LMI
ローカル管理インターフェイス(LMI)プロトコルは、PVC の追加、削除、およびステータスをモニタリングします。また、フレームリレーのユーザネットワーク インターフェイス(UNI)を構成するリンクの完全性も検証します。
フレームリレー インターフェイスは、UNI で次のタイプの LMI をサポートします。
• ANSI-ANSI T1.617 Annex D
• Q.933-ITU-T Q.933 Annex A
• シスコ
インターフェイスで使用する LMI タイプを設定するには、frame-relay lmi-type コマンドを使用します。
(注) 使用する LMI タイプは、メイン インターフェイスに設定されている PVC と対応している必要があります。フレームリレー接続の両エンドの LMI タイプは一致する必要があります。
使用しているルータが別の非フレームリレー ルータに接続するスイッチとして機能する場合、frame-relay intf-type dce コマンドを使用して、データ通信機器(DCE)をサポートする LMI タイプを設定します。
ルータがフレームリレー ネットワークに接続している場合、frame-relay intf-type dte コマンドを使用して、データ端末装置(DTE)をサポートする LMI タイプを設定します。
(注) DTE インターフェイスでは、デフォルトで LMI タイプの自動検知がサポートされています。
システムのフレーム リレー インターフェイスの情報と統計情報を表示するには、 show frame-relay lmi および show frame-relay lmi-info コマンドを EXEC モードで使用します。( type および interface-path-id 引数を指定するとき、メイン インターフェイスの情報を指定する必要があります)。エラーしきい値、イベント数とポーリング検証タイマーを変更し、フレーム リレー インターフェイスのモニタおよびトラブルシューティングを実行する際に役立つ情報を収集する show frame-relay lmi コマンドを使用できます。
LMI のタイプが cisco (デフォルトの LMI タイプ)である場合、1 つのインターフェイスでサポートできる PVC の最大数は、メイン インターフェイスの MTU サイズに関連しています。カードまたは SPA でサポートされる PVC の最大数を計算するには、次の公式を使用します。
(MTU - 13)/8 = PVC の最大数
cisco LMI で設定した POS PVC でサポートされる PVC のデフォルトの数は 557 です。また、 cisco LMI で設定したシリアル PVC でサポートされる PVC のデフォルトの数は 186 です。
シスコ製ではない LMI タイプの場合、単一のメイン インターフェイスで最大 992 PVC がサポートされます。
(注) 特定の LMI タイプをインターフェイスに設定する場合、no frame-relay lmi-type [ansi | cisco | q933a] コマンドを使用して、インターフェイスをデフォルトの LMI タイプに戻します。
表 24 は、DCE 用に設定した PVC で LMI ポーリング オプションを変更するときに使用できるコマンドです。
表 24 DCE の LMI ポーリング コンフィギュレーション コマンド
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Sets the error threshold on a DCE interface. |
lmi-n392dce threshold |
3 |
Sets the monitored event count. |
lmi-n393dce events |
4 |
Sets the polling verification timer on the DCE end. |
lmi-t392dce seconds |
15 |
表 25 は、DTE 用に設定した PVC で LMI ポーリング オプションを変更するときに使用できるコマンドです。
表 25 DTE の LMI ポーリング コンフィギュレーション コマンド
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Set the number of Line Integrity Verification (LIV) exchanges performed before requesting a full status message. |
lmi-n391dte polling-cycles |
6 |
Sets the error threshold. |
lmi-n392dte threshold |
3 |
Sets the monitored event count. |
lmi-n393dte events |
4 |
Sets the polling interval (in seconds) between each status inquiry from the DTE end. |
frame-relay lmi-t391dte seconds |
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マルチリンク フレーム リレーの設定の概要
マルチリンク フレームリレー インターフェイスは、インターフェイスでフレームリレーのカプセル化を可能にするマルチリンク バンドルの一部です。マルチリンク フレームリレー インターフェイスを作成するには、次のコンポーネントを設定します。
• MgmtMultilink コントローラ
• フレームリレーのカプセル化を可能にするマルチリンク バンドル インターフェイス
• バンドル ID 名
• マルチリンク フレームリレー サブインターフェイス
• バンドル インターフェイスの帯域幅クラス
• シリアル インターフェイス
