アドホック会議には、次の 2 つのタイプがあります。

• ハードウェアベース

• ソフトウェアベース

  （注）	アドホックソフトウェア会議の詳細については、「アドホックソフトウェア会議」を参照してください。

アドホック会議では、会議開催者または参加者が新しい参加者を会議に追加できます。アドホック会議は、ある参加者が別の参加者に電話をかけた後に、どちらかの参加者が、もう一人の参加者を追加して、会議することを決断した時に作成されます。したがって、アドホック会議は事前に決定されるのではなく、その場で作成される電話会議です。Unified Cisco Mobility Express リリース 11.7 以降、Cisco 4000 シリーズ サービス統合型ルータはアドホック会議をサポートします。

ハードウェアアドホック会議は、最低 3 名、最大 8 名の参加者による会議です。ハードウェアベースのアドホック会議はデジタルシグナルプロセッサ（DSP）を使用して、ソフトウェアベースのアドホック会議よりも多くの参加者に対応可能で、Join and Conference Participant List（ConfList）などの追加機能があります。Unified Cisco Mobility Express は、利用可能な DSP リソースを使用して、会議ブリッジを管理します。

Unified Cisco Mobility Express でホストされるアドホックハードウェア会議の場合

• 会議ホスト用のプレースホルダディレクトリ番号構成として ephone-dn を構成する必要があります。

• Unified Cisco Mobility Express 11.7 以降では、LTI ベースのトランスコーディング用に追加の DSP リソースを構成することなく、さまざまなコーデックを持つ会議参加者（回線またはトランク）を会議ブリッジに追加できます。詳細については、ローカル トランスコーディング インターフェイス（LTI）ベースのトランスコーディングを参照してください。

• 最低 3 人の参加者が会議に参加すると会議ブリッジが確立され、参加者が 2 人だけの場合はポイントツーポイント通話になります。

• アドホック会議は、SIP 展開と SCCP 電話機の混合展開をサポートします。

• アドホック会議は、ITSP または SIP トランク外部パーティをサポートします。

• アドホック会議では、参加者が会議に参加したときに参加トーンを再生し、参加者が会議から退出したときに退出トーンを再生する機能がサポートされています。

• Unified Cisco Mobility Express（Cisco 4000 シリーズ サービス統合型ルータ）で 2 者間でトランスコードされた通話中に、LTI ベースのトランスコーディングが呼び出されます。2 者間通話がアドホック会議の場合、LTI ベースのトランスコーディングが解放され、SCCP ベースの DSP 会議が呼び出されます。

• 会議用に挿入された DSP は、オーディオ ストリームのトランスコーディングとミキシングの両方を処理します。

• Unified Cisco Mobility Express 4.1 以前では、アドホック会議のサポートは 3 人の参加者に制限されており、すべての参加者は G.711 コーデックを使用していました。

• アドホック会議でサポートされる参加者の数を定義するには、dspfarm 構成モードで max-participant を構成する必要があります。

• ハードウェアベースのマルチパーティ会議ブリッジは、ビデオ電話をサポートしていません。参加者がビデオ対応電話機で会議に参加する場合、その電話機の発信者は、オーディオのみの参加者として会議に接続されます。

• 参加者が会議で通話を保留にしても、会議の他の参加者は接続されたままになります。Resume ソフトキーは、共有回線上の他の進行中リモート使用中の通話には表示されません。通話を保留にした参加者のみが通話を再開できます。

• ハードウェア電話会議でサポートできる会議の最大数は 8 に制限されています。

• 会議の参加者に異なるコーデックが構成されている場合でも、アドホックハードウェア会議をセットアップできます。

• トランスコーダは、ポイントツーポイント通話のときに呼び出され、会議がセットアップされると解放されます。会議ブリッジはコーデックミキシングを実行します。

• トランスコーディングをサポートするには、dspfarm を構成する必要があります。

  
  	enable
  	configure terminal
  	dspfarm profile tag transcode universal
  	codec codec_type
  	maximum sessions <1-40>
  	associate application CUBE
  	no shutdown
  	end

