電話機ファームウェア ファイルは、電話機の表示と動作を可能にするコードを提供します。これらのファイルは、電話タイプおよびプロトコル、SIP か SCCP かによって固有で、定期的に改訂されます。電話タイプ、使用しているプロトコル、サイトの Cisco Unified CME
のバージョンに合った適切な電話機ファームウェアを使用していることを確認する必要があります。
Cisco から出荷される新しい IP Phone には、デフォルトの工場出荷時 SCCP イメージが付属しています。IP Phone がコンフィギュレーション プロファイルをダウンロードするとき、電話機は、コンフィギュレーション プロファイルに記述されている電話機ファームウェアと、電話機にインストールされているファームウェアを比較します。ファームウェア
バージョンが、現在電話機にロードされているバージョンと異なる場合、電話機は TFTP サーバに新しい電話機ファームウェアへのアップグレードを問い合わせ、Cisco Unified CME に登録する前に新しいファームウェアをダウンロードします。
通常、電話機ファームウェア ファイルは、ダウンロードした Cisco Unified CME ソフトウェア アーカイブに含まれています。ソフトウェア ダウンロード Web サイトに、個別のファイルまたはアーカイブとしてポストされることもあります。
SCCP および SIP IP Phone に対応した Cisco 電話機ファームウェアの以前のバージョンのファイル名は、次のようになっていました。
どちらの場合も、x はメジャー バージョンを表し、y はマイナー バージョンを表します。3 文字目はプロトコルを表します。「0」は SCCP、「S」は SIP です。
最近のバージョンでは、次の表記法を使用しています。
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SCCP ファームウェア:P003xxyyzzww。x はメジャー バージョン、y はマイナー サブバージョン、z はメンテナンス バージョン、w はメンテナンス サブバージョンをそれぞれ表します。
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SIP ファームウェア:P0S3-xx-y-zz。x はメジャー バージョン、y はマイナー バージョン、z はサブバージョンをそれぞれ表します。
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ファイル名の 3 文字目 — プロトコルを表します。「0」は SCCP、「S」は SIP です。
一般的なガイドラインの例外があります。Cisco ATA 用は、ファイル名の先頭が AT です。Cisco Unified IP Phone 7002、7905、7912 用は、ファイル名の先頭が CP の場合があります。
一部の電話タイプでは、電話機ファームウェアの署名付きバージョンと署名なしバージョンを使用できます。署名付きバイナリ ファイルはイメージ認証をサポートし、システムのセキュリティが向上します。お使いの Cisco Unified CME のバージョンでサポートされている場合は、署名付きバージョンを推奨します。署名付きバイナリ
ファイルのファイル拡張子は .sbn で、署名なしファイルのファイル拡張子は .bin です。
Cisco Unified IP Phone 7911、7941、7941GE、7961、7961GE、7970、7971 など、Java ベースの IP Phone の場合、ファームウェアは JAR ファイルおよびトーン ファイルを含む複数のファイルで構成されます。各電話タイプのすべてのファームウェア
ファイルは、TFTP サーバにダウンロードしてから、電話機にダウンロードする必要があります。
次に、Cisco Unified IP Phone 7911 のフラッシュ メモリにインストールされている電話機ファームウェアのリストの例を示します。
tftp-server flash:SCCP11.7-2-1-0S.loads
tftp-server flash:term06.default.loads
tftp-server flash:term11.default.loads
tftp-server flash:cvm11.7-2-0-66.sbn
tftp-server flash:jar11.7-2-0-66.sbn
tftp-server flash:dsp11.1-0-0-73.sbn
tftp-server flash:apps11.1-0-0-72.sbn
tftp-server flash:cnu11.3-0-0-81.sbn
ただし、Cisco Unified CME を設定するときは、イメージ ファイルのファイル名だけを指定します。Java ベースの IP Phone では、イメージ ファイル名に次の表記法が使用されます。
次に、Cisco Unified IP Phone 7911 が適切な SCCP ファームウェアをフラッシュ メモリからダウンロードできるように、Cisco Unified CME を設定する方法の例を示します。
Router(config)# telephony-service
Router(config-telephony)#load 7911 SCCP11.7-2-1-0S
表 1 に、ファームウェア名の表記法の例をアルファベット順に示します。
表 1. ファームウェア名の表記法
SCCP 電話機
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SIP 電話機
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イメージ
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バージョン
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イメージ
|
バージョン
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P00303030300
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3.3(3)
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P0S3-04-4-00
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4.4
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P00305000200
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5.0(2)
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P0S3-05-2-00
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5.2
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P00306000100
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6.0(1)
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P0S3-06-0-00
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6.0
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SCCP41.8-0-4ES4-0-1S
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8.0(4)
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SIP70.8-0-3S
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8.0(3)
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TERM41.7-0-3-0S
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7.0(3)
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各電話機タイプおよび Cisco Unified Cisco Mobility Express バージョンの電話機ファームウェアファイル名は、「Cisco Cisco Mobility Express ファームウェア、プラットフォーム、メモリ、音声製品」で入手できる該当する文書に記載されています。
ファームウェアファイルのインストールについては、「Cisco Unified Cisco Mobility Express ソフトウェアのインストール」を参照してください。
バージョン間のアップグレードまたは SCCP と SIP 間の変換を行う際の Cisco Unified Cisco Mobility Express の構成については、「Cisco Unified Cisco Mobility Express ソフトウェアのインストールとアップグレード」を参照してください。