ロケーションの設定
ロケーションは、コール アドミッション制御を中央集中型コール処理システムに実装する際に使用します。コール アドミッション制御では、ロケーション間のリンクを経由する際にオーディオ コールとビデオ コールで使用できる帯域幅を制限することにより、オーディオ品質とビデオのアベイラビリティを調整できます。詳細については、『 Cisco CallManager システム ガイド 』の 「コール アドミッション制御」 を参照してください。
(注) コール アドミッション制御を使用して IP WAN リンク上のオーディオ帯域幅またはビデオ帯域幅を制限しない場合、コール数の制限がなくなり、そのリンク上でコールが同時にアクティブになる可能性があります。この状態が発生すると、そのリンクがオーバーサブスクライブになるため、各オーディオ コールのオーディオ品質と、各ビデオ コールのビデオ品質が低下する場合があります。
中央集中型コール処理システムでは、1 つの Cisco CallManager クラスタが、IP テレフォニー ネットワーク上のすべてのロケーションにコール処理を提供します。その Cisco CallManager クラスタは、通常、電話機やゲートウェイなどの他のデバイスと共に、メイン(つまり中央)ロケーションに置かれています。リモート ロケーションには、追加のデバイスが置かれていますが、Cisco
CallManager はありません。IP WAN リンクが、リモート ロケーションとメイン ロケーションとを接続します。
次のトピックでは、ロケーションについて詳しく説明しています。
• 「ロケーションの検索」
• 「ロケーションの追加」
• 「ロケーションの更新」
• 「ロケーションの削除」
• 「ロケーションの帯域幅の再同期化」
• 「ロケーションの設定値」
ロケーションの検索
ネットワーク内にはいくつかのロケーションが存在することがあるので、Cisco
CallManager Administration では、固有の基準を指定して、特定のロケーションを見つけることができます。ロケーションを検索する手順は、次のとおりです。
(注) Cisco CallManager Administration では、ブラウザ セッションでの作業中は、ロケーションの検索設定が保持されます。別のメニュー項目に移動してからこのメニュー項目に戻ってくる場合でも、検索に変更を加えたり、ブラウザを閉じたりしない限り、ロケーションの検索設定は保持されます。
手順
ステップ 1 System > Location の順に選択します。
Find and List Locations ウィンドウが表示されます。2 つのドロップダウン リスト ボックスを使用して、ロケーションを検索します。
ステップ 2 最初の Find locations where ドロップダウン リスト ボックスから、次の基準のいずれかを選択します。
• Location
• Voice Bandwidth
(注) このドロップダウン リスト ボックスで選択する基準によって、検索時に生成されるロケーション リストのソート方法が決まります。たとえば、Bandwidth を選択すると、Bandwidth 列が結果リストの左側の列に表示されます。
2 番目の Find locations where ドロップダウン リスト ボックスから、次の基準のいずれかを選択します。
• begins with(前方一致)
• contains(中間一致)
• ends with(後方一致)
• is exactly(完全一致)
ステップ 3 必要に応じて適切な検索テキストを指定し、 Find をクリックします。また、ページごとに表示する項目の数も指定できます。
ヒント データベースに登録されているロケーションをすべて検索するには、検索テキストを入力せずに Find をクリックします。
検出されたロケーションのリストが、次の項目別に表示されます。
• Location icon
• Location Name
• Bandwidth
(注) 該当するロケーションの横にあるチェックボックスをオンにして、
Delete Selected をクリックすると、Find and List Locations ウィンドウから複数のロケーションを削除できます。Matching Records タイトルバーにあるチェックボックスをオンにして Delete Selected をクリックすると、ウィンドウ内のすべてのロケーションを削除できます。
ステップ 4 レコードのリストから、検索基準と一致する Location icon、Location name、または Bandwidth をクリックします。
選択したロケーションがウィンドウに表示されます。
関連項目
• 「ロケーションの追加」
• 「ロケーションの更新」
• 「ロケーションの削除」
• 「ロケーションの設定値」
• 「ロケーションの帯域幅の再同期化」
ロケーションの追加
新規のロケーションを Cisco CallManager データベースに追加する手順は、次のとおりです。
始める前に
ロケーションを設定する場合は、事前にクラスタを構成する Cisco CallManager を設定しておく必要があります。詳細については、「Cisco CallManager の追加」を参照してください。
手順
ステップ 1 System > Location の順に選択します。
ステップ 2 ロケーションを追加するには、次のどちらかの方法を使用します。
• 追加するロケーションの設定値とほぼ同じ設定値を持つロケーションがすでに存在する場合は、その既存のロケーションを選択してその設定値を表示し、 Copy をクリックする。その後、必要に応じて設定値を変更する。
• 既存のロケーションをコピーせずにロケーションを追加する場合は、ステップ 3 に進む。
ステップ 3 ウィンドウの右上にある Add a New Location リンクをクリックします。
Location Configuration ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 適切な設定値を入力します( 表 10-1 を参照)。
ステップ 5 Insert をクリックして、ロケーション情報をデータベースに保存します。
次の手順
データベースに新規ロケーションを追加した後、そのロケーションにデバイスを割り当てることができます。たとえば、次の項を参照してください。
• 「ゲートウェイの設定」
• 「Cisco IP Phone の設定」
• 「CTI ルート ポイントの設定」
関連項目
• 「ロケーションの検索」
• 「ロケーションの更新」
• 「ロケーションの削除」
• 「ロケーションの帯域幅の再同期化」
• 「ロケーションの設定値」
ロケーションの削除