アドホックハードウェア会議を作成する方法はいくつかあります。たとえば、次のように、Unified Cisco Mobility Express でアドホック会議を構成できます。

• 会議作成者のみが、会議に参加者を追加できます。

• すべての参加者は、新しい参加者を会議に追加できます（アドホック会議のデフォルトの動作）。

• 作成者が電話を切ると、会議は切断されます。

• 最後のローカルパーティが電話を切ると、会議は切断されます。

• アドホック会議終了のデフォルトの動作では、3 人の参加者が会議に残っている場合、会議は切断されません。作成者が電話を切るかどうかは関係ありません。

同時会議の最大数は、Cisco Unified Cisco Mobility Express ルータごとに異なり、各 Cisco Unified IP Phone は一度に最大 1 つの会議をホストできます。既存の会議を保留中は、新しい会議は作成できません。

SIP および SCCP 電話機のアドホックまたは Meet Me 会議の構成については、 「 アドホックまたは Meet Me ハードウェア会議の構成」を参照してください。

Meet会議は、Meet Me 番号をダイヤルした 3 名以上の参加者で構成されます。。この数は、システム管理者によって事前に決定されます。したがって、参加者は、会議に参加してもらうために別の参加者にダイヤルする必要はありません。会議の主催者は、電話機の MeetMe ソフトキーを使用して、指定の会議番号をダイヤルし、会議を開始します。他の参加者は、会議の主催者が会議を開始した場合にのみ会議に参加できます。

たとえば、シンプルな Meet Me 会議のシナリオ で表示されている会議が、内線 1215 の会議作成者が MeetMe ソフトキーを押して確認音を聞き、Meet Me 会議番号 1500 にダイヤルしたときに作成されます。内線番号 1225 と 1235 が 1500 をダイヤルすると、Meet Me 会議に参加できます。これで内線番号 1215、1225、および 1235 が内線番号 1500 の Meet Me 会議の参加者になります。

Unified Cisco Mobility Express での Meet Me 会議の場合

• Meet Me 会議は、ハードウェアベースの会議としてのみサポートされています。

• ソフトウェアベースの会議を構成する場合は、Meet Me 会議をホストできません。

• 同じディレクトリ番号を使用する octo-line 構成の複数の ephone-dn に対して Meet Me 会議を構成した場合、最大 32 名が参加できます。参加者のサポートは、DSP リソースの構成に基づいています。

• Meet Me 会議の場合は、会議の最大参加者数を、実際の最大数 32 よりも少なく構成することができます。詳細については、DSP ファームプロファイルの構成を参照してください。

• octo-line ephone ディレクトリ番号使用する場合、8 人の Meet Me 会議では、必要なディレクトリ番号は 1 つのみです。したがって、参加者が 32 人の場合は、4 つの ephone octo-line ディレクトリ番号が必要です。

• 会議開始者は、会議番号にダイヤルする前に、MeetMe ソフトキーを押します。別の Meet Me 参加者（回線またはトランク）は、会議番号をダイヤルして会議に参加します。

• 参加者の 1 人が電話を切るのを忘れている場合など、Meet Me 会議に残っている参加者が 1 人のみの場合は、5 分後に電話会議が切断されて、システムリソースが解放されます。

• 作成者が会議に参加する参加者を待っており、その会議の参加者が作成者のみの場合は（つまり、会議に 1 人しか参加者がいない）、多くのリソースが使用サーバーれていないため。会議は切断されます。

• Meet Me 会議に残っている参加者が 1 人の場合は、システムリソースを解放するために、5 分後に会議通話が切断されます。

• G.711 コーデック会議ブリッジを使用した 1 つの会議の最大参加者数は 32 人です。G.729 コーデック会議ブリッジを使用した 1 つの会議の場合、参加者の最大数は 16 人です。