MgmtMultilink コントローラ
次のコマンドを使用して、コントローラのマルチリンク バンドルを設定します。
controller MgmtMultilink rack / slot / bay / controller-id
bundle bundleId
この設定で、汎用マルチリンク バンドルのコントローラが作成されます。コントローラ ID 番号はコントローラ チップのゼロベース インデックスです。現在、マルチリンク フレームリレーをサポートする SPA には、1 ベイごとに 1 コントローラしかないため、コントローラの ID 番号は常にゼロ(0)です。
マルチリンク バンドル インターフェイス
マルチリンク バンドルを作成した後は、次のコマンドを使用して、フレームリレーのカプセル化を可能にするマルチリンク バンドル インターフェイスを作成します。
interface multilink interface-path-id
encapsulation frame-relay
この設定で、マルチリンク バンドル インターフェイスにマルチリンク フレームリレー サブインターフェイスを作成できます。
(注) マルチリンク バンドル インターフェイス上のカプセル化をフレームリレーに設定した後は、マルチリンク バンドルに関連付けられたメンバー リンクがインターフェイスにある場合、カプセル化は変更できません。
バンドル ID 名
(注) バンドル ID 名は、フレームリレー フォーラム 16.1(FRF 16.1)でのみ設定できます。
バンドル ID( bid )名は、インターフェイスの両エンドポイントのバンドル インターフェイスを識別します。バンドル ID 名は、一貫したリンクの割り当てを確保するために情報要素で交換されます。
デフォルトで、インターフェイス名(たとえば Multilink 0/4/1/0/1)がバンドル ID 名として使用されます。ただし、オプションで frame-relay multilink bid コマンドを使用して名前を作成することもできます。
(注) デフォルトの名前を使用するか、frame-relay multilink bid コマンドを使用して名前を作成するかにかかわらず、各バンドルに固有の名前を指定することを推奨します。
バンドル ID 名の長さは、ヌルの終端文字を含めて 50 文字までです。バンドル ID 名はバンドル インターフェイス レベルで設定され、各メンバー リンクに適用されます。
バンドル ID 名を設定するには、次のコマンドを使用します。
interface multilink interface-path-id
frame-relay multilink bid bundle-id-name
マルチリンク フレームリレー サブインターフェイス
マルチリンク フレームリレー サブインターフェイスを設定するには、次のコマンドを使用します。
interface multilink interface-path-id[ . subinterface { l2transport | point-to-point }]
1 つのマルチリンク バンドル インターフェイスには最大 992 サブインターフェイスを設定できます。
(注) サブインターフェイス レベルで特定のフレームリレー インターフェイス機能を設定します。
マルチリンク フレームリレー サブインターフェイス機能
次のコマンドは、マルチリンク フレームリレー バンドル サブインターフェイスで特定の機能を設定するために使用できます。
• mtu MTU size
• description
• shutdown
• bandwidth bandwidth
• service-policy { input | output} policymap-name
(注) service-policy コマンドを入力すると、ポリシー マップをマルチリンク フレームリレー バンドル サブインターフェイスに付加できるようになりますが、フレームリレー PVC コンフィギュレーション モードで次の操作を実行する必要があります。詳細については、「マルチリンク フレーム リレー バンドル インターフェイスの設定」を参照してください。
バンドル インターフェイスの帯域幅クラス
(注) 帯域幅クラスは、マルチリンク バンドル インターフェイスでのみ設定できます。
マルチリンク フレームリレー インターフェイスでは、3 タイプの帯域幅クラスのいずれかを設定できます。
• a -- 帯域幅クラス A
• b -- 帯域幅クラス B
• c -- 帯域幅クラス C
帯域幅クラス A を設定し、1 つまたは複数のメンバー リンクがアップ(PH_ACTIVE)の場合、バンドル インターフェイスもアップで、BL_ACTIVATE がフレームリレー接続にシグナリングされます。すべてのメンバー リンクがダウンの場合、バンドル インターフェイスはダウンで、BL_DEACTIVATE がフレームリレー接続にシグナリングされます。
帯域幅クラス B を設定し、すべてのメンバー リンクがアップ(PH_ACTIVE)の場合、バンドル インターフェイスはアップで、BL_ACTIVATE がフレームリレー接続にシグナリングされます。いずれかのメンバー リンクがダウンの場合、バンドル インターフェイスはダウンで、BL_ACTIVATE がフレームリレー接続にシグナリングされます。
帯域幅クラス C を設定する場合、バンドルのリンクのしきい値を 1 ~ 255 に設定する必要があります。このしきい値は、バンドル インターフェイスをアップにするため、およびフレームリレー接続に BL_ACTIVATE をシグナリングするために必要な、アップ(PH_ACTIVE)にするリンクの最小数です。アップ状態のリンク数がこのしきい値未満の場合、バンドル インターフェイスがダウンになり、BL_DEACTIVATE がフレームリレー接続にシグナリングされます。しきい値に 1 を入力した場合の動作は、帯域幅クラス A と同じです。アップ状態のメンバー リンク数よりも多いしきい値を入力すると、バンドルはダウンのままです。
