従業員の体験
シスコは、個々のニーズに応じた自主学習を重視しており、従業員が自分の成功に必要なスキルとリソースを十分に理解できるよう努めています。
シスコは、個々のニーズに応じた自主学習を重視しており、従業員が自分の成功に必要なスキルとリソースを十分に理解できるよう努めています。
シスコでは従業員に日常の業務とは別に役割や職務を模索するよう奨励しています。自らの可能性を追求することでスキルと強みを一致させ、社内で自由にキャリアを再構築できる機会につながっています。2023 年度にシスコのフルタイム従業員(FTE)がトレーニングと能力開発に費やした平均時間は 8.6 時間で、FTE 1 人あたりの投資額は平均 1,546 米ドルに相当します。新しいことを学ぶのに時期尚早ということもなければ、もちろん手遅れということもありません。シスコではインターンからエグゼクティブ リーダーシップ チームに至るまで、一人ひとりと向き合ってともに新しい働き方や指導方法を追求します。
シスコは従業員がそれぞれの強みを活かしたより良い働き方ができるように、個人だけでなくチームにも必要な環境を整えるよう取り組んでいます。たとえばチームでの業務の協調性と成果を高める支援策として、管理職と従業員の関係や個人の対人関係を強化するために仮想や対面でのコミュニケーションツールを活用しています。従業員とリソースを共有し、従業員からのフィードバックに耳を傾けるという双方向のやり取りは一人ひとりの声を会社に届ける機会になり、シスコの成功の鍵となっています。
すべてのビジネスにおける変革の基本は人材です。シスコは従業員が成長してこそ発展します。そのため、シスコはパフォーマンスに対するアプローチの発展に取り組んできました。一貫した予測可能なフィードバックと開発サイクルを構築し、期待、パフォーマンス、能力開発を明確かつ透明性のあるものにすることで個人とチームのパフォーマンスを向上させます。
一部の従業員だけを重視する伝統的な従来の見解から、意欲的で協力的なアプローチへとパフォーマンス管理を変え、すべての人にインクルーシブな未来を実現します。シスコは、変化のスピードが増し、ビジネス要件も動的な性質になっているのを認識しています。以下で説明するとおり、従業員に対して機敏な対話と定期的なチェックポイントに基づいたプロセスを導入し、半年ごとの能力評価と組織の能力レビューに反映させることで、シスコのビジョンを実現します。
シスコでは、チームスペースというツールを使用して、従業員が毎週マネージャにチェックインするプロセスを導入しています。この毎週のチェックインにより、従業員は前週の作業を振り返り、翌週の優先事項をすぐに確認し、必要に応じて仕事を完了するための支援を要求できます。デジタルで行われるこのチェックインの提出は、マネージャと従業員の間の 1 対 1 の対話によって補完されます。そこでパフォーマンスに関するフィードバックが共有され、評価が行われ、能力開発の優先事項も計画されます。
リーダーは、能力開発ディスカッションガイドを使用して、パフォーマンス、能力開発、キャリアの成長に関するより包括的なレビューを定期的に行うことが推奨されます。週次のチェックインと能力開発に関するディスカッションの結果は、半年ごとに人材評価ツールに記録されます。
パフォーマンスを評価するプロセスは、期待を明確にし、各個人を評価する基準を明確にすることから始まります。シスコでは、成果、原則と行動、チームへの影響という 3 つの側面からパフォーマンスについて議論します。結果を確認する際、リーダーはビジネスに関連する具体的で客観的な指標(販売手数料の目標、重要業績評価指標(KPI)、目標と主要成果(OKR)など)があれば、それを活用することが推奨されます。チームによっては、個人のパフォーマンスとチーム全体のパフォーマンスを関連付けるために、チームベースの目標や目的を取り入れる場合もあります。
リーダーは、各従業員の成果、原則と行動、およびチームへの影響を完全に把握する手段として、従業員のパフォーマンスに関する関連情報を収集することが期待されます。従業員も自分自身の成長と発展のため、他者からのフィードバックを収集するよう奨励されます。そのためには関係者と直接会話して、パフォーマンスの向上に役立つ的確なフィードバックを得ることが推奨されます。
