リージョンの設定
リージョンの設定では、リージョン内または既存のリージョン間で、オーディオ コールとビデオ コールに使用される帯域幅を指定します。オーディオ コーデックによって、圧縮のタイプ、およびオーディオ コールあたりの使用帯域幅の最大値が決まります。ビデオ コールの帯域幅は、オーディオ帯域幅およびビデオ帯域幅の合計で構成されますが、オーバーヘッドは含まれません。
(注) Cisco CallManager で処理されるすべてのコールには、デフォルトのオーディオ
コーデック G.711 が適用されます。デフォルトのオーディオ コーデックだけを使用する場合は、リージョンを使用する必要はありません。
リージョンを追加、更新、または削除するには、次のトピックを参照してください。
• 「リージョンの検索」
• 「リージョンの追加」
• 「リージョンの更新」
• 「リージョンの削除」
• 「リージョンの設定値」
リージョンの設定とオーディオ コーデックの選択の詳細については、『 Cisco CallManager システム ガイド 』の 「リージョン」 を参照してください。
リージョンの検索
ネットワーク内にはいくつかのリージョンが存在することがあるので、Cisco
CallManager Administration では、固有の基準を指定して、特定のリージョンを見つけることができます。リージョンを見つける手順は、次のとおりです。
(注) Cisco CallManager Administration では、ブラウザ セッションでの作業中は、リージョンの検索設定が保持されます。別のメニュー項目に移動してからこのメニュー項目に戻ってくる場合でも、検索に変更を加えたり、ブラウザを閉じたりしない限り、リージョンの検索設定は保持されます。
手順
ステップ 1 System > Region の順に選択します。
Find and List Regions ウィンドウが表示されます。ドロップダウン リスト ボックスを使用して、リージョンを検索します。
ステップ 2 Find Regions where ドロップダウン リスト ボックスから、次の基準のいずれかを選択します。
• begins with(前方一致)
• contains(中間一致)
• ends with(後方一致)
• is exactly(完全一致)
ステップ 3 必要に応じて適切な検索テキストを指定し、 Find をクリックします。また、ページごとに表示する項目の数も指定できます。
ヒント データベースに登録されているリージョンをすべて検索するには、検索テキストを入力せずに Find をクリックします。
検出されたリージョンのリストが、次の項目別に表示されます。
• Region icon
• Region Name
(注) 該当するリージョンの横にあるチェックボックスをオンにして、Delete
Selected をクリックすると、Find and List Regions ウィンドウから複数のリージョンを削除できます。Matching Records タイトルバーにあるチェックボックスをオンにして Delete Selected をクリックすると、ウィンドウ内のすべてのリージョンを削除できます。
ステップ 4 レコードのリストから、検索条件と一致するリージョン アイコンまたはリー
ジョン名をクリックします。
選択したリージョンがウィンドウに表示されます。
関連項目
• 「リージョンの検索」
• 「リージョンの追加」
• 「リージョンの更新」
• 「リージョンの削除」
• 「リージョンの設定値」
リージョンの追加
新規リージョンを Cisco CallManager データベースに追加する手順は、次のとおりです。
(注) リージョンの追加はマトリクス形式で実行されます。リージョン A、B、および C を追加すると、次に示すように、リージョン A、リージョン B、およびリージョン C を列および行とするマトリクスが作成されます。
リージョン A |
リージョン B |
リージョン C |
リージョン A |
リージョン B |
リージョン C |
20 のリージョンを割り当てると、データベースは 400 のエントリ(20 x 20)を追加します。多数のリージョンを割り当てると、パフォーマンスがいくらか制限されます。
手順
ステップ 1 System > Region の順に選択します。
ステップ 2 ウィンドウの右上にある Add a New Region リンクをクリックします。
Region Configuration ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 Region Name フィールドに、新しいリージョンに割り当てる名前を入力します。
