します。
VTP バージョン 1 ではサポートされず、バージョン 2 でサポートされる機能は、次のとおりです。
• トークンリング サポート:VTP バージョン 2 はトークンリング LAN スイッチングと VLAN(TrBRF と TrCRF)をサポートします。
• 認識不能な Type-Length-Value(TLV)のサポート:VTP サーバまたはクライアントは、TLV が解析不能であっても、設定の変更を他のトランクに伝播します。認識されなかった TLV は、NVRAM に保存されます。
• バージョン依存型トランスペアレント モード:VTP バージョン 1 とバージョン 2 では、VTP トランスペアレント ネットワーク デバイスが、バージョンをチェックしないトランスペアレント モードで VTP メッセージを転送します。
• 整合性検査:VTP バージョン 2 では、CLI または SNMP によって新しい情報が入力された場合に限り、VLAN 整合性検査(VLAN 名、値など)を行います。VTP メッセージから新しい情報を取得した場合、または NVRAM から情報を読み込んだ場合には、整合性検査を行いません。受信した VTP メッセージのダイジェストが有効であれば、整合性検査を行わずに情報が受け入れられます。
VTP バージョン 3
VTP バージョン 1 およびバージョン 2 ではサポートされず、バージョン 3 でサポートされる機能は、次のとおりです。
• 非表示のパスワードのサポート:VTP バージョン 3 では、パスワードを hidden または secret として設定するオプションがサポートされます。
hidden キーワードを指定すると、ドメイン内で takeover コマンドが発行された場合、パスワードを再入力する必要があります。パスワード文字列から生成された秘密鍵は const_nvram:vlan.dat ファイルに保存されます。このオプションを使用して設定すると、パスワードは設定内にクリア テキストで表示されません。代わりに、パスワードに関連付けられた秘密鍵が実行コンフィギュレーションに 16 進数形式で保存されます。 hidden キーワードが指定されていない場合、VTP バージョン 1 および VTP バージョン 2 と同様にパスワードは const_nvram:vlan.dat ファイルにクリア テキストで保存されます。
secret キーワードを指定すると、パスワードの秘密鍵を直接設定できます。
• 拡張 VLAN データベース伝播のサポート:VTP バージョン 2 では、VLAN 1 ~ 1000 の VLAN 設定情報だけが伝播されます。VTP バージョン 3 では、拡張範囲 VLAN(VLAN 1006 ~ 4094)の情報も伝播されます。
• VTP バージョン 1、VTP バージョン 2、または VTP バージョン 3 が稼動している Catalyst 4500 シリーズ スイッチでは、デフォルトの VLAN 1 および 1002 ~ 1005 は変更できません。
(注) VTP プルーニングが引き続き適用されるのは VLAN 1 ~ 1000 だけです。
• ドメイン内のデータベースの伝播:VTP は VLAN データベース情報の伝播に加えて、Multiple Spanning Tree(MST)プロトコル データベース情報も伝播できます。
• VTP のディセーブル化:VTP がトランキング ポートでディセーブルの場合、そのポート上のすべての VTP インスタンスに適用されます。VTP がグローバルにディセーブルの場合、設定はシステム内のすべてのトランキング ポートに適用されます。
• VTP バージョン 1 および VTP バージョン 2 では、VTP サーバの役割はデータベースを NVRAM にバックアップし、管理者がデータベース情報を変更できるようにすることです。VTP バージョン 3 では、VTP プライマリ サーバと VTP セカンダリ サーバの役割が導入されました。VTP プライマリ サーバは、データベース情報のアップデートに使用します。送信されたアップデートは、システム内のすべてのデバイスによって信頼されます。VTP セカンダリ サーバは、VTP プライマリ サーバからアップデートを介して受信した VTP 設定を NVRAM にだけバックアップできます。
プライマリ サーバとセカンダリ サーバのステータスはランタイム ステータスであり、設定可能なオプションではありません。デフォルトでは、すべてのデバイスはセカンダリ サーバとして起動されます。プライマリ サーバのステータスが必要なのは、データベースのアップデートが必要な場合だけです。このステータスは管理者がドメインでテイクオーバー メッセージを発行したときに取得されます(「テイクオーバーの起動」を参照)。
デバイスがリロードされた場合やスイッチオーバーまたはドメイン パラメータが変更された場合は、プライマリ サーバのステータスが失われます。セカンダリ サーバは設定をバックアップし、引き続き伝播します。そのため、プライマリ サーバがなくても VTP ドメインは機能します。
VTP プルーニングの概要
VTP プルーニングは、ブロードキャスト パケット、マルチキャスト パケット、ユニキャスト パケットなど、不要なフラッディング トラフィックを削減することにより、ネットワークの帯域幅を拡張します。VTP プルーニングを使用すると、トラフィックが適切なネットワーク デバイスにアクセスするために使用しなければならないトランク リンクへのフラッディング トラフィックが制限されるので、使用可能な帯域幅が増大します。VTP プルーニングは、デフォルトではディセーブルに設定されています。
VTP プルーニングを有効にするには、管理ドメイン内のすべてのデバイスが VTP プルーニングをサポートする必要があります。VTP プルーニングをサポートしないデバイスについては、トランク上で VLAN を使用できるように手動で設定する必要があります。
図 12-2 に、VTP プルーニングを使用しない場合のスイッチド ネットワークを示します。スイッチ 1 のインターフェイス 1 およびスイッチ 4 のインターフェイス 2 は、Red という VLAN に割り当てられています。スイッチ 1 に接続されたホストからブロードキャストが送信されます。スイッチ 1 は、このブロードキャストをフラッディングします。Red VLAN にインターフェイスを持たないスイッチ 3、5、6 も含めて、ネットワーク内のすべてのネットワーク デバイスがこのブロードキャストを受信します。
プルーニングの設定は、Catalyst 4500 シリーズ スイッチ上でグローバルに行います(「VTP プルーニングのイネーブル化」を参照)。
図 12-2 VTP プルーニングを使用しない場合のフラッディング トラフィック
図 12-3 は、VTP プルーニングを使用する場合の同じスイッチド ネットワークを示しています。Red VLAN へのトラフィックは指定されたリンク(スイッチ 2 のインターフェイス 5 およびスイッチ 4 のインターフェイス 4)でプルーニングされるので、スイッチ 1 からのブロードキャスト トラフィックは、スイッチ 3、5、6 に転送されません。