• 通話を保留にする会議側に保留音（MOH）が構成されている場合、MOH は、別の会議では再生されません。これは、他の参加者が通話中であるためです。

SIP および SCCP 電話機のアドホックまたは Meet Me 会議の構成については、 「アドホックまたは Meet Me ハードウェア会議の構成 」を参照してください。

Connected Conference は、Unified Cisco Mobility Express をサポートして、接続済み通話状態の電話機の会議をホストします。SIP 電話機の接続済み通話シナリオでは、電話機の回線が通話進行中です。他の回線は保留状態です。[接続済み会議（Connected conference）] 機能を使用すると、保留中の通話の 1 つを進行中の通話に参加させることができます。

（注）	[接続済み会議（Connected conference）] 機能を電話機で機能させるには、Unified Cisco Mobility Express でアドホックハードウェア会議を有効にする必要があります。 [接続済み会議（Connected conference）] 機能をサポートしているのは、Cisco IP Phone 7800 Series および Cisco IP Phone 8800 Series だけです。

SIP 電話機では、一度に 1 つの保留中通話だけが進行中の通話に参加できます。SIP 電話機の他の回線が会議に参加する必要がある場合は、一度に 1 つずつ参加できます。

（注）	[接続済み会議（Connected conference）] 機能は、最大 8 人の参加者をサポートします。

Cisco Unified Cisco Mobility Express リリース 11.7 以降、[接続済み会議（Connected conference）] 機能は SIP 電話機でもサポートされます。この機能強化の一環として、Unified Cisco Mobility Express では、SIP 電話用の新しいソフトキーである Active calls が導入されました。

[接続済み会議（Connected conference）] 機能の場合、動作は Cisco IP Phone 7800 Series と Cisco IP Phone 8800 Series で異なります。Cisco IP Phone 7800 Series は、[接続済み会議（Connected conference）] 機能に回線キーを使用します。ただし、Cisco IP Phone 8800 Series は、Active calls ソフトキーを使用します。

Cisco IP Phone 8800 Series で接続された会議を呼び出す手順は次のとおりです。

1. 電話機 A（Cisco IP Phone 8800 Series）からの通話に、電話機 B が応答します。

2. 電話機 A は電話機 B との通話を保留にします。

3. 電話機 A が電話機 C に別の通話を発信し、その通話に電話機 C が応答します。

4. 電話機 A で Conference ハードボタンまたはソフトキーを押します。

5. 次に、電話機 A の Active calls ソフトキーを押して、オプションの電話機 B を選択します。

6. 上記の手順を繰り返して、会議にさらに参加者を追加します。

Cisco IP Phone 8800 Series の電話機 A、電話機 B、および電話機 C 間で接続された会議が確立されます。

Cisco IP Phone 7800 Series で接続された会議を呼び出す手順は次のとおりです。

1. 電話機 A（Cisco IP Phone 7800 Series）からの通話に電話機 B が応答します。

2. 電話機 A は電話機 B との通話を保留にします。

3. 電話機 A が電話機 C に別の通話を発信し、その通話に電話機 C が応答します。

4. 電話機 A の回線キーを使用して、オプションの電話機 B を選択します。

5. 前の手順を繰り返して、会議にさらに参加者を追加します。

Cisco IP Phone 7800 Series IP Phone A、Phone B、および Phone C 間で接続された会議が確立されます。

（注）	Cisco IP Phone 8800 Series で [接続済み会議（Connected Conference）] 機能 をサポートする電話機ファームウェアファイルは、次の Unified Cisco Mobility Express リリースまで使用できません。したがって、SIP 電話の [接続済み会議（Connected Conference）] 機能サポートは、Unified Cisco Mobility Express Release 11.7 の Cisco IP Phone 7800 Series に限定されます。

