自動登録の概要
Cisco CallManager の自動登録を使用すると、新しい電話機をネットワークに接続したときに、電話番号が自動的に割り当てられます。自動登録を使用してネットワークに割り当てる電話機は、100 台未満にすることをお勧めします。100 台以上の電話機をネットワークに追加する場合は、Bulk Administration Tool(BAT)を使用してください。
Cisco CallManager の自動登録では、デフォルトで使用不可にして無許可でネットワークへ接続することを防止しています。自動登録を使用可能にするのは、コーリング サーチ スペースやパーティションなど、ダイヤル プランの概要が判明してからにしてください。
注意 自動登録を使用可能にすると、「不正な」電話機が Cisco CallManager に自動的に登録されるセキュリティ上の危険が生じます。自動登録を使用可能にする場合は、電話機を一括して追加する場合に限定してください。
Cisco CTL クライアントを使用してクラスタ全体のセキュリティを混合モードに設定すると、自動的に自動登録は使用不可になります。自動登録を使用しながらセキュリティを設定する場合は、Cisco CTL クライアントを使用してクラスタ全体のセキュリティ モードを非セキュアに変更する必要があります。
無許可の電話機がネットワークに接続することを防止するもう 1 つの方法では、911(緊急)と 0(オペレータ)コールだけを許可する Rogue デバイス プールの作成が必要となります。このデバイス プールでは、電話機の登録が許可されますが、電話機は緊急コールとオペレータ コールしか行うことができません。このデバイス プールにより、ネットワークに登録しようとして連続的にブートする電話機の無許可のアクセスが防止されます。
自動登録を使用可能にする場合、電話機をネットワークに接続したときに Cisco CallManager が割り当てることができる電話番号の範囲を指定します。新しい電話機をネットワークに接続すると、Cisco CallManager は、指定された範囲内で次に使用可能な電話番号を割り当てます。電話機に自動登録で電話番号が割り当てられた後では、電話機を別の場所に移動してもその電話機の電話番号は変わりません。自動登録電話番号をすべて使い切った場合は、以後 Cisco CallManager に電話機を自動登録できなくなります。
新しい電話機は、Auto-Registration Cisco CallManager Group 設定値を使用可能に設定してある Cisco CallManager グループ内のプライマリ Cisco CallManager に自動登録されます。そのプライマリ Cisco CallManager は、自動登録されたそれぞれの電話機を、デバイス タイプに応じたデフォルトのデバイス プールに自動的に割り当てます(「デバイス デフォルト」を参照)。自動登録された電話機は、その設定を更新して、別のデバイス プールや別の Cisco CallManager に割り当てることができます(「デバイス プール」を参照)。
自動登録の設定チェックリスト
表12-1 では、自動登録をする際の一般的な手順とガイドラインを示しています。
表12-1 自動登録の設定チェックリスト
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ステップ 1 |
自動登録を使用するには、クラスタ内で Cisco CallManager を 1 台だけ設定します。 自動登録の使用可能または使用不可の設定は、常にこの Cisco CallManager 上だけで行います。自動登録機能をクラスタ内の別の Cisco CallManager に移す場合は、該当する Cisco CallManager、デフォルト Cisco CallManager グループ、および場合によってはデフォルト デバイス プールを再設定する必要があります。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「Cisco CallManager の設定」 |
ステップ 2 |
デフォルト Cisco CallManager グループを自動登録グループとして設定します。ステップ 1 の自動登録用 Cisco CallManager をこのグループのプライマリ Cisco CallManager として選択します。 |
「Cisco CallManager グループ」 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「Cisco CallManager グループの設定」 |
ステップ 3 |
自動登録専用のコーリング サーチ スペースを設定します。たとえば、自動登録コーリング サーチ スペースを使用して、自動登録された電話機を内部コールに限定できます。 |
「パーティションおよびコーリング サーチ スペース」 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「コール検索スペースの設定」 |
ステップ 4 |
デフォルト Cisco CallManager グループと自動登録コーリング サーチ スペースを割り当てることにより、自動登録用のデフォルト デバイス プールを設定します。デバイス タイプごとに個別のデバイス プールを設定する場合は、デフォルト Cisco CallManager グループと自動登録コーリング サーチ スペースをそれぞれのデフォルト デバイス プールに割り当てます。 |
「システム レベルのコンフィギュレーション設定」 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「デバイス プールの設定」 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「デバイス デフォルトの設定」 |
ステップ 5 |
新しいデバイスを取り付けて自動登録する場合は、短期間だけ自動登録を使用可能にします(できれば、システム全体の使用量が最少のときに)。その期間以外は、無許可のデバイスが Cisco CallManager に登録されることを防ぐため、自動登録をオフにします。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「自動登録の使用可能化」 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「自動登録の使用不可」 |
ステップ 6 |
自動登録するデバイスを取り付けます。 |
IP Phone とゲートウェイに付属のインストール ガイドを参照してください。 |
ステップ 7 |
自動登録されたデバイスを再設定して、永続的なデバイス プールに割り当てます。 |
『Bulk Administration Tool ユーザ ガイド』 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「Cisco IP Phone の設定」 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「ゲートウェイの設定」 |
参考情報
関連項目
• 「システム レベルのコンフィギュレーション設定」
• 「冗長化」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「Cisco CallManager の設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「Cisco CallManager グループの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「デバイス プールの設定」
参考資料
• Bulk Administration Tool ユーザ ガイド