図 12-3 VTP プルーニングを使用した場合のフラッディング トラフィック
VTP サーバで VTP プルーニングをイネーブルにすると、管理ドメイン全体でプルーニングが有効になります。VTP プルーニングは、イネーブルに設定してから数秒後に有効になります。デフォルトでは、VLAN 2 ~ 1000 がプルーニング適格です。VTP プルーニング不適格の VLAN からのトラフィックは、プルーニングの対象になりません。VLAN 1 は常にプルーニング不適格です。VLAN 1 からのトラフィックはプルーニングできません。
トランキング LAN インターフェイスに VTP プルーニングを設定するには、 switchport trunk pruning vlan コマンドを使用します。VTP プルーニングは、LAN インターフェイスがトランキングを実行している場合に作用します。VTP ドメインで VTP プルーニングがイネーブルまたはディセーブルのどちらに設定されているか、特定の VLAN が存在するかどうか、および LAN インターフェイスが現在トランキングを実行しているかどうかにかかわらず、VLAN プルーニングを設定できます。
VTP 設定時の注意事項および制約事項
ネットワークに VTP を実装する場合、次の注意事項および制約事項に従ってください。
• スーパーバイザ エンジンの冗長性では、デフォルト以外の VLAN データ ファイルの名前および場所がサポートされません。冗長スーパーバイザ エンジンが搭載されたスイッチでは vtp file file_name コマンドを入力しないでください。
• 冗長スーパーバイザ エンジンを搭載する前に、 no vtp file コマンドを入力してデフォルト設定に戻します。
• トランク ポートの VTP バージョン 3 デバイスは VTP バージョン 2 デバイスからメッセージを受信すると、そのトランクの VLAN データベースの 縮小バージョンを VTP バージョン 2 形式で送信します。VTP バージョン 3 デバイスは、まずトランクで VTP バージョン 2 パケットを受信しない限り、そのトランク ポートで VTP バージョン 2 形式パケットを送信しません。
• VTP バージョン 3 デバイスはトランク ポートで VTP バージョン 2 デバイスを検出しても、VTP バージョン 2 パケットに加えて VTP バージョン 3 パケットを引き続き送信して、トランク外で 2 種類のネイバーが共存できるようにします。
• VPT バージョン 3 デバイスは VTP バージョン 2 またはバージョン 1 デバイスからのコンフィギュレーション情報を受け付けません。
• VPT バージョン 2 とは異なり、VTP がバージョン 3 として設定されても、ドメイン内のすべてのバージョン 3 対応デバイスは VPT バージョン 3 システムとしての動作を開始するように設定されません。
• バージョン 2 または バージョン 3 に対応する VTP バージョン 1 デバイスが VTP バージョン 3 パケットを受信すると、VTP バージョン 2 の競合が発生していなければ、このデバイスは VTP バージョン 2 デバイスとして設定されます。
• VTP バージョン 1 だけに対応しているデバイスは、VTP バージョン 3 デバイスと相互動作できません。
• トークン リング環境では、トークン リング VLAN スイッチングを適切に機能させるために VTP バージョン 2 または バージョン 3 をイネーブルにする必要があります。
• 2 つの VPT バージョン 3 リージョンは、トランスペアレント モードで VTP バージョン 1 または VTP バージョン 2 リージョン上に限って通信できます。
• VTP ドメイン内のすべてのネットワーク デバイスで、同じ VTP バージョンを実行する必要があります。
• VTP がセキュア モードの場合、管理ドメイン内の各ネットワーク デバイスにパスワードを設定する必要があります。
注意 VTP をセキュア モードで設定した場合、ドメイン内の各ネットワーク デバイスに管理ドメイン パスワードを割り当てるまで、管理ドメインは正常に動作しません。
• VTP バージョン 2 対応のネットワーク デバイス上で VTP バージョン 2 をディセーブルに設定している場合、その VTP バージョン 2 対応ネットワーク デバイスは、同一 VTP ドメイン内で VTP バージョン 1 が稼動しているネットワーク デバイスとして動作します(VTP バージョン 2 は、デフォルトでディセーブルに設定されています)。
• 同一 VTP ドメイン内のすべてのネットワーク デバイスがバージョン 2 に対応する場合を除き、ネットワーク デバイス上で VTP バージョン 2 をイネーブルにしないでください。1 台のサーバ上で VTP バージョン 2 をイネーブルにすると、ドメイン内のすべてのバージョン 2 対応ネットワーク デバイスで VTP バージョン 2 がイネーブルになります。
• VTP サーバ上で VTP プルーニングをイネーブルまたはディセーブルにすると、管理ドメイン全体で VTP プルーニングがイネーブルまたはディセーブルになります。
• Catalyst 4500 シリーズ スイッチ上で VLAN をプルーニング適格または不適格として設定する場合、設定が有効なのは、そのスイッチ上の VLAN のプルーニングだけです。VTP ドメイン内のすべてのネットワーク デバイスに対して有効となるわけではありません。
• VLAN データベースはシステムで稼動している VTP バージョンに準拠する形式で NVRAM ファイルに保存されます。VTP バージョン 2 だけをサポートする古いイメージは VTP バージョン 3 ファイル形式を認識しないため、システムが VTP をサポートする新しいイメージからサポートしないイメージにダウングレードした場合は NVRAM VLAN データベース情報は失われます。
VTP のデフォルト設定
表 12-3 に、VTP のデフォルト設定を示します。
表 12-3 VTP のデフォルト設定
|
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VTP ドメイン名 |
ヌル |
VTP モード |
サーバ |
VTP バージョン 2 のイネーブル ステート |
バージョン 2 はディセーブル |
VTP パスワード |
なし |
VTP プルーニング |
ディセーブル |
新たに出荷された Catalyst 4500 スーパーバイザ エンジン、Catalyst 4900 シリーズ スイッチ、および Cisco ME 4924-10GE スイッチのデフォルト VTP モードはトランスペアレントです。vlan.dat を削除するか、erase cat4000_flash: コマンドを発行して、スイッチをリセットすると、VTP モードがサーバ モードに変化します。
VTP パスワードの設定
VTP グローバル パラメータを設定するには、次のコマンドを使用します。
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|