ステップ 4 ドロップダウン リスト ボックスから値を選択して、このリージョンと他のリージョン間で使用するデフォルトのコーデックを指定します。 Insert をクリックします。
ステップ 5 Audio Codec 列でドロップダウン リスト ボックスを使用して、新規リージョン内、および新規リージョンと既存のリージョン間で、コールに使用するオーディオ コーデックを選択します。オーディオ コーデックによって、圧縮のタイプ、およびこれらのコールに割り当てられる帯域幅の最大値が決まります。
使用可能なコーデック タイプおよび帯域幅のサマリーについては、 表 7-2 を参照してください。
ステップ 6 Video Call Bandwidth 列で、新規リージョン内、および新規リージョンと既存のリージョン間で、ビデオ コールに使用するビデオ帯域幅を指定します。 None を指定すると、このリージョンと指定されたリージョン間のビデオ コールは許可されません。
ステップ 7 Update をクリックして、新しいリージョンをデータベースに保存します。
(注) Region Configuration ウィンドウに、Items per page ドロップダウン リスト ボックスが表示されます。このドロップダウン リスト ボックスを使用して、表示するリージョンの数(10、20、50、100、または設定されたすべてのリージョン)を指定できます。100 以上のリージョンを表示するように選択した場合、Cisco CallManager の性能が低下する可能性があります。
次の手順
データベースに新しいリージョンを追加した後、そのリージョンを使用して、デバイス プールを設定できます。デバイスは、割り当てられたデバイス プールからリージョンの設定値を取得します。デバイス プールの設定については、「デバイス プールの追加」を参照してください。
関連項目
• 「リージョンの検索」
• 「リージョンの更新」
• 「リージョンの削除」
• 「リージョンの設定値」
• 「デバイス プールの追加」
リージョンの更新
リージョンの設定を更新する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 「リージョンの検索」の手順を使用して、リージョンを検索します。
ステップ 2 一致するレコードのリストから、更新するリージョンを選択します。
リージョン内または他のリージョン間のコールで使用するオーディオ コーデックおよびビデオ帯域幅の設定値を更新します。使用可能なオーディオ コーデック タイプおよび帯域幅のサマリーについては、 表 7-2 を参照してください。
ステップ 3 Update をクリックして、データベース内の変更内容を保存します。
ステップ 4 Restart Devices をクリックして、更新されたリージョンを使用するすべてデバイスに変更内容を適用します。
(注) Region Configuration ウィンドウに、Items per page ドロップダウン リスト ボックスが表示されます。このドロップダウン リスト ボックスを使用して、表示するリージョンの数(10、20、50、100、または設定されたすべてのリージョン)を指定できます。100 以上のリージョンを表示するように選択した場合、Cisco
CallManager の性能が低下する可能性があります。
関連項目
• 「リージョンの検索」
• 「リージョンの追加」
• 「リージョンの削除」
• 「リージョンの設定値」
リージョンの削除
Cisco CallManager データベースからリージョンを削除する手順は、次のとおりです。
始める前に
デバイス プールが使用しているリージョンは削除できません。リージョンを使用しているデバイス プールを検索するには、Region Configuration ウィンドウの Dependency Records リンクをクリックします。Dependency Records がシステムに対して使用可能になっていない場合、Dependency Records Summary ウィンドウにメッセージが表示されます。Dependency Records の詳細については、「Dependency Records へのアクセス」を参照してください。使用中のリージョンを削除しようとすると、Cisco CallManager にエラー メッセージが表示されます。現在使用中のリージョンを削除する場合は、事前に、次のどちらかまたは両方の作業を実行しておく必要があります。
• 別のリージョンを使用するように、デバイス プールを更新する。「デバイス プールの更新」を参照してください。
• 削除するリージョンを使用しているデバイス プールを削除する。「デバイス プールの削除」を参照してください。
手順
ステップ 1 「リージョンの検索」の手順を使用して、リージョンを検索します。