cBarge を使用すると、ディレクトリ番号を共有する複数の電話ユーザーが、ソフトキーを押すことにより、共有回線上の進行中の通話に参加できます。 cBarge は、Unified Cisco Mobility Express でハードウェア会議を呼び出すことにより、会議を促進します。会議の開始者が通話に割り込むと、Unified Cisco Mobility Express でハードウェア会議が作成されます。会議は、割り込んだ開始者、信側 および通話に接続済みの別の通話者間で作成されます。

cBarge をサポートする場合

• ハードウェア会議の有効化

• プライバシーの無効化

ハードウェア会議が無効になっている場合、cBarge ソフトキーは割り込みを呼び出します。割り込みは、対象の電話機（割り込まれる電話機）上の組み込み会議ブリッジを使用します。よって、割り込み会議は、最大 3 名までをサポートします。より多くの参加者をサポートする必要がある場合は、cBarge を構成します。

（注）	cBarge ソフトキーを構成した場合でも、電話機のソフトキー表示は Barge です。

Unified Cisco Mobility Express の会議ブリッジでの cBarge 構成は、次の点を除いて、アドホックハードウェア会議と同じです。

• リモート使用状態の電話機で cBarge ソフトキーを有効にする構成。

• voice register global で no privacy を構成します。

使用中の電話機の cBarge ソフトキーを有効化するソフトキーテンプレートを構成します。

       enable
	configure terminal
	voice register template <template-tag>
	    softkeys remote-in-use {[ Barge ] [ Newcall ] [ cBarge ]}
	exit

ソフトキーテンプレートをプールに関連付けるには：

	voice register pool <phone-tag>
	    template <template-tag>
	end

privacy を無効にし、voice register global 構成モードで conference hardware を有効にします。

	voice register global
	    no privacy
	    conference hardware                                   
	    create profile
	    reset
	end

割り込みと cBarge については、「割り込みと C 割り込み」を参照してください。

アドホックソフトウェア会議は、ビルトインブリッジ（BIB）会議とも呼ばれます。アドホックソフトウェア会議は、会議をサポートするために Unified Cisco Mobility Express ハードウェアに依存しません。会議ブリッジをホストする電話機の conferencing ソフトキーを押して、アドホックソフトウェア会議を有効にします。アドホックソフトウェア会議では、会議をホストする電話機も、オーディオミキシングを実行します。

Conference ソフトキーを使用したアドホック ソフトウェア会議 で示す会議は、内線番号 1215 が内線番号 1225 にダイヤルした際に作成されます。2 人の参加者が、3 人目の参加者（内線 1235）を参加させることを決めます。これで、内線 1215、1225、および 1235 がアドホック会議の参加者になります。内線番号 1215 が会議作成者です。したがって、オーディオミキシングは 1215 で発生します。

ソフトウェアベースのアドホック会議の場合

• 参加人数は 3 名までに制限されます。

• オーディオミキシングに Unified Cisco Mobility Express ハードウェアまたは DSP リソースは必要ありません。

• 会議をホストする電話機は、オーディオミキシングを実行します。

• ソフトウェアベースの電話会議では、トランスコーディングはサポートされていません。したがって、異なるオーディオコーデックを使用した通話に対してソフトウェア会議をホストすることはできません。

ソフトウェア会議は、Unified IP Phone のソフトキーを使用して有効にします。ソフトキーは、使用する電話機のモデルによって異なります。 confrn と Conference は、Unified IP Phone のソフトウェア会議の一般的なソフトキーの一部です。

ソフトウェア会議を構成するには、Unified Cisco Mobility Express でハードウェア会議を無効にする必要があります。

• ハードウェア会議を無効にするには、SCCP 電話機用に telephony service の no conference hardware を、SIP 電話機用に voice register global の no conference hardware を構成します。

• また、 voice register global で create profile を、telephony-service 構成モードで create cnf-files を構成する必要があります。