Switch(config)# vtp password password_string [ hidden | secret ] |
VTP ドメインのパスワードを設定します。パスワードの長さは 8 ~ 64 文字です。 VTP バージョン 3 では、キーワード hidden および secret が使用できます。 • hidden キーワードを使用すると、パスワード文字列から生成された秘密鍵は const_nvram:vlan.dat ファイルに保存されます。takeover コマンドを発行すると、そのパスワードを再入力する必要があります。 • secret キーワードを使用すると、パスワードの秘密鍵を直接設定できます。 secret パスワードには、32 文字の 16 進文字を設定する必要があります。 |
Switch(config)# no vtp password |
パスワードを消去します。 |
次に、グローバル コンフィギュレーション モードで VTP パスワードを設定する一例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# vtp password WATER
Setting device VLAN database password to WATER.
次に、EXEC モードで VTP パスワードを設定する例を示します。
Switch# vtp password WATER
Setting device VLAN database password to WATER.
(注) パスワードは running-config ファイルに保存されません。
次に、 hidden パスワードを設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# vtp password WATER hidden
Generating the secret associated to the password.
次に、 hidden キーワードを使用して設定したパスワード WATER の表示例を示します。
Switch# show vtp password
VTP Password: 89914640C8D90868B6A0D8103847A733
VTP プルーニングのイネーブル化
管理ドメイン内で VTP プルーニングをイネーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch(config)# vtp pruning |
管理ドメイン内で VTP プルーニングをイネーブルにします。 |
ステップ 2 |
Switch# show vtp status | include pruning |
(任意)設定を確認します。 |
次に、管理ドメイン内で VTP プルーニングをイネーブルにする一例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# vtp pruning
次に、任意のリリースで管理ドメイン内で VTP プルーニングをイネーブルにする例を示します。
次に、設定を確認する例を示します。
Switch# show vtp status | include Pruning
VTP Pruning Mode: Enabled
プルーニングの適格性の設定については、「VTP プルーニングの概要」を参照してください。
VTP バージョン番号のイネーブル化
VTP バージョン 2 対応のネットワーク デバイスでは、デフォルトで VTP バージョン 2 がディセーブルに設定されています。ネットワーク デバイス上で VTP バージョン 2 をイネーブルにすると、VTP ドメイン内のすべての VTP バージョン 2 対応ネットワーク デバイスで VTP バージョン 2 がイネーブルになります。
注意 同一 VTP ドメイン内のネットワーク デバイス上で、VTP バージョン 1 とバージョン 2 の間の相互運用性はありません。VTP ドメイン内のすべてのネットワーク デバイスで、同じ VTP バージョンを使用する必要があります。VTP ドメイン内のすべてのネットワーク デバイスが VTP バージョン 2 をサポートしている場合を除き、VTP バージョン 2 をイネーブルにしないでください。
(注) トークン リング環境では、トークン リング インターフェイスをサポートするデバイス上でトークン リング VLAN スイッチングを適切に機能させるために、VTP バージョン 2 または VTP バージョン 3 をイネーブルにする必要があります。
VTP バージョンをイネーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch(config)# vtp version { 1 | 2 | 3 } |
VTP バージョンをイネーブルにします。 |
ステップ 2 |
Switch# show vtp status | include { v1 | v2 | v3 } |
(任意)設定を確認します。 |
次に、VTP バージョン 2 をイネーブルにする一例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# vtp version 2
次に、任意のリリースで VTP バージョン 2 をイネーブルにする例を示します。
次に、設定を確認する例を示します。
Switch# show vtp status | include V2
VTP モードの設定
VTP モードを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch(config)# vtp mode { client | server | transparent | off } |
VTP モードを設定します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)# vtp domain domain_name |
(任意、サーバ モード専用)最大 32 文字までの VTP ドメイン名を定義します。VTP サーバ モードにはドメイン名が必要です。スイッチに VTP ドメインへのトランク接続がある場合、スイッチはドメイン内の VTP サーバからドメイン名を学習します。 (注) ドメイン名は消去できません。 |
ステップ 3 |
Switch(config)# end |
VLAN コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 4 |
Switch# show vtp status |
(任意)設定を確認します。 |
(注) VTP がディセーブルに設定されていると、VLAN データベース モードの代わりにコンフィギュレーション モードで VLAN コンフィギュレーション コマンドを入力できます。VLAN 設定はスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに保存されます。
次に、スイッチを VTP サーバとして設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# vtp mode server
Setting device to VTP SERVER mode.