ステップ 2 一致するレコードのリストから、削除するリージョンを選択します。
ステップ 3 Delete をクリックします。
(注) Region Configuration ウィンドウに、Items per page ドロップダウン リスト ボックスが表示されます。このドロップダウン リスト ボックスを使用して、表示するリージョンの数(10、20、50、100、または設定されたすべてのリージョン)を指定できます。100 以上のリージョンを表示するように選択した場合、Cisco
CallManager の性能が低下する可能性があります。
関連項目
• 「リージョンの検索」
• 「リージョンの追加」
• 「リージョンの更新」
• 「リージョンの設定値」
リージョンの設定値
表 7-1 では、リージョンに対して指定することができるオーディオ コーデック、およびビデオ帯域幅の設定値をまとめています。コール ストリームあたりの全使用帯域幅は、オーディオ コーデックのタイプ、およびデータ パケットのサイズとオーバーヘッド(パケット ヘッダー サイズ)などの要素によって決まります。 表 7-2 に表示されている帯域幅の数字は、30-ms データ パケットに適用され、IP ヘッダーを含みます。各コールは、2 つのコール ストリームから構成されています。
表 7-1 リージョンの設定値
|
|
|
Region Name |
このリージョンの一意な名前を入力する。この名前には、最長 30 文字まで指定できます。文字、数字、ダッシュ、ドット(ピリオド)、ブランク、および下線を指定できます。 |
Default Codec with Other Regions |
ドロップダウン リスト ボックスから、このリージョンと他のリージョン間で使用するデフォルトのコーデックを選択する。リモート サイトの配置の大部分で帯域幅が制限されるため、新規リージョンと既存リージョン間で推奨されるデフォルトのコーデックの設定値は G.729 です。 |
|
Region |
この列のエントリは、Default リージョン、設定しているリージョン、およびその他すべてのリージョンを含む、すべての既存リージョンを指定する。 |
Audio Codec |
左側の列で指定された各リージョンに対して、この列の Corresponding ドロップダウン リスト ボックスをクリックして、このリージョンと左側で指定されたリージョン間のコールに使用されるオーディオ コーデックを選択する。 |
Video Call Bandwidth |
左側の列で指定された各リージョンに対して、次に示す、この列のオプション ボタンをいずれか 1 つクリックする。 • None:このリージョンと左側の列で指定したリージョン間に割り当てられたビデオ コール帯域幅がない場合は、このボタンをクリックします。 • kbps:このリージョンと左側の列で指定したリージョン間にビデオ コール帯域幅を割り当てるには、このボタンをクリックします。これらの 2 つのリージョン間で各ビデオ コールに使用できる帯域幅を入力します。デフォルト値は、384 kbps です。有効な入力値は、1 ~ 8128 です。 |
表 7-2 オーディオ コーデックで使用する帯域幅
|
30 ms データ パケットで各コールが消費する帯域幅(IP ヘッダーを含む)
|
|
G.711 |
80 kbps |
Cisco CallManager 内のすべてのコールに対するデフォルト コーデック。 |
G.722 |
80 kbps |
通常、ビデオ エンドポイントがこのコーデックを使用する。 |
G.723 |
24 kbps |
旧 Cisco IP Phone モデル 12 SP Series および Cisco IP Phone モデル 30 VIP での使用に対してサポートされている低ビットレート コーデック。 |
G.728 |
16 kbps |
この低ビットレート コーデックをサポートするビデオ エンドポイント。 |
G.729 |
24 kbps |
Cisco IP Phone 7900 ファミリーのモデルに対してサポートされている低ビットレート コーデック。 |
Wideband |
272 kbps |
Cisco IP Phone 7900 ファミリー モデルによってサポートされている、IP Phone 間コール用の高品質、広帯域幅オーディオ コーデック。 |
GSM |
29 kbps |
Global System for Mobile Communications(GSM)コーデック。このコーデックを使用して、GSM ワイヤレス受話器用の MNET システムが Cisco CallManager と相互動作できるようになる。 |
関連項目
• 「リージョンの検索」
• 「リージョンの追加」
• 「リージョンの更新」
• 「リージョンの削除」