UDLD について
UDLD は、光ファイバまたはツイストペア イーサネット ケーブルを介して接続されたデバイスをイネーブルにするレイヤ 2 プロトコルです。これは、(誤ったケーブル配線など)物理的な接続をモニタリングし、単方向リンクを検出して、スパニング ツリー トポロジ ループまたはサイレント ドロップ トラフィックを回避します。
プロトコルが単方向リンクを正しく識別するには、接続されているすべてのデバイスで UDLD をサポートする必要があります。UDLD が単方向リンクを検出すると、管理上関係のあるポートをシャットダウンし、警告メッセージを送信できます。
動作モード
UDLD は、2 つの動作モードをサポートしています。通常モードとアグレッシブ モードです。
通常 UDLD 対応ポート A は定期的に UDLD プローブをポート B に送信します。ポート B が UDLD 対応でない場合、単方向リンクの検出は行われません。両方のデバイスが UDLD 対応で双方向接続が行われている場合、(UDLD message time interval グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して)プローブ メッセージは数秒ごとに 1 つずつ両方向に送信されます。プローブの受信時に、UDLD プロトコルはエコー メッセージをピア ポートに送信し、検出の間応答を待って、デバイスの同期を試みます。ポート リンクがアップしている場合に単方向リンクが検出されると(ポート B はトラフィックをポート A に送信せず)、ポート B は errdisable モードになります。ポート A は Undetermined とマークされますが、errdisable モードにはなりません。このモードは情報に限定されているため、現在の STP ステートで動作が続行されます。これは、STP ループを妨げませんが、潜在的に中断が少なくなります。
アグレッシブ ポート A がネイバーへの接続を失うと、ポート B にプローブを送信して、関係を再度アクティブに確立しようとします。ポート B が応答しないと、単方向と見なされ、ポート A はサイレント ドロップ トラフィックを避けるために errdisable ステートになります。
UDLD アグレッシブ モードは UDLD 通常モードと相互動作します。単方向状態が検出されると、アグレッシブ モードのリンクだけがシャットダウンされます。
デフォルトでは、
• この種類のメディアで不要な制御トラフィック(BPDU 制御パケット)を送信しないようにするため、UDLD は銅製 LAN ポート 上ではローカルでディセーブルに設定されています。このプロトコルは、アクセス ポートに最も多く使用されます
• グローバル UDLD がアクティブである場合、ファイバ ポート上の UDLD がイネーブルになります。
図 23-1 は、単方向リンクを示しています。各スイッチはネイバー スイッチにパケットを送信できますが、パケットの送信先のスイッチからのパケットは受信できません。UDLD は単方向接続を検出し、ディセーブルにします。
図 23-1 単方向リンク
UDLD のデフォルト設定
表 23-1 に、UDLD のデフォルト設定を示します。
表 23-1 UDLD のデフォルト設定
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UDLD グローバル イネーブル ステート |
グローバルにディセーブル |
インターフェイス別の UDLD イネーブル ステート(光ファイバ メディア用) |
すべてのイーサネット光ファイバ インターフェイスでイネーブル |
インターフェイス別の UDLD イネーブル ステート(ツイストペア(銅製)メディア用) |
インターフェイス Ethernet 10/100 と 1000BASE-TX でディセーブル |
スイッチ上での UDLD の設定
ここでは、UDLD の設定手順について説明します。
• 「UDLD のグローバルなイネーブル化」
• 「インターフェイス上で UDLD をイネーブルにする方法」
• 「光ファイバ以外のインターフェイス上での UDLD のディセーブル化」
• 「UDLD プローブ メッセージ間隔の設定」
• 「ディセーブルになった LAN インターフェイスのリセット」
UDLD のグローバルなイネーブル化
アグレッシブ モードまたは通常モードで UDLD をイネーブルにし、スイッチ上のすべての光ファイバ インターフェイスで設定可能なメッセージ タイマー時間を設定するには、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
Switch# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(config)# udld {aggressive | enable | message time message-timer-interval} |
UDLD モードの動作を指定します。 • アグレッシブ すべての光ファイバ インターフェイスにおいて、アグレッシブ モードで UDLD をイネーブルにします。 • イネーブル スイッチ上のすべての光ファイバ インターフェイスにおいて、通常モードで UDLD をイネーブルにします。UDLD はデフォルトでディセーブルです。 udld enable グローバル コンフィギュレーション コマンドによる設定は、個々のインターフェイスの設定によって上書きされます。 アグレッシブ モードと通常モードの詳細については、「動作モード」 のセクションを参照してください。 • message time message-timer-interval:アドバタイズメント フェーズにあり、双方向と判別されたポートにおける UDLD プローブ メッセージ間の時間間隔を設定します。指定できる範囲は 1 ~ 90 秒です。 Cisco IOS Release 12.2(31)SGA では、タイマーの範囲は 1 ~ 90 秒です。 |
ステップ 3 |
Switch(config)# end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
Switch# show udld |
設定を確認します。 |
インターフェイス上で UDLD をイネーブルにする方法
各インターフェイス上で UDLD をイネーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch(config-if)# udld enable |
特定のインターフェイス上で UDLD をイネーブルにします。光ファイバ インターフェイスの場合、このコマンドは udld enable グローバル コンフィギュレーション コマンドによる設定を上書きします。 |
ステップ 2 |
Switch# show udld interface |
設定を確認します。 |
光ファイバ以外のインターフェイス上での UDLD のディセーブル化
個々の光ファイバ以外のインターフェイス上で UDLD をディセーブルにするには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch(config-if)# no udld enable |
光ファイバ以外のインターフェイス上で UDLD をディセーブルにします。 グローバル コンフィギュレーション コマンドによる設定に戻ります。 |
ステップ 2 |
Switch# show udld interface |
設定を確認します。 |
UDLD プローブ メッセージ間隔の設定
アドバタイズメント モードにあり、現在双方向と判別されたポートにおける UDLD プローブ メッセージ間の時間間隔を設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch(config)# udld message time interval |
アドバタイズメント モードにあり、現在双方向と判別されたポートにおける UDLD プローブ メッセージ間の時間間隔を設定します。有効な値は、1 ~ 90 秒です。 Cisco IOS Release 12.2(31)SGA では、時間間隔は 1 ~ 90 秒です。 no udld message コマンドでデフォルト値(60 秒)に戻せます。 |
ステップ 2 |
Switch# show udld type-slot/ interface |
設定を確認します。 |
ディセーブルになった LAN インターフェイスのリセット
UDLD によってシャットダウンされたすべての LAN ポートをリセットするには、次の作業を行います。
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Switch(config)# udld reset |
UDLD によってシャットダウンされたすべての LAN ポートをリセットします。 |