Switch(config)# vtp domain Lab_Network
Setting VTP domain name to Lab_Network
次に、スイッチを VTP クライアントとして設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# vtp mode client
Setting device to VTP CLIENT mode.
次に、スイッチの VTP をディセーブルにする例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# vtp mode transparent
Setting device to VTP TRANSPARENT mode.
次に、スイッチ上で VTP をディセーブルにし、VTP アドバタイズメントの転送をディセーブルにする例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# vtp mode off
Setting device to VTP OFF mode.
次に、VTP バージョン 1 がデバイス上で稼動しているときの VTP 設定パラメータの例を示します。
VTP Version capable : 1 to 3
VTP Domain Name : Lab_Network
VTP Pruning Mode : Enabled
VTP Traps Generation : Disabled
Device ID : 0016.9c6d.5300
Configuration last modified by 127.0.0.12 at 10-18-07 10:12:42
Local updater ID is 127.00.12 at 10-18-07 10:2:42
VTP Operating Mode : Server
Maximum number of existing VLANs : 5
Configuration Revision : 1
MD5 digest : 0x92 0xF1 0xE8 0x52 0x2E ox5C 0x36 0x10 0x70 0x61 0xB8 0x24 0xB6 0x93 0x21 0x09
次に、VTP バージョン 2 がデバイス上で稼動しているときの VTP 設定パラメータの例を示します。
VTP Version capable : 1 to 3
VTP Domain Name : Lab_Network
VTP Pruning Mode : Disabled
VTP Traps Generation : Disabled
Device ID : 0012.44dc.b800
Configuration lst modified by 127.0.0.12 at 10-18-07 10:38:45
Local updater ID is 127.0.0.12 on interface EO 0/0 (first interface found)
VTP Operating Mode : Server
Maximum VLANs supported locally: 1005
Number of existing VLANs : 1005
Configuration Revision : 1
MD5 digest : 0x2E 0x6B 0x99 0x58 0xA2 0x4F 0xD5 0x150x70 0x61 0xB8 0x24 0xB6 0x93 0x21 0x09
次に、VTP バージョン 3 がデバイス上で稼動しているときの VTP 設定パラメータの例を示します。
VTP Version capable : 1 to 3
VTP Domain Name : Lab_Network
VTP Pruning Mode : Disabled
VTP Traps Generation : Disabled
Device ID : 0012.44dc.b800
VTP Operating Mode : Server
Number of existing VLANs : 1005
Number of existing extended VLANs: 3074
Configuration Revision : 18
Primary ID : 0012.4371.9ec0
テイクオーバーの起動
このプロセスは VTP バージョン 3 専用です。テイクオーバーを起動するには、次の作業を行います。
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Switch# vtp primary-server [vlan | mst] | [ force ] |
スイッチの動作ステートをセカンダリ サーバからプライマリ サーバに変更し、設定をドメイン全体にアドバタイズします(このデバイスのパスワードが hidden キーワードを使用して設定されている場合、ユーザはパスワードの再入力を求められます)。 キーワードを使用しない場合は、テイクオーバーを続行する前に確認が求められます。 適切な機能( vlan または mst )を選択して、テイクオーバーを指定する場所を指定します。機能を選択しなかった場合、テイクオーバーは VLAN データベースに指定されます。 |
次に、テイクオーバーを起動し、 vlan データベースに指定する例を示します。
Switch# vtp primary-server vlan
Enter VTP password:password
This system is becoming primary for feature vlan
VTP Feature Conf Revision Primary Server Device ID Description
----------- ------------- -------------- -------- -------------------
MST Yes 4 0012.4371.9ec0=0012.4371.9ec0 R1
Do you want to continue? (confirm)
VTP 統計情報の表示
VTP に関する統計情報(送受信された VTP アドバタイズメント、VTP エラーなど)を表示するには、次の作業を行います。
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Switch# show vtp counters |
VTP の統計情報を表示します。 |
次に、VTP の統計情報を表示する例を示します。
Switch# show vtp counters
Summary advertisements received : 7
Subset advertisements received : 5
Request advertisements received : 0
Summary advertisements transmitted : 997
Subset advertisements transmitted : 13
Request advertisements transmitted : 3
Number of config revision errors : 0
Number of config digest errors : 0
Number of V1 summary errors : 0
Trunk Join Transmitted Join Received Summary advts received from
non-pruning-capable device
---------------- ---------------- ---------------- ---------------------------
ドメイン内の VTP デバイスの表示
ドメイン内のすべての VTP デバイスの情報を表示するには、次の作業を行います。
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Switch# show vtp devices [conflicts] |
ドメイン内のすべての VTP デバイスの情報を収集し、表示します。 に設定されているスイッチからは情報は収集および表示されません。 (任意) conflicts キーワードを使用すると、プライマリ サーバが競合しているデバイスの情報が表示されます。 |
次に、ドメイン内の VTP デバイスの情報を表示する例を示します。
Retrieving information from the VTP domain, please wait for 5 seconds.
