IPv6 について
IPv6 は、エンドツーエンド セキュリティ、Quality of Service(QoS)、グローバルに一意のアドレスなどのサービスを提供します。IPv6 では、アドレス レンジが広いため、プライベート アドレスや、ネットワーク エッジの境界ルータでの Network Address Translation(NAT; ネットワーク アドレス変換)処理の必要性が削減されます。
シスコシステムズの IPv6 の実装方法については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6553/products_ios_technology_home.html
ここでは、IPv6 でサポートされる機能について説明します。
• 「IPv6 のアドレッシングと基本接続」
• 「DHCP」
• 「セキュリティ」
• 「QoS」
• 「管理」
• 「マルチキャスト」
• 「スタティック ルート」
• 「ファーストホップ冗長プロトコル」
• 「ユニキャスト ルーティング」
• 「トンネリング」
IPv6 のアドレッシングと基本接続
スイッチでは、IPv6 ユニキャスト アドレスだけがサポートされています。サイトローカルなユニキャスト アドレスまたはマルチキャスト アドレスはサポートされません。
IPv6 の 128 ビット アドレスは、コロンで区切られた一連の 8 つの 16 進フィールド( n:n:n:n:n:n:n:n の形式)で表されます。次に、IPv6 アドレスの例を示します。
2031:0000:130F:0000:0000:09C0:080F:130B
各フィールド内の先行ゼロは省略可能です。省略した方が実装は容易になります。次に、先行ゼロを省略した同じアドレスを示します。
2031:0:130F:0:0:9C0:80F:130B
また、2 つのコロン(::)を使用して、ゼロが連続する 16 進フィールドを表すことができます。ただし、この短縮形を使用できるのは、各アドレス内で 1 回だけです。
2031:0:130F::09C0:080F:130B
スイッチは、次の機能をサポートしています。
• IPv6 アドレス タイプ:エニーキャスト
• IPv6 デフォルト ルータ優先
• IPv6 MTU パス ディスカバリ
• ネイバー探索重複アドレス検出
• Cisco Discovery Protocol:ネイバー情報に対する IPv6 アドレス ファミリ サポート
• ICMPv6 リダイレクト
• ICMP レート制限
• IPv6 トランスポート上での DNS ルックアップ
• uRPF
• ICMPv6
• IPv4 トランスポート上での AAAA DNS ルックアップ
これらの機能に関する詳細については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/ipv6/configuration/guide/ip6-addrg_bsc_con.html
セキュリティ
次のセキュリティ機能が、Catalyst 4500 シリーズ スイッチ上の IPv6 に対してサポートされます。
• IPv6 上での Secure Shell(SSH; セキュア シェル)サポート
• トラフィック フィルタ
• 標準 Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)
• 拡張アクセス コントロール リスト
• ACL アカウンティング
• ACL アドレッシング
• ACL DSCP
• ACL フラグ
• ACL フロー
• ACL フラグメント
• ACL ICMP コード
• ACL ロギング
• ACL プロトコル
これらの機能に関する詳細については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/ipv6/configuration/guide/ip6-sec_trfltr_fw.html
スタティック ルート
ネットワーキング デバイスは、手動で設定された、または、ルーティング プロトコルを使用して動的に学習されたルート情報を使用してパケットを転送します。スタティック ルートは手動で設定され、2 つのネットワーキング デバイス間のルートが明確に定義されます。ダイナミック ルーティング プロトコルと違って、スタティック ルートは自動的に更新されないため、ネットワーク トポロジが変化するたびに手動で設定し直す必要があります。スタティック ルートを使用するメリットとして、セキュリティとリソース効率が挙げられます。スタティック ルートでは、ダイナミック ルーティング プロトコルよりも狭い帯域幅が使用され、ルートの計算や通信に CPU サイクルが使用されません。スタティック ルートを使用する場合の主なデメリットは、ネットワーク トポロジが変化しても自動的に認識されないことです。
スタティック ルートはダイナミック ルーティング プロトコルに再配布できますが、ダイナミック ルーティング プロトコルで生成されたルートはスタティック ルーティング テーブルに再配布できません。スタティック ルートを使用するルーティング ループの設定を阻止するアルゴリズムが存在しません。
スタティック ルートは、ネットワーク外部へのパスが 1 つしかない比較的小規模なネットワークに有効です。また、より大規模なネットワークの場合は、より制御が難しい他のネットワークへの特定のトラフィックまたはリンクにセキュリティを提供します。ほとんどのネットワークで、ネットワーキング デバイス間の通信にダイナミック ルーティング プロトコルが使用されていますが、特殊なケース用に 1 つか 2 つのスタティック ルートが設定されている場合があります。
スタティック ルートの詳細については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/ipv6/configuration/guide/ip6-stat_routes.html
ファーストホップ冗長プロトコル
IPv6 ルーティング プロトコルでは、ルータ間の回復力とフェールオーバーが保証されます。ただし、ホストとファーストホップ ルータ間のパスで障害が発生した場合は、First-Hop Redundancy Protocol(FHRP; ファーストホップ冗長プロトコル)によって、ホスト/ルータ間の回復力とフェールオーバーが保証されます。
Hot Standby Router Protocol(HSRP; ホットスタンバイ ルータ プロトコル)は、ゲートウェイで障害が発生した場合にデータ トラフィックを保護します。
HSRP の詳細については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/ipv6/configuration/guide/ip6-fhrp.html
EIGRP
IP サービス フィーチャ セットを実行中のスイッチは、IPv6 の Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)をサポートします。IPv6 の EIGRP は動作するインターフェイス上で設定されるため、グローバル IPv6 アドレスを必要としません。
EIGRP IPv6 インスタンスでは、実行前に暗黙的または明示的なルータ ID が必要です。暗黙的なルータ ID はローカルの IPv4 アドレスを基にして作成されるため、すべての IPv4 ノードには使用可能なルータ ID が必ず設定されます。ただし、EIGRP IPv6 は IPv6 ノードだけが含まれるネットワークで動作するため、使用可能な IPv4 ルータ ID がない場合があります。
EIGRP の詳細については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/ipv6/configuration/guide/ip6-eigrp.html
マルチプロトコル BGP
マルチプロトコル Border Gateway Protocol(BGP; ボーダー ゲートウェイ プロトコル)は、主に、独立したルーティング ポリシーを含む別のルーティング ドメイン(自律システム)を接続するために使用されます。インターネットにアクセスするためのサービス プロバイダへの接続は、BGP の一般的な使用方法です。BGP は、自律システム内部で使用することもでき、internal BGP(iBGP; 内部 BGP)と呼ばれています。マルチプロトコル BGP は、IPv6 アドレス ファミリなどの複数ネットワーク レイヤ プロトコル アドレス ファミリと IP マルチキャスト ルータに関するルーティング情報を伝送する拡張 BGP です。すべての BGP コマンドとルーティング ポリシー機能をマルチプロトコル BGP で使用することができます。
マルチプロトコル BGP の詳細については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/ipv6/configuration/guide/ip6-mptcl_bgp.html