Cisco Unity メッセージングの統合
Cisco Unity は、Windows 2000 をベースにした通信ソリューションから構成されています。この統合された環境ではボイス メッセージ配信と統合メッセージングが提供されます。
統合メッセージング環境は、ユーザがあらゆるタイプのメッセージを同一の受信ボックスで管理することができることを意味します。Cisco Unity は、Exchange サーバまたは Domino サーバ(Cisco Unity 4.0(x) 以降の場合)と協調して動作し、すべてのメッセージ、つまり、ボイスメールと電子メールの両方を収集し、1 つのメッセージ ファシリティに保存します。ユーザは、タッチトーン電話機やインターネットを利用して、コンピュータ上のボイスメールおよび電子メール メッセージにアクセスできます。
Cisco CallManager に Cisco Unity メッセージング システムを統合するための手順の詳細については、『 Cisco CallManager 4.2 Integration Guide for Cisco Unity 』を参照してください。
この章の構成は、次のとおりです。
• 「システム要件」
• 「統合の概要」
• 「Cisco Unity Cisco CallManager 統合メールボックス設定」
• 「ボイスメール ポートのセキュリティ」
• 「Cisco Unity 設定チェックリスト」
• 「参考情報」
システム要件
ご使用の電話機システムと Cisco Unity サーバに関する要件は、次のとおりです。特定バージョンの情報については、『 Cisco Unity Integration Guide for Cisco Unity 』を参照してください。
電話機システム
• Cisco CallManager ソフトウェアが Cisco IP テレフォニー アプリケーション サーバ上で動作していること。
• ネットワークに接続するすべての電話回線、IP Phone、その他の H.323 準拠のデバイスやソフトウェア(Cisco Virtual Phone、Microsoft NetMeeting クライアントなど)に対するシスコのライセンス、および Cisco Unity の各ポートごとに 1 つのライセンスがあること。
• Cisco CallManager 内線用の IP Phone であること。
• 各ロケーションで IP Phone をネットワークに接続する LAN 接続先であること。
Cisco Unity サーバ
• Cisco Unity システムはインストール済みで、『 Cisco Unity インストレーション ガイド 』に説明してある統合準備が完了していること。
• システム キーで、統合タイプが「TAPI」に設定され、適切な数のボイスメール ポートが使用可能になっていること(Cisco Unity 3.1(x) 以前の場合)。2 つの電話機システム(Cisco CallManager と、別の IP Phone 以外のシステム)に Cisco Unity を統合する場合は、「Multiple Integrations」にシステム キーの統合タイプを設定する必要があります。
• 適切な数のボイスメール ポートが使用可能なライセンスがあること。
統合の概要
統合では、LAN を使用して、Cisco Unity と Cisco CallManager が接続されます。ゲートウェイが、PSTN への接続を提供します。図 28-1 は、このような接続を示しています。
図 28-1 電話機システムと Cisco Unity の間の接続
次に、外線が Cisco ネットワーク内を通過するパスの概要をステップごとに説明します。
1. コールが外部着信すると、Cisco ゲートウェイは、Cisco CallManager がインストールされているマシンに LAN 経由でコールを送信する。
2. Cisco CallManager の回線が Cisco Unity にコールをルーティングするように設定されている場合、Cisco CallManager は使用可能な Cisco Unity の内線にコールをルーティングする。
3. Cisco Unity はコールに応答し、通話開始のあいさつを再生する。
4. 通話開始のあいさつ中、発信者は加入者の名前または内線を入力する(例:1234)。
5. Cisco Unity は、内線 1234 へのコールがあることを Cisco CallManager に通知する。
6. この時点では、監視転送とリリース転送のどちらを実行するように Cisco Unity が設定されているかによって、コールのパスは異なる。詳細については、『 Cisco CallManager 4.2 Integration Guide for Cisco Unity 4.0 』を参照してください。
Cisco Unity Cisco CallManager 統合メールボックス設定
Cisco CallManager リリース 4.2 が Cisco Unity バージョン 4.0(4)(またはそれ以降)(Microsoft Exchange 版)と統合されている場合、Cisco CallManager の管理者は、Directory Number Configuration ウィンドウまたは[ユーザの設定]ウィンドウから Cisco Unity ユーザのボイスメールボックスを一度に 1 つ作成できます。
要件
• Cisco CallManager リリース 4.1 以降
• Cisco Unity リリース 4.0(4) 以降(Microsoft Exchange 版)
• Cisco CallManager Integrated Voice Mailbox asp ページ(Cisco Unity サーバから Cisco CallManager サーバにインストールされる)
• Cisco CallManager サーバ上でアクティブな Ris Data Collector サービス
制限
• メールボックスの作成後、Cisco Unity と Cisco CallManager の間でメールボックス データが自動的に同期されない。すべての変更は、両方のシステムで手動で同期されます。
• Cisco CallManager Administration からの VPIM、AMIS、Bridge、および Domino ユーザ メールボックスの作成はサポートされない。
• Bulk Administration Tool(BAT)を使用した、Cisco Unity メールボックスの一括インポートはサポートされない。
• Cisco Unity メールボックスを作成すると、Cisco Unity ユーザ アカウントが SQL に直接作成される。このため、メールボックス作成トランザクションが完了すると、Cisco Unity Administrator で新しいユーザを表示および更新できます。
• ログ ファイルに、Cisco Unity サーバ上で Cisco CallManager Administration を使用して実行された Cisco Unity メールボックス トランザクションが記録される。
• ログ ファイルに、関連する診断ログが書き込まれる。
• 監査ログおよび診断ファイルには、ネットワークを介した資格情報の伝送が記録されない。
ボイスメール ポートのセキュリティ
Cisco CallManager ボイスメール ポートおよび Cisco Unity SCCP デバイスのセキュリティを設定した場合、各デバイスが他のデバイスの証明書を受け付けると、認証されたデバイスに対して TLS 接続(ハンドシェイク)が開きます。同様に、デバイスの暗号化を設定した場合、システムはデバイス間で SRTP ストリームを送信します。
デバイス セキュリティ モードが Authenticated または Encrypted の場合、Cisco Unity TSP は Cisco CallManager TLS ポート経由で Cisco CallManager に接続します。セキュリティ モードが Non-secure の場合、Cisco Unity TSP は Cisco CallManager SCCP ポート経由で Cisco CallManager に接続します。
セキュリティの設定方法に関するインタラクション、制限事項、および手順については、『 Cisco CallManager セキュリティ ガイド 』を参照してください。