VTP Feature Conf Revision Primary Server Device ID Device Description
----------- ---- -------- ------------------------------ ------------------
VLAN No 18 0016.9c6d.5300 0012.011a.0d00 R2
VLAN No 18 0016.9c6d.5300 0012.4371.9ec0 R1
MST Yes 4 0012.4371.9ec0=0012.4371.9ec0 R1
Switch#
VLAN メンバシップ ポリシー サーバ
ここでは、VLAN メンバシップ ポリシー サーバ(VMPS)を使用してダイナミック ポート VLAN メンバシップを設定する方法について説明します。
ここでは、次の内容について説明します。
• 「VMPS について」
• 「VMPS クライアントの概要」
• 「ダイナミック ポート VLAN メンバシップの設定例」
• 「VMPS データベース コンフィギュレーション ファイルの例」
VMPS サーバ
VLAN メンバシップ ポリシー サーバ(VMPS)は、ポートに接続されたデバイスの MAC アドレスに基づいて、ポート用の VLAN を動的に選択する中央集中型サーバを提供します。ネットワーク内にあるスイッチの 1 つのポートからネットワーク内にある別のスイッチのポートにホストを移動する場合、そのスイッチはそのホストに適切な VLAN に新しいポートを動的に割り当てます。
Cisco IOS ソフトウェアを実行する Catalyst 4500 シリーズ スイッチは、VMPS 機能をサポートしません。このスイッチは VLAN Query Protocol(VQP)クライアントとしてだけ機能し、VQP を介して VMPS と通信します。VMPS 機能については、Catalyst オペレーティング システム ソフトウェアを実行する Catalyst 4500 シリーズ スイッチ(または Catalyst 6500 シリーズ スイッチ)を使用する必要があります。
VMPS は User Datagram Protocol(UDP; ユーザ データグラム プロトコル)ポートを使用して、クライアントから VQP 要求を待ち受けます。したがって、VMPS がネットワーク上のローカルまたはリモート デバイスに存在するかどうかを VMPS クライアントが知る必要はありません。VMPS サーバは VMPS クライアントから有効な要求を受信すると、データベースで MAC アドレス/VLAN マッピングのエントリを検索します。
要求に対する応答では、VMPS は次のいずれかのアクションを実行します。
• 割り当てられた VLAN がポート グループに限定されている場合、VMPS はこのグループに対する要求ポートを確認し、次のように応答します。
– VLAN がポートで許可されている場合、VMPS は VLAN 名を応答としてクライアントに送信します。
– VLAN がポートで許可されておらず、VMPS がセキュア モードでない場合、VMPS は「 access-denied 」応答を送信します。
– VLAN がポートで許可されておらず、VMPS がセキュア モードの場合、VMPS は「 port-shutdown 」応答を送信します。
• データベース内の VLAN が現在のポートの VLAN と一致せず、またポート上にアクティブ ホストがある場合、VMPS は VMPS のセキュア モード設定に応じて、「 access-denied 」(open)、「fallback VLAN name」(代替 VLAN 設定で open)、「 port-shutdown 」 (secure)、 または「new VLAN name」(multiple)応答を送信します。
スイッチは「 access-denied 」応答を VMPS から受信すると、MAC アドレスとポート間のトラフィックをブロックし続けます。スイッチはポート向けのパケットをモニタリングし続け、新しいアドレスを識別すると VMPS にクエリーを送信します。スイッチが VMPS から「 port-shutdown 」応答を受信すると、スイッチはポートをディセーブルにします。CLI、Cisco Visual Switch Manager(CVSM)、または SNMP を使用してポートを手動で再びイネーブルにする必要があります。
また、セキュリティ上の理由から、コンフィギュレーション テーブル内の明示的なエントリを使用して特定の MAC アドレスへのアクセスを拒否できます。VLAN 名に none キーワードを入力すると、VMPS は「 access-denied 」または「 port-shutdown 」応答を送信します。
open モード
このポートに VLAN が割り当てられていない場合、VMPS がこのポートに対する MAC アドレスの要求を確認します。
• この MAC アドレスに関連付けられた VLAN がポートで許可されている場合、VLAN 名はクライアントに返されます。
• この MAC アドレスに関連付けられた VLAN がポートで許可されていない場合、ホストは「access denied」応答を受信します。
このポートに VLAN が割り当てられている場合、VMPS がこのポートに対する MAC アドレスの要求を確認します。
• この MAC アドレスに関連付けられたデータベース内の VLAN が現在のポートの VLAN と一致せず、代替 VLAN 名が設定されている場合、VMPS は代替 VLAN 名をクライアントに送信します。
• この MAC アドレスに関連付けられたデータベース内の VLAN が現在のポートの VLAN と一致せず、代替 VLAN 名が設定されていない場合、ホストは「access denied」応答を受信します。
secure モード
このポートに VLAN が割り当てられていない場合、VMPS がこのポートに対する MAC アドレスの要求を確認します。
• この MAC アドレスに関連付けられた VLAN がポートで許可されている場合、VLAN 名はクライアントに返されます。
• この MAC アドレスに関連付けられた VLAN がポートで許可されていない場合、ポートはシャット ダウンされます。
このポートに VLAN が割り当てられている場合、VMPS がこのポートに対する MAC アドレスの要求を確認します。
• この MAC アドレスに関連付けられたデータベース内の VLAN が現在のポートの VLAN と一致しない場合、代替 VLAN 名が設定されていてもポートはシャットダウンされます。
multiple モード
複数のホスト(MAC アドレス)がすべて同じ VLAN にある場合、これらをダイナミック ポートでアクティブにできます。ダイナミック ポートでリンクがダウンすると、ポートは割り当てられていない状態に戻ります。ポートを通じてオンラインになるホストは、ポートが VLAN に割り当てられる前に、VMPS ですべて再チェックされます。
ダイナミック ポートに接続された複数のホストが別の VLAN に属する場合、VMPS サーバに multiple モードが設定されていれば、最新の要求での MAC アドレスと一致する VLAN がクライアントに返されます。
(注) Catalyst オペレーティング システム ソフトウェアを実行する Catalyst 4500 シリーズおよび Catalyst 6500 シリーズ スイッチは、この 3 つの操作モードすべてで VMPS をサポートします。ただし、User Registration Tool(URT)は open モードだけをサポートします。
代替 VLAN
代替 VLAN 名を VMPS サーバで設定できます。