シスコは、チームと組織の両方の成長を促進するうえでリーダーが果たす重要な役割を認識しています。そのため、リーダーの積極的な関与とスキルの向上を目的とした包括的なプログラムとエクスペリエンスを継続して開発しています。
プログラムは、経験の少ないリーダーからベテランまで、あらゆるレベルのリーダーに対応しています。自習型のマイクロラーニング、オンラインのコホート型セッション、1 対 1 のエンゲージメント、専門的なコーチング、同僚とのコラボレーションなど、さまざまなプログラムを提供しています。これらの取り組みは、シスコのリーダーが各自の任務で優れた能力を発揮するために必要なツールと知識を活用できるように綿密に策定されています。
プログラム | プログラムの目標 |
---|---|
プログラムシスコリーダーの資質 | プログラムの目標 このプログラムは、新しいチームリーダーを対象にシスコのリーダーに求められる要素について理解を深めてもらうとともに、どのようなツールやリソースを利用できるかを知ってもらうことを目標に、2 日間かけて実施されます。2023 年度には新たにリーダーとなった 1,700 人を超える人材がこのプログラムに参加しました。 |
プログラム新任リーダージャーニー | プログラムの目標 6 ヵ月の期間にわたって実施されるこのコホートベースのプログラムは、Degreed パスウェイと呼ばれる研修コースと仮想ファシリテータを講師とする「リーダーシップサークル」セッションを通じて、新たにリーダーになった人材がリーダーとしての役割をさらに発揮できるよう支援するプログラムです。2023 年度は 450 名の新任チームリーダーが参加しました。 |
プログラムリーダーラーニングラボ | プログラムの目標 この 120 分間のラボでは、厳しい場面での会話をリーダーが共感と気配りをもってやり抜く方法を学びます。このテーマの専門家を相手役に演習形式で実際に起こりうる場面をシミュレーションし、その場でフィーバックを受けます。2023 年度は 900 名を超えるリーダーがラーニングラボに参加しました。 |
プログラムリーダーシップのコーチング | プログラムの目標 リーダーのレベルごとにカスタマイズされたコーチングパッケージが提供されます。人間的な触れ合いを大切にし、個人に合わせた結果重視のアプローチを活用して、リーダーの強みを最大限に引き出します。BetterUp とのパートナーシップにより、6 ヵ月間は無制限のコーチングセッションを提供します。2023 年度は、約 1,000 人のリーダーがコーチングプログラムの恩恵を受けました。 |
プログラムリーダーのフィードバックによる成長の促進 (新サービス) |
プログラムの目標 このワークショップでは、リーダーが効果的なフィードバックを通じてチームの成長と卓越性を推進するスキルを身につけます。2 時間のトレーニングセッションで、フィードバックの提供と受け取りに関する基本的なスキルを習得します。その後、導入を成功させるため 30 分間の振り返りと応用セッションを行います。2023 年度第 4 四半期の開始以来、200 人を超えるリーダーが参加しています。 |
プログラムBigThink+ (新サービス) |
プログラムの目標 リーダーは、サブスクリプションベースのプラットフォームを通じて、リーダーシップに関する専門知識を活用できます。BigThink+ では、著名なオピニオンリーダーや経営陣による貴重なインサイトが提供されます。リーダーは、リーダーシップのスキルを高めるようなインパクトのある短い動画を通じて、インスピレーションや知識を得ることができます。2023 年度の第 4 四半期に BigThink+ を開始して以来、600 人を超える加入者が登録しています。 |
