トラブルシューティングに関するガイドライン
次の項では、Cisco Unity Express の設定およびアプリケーションをトラブルシューティングするための情報や推奨事項を示します。
• 「システム レポート」
• 「ログ ファイル」
• 「ユーザとグループ」
• 「ハードウェアとソフトウェア」
• 「ボイスメール」
• 「メッセージ ウェイティング インジケータ(MWI)(Cisco Unified CME に限る)」
• 「自動受付プロンプト」
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システム レポート
Cisco Unity Express には、グラフィカル ユーザ インターフェイス(GUI)とコマンドライン インターフェイス(CLI)の両方で使用できる、次の情報を含むシステム レポートが用意されています。
• メールボックスおよびメッセージ統計情報
• メールボックス サイズ監視
• バックアップおよび復元履歴
• システム ハードウェア パラメータ
• メモリおよび CPU 使用量(CLI に限る)
• 通話履歴
ログ ファイル
症状 :GUI にログ ファイルが表示されません。
説明 ログ ファイルは、エラー報告およびトラブルシューティング用に保存されています。GUI には、システム エラー メッセージへのアクセス権がありません。
推奨処置
ログ ファイルを表示するには、CLI を使用します。
ユーザとグループ
症状 :GUI にアクセスできません。
説明 初期化ウィザードでシステム管理者の資格を入力しませんでした。
推奨処置 Cisco Unity Express EXEC モードで開始し、インストール後の作業中に作成した管理者のログイン ID を使用するか、次の CLI コマンドを使用して管理者のログイン ID を作成します。ここで、 user-id はユーザ ID で、 password はユーザのパスワードです。
a. cue-10-0-0-0# username user-id create
b. cue-10-0-0-0# username user-id password password
c. cue-10-0-0-0# config t
d. cue-10-0-0-0(config)# groupname Administrators member user-id
症状 :ユーザのパスワードまたは個人識別番号(PIN)を回復する必要があります。
説明 ユーザがパスワードまたは PIN を忘れました。
推奨処置 セキュリティ上の理由から、パスワードと PIN を画面上に表示したり、印刷したりすることはできません。新しいパスワードまたは PIN を作成し、その新しいコードをユーザに付与する必要があります。新しいパスワードまたは PIN を作成するコマンドについては、 グループの追加と変更を参照してください。
システムの再起動
症状 :Cisco Unity Express モジュールを再起動する場合、ルータを再起動する必要はありますか。
説明 Cisco Unity Express モジュールを再起動する場合、ルータを再起動する必要はありません。Cisco Unity Express モジュールとルータは、相互に独立して再起動できます。ただし、ルータを再起動すると、ルータとモジュール間で IP 接続が再び確立されるまで、通話がモジュールに到達しなくなります。
注意 データの損失やファイルの破損を避けるため、ルータの電源を再投入する際は必ず、事前にモジュールをシャットダウンしてください。Cisco Unity Express モジュールを正常にシャットダウンするには、
service-module service-engine
slot/port
shutdown コマンドを入力します。拡張 Cisco Unity Express モジュールを正常にシャットダウンするには、
service-module integrated service-engine
slot/unit
shutdown コマンドを入力します。
サマータイムの設定
症状 :サマータイムを設定する必要があります。
説明 Cisco Unity Express では、サマータイムはタイム ゾーンに基づいて自動的に設定されます。タイム ゾーンの設定は、インストール作業中に行うか、または [Administration] > [Network Time & Time Zone Settings] の GUI 画面で行います。
コンポーネント間の通信
症状: Cisco Unity Express モジュールでセッションを開始できません。
説明 モジュールに関連付けられた TTY 回線が占有されています。
推奨処置 TTY 回線をクリアするには、 service-module service-engine slot / port session clear コマンドを使用します。
症状: Cisco Unity Express CLI を使用して、IP アドレスまたは IP デフォルトゲートウェイ設定を変更または削除することができません。
説明 IP アドレスおよび IP デフォルトゲートウェイ設定は、Cisco IOS ソフトウェアで制御されます。
推奨処置 service-engine インターフェイスから、必要な変更を加えます。
症状: service-module コマンドが有効にならないようです。
説明 service-module のステータスが定常状態になっていない可能性があります。RBCP コンフィギュレーション メッセージが表示されるのは、service-module が定常状態にあるときだけです。
推奨処置 Cisco Unity Express モジュールをリロードするには、 service-module service-engine slot / port reload コマンドを使用します。
症状: IP unnumbered 方式の使用時に内部アドレスを ping できません。
説明 IP ルート テーブルが正しくありません。
推奨処置 IP unnumbered を使用する場合は、service-engine インターフェイスを指すスタティック ルートを追加します。
症状: ルータ側または Cisco Unity Express 側から端末回線の速度を設定できません。
説明 Cisco Unity Express には、速度を設定する CLI コマンドがありません。速度は、Cisco Unified Communications Manager 側と Cisco Unity Express 側の両方で 9600、8-N-1 に設定されています。Cisco IOS ソフトウェアでも速度設定を変更できますが、変更は有効になりません。
活性挿抜(OIR)
症状: ルータの Cisco Unity Express ネットワーク モジュールの Online Insertion and Removal(OIR; 活性挿抜)を行ったところ、正常に動作しないようです。