このポートに VLAN が割り当てられていない場合、VMPS がこのポートに対する MAC アドレスの要求を比較します。
• データベースにない MAC アドレスを持つデバイスを接続する場合、VMPS は代替 VLAN 名をクライアントに送信します。
• 代替 VLAN 名が設定されておらず、MAC アドレスがデータベースにない場合、VMPS は「 access-denied 」応答を送信します。
このポートに VLAN が割り当てられている場合、VMPS がこのポートに対する MAC アドレスの要求を比較します。
• VMPS が secure モードの場合、代替 VLAN がサーバに設定されているかどうかに関係なく、VMPS は「 port-shutdown 」応答を送信します。
不正な VMPS クライアント要求
次に、不正な VMPS クライアント要求の例を 2 つ示します。
• MAC アドレス マッピングが VMPS データベースに存在せず、「no fall back」VLAN が VMPS に設定されている場合
• ポートがすでに VLAN に割り当てられ(VMPS モードは「multiple」でない)、2 番めの VMPS クライアント要求が異なる MAC アドレスの VMPS で受信された場合
ダイナミック VLAN メンバシップの概要
ポートが「dynamic」として設定されている場合、ポート上の MAC アドレスに基づき VLAN 情報を受信します。VLAN が静的にポートに割り当てられていない場合、ポート上の MAC アドレスに基づき VMPS から動的に取得されます。
ダイナミック ポートは、1 つの VLAN だけに属することができます。リンクがアクティブになる際、ポートが VLAN に割り当てられるまでスイッチはこのポートへトラフィックを転送しません。ダイナミック ポート上にある新規ホストの最初のパケットにある送信元 MAC アドレスは、VQP 要求の一部として VMPS に送信され、VMPS データベース内で MAC アドレスと VLAN の照合が行われます。一致する場合、VMPS はそのポート用の VLAN 番号を送信します。一致しない場合、(VMPS セキュリティ モード設定に応じて)VMPS は要求を拒否するか、またはポートをシャット ダウンします。想定される VMPS 応答の詳細については「VMPS について」を参照してください。
複数のホスト(MAC アドレス)がすべて同じ VLAN にある場合、これらをダイナミック ポートでアクティブにできます。ダイナミック ポートでリンクがダウンすると、ポートは割り当てられていないステートに戻り、VLAN に属さなくなります。ポートを通じてオンラインになるホストは、ポートが VLAN に割り当てられる前に、VMPS ですべて再チェックされます。
この動作を行うには、クライアント デバイスが VMPS に到達可能である必要があります。VMPS クライアントは UDP パケットとして VQP 要求を送信し、中止する前に複数回試行します。再試行の間隔については、「再試行間隔の設定」を参照してください。
また、VMPS クライアントは定期的に VLAN メンバシップを再確認します。再確認の回数については、「VMPS の管理およびモニタリング」を参照してください。
最大 50 台のホストは常に特定のポートでサポートされます。この最大数を超えると、VMPS サーバの動作モードに関係なく、ポートがシャットダウンされます。
(注) ポートで 50 を超えるホストがアクティブになると、VMPS はダイナミック ポートをシャットダウンします。
デフォルトの VMPS クライアント設定
表 12-4 に、クライアント スイッチのデフォルトの VMPS およびダイナミック ポート設定を示します。
表 12-4 デフォルトの VMPS クライアントおよびダイナミック ポート設定
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VMPS ドメイン サーバ |
なし |
VMPS 再確認間隔 |
60 分 |
VMPS サーバ再試行回数 |
3 |
ダイナミック ポート |
設定なし |
VMPS サーバの IP アドレスの設定
Catalyst 4500 シリーズ スイッチを VMPS クライアントとして設定するには、VMPS として機能するスイッチの IP アドレスおよびホスト名を入力する必要があります。
Catalyst 4500 シリーズ スイッチ上でプライマリおよびセカンダリ VMPS を定義するには、次の作業を行います。
|
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ステップ 1 |
Switch#
configure terminal
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)#
vmps server
{
ipaddress | hostname}
primary
|
プライマリ VMPS サーバとして機能するスイッチの IP アドレス、またはホスト名を指定します。 |
ステップ 3 |
Switch(config)#
vmps server
{
ipaddress | hostname}
|
セカンダリ VMPS サーバとして機能するスイッチの IP アドレス、またはホスト名を指定します。 |
ステップ 4 |
|
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
|
VMPS サーバ エントリを確認します。 |
次に、プライマリおよびセカンダリ VMPS デバイスを定義する例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# vmps server 172.20.128.179 primary
Switch(config)# vmps server 172.20.128.178
(注) VMPS クライアントでこの CLI を使用して、最大 4 つの VMPS サーバを設定できます。
Reconfirm Interval: 60 min
VMPS domain server: 172.20.128.179 (primary, current)
VMPS Action: No Dynamic Port
VMPS クライアントでのダイナミック アクセス ポートの設定
VMPS クライアント スイッチにダイナミック アクセス ポートを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch#
configure terminal
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)#
interface
interface
|
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するポートを指定します。 |
ステップ 3 |
Switch(config-if)#
switchport mode access
|
ポートをアクセス モードに設定します。 |
ステップ 4 |
Switch(config-if)#
switchport access vlan dynamic
|
ダイナミック VLAN アクセスの対象となるようにポートを設定します。 |
ステップ 5 |
|
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
Switch#
show interface
interface
switchport
|
入力を確認します。 |
次に、ダイナミック アクセス ポートを設定し、入力を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface fa1/1