フレームリレー マルチリンク バンドル インターフェイスの帯域幅クラスを設定するには、次のコマンドを使用します。
interface multilink interface-path-id
frame-relay multilink bandwidth-class { a | b | c [ threshold ]}
デフォルトは a(帯域幅クラス A)です。
シリアル インターフェイス
T3 コントローラと T1 コントローラを設定した後は、マルチリンク フレームリレー バンドル サブインターフェイスにシリアル インターフェイスを追加できます。この場合、シリアル インターフェイスを設定し、マルチリンク フレームリレー(mfr)としてカプセル化し、それをバンドル インターフェイス(マルチリンク グループ番号によって指定されます)に割り当て、リンクの名前を設定します。MFR 確認応答タイムアウト値、再送信の再試行回数および hello 間隔もバンドル リンクに対して設定できます。
マルチリンク フレームリレー シリアル インターフェイスを設定するには、次のコマンドを使用します。
interface serial rack/slot/module/port/t1-num:channel-group-number
encapsulation mfr
multilink group group number
frame-relay multilink lid link-id name
frame-relay multilink ack ack-timeout
frame-relay multilink hello hello-interval
frame-relay multilink retry retry-count
(注) MFR バンドルのすべてのシリアル リンクは、マルチリンク インターフェイスの mtu コマンドの値を継承します。そのため、MFR バンドルのメンバーとして設定する前に、シリアル インターフェイスで mtu コマンドを設定しないでください。デフォルト以外の MTU 値を設定している場合、MFR バンドルのメンバーとしてシリアル インターフェイスを設定しようとすると、Cisco IOS XR ソフトウェアによってブロックされます。また、MFR バンドルのメンバーとして設定されているシリアル インターフェイスの mtu コマンド値を変更しようとした場合もブロックされます。
show コマンド
マルチリンク フレームリレー シリアル インターフェイスの設定を検証するには、次の show コマンドを使用します。
show frame-relay multilink location node id
show frame-relay multilink interface serial interface-path-id [ detail | verbose ]
次の例は、 show frame-relay multilink location コマンドの表示出力です。
RP/0/RSP0/CPU0:router# show frame-relay multilink location 0/4/cpu0
Member interface: Serial0/4/2/0/9:0, ifhandle 0x05007b00
HW state = Up, link state = Up
Member of bundle interface Multilink0/4/2/0/2 with ifhandle 0x05007800
Bundle interface: Multilink0/4/2/0/2, ifhandle 0x05007800
Member Links: 4 active, 0 inactive
State = Up, BW Class = C (threshold 3)
Serial0/4/2/0/12:0, HW state = Up, link state = Up
Serial0/4/2/0/11:0, HW state = Up, link state = Up
Serial0/4/2/0/10:0, HW state = Up, link state = Up
Serial0/4/2/0/9:0, HW state = Up, link state = Up
Member interface: Serial0/4/2/0/10:0, ifhandle 0x05007c00
HW state = Up, link state = Up
Member of bundle interface Multilink0/4/2/0/2 with ifhandle 0x05007800
Member interface: Serial0/4/2/0/11:0, ifhandle 0x05007d00
HW state = Up, link state = Up
Member of bundle interface Multilink0/4/2/0/2 with ifhandle 0x05007800
Member interface: Serial0/4/2/0/12:0, ifhandle 0x05007e00
HW state = Up, link state = Up
Member of bundle interface Multilink0/4/2/0/2 with ifhandle 0x05007800
次の例は、コマンドの表示出力です。
RP/0/RSP0/CPU0:router# show frame-relay multilink interface serial 0/4/2/0/10:0
Member interface: Serial0/4/2/0/10:0, ifhandle 0x05007c00
HW state = Up, link state = Up
Member of bundle interface Multilink0/4/2/0/2 with ifhandle 0x05007800