説明 OIR をサポートしているのは、Cisco 3745 ルータおよび 3845 ルータだけです。AIM では OIR は使用できません。
症状: Cisco 3745 で OIR を行ったところ、Cisco Unity Express ネットワーク モジュールが動作しません。
説明 OIR を行う前に、Cisco Unity Express ネットワーク モジュールをシャットダウンしておく必要があります。
推奨処置 OIR を行う際は、次の手順を実行する必要があります。
a. service-engine インターフェイスをシャットダウンします。
b. service-module service-engine slot / port shutdown コマンドを発行します。
c. ネットワーク モジュールがシャットダウンされたことが確認されるまで待機します。
d. OIR を続行します。
ログ ファイルの保存と表示
症状 :ログ ファイルをリモート ロケーションに格納したいのですが。
推奨処置 ログ ファイルは、デフォルト ロケーションであるディスク上に格納されます。ログ ファイルを別のサーバに格納するように Cisco Unity Express を設定できます。また、履歴用に格納する必要がある場合は、ディスク上のログ ファイルを別のサーバにコピーすることもできます。たとえば、コマンドは次のようになります。
copy log filename.log url ftp://ftp-user-id:ftp-user-passwd@ftp-ip-address/directory
se-10-0-0-0# copy log messages.log url ftp://admin:voice@172.168.0.5/log_history
症状 :GUI にログ ファイルの内容が表示されません。
説明 GUI にはログ ファイルを表示できません。トラブルシューティング用のコマンドおよびファイルを使用できるのは、CLI を使用した場合だけです。
推奨処置 Cisco Unity Express から外部サーバにログ ファイルをコピーし、 vi などのテキスト エディタを使用して内容を表示します。
コンフィギュレーションの変更の保存
症状 :GUI タイマーが期限切れになったときに、一部のコンフィギュレーション データが失われました。
説明 データの入力時に保存しませんでした。
推奨処置 GUI でコンフィギュレーションを変更するときは、タイマーによってシステムからログアウトされる前に、[Apply] アイコンを使用して、実行コンフィギュレーションの変更を保存します。タイマーによってログアウトされるときに、[Apply] アイコンを使用していなかった場合、変更は保存されません。
(注) タイマーの影響を受けるのは GUI だけで、CLI は影響を受けません。
症状 :システムを再起動したらコンフィギュレーション データが失われました。
説明 再起動する前にデータを保存しませんでした。
推奨処置 GUI で [Save Configuration] 操作を実行し、CLI で copy running-config startup-config コマンドを入力して、実行コンフィギュレーションからスタートアップ コンフィギュレーションに変更をコピーします。Cisco Unity Express を再起動すると、スタートアップ コンフィギュレーションがリロードされます。
(注) ボイスメール メッセージは、アプリケーション データと見なされて、ディスクに直接保存されるものであり、自動的にスタートアップ コンフィギュレーションに保存されます(停電に備える場合や新規にインストールする場合は、バックアップして別のサーバに保存する必要があります)。それ以外のコンフィギュレーションの変更をすべてスタートアップ コンフィギュレーションに保存するには、明示的に「Save Configuration」操作を実行する必要があります。
ボイスメール
症状 :エンベロープに「unknown caller」と表示されるメッセージをユーザが受信しました。
説明 Cisco Unity Express には、ボイスメールボックスを持つユーザの名前と内線番号が付いた Lightweight Directory Access Protocol(LDAP)ディレクトリがあります。メッセージが着信すると、Cisco Unity Express は発信者の ID(名前と内線番号)を LDAP ディレクトリ内のエントリと照合します。一致するものが見つかると、ユーザの名前または内線番号がメッセージのエンベロープに追加されます。
たとえば、Cisco Unified CME または Cisco Unified Communications Manager プラットフォームに設定されているユーザが Cisco Unity Express に設定されていない場合、Cisco Unity Express のディレクトリにはそのユーザのレコードがないため、発信者は「unknown caller」としてアナウンスされます。
推奨処置 ディレクトリで定義されていないプラットフォーム ユーザがある場合、プラットフォームと Cisco Unity Express データベースの同期をとることができます。
メッセージ ウェイティング インジケータ(MWI)(Cisco Unified CME に限る)
症状 :新しいバージョンの Cisco Unity Express にアップグレードしたところ、メールボックスにメッセージが残されても Message Waiting Indicator(MWI; メッセージ ウェイティング インジケータ)が点灯しなくなりました。
説明 アップグレード手順により、Session Initiation Protocol(SIP)サブシステムの IP アドレスが削除されます。
推奨処置 Cisco Unified CME ルータを指す SIP IP アドレスを再設定します。
自動受付プロンプト
症状 :カスタムの自動受付プロンプトが動作しません。
推奨処置 プロンプト形式が CCITT G.711 u-law、8kHz、8-bit、Mono になっていることを確認します。
ログおよびトレース ファイルの確認
フラッシュ メモリのログ ファイルおよびトレース ファイルを確認するには、Cisco Unity Express EXEC モードで show logs コマンドを使用します。
show logs
デフォルトでは、フラッシュ メモリへのログとトレースはオフになっています。log trace コマンドを実行すると、ただちにログ機能とトレース機能が起動します。
このコマンドにより、atrace.log ファイルと messages.log ファイルが表示されます。各ファイルは 10 MB の固定長で、この長さに達すると、トレースまたはログは自動的に停止します。古いファイルは新しいファイルで上書きされます。