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport access vlan dynamic
Switch# show interface fa1/1 switchport
Administrative mode: dynamic auto
Operational Mode: dynamic access
Administrative Trunking Encapsulation: isl
Operational Trunking Encapsulation: isl
Negotiation of Trunking: Disabled
Access Mode VLAN: 0 ((Inactive))
Trunking Native Mode VLAN: 1 (default)
Trunking VLANs Enabled: NONE
Pruning VLANs Enabled: NONE
音声ポート
ダイナミック アクセス ポートに Voice VLAN ID(VVID; 音声 VLAN ID)が設定されている場合、ポートはアクセス VLAN および音声 VLAN 両方に属することができます。そのため、IP Phone に接続するよう設定されたアクセス ポートでは、次のために異なる VLAN を指定できます。
• IP Phone のアクセス ポート(アクセス VLAN)を介してスイッチに接続された PC へ、PC からのデータ トラフィック
• IP Phone へ、IP Phone からの音声トラフィック(音声 VLAN)
VLAN メンバシップの再確認
スイッチが VMPS から受信したダイナミック ポート VLAN メンバシップの割り当てを確認するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
|
ダイナミック ポート VLAN メンバシップを再確認します。 |
ステップ 2 |
|
ダイナミック VLAN 再確認ステータスを確認します。 |
再確認間隔の設定
VMPS クライアントは、VMPS から受信した VLAN メンバシップ情報を定期的に再確認します。VLAN/MAC アドレス割り当てを再確認するまで VMPS クライアントが待機する時間(分)を設定できます。
再確認間隔を設定するには、次の作業を行います。
|
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ステップ 1 |
Switch#
configure terminal
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)#
vmps reconfirm
minutes
|
ダイナミック VLAN メンバシップの再確認間隔を分単位で指定します。 |
ステップ 3 |
|
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
|
ダイナミック VLAN 再確認ステータスを確認します。 |
次に、再確認間隔を 60 分に変更し、その変更を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# vmps reconfirm 60
Reconfirm Interval: 60 min
VMPS domain server: 172.20.130.50 (primary, current)
再試行間隔の設定
次のサーバにクエリーを実行するまで VMPS クライアントが VMPS に連絡を試行する回数を設定できます。
再試行間隔を設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch#
configure terminal
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)#
vmps retry
count
|
VQP クエリーの再試行回数を指定します。デフォルトは 3 です。指定できる範囲は 1 ~ 10 です。 |
ステップ 3 |
|
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
|
再試行回数を確認します。 |
次に、再試行回数を 5 回に変更し、その変更を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# vmps retry 5
Reconfirm Interval: 60 min
VMPS domain server: 172.20.130.50 (primary, current)
VMPS の管理およびモニタリング
show vmps コマンドを使用することにより、次の VMPS 情報を表示できます。
VQP バージョン |
VMPS との通信に使用する VQP のバージョン。スイッチは、VQP バージョン 1 を使用して VMPS にクエリーを実行します。 |
再確認間隔 |
VLAN/MAC アドレス割り当てを再確認するまでスイッチが待機する時間(分) |
サーバ再試行回数 |
VQP が VMPS へクエリーを再送信する回数。この回数を超えても応答がない場合、スイッチはセカンダリ VMPS のクエリーを開始します。 |
VMPS ドメイン サーバ |
設定された VLAN メンバシップ ポリシー サーバの IP アドレス。スイッチは、現在「current」とマークされたものへクエリーを送信しています。「primary」とマークされたものは、プライマリ サーバです。 |
VMPS アクション |
最新の再確認試行の結果。再確認間隔が経過した場合に自動的に再確認されるか、 vmps reconfirm コマンドまたは CVSM や SNMP の同様のコマンドを入力することで自動的に再確認できます。 |
次に、VMPS 情報を表示する例を示します。
Reconfirm Interval: 60 min
The following example shows how to display VMPS statistics:
Switch# show vmps statistics
VQP Insufficient Resource: 0
(注) VMPS 統計情報の詳細については、『Catalyst 4500 Series Switch Cisco IOS Command Reference』を参照してください。
ダイナミック ポート VLAN メンバシップのトラブルシューティング
VMPS は次の条件でダイナミック ポートを errdisable にします。
• VMPS がセキュア モードであり、なおかつホストのポートへの接続を許可しない場合。VMPS は、ホストがネットワークに接続しないようにポートを errdisable にします。
• 50 以上のアクティブ ホストがダイナミック ポートにある場合
errdisable ステートのステータスの表示方法については、
第 8 章「ポートのステータスと接続の確認」 を参照してください。errdisable のポートを回復させるには、errdisable recovery cause vmps グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
ダイナミック ポート VLAN メンバシップの設定例
図 12-4 に、VMPS サーバとダイナミック ポートを持つ VMPS クライアント スイッチで構成されるネットワークを示します。この例の前提条件は、次のとおりです。
• VMPS サーバおよび VMPS クライアントは、それぞれ異なるスイッチです。
• Catalyst 4000 ファミリ スイッチ 1(CatOS を稼動)は、プライマリ VMPS サーバです。