Cisco Unity 設定チェックリスト
表28-1 に、Cisco Unity ボイスメール システムを設定する手順を示します。
表28-1 Cisco Unity 設定チェックリスト
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ステップ 1 |
Cisco CallManager および Cisco Unity のシステム要件が満たされていることを確認します。 |
「システム要件」 『 Cisco CallManager 4.2 Integration Guide for Cisco Unity 4.0 』 |
ステップ 2 |
Cisco Unity に接続する各ポートにボイスメール ポート(電話番号)を追加します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco ボイスメール ポートの設定」 『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 |
ステップ 3 |
ボイスメール ポート用のボイスメール パイロット番号を追加します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco ボイスメール パイロットの設定」 『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 |
ステップ 4 |
MWI とボイスメール内線を指定します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サービス パラメータの設定」 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「メッセージ受信の設定」 『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 |
ステップ 5 |
ボイスメール ポートの DN を回線グループに追加します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「回線グループの追加」 |
ステップ 6 |
ボイスメール ポートの DN を含む回線グループをハント リストに追加します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「ルート リストの追加」 |
ステップ 7 |
回線グループを含むハント リストをハント パイロットに関連付けます。
(注) ハント パイロットは、設定済みでボイスメール プロファイルによって使用されるボイスメール パイロットと一致する必要があります。
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『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「ルート パターンの追加」 |
ステップ 8 |
ボイスメール プロファイルをセットアップします。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「ボイスメール プロファイルの設定」 『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 |
ステップ 9 |
ボイスメールのサービス パラメータをセットアップします。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「サービス パラメータの設定」 『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 |
ステップ 10 |
着信コールが Cisco Unity の応答ポートだけに転送されるようにボイスメール ポートをセットアップします。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco ボイスメール ポートの設定」 『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 |
ステップ 11 |
Cisco CallManager の複数のクラスタに対して、MWI ポートをセットアップします。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「メッセージ受信の設定」 『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 |
ステップ 12 |
ゲートウェイの DTMF リレー機能を使用可能にします。 |
『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 |
ステップ 13 |
TAPI サービス プロバイダーをインストール、設定、およびテストします(Cisco Unity 3.1(x) 以前の場合)。 |
『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 |
ステップ 14 |
Cisco Unity を統合用に設定します(Cisco Unity 3.1(x) 以前の場合)。 Cisco Unity と Cisco CallManager の間の新しい統合を作成します。 |
『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 |
ステップ 15 |
統合をテストします。 |
『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 『 Cisco Unity トラブルシューティング ガイド 』 電話機システムのインストール ガイドを参照してください。 |
ステップ 16 |
Cisco Unity フェールオーバー用にセカンダリ サーバを統合します(Cisco Unity フェールオーバーがインストールされている場合に使用します)。 |
『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 『 Cisco Unity フェールオーバー ガイド 』 |
ステップ 17 |
Cisco CallManager Administration を使用してボイスメール ユーザを設定する場合は、次の手順を実行します(Cisco Unity 4.0(4) 以降が必要です)。 • voicemailbox.asp ファイルを Cisco CallManager サーバにコピーします。 • Cisco Unity Cisco CallManager 統合メールボックス設定の管理者アカウントを設定します(このステップは、フェールオーバー サーバ上にユーザを作成する場合に、フェールオーバー サーバに必要です)。 • Cisco Unity ボイスメールボックスを作成します。 |
『 Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity 』 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「電話番号の設定」 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「新規ユーザの追加」 |
参考情報
参考資料
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「Cisco ボイスメール ポートの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「サービス パラメータの設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「電話番号の設定」
• 『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』 の「Cisco Unity ボイスメールボックスの作成」
• Cisco CallManager Integration Guide for Cisco Unity
• Cisco Unity インストレーション ガイド
• Cisco Unity トラブルシューティング ガイド
• Cisco CallManager 4.2 Integration Guide for Cisco Unity 4.0