Cisco CallManager データベースからロケーションを削除する手順は、次のとおりです。
始める前に
デバイスが割り当てられたロケーションは削除できません。ロケーションを使用しているデバイスを検索するには、Location Configuration ウィンドウの
Dependency Records リンクをクリックします。Dependency Records がシステムに対して使用可能になっていない場合、Dependency Records Summary ウィンドウにメッセージが表示されます。Dependency Records の詳細については、「Dependency Records へのアクセス」を参照してください。使用されているロケーションを削除しようとすると、Cisco CallManager はエラー メッセージを表示します。現在使用されているロケーションを削除する場合は、事前に、次の作業のどちらか一方または両方を実行しておく必要があります。
• デバイスを更新して、別のロケーションに割り当てる。
• 削除するロケーションに割り当てられているデバイスを削除する。
(注) ロケーションを削除すると、そのロケーションに接続されているリンクに帯域幅が無制限に割り当てられ、それらのリンク上のコール数も制限がなくなります。このためロケーションを削除すると、リンク上のオーディオ品質が低下する原因になります。
手順
ステップ 1 「ロケーションの検索」の手順を使用して、ロケーションを検索します。
ステップ 2 一致するレコードのリストから、削除するロケーションを選択します。
ステップ 3 Delete をクリックします。
ステップ 4 削除操作を確認するように求められたら、 OK をクリックして削除を確認します。削除操作を取り消す場合は、 Cancel をクリックしてください。
関連項目
• 「ロケーションの検索」
• 「ロケーションの追加」
• 「ロケーションの更新」
• 「ロケーションの帯域幅の再同期化」
• 「ロケーションの設定値」
ロケーションの帯域幅の再同期化
この項では、ロケーションの帯域幅を再同期化する手順について説明します。ロケーションへのリンクを使用したコールがブロックされる場合は、帯域幅が不足している、つまりロケーションに割り当てられた帯域幅が減少している可能性があります。Cisco CallManager サーバをリセットせずに、ロケーションの帯域幅を、このロケーションに割り当てられている最大値に再同期化することができます。詳細については、『 Cisco CallManager システム ガイド 』の「コール アドミッション制御」の章にある 「帯域幅の計算」 を参照してください。
手順
ステップ 1 「ロケーションの検索」の手順を使用して、ロケーションを検索します。
ステップ 2 一致するレコードのリストから、再同期化するロケーションを選択します。
ステップ 3 ReSync Bandwidth をクリックして、選択したロケーションの帯域幅を再同期化します。
次の警告メッセージが表示されます。「If calls are using the bandwidth for this
location when the bandwidth is resynchronized, the bandwidth might be oversubscribed until all calls that are using the bandwidth for this location disconnect.」です。
ステップ 4 OK をクリックして続行するか、Cancel をクリックします。
関連項目
• 「ロケーションの検索」
• 「ロケーションの追加」
• 「ロケーションの更新」
• 「ロケーションの削除」
• 「ロケーションの設定値」
ロケーションの設定値
表 10-1 では、ロケーションの設定値について説明します。
表 10-1 ロケーションの設定値
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Location Name |
作成する新規ロケーションの名前を入力する。 |
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Audio Bandwidth |
このロケーションと他のロケーション間のリンク上ですべてのオーディオ コールに使用可能なオーディオ帯域幅の最大値(kbps 単位)を入力する。オーディオ コールの場合、オーディオ帯域幅はオーバーヘッドを含みます。次のいずれかのオプションを選択します。 • Unlimited bandwidth:Unlimited オプション ボタンをクリックします。 • Specified bandwidth:kbps ボックスの横にあるオプション ボタンをクリックし、既定の帯域幅を入力して、帯域幅を指定します。有効な入力値は、1 ~ 2147483647 です。 ロケーションの帯域幅の計算だけのために、各コール ストリームは次の帯域幅を使用するものと想定します。 • G.711 コールは 80 kbps を使用 • G.722 コールは 80 kbps を使用 • G.723 コールは 24 kbps を使用 • G.728 コールは 16 kbps を使用 • G.729 コールは 24 kbps を使用 • GSM コールは 29 kbps を使用 • Wideband コールは 272 kbps を使用
(注) 各コールは、2 つのコール ストリームから構成されています。オーディオ品質を向上させるには、帯域幅設定値を下げて、このロケーションとのリンク上で許可されるアクティブ コール数を減らします。
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Video Bandwidth |
このロケーションと他のロケーション間のリンク上ですべてのビデオ コールに使用可能なビデオ帯域幅の最大値(kbps 単位)を入力する。ビデオ コールの場合、ビデオ帯域幅はオーバーヘッドを含みません。次のいずれかのオプションを選択します。 • None:ビデオ コールをこのロケーションと他のロケーション間で使用できません。ただし、このロケーション内でビデオ コールを行うことができます。 • Unlimited bandwidth:Unlimited オプション ボタンをクリックします。 • Specified bandwidth:kbps ボックスの横にあるオプション ボタンをクリックし、既定のビデオ帯域幅を入力して、ビデオ帯域幅を指定します。デフォルト値は、384 kbps です。 |
関連項目
• 「ロケーションの検索」
• 「ロケーションの追加」
• 「ロケーションの更新」
• 「ロケーションの削除」
• 「ロケーションの帯域幅の再同期化」