シスコではコミュニケーションと成長の力をチームの手に委ねています。チームが学習・関与し、問題を解決するのに役立つセルフサービスツールと促進プログラムの両方を提供しています。さらに、シスコでは「チームスペース」のような個人とチームのコラボレーションの活性化を図るプラットフォームを活用してチームの関係強化を図っています。ツールを活用することで習慣的な取り組み(1 回限りの強み評価、週ごとのチェックイン、四半期ごとの参画意識調査)を定着させ、チームの真価を発揮できるようになります。
シスコの基盤となる「チームの力」のコースでは、つながりを深め、互いをより深く理解する機会を提供します。「チームの力」は、パフォーマンスを次のレベルに引き上げる段階に差し掛かっているチームを対象としたディスカッション型のチーム学習で、ガイドの助けを借りて進めることができます。ファシリテータが進行する学習セッションで構成され、チームで課題に取り組むことでチームへの参画意識の向上を図ります。このプログラムではシスコにおけるチーム成功の秘訣を理解し、その実践を通じて各チームがどこで成長できるかを特定するのに役立ちます。2023 年度は全世界で 239 回の「チームの力」ワークショップが開催されました。
「チームの力:ハイブリッドワーク」のメニューでは、チームとして協力しながらハイブリッドワークの世界を切り開いていくためのソリューションとプランについて議論するツールや機会を提供しています。
セルフサービスのメニューは、経験豊富なコーチとファシリテータによって準備されたリソースです。チームコンサルタントが直接関わらなくても、リーダーとチームが具体的な目標に向かって連携して取り組むことができます。
チームによって必要とするものが異なります。シスコはリーダーと連携して、各チームを最高の状態に持っていきます。
シスコは従業員に習得すべきスキルを説いて聞かせるのではなく、自らが関心をもって独自の道を選ぶ姿勢を大事にしています。このような学習方法をシスコでは「エッジ学習」と呼んでいます。Degreed は社内のリソースと TED トークや LinkedIn ラーニングの学習コースのような外部の教材を統合した、シスコの継続的な学習プラットフォームです。このプログラムでは機械学習を利用することでユーザーに合わせてカスタマイズされた推奨コンテンツが提供され、シスコが提案するカリキュラムにするか、能力開発計画を独自に設計するかを選べるようになっています。どこからでも利用でき、自分にとって意味のあるコンテンツを見つけて学習し、成果をまとめたり、共有したり、学習状況を管理したりするハブとして機能するのが Degreed です。このプログラムを活用すれば現在および将来的にビジネスで求められる中核的なスキルを職種、職務、役割の変化に応じて開発していくことができます。リーダーはチームメンバーの活動状況を確認し、従業員のスキルの伸びや関心のある事項を把握できます。
シスコの My Onboarding Journey は、新入社員を受け入れ、シスコにすばやく慣れさせるための 90 日間の導入コースです。参加者は、部門を超えた対話を経験することで、シスコのビジネス、戦略、文化を学びます。My Onboarding Journey は、2023 年度に 7140 人の新入社員を受け入れ、その 93% が期待以上のプログラムであったと回答しています。今後は、プログラムを多くの言語に翻訳し、複合的なエクスペリエンスとして提供します。
Cisco Illuminate はさまざまな学習体験を四半期単位で継続的に提供するプログラムであり、自信を持ってキャリアを築いていくために必要な人材、情報、スキルを従業員に紹介します。以下のようなテーマから四半期ごとに異なるテーマを取り上げています。
各イベントは、従業員からのフィードバックに応えて作られており、従業員が主体的に学習し、シスコでのキャリアを築いていけるよう後押しすることが狙いです。イベントは、関連性が高く実用的な知識の習得に特化し、学習とキャリア形成の推進力になるよう設計されています。最初の Illuminate Your Learning イベントは 2022 年春に開催され、学習にスポットライトを当てました。Illuminate の目的は、キャリアに必要なスキルを理解して関連する学習に結びつけ、得た知識を活用してシスコでのキャリアを自信を持って築いていけるようにすることです。