SmartPortマクロの概要
SmartPortマクロは、共通の設定を保存および共有するのに便利な方法です。SmartPortマクロを使用して、ネットワークのスイッチの位置に基づく機能および設定をイネーブルにしたり、ネットワーク上で大規模な設定配置を行うことができます。
各SmartPortマクロは、定義するCLI(コマンド ライン インターフェイス)コマンドのセットです。SmartPortマクロは、新しいCLIコマンドを含まず、既存のCLIコマンドのグループを簡略化します。
インターフェイスでSmartPortマクロを適用すると、マクロ内のCLIコマンドがこのインターフェイス上で設定されます。マクロがインターフェイスに適用されても、既存のインターフェイスの設定は失われません。新しいコマンドはインターフェイスに追加され、実行コンフィギュレーション ファイルに保存されます。
SmartPortマクロの設定
新たにSmartPortマクロを作成したり、ご使用のアプリケーションに特有の新しいマクロを作成するのに、既存のマクロをテンプレートとして使用することができます。マクロが作成されると、インターフェイスまたはインターフェイス範囲にこれを適用することができます。
ここでは、次の内容について説明します。
• 「SmartPortマクロのデフォルト設定」
• 「SmartPortマクロ設定時の注意事項」
• 「SmartPortマクロの作成および適用」
SmartPortマクロのデフォルト設定
スイッチで設定されるデフォルトのSmartPortマクロはありません。
SmartPortマクロ設定時の注意事項
スイッチでマクロを設定するには、次の注意事項に従ってください。
• マクロを作成する場合は、 exit または end コマンドを使用しないでください。これは、異なるコマンド モードで実行する exit または end コマンドとなる可能性があります。
• マクロを作成するには、すべてのCLIコマンドがインターフェイス コンフィギュレーション モード コマンドである必要があります。
• CLIコマンドには、あるインターフェイス タイプに特有のものもあります。設定が採用されていないインターフェイスにマクロが適用されると、マクロが構文または設定の確認を行わないため、スイッチからエラー メッセージが返されます。
• マクロがインターフェイスに適用されると、インターフェイス上の既存の設定はすべて保持されます。これは、インターフェイスに差分設定を適用する場合に役立ちます。
• コマンドを追加または削除してマクロ定義を変更する場合、この変更は元のマクロが適用されていたインターフェイスに反映されません。新しいコマンドまたは変更したコマンドを適用するには、インターフェイスに更新されたマクロを再適用する必要があります。
• マクロがインターフェイス上で実行しているものを表示したり、またはマクロをデバックして、構文や設定のエラーを判別するには、 macro trace macro-name インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
• マクロを適用するときに、構文エラーまたは設定エラーによりコマンドに障害が生じた場合、マクロは残りのコマンドをインターフェイスに適用し続けます。
• インターフェイス範囲にマクロを適用することは、単一のインターフェイスにマクロを適用するのと同じです。インターフェイス範囲を使用すると、マクロはその範囲内の各インターフェイスに順番に適用されます。1つのインターフェイスでマクロ コマンドに障害が生じても、このコマンドは残りのインターフェイスでは適用されます。
SmartPortマクロの作成および適用
SmartPortマクロを作成および適用するには、イネーブルEXECモードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
macro name macro-name |
マクロ定義を作成して、マクロ名を入力します。マクロ定義には、最大3000文字まで含めることができます。 1行につき1つのコマンドで、マクロ コマンドを入力します。マクロを終了するには、 @ 文字を使用します。マクロ内でコメント テキストを入力するには、行の始めに # 文字を使用します。 マクロでは exit または end コマンドを使用しないことを推奨します。これは、異なるコマンド モードで実行する exit または end コマンドとなる可能性があります。最良の結果を出すには、マクロ内のすべてのコマンドがインターフェイス コンフィギュレーション モード コマンドである必要があります。 |
ステップ 3 |
interface interface-id |
インターフェイス コンフィギュレーション モードで、マクロを適用するインターフェイスを指定します。 |
ステップ 4 |
macro { apply | trace } macro-name |
マクロで定義された各コマンドをインターフェイスに適用するには、 macro apply macro-name を入力します。 macro trace macro-name を指定して、各コマンドの適用および印刷を行ったあと、インターフェイスに適用されます。 |
ステップ 5 |
macro description text |
(任意)インターフェイスに適用されるマクロについての説明を入力します。 |
ステップ 6 |
end |
イネーブルEXECモードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show parser macro |
マクロが作成されたことを確認します。 |
ステップ 8 |
show running-config interface interface-id |
マクロがインターフェイスに適用されたことを確認します。 |
ステップ 9 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
macro name グローバル コンフィギュレーション コマンドの no 形式によって、マクロの定義のみが削除されます。マクロがすでに適用されているインターフェイスの設定には影響しません。 default interface interface-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力して、マクロに適用されたインターフェイス上の設定を削除することができます。また、元のマクロ内ですべての対応するコマンドの no 形式を含む既存のマクロに、 anti-macro を作成することができます。次に、インターフェイスにアンチマクロを適用します。
アクセス スイッチ インターフェイスに desktop-config マクロを定義して、このマクロをギガビット イーサネット ポート2に適用し、インターフェイスに説明を追加し、設定を確認する例を示します。
Switch(config)# macro name desktop-config
# Put the switch in access mode
# Allow port to move to forwarding state quickly
# BPDUs should not be sent into the network
spanning-tree bpduguard enable
# Restrict the port to one address -- that of desktop
switchport port-security maximum 1
# Put all data traffic in vlan 1
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config-if)# macro apply desktop-config
Switch(config-if)# macro description desktop-config
Switch# show parser macro name desktop-config
Macro name : desktop-config
Macro type : customizable
macro description desktop-config
# Put the switch in access mode
# Allow port to move to forwarding state quickly
# BPDUs should not be sent into the network
spanning-tree bpduguard enable
# Restrict the port to one address -- that of desktop
switchport port-security maximum 1
# Put all data traffic in vlan 1
Switch# show parser macro description
Interface Macro Description
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SmartPortマクロの表示
SmartPortマクロを表示するには、 表 12-1 に示すイネーブルEXECコマンドを1つまたは複数使用します。
表 12-1 SmartPortマクロを表示するコマンド
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show parser macro |
設定されたすべてのマクロを表示します。 |
show parser macro name macro-name |
特定のマクロを表示します。 |
show parser macro brief |
設定されたマクロ名を表示します。 |
show parser macro description [ interface interface-id ] |
すべてのインターフェイスまたは特定のインターフェイスに関するマクロの説明を表示します。 |