• Catalyst 6000 ファミリ スイッチ 3(CatOS を稼動)および URT は、セカンダリ VMPS サーバです。
• エンド ステーションは、次のクライアントに接続されています。
– Catalyst 4500 シリーズ XL スイッチ 2(Catalyst IOS を稼動)
– Catalyst 4500 シリーズ XL スイッチ 9(Catalyst IOS を稼動)
• データベース コンフィギュレーション ファイルは Bldg-G.db という名前で、IP アドレスが 172.20.22.7 の TFTP サーバに保存されています。
図 12-4 ダイナミック ポート VLAN メンバシップの設定
可能なトポロジは、2 種類あります。図 12-5 に、1 つのエンド ステーションに VMPS クライアントとして稼動する Catalyst 4500 シリーズ スイッチが直接接続されたトポロジを示します。図 12-6 に、1 つのエンド ステーションに Catalyst 4500 シリーズ スイッチと接続する Cisco IP Phone が接続されたトポロジを示します。
図 12-5 ダイナミック ポート VLAN メンバシップの設定
図 12-6 ダイナミック ポート VLAN メンバシップの設定
次の手順では、Catalyst 4000 および Catalyst 6000 シリーズ スイッチ(CatOS を稼動)が VMPS サーバとなります。ネットワーク内の Catalyst 4500 シリーズ スイッチのクライアントを設定するには、この手順を実行します。
ステップ 1 クライアント スイッチであるスイッチ 2 の VMPS サーバ アドレスを設定します。
a. 特権 EXEC モードから、グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
switch# configuration terminal
b. プライマリ VMPS サーバの IP アドレスを入力します。
switch(config)# vmps server 172.20.26.150 primary
c. セカンダリ VMPS サーバの IP アドレスを入力します。
switch(config)# vmps server 172.20.26.152
d. VMPS IP アドレスの設定を確認するには、特権 EXEC モードに戻ります。
e. スイッチに設定された VMPS 情報を表示します。
Reconfirm Interval: 60 min
VMPS domain server: 172.20.26.152
172.20.26.150 (primary, current
ステップ 2 スイッチ 2 のポート Fa0/1 をダイナミック ポートとして設定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
switch# configure terminal
b. インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
switch(config)# interface fa2/1
c. スタティック アクセス ポートの VLAN メンバシップ モードを設定します。
switch(config-if)# switchport mode access
d. ポートのダイナミック VLAN メンバシップを割り当てます。
switch(config-if)# switchport access vlan dynamic
e. 特権 EXEC モードに戻ります。
ステップ 3 ポート Fa2/1 のエンド ステーション 2 を接続します。エンド ステーション 2 がパケットを送信すると、スイッチ 2 がプライマリ VMPS サーバであるスイッチ 1 にクエリーを送ります。スイッチ 1 は、ポート Fa2/1 の VLAN ID で応答します。スパニング ツリー PortFast モードが Fa2/1 上でイネーブルの場合、ポート Fa2/1 はただちに接続されて転送を開始します。
ステップ 4 VMPS 再確認間隔を 60 分に設定します。再確認間隔とは、VLAN/MAC アドレス割り当てを再確認するまでスイッチが待機する時間(分)です。
switch(config)# vmps reconfirm 60
ステップ 5 特権 EXEC モードでエントリを確認します。
Reconfirm Interval: 60 min
VMPS Action: No Dynamic Port
ステップ 6 ステップ 1 およびステップ 2 を繰り返して、VMPS サーバ アドレスを設定し、各 VMPS クライアント スイッチのダイナミック ポートを割り当てます。
VMPS データベース コンフィギュレーション ファイルの例
次に、VMPS サーバに表示される VMPS データベース コンフィギュレーション ファイルの例を示します。VMPS データベース コンフィギュレーション ファイルは ASCII テキスト ファイルで、VMPS サーバとして機能するスイッチにアクセス可能な TFTP サーバに保存されます。
!vmps domain <domain-name>
! The VMPS domain must be defined.
!vmps mode { open | secure }
! The default mode is open.
!vmps fallback <vlan-name>
!vmps no-domain-req { allow | deny }
! The default value is allow.
! address <addr> vlan-name <vlan_name>
address 0012.2233.4455 vlan-name hardware
address 0000.6509.a080 vlan-name hardware
address aabb.ccdd.eeff vlan-name Green
address 1223.5678.9abc vlan-name ExecStaff
address fedc.ba98.7654 vlan-name --NONE--
address fedc.ba23.1245 vlan-name Purple
!vmps-port-group <group-name>
! device <device-id> { port <port-name> | all-ports }
vmps-port-group WiringCloset1
device 198.92.30.32 port Fa1/3
device 172.20.26.141 port Fa1/4
vmps-port-group “Executive Row”
device 198.4.254.222 port es5%Fa0/1
device 198.4.254.222 port es5%Fa0/2
device 198.4.254.223 all-ports
!vmps-vlan-group <group-name>
vmps-vlan-group Engineering
!vmps-port-policies {vlan-name <vlan_name> | vlan-group <group-name> }
! { port-group <group-name> | device <device-id> port <port-name> }
vmps-port-policies vlan-group Engineering
vmps-port-policies vlan-name Green
device 198.92.30.32 port Fa0/9
vmps-port-policies vlan-name Purple
device 198.4.254.22 port Fa0/10
port-group “Executive Row”