システム全体でのメッセージ通知の設定
システム全体のメッセージ通知では、次の設定を使用します。
• 機能の有効化:メッセージ通知は、すべてのユーザおよびグループに対してデフォルトで無効になっています。機能の有効化は、システム全体、または特定のユーザまたはグループに対して行います。この機能は、メールボックスを持つすべてのユーザまたはグループで使用できます。
管理者がこの機能をシステム全体で初めて有効にした時点では、この機能はまだすべてのユーザおよびグループに対して無効になっています。特定のユーザまたはグループがメッセージ通知にアクセス可能な場合、管理者はそのユーザまたはグループに対してこの機能を個別に有効にできます。
機能をシステム全体で無効にすると、すべてのユーザおよびグループに対してこの機能が無効になります。ただし、システムはユーザおよびグループに対するデバイス設定を削除しません。機能が再び有効にされると、システムはユーザおよびグループに対する設定を、システム全体で無効にされる前の状態に復元します。
機能がシステム全体で有効な場合に、管理者が新しいユーザまたはグループを追加すると、そのユーザまたはグループに対してこの機能は無効になります。
この機能をシステム全体で有効にしたときに SMTP サーバが設定されていない場合、システムは電子メールおよび文字対応デバイスでの通知が機能しないことを示す、警告メッセージを生成します。
• 通知設定:管理者は、通知が送信されるメッセージのタイプ(すべてのメッセージまたは緊急メッセージ)を設定できます。デフォルトは緊急メッセージです。管理者は、特定のユーザまたはグループの設定を、システム全体の設定とは異なる値に変更できます。
システム全体の設定が「すべて」に設定されている場合、管理者は特定のユーザまたはグループの設定を「すべて」と「緊急」のどちらにも設定できます。システム全体の設定が「緊急」に設定されている場合、特定のユーザまたはグループの設定は「緊急」だけになります。
管理者がシステム全体の設定を「すべて」から「緊急」に変更すると、システムはすべてのユーザまたはグループに対する設定を「緊急」に変更します。
管理者がシステム全体の設定を「緊急」から「すべて」に変更した場合、システムは個別に設定されたユーザまたはグループの設定を変更しません。
• ボイス メッセージの添付:この設定では、電子メールの受信ボックスに送信される通知にボイス メッセージを添付することが許可されます。通知の添付はデフォルトで無効にされ、ボイス メッセージが通知電子メールに添付されません。管理者は、特定のユーザまたはグループの設定を、システム全体の設定とは異なる値に変更できます。
添付がシステム全体で有効になっている場合は、特定のユーザまたはグループの設定を有効または無効に変更できます。添付がシステム全体で無効になっている場合は、特定のユーザまたはグループの添付設定も無効になります。
この設定に関係なく、システムがプライベート メッセージを通知電子メールに添付することはありません。
管理者がこのシステム全体の設定を有効から無効に変更すると、システムはすべてのユーザまたはグループに対する設定を無効に変更します。
管理者がこのシステム全体の設定を無効から有効に変更した場合、システムは個別に設定されたユーザまたはグループの設定を変更しません。
• 接続タイムアウト:この変数は、システムが通話を切断し、通話失敗として処理するまでの、通知通話の接続を試行する秒数を指定します。このオプションを使用できるのは、電話機および数字用ポケットベルに対してだけです。値の範囲は 12 ~ 96 秒です。デフォルト値は 48 秒です。
• 発信中のボイスメールへのログイン:この変数は、通知通話に応答するときに、ボイスメールにログインすることをユーザに許可します。このオプションを使用できるのは、電話機だけです。
このオプションが有効な場合、システムはボイスメールにログインしてメッセージを取得するオプションをユーザに提供します。このオプションが無効な場合、システムは通知通話の切断前に通知プロンプトを 3 回実行します。システム デフォルトでは無効になっています。
• 通知メッセージのプレフィックス テキスト:管理者はこの設定を使用して、通知の前にシステム全体のメッセージを付加できます。このオプションは、Cisco Unity Express 8.0 以降のバージョンで使用可能です。
• 通知メッセージのサフィックス テキスト:管理者はこの設定を使用して、通知の後にシグニチャ メッセージを付加できます。このオプションは、Cisco Unity Express 8.0 以降のバージョンで使用可能です。
• 規制テーブル:規制テーブルは、ユーザがメッセージ通知の送信に使用可能な電話番号を制御します。この制限を使用できるのは、電話機および数字用ポケットベルだけです。
システムには事前定義済みのテーブルが用意され、管理者はそれを修正できます。このテーブルは、システム上のすべてのユーザおよびグループに適用されます。このテーブルの一般的な用途は、メッセージ通知での長距離番号および国際電話番号の使用防止です。
ユーザが電話機(携帯電話、自宅の電話、職場の電話など)および数字用ポケットベルに電話番号を割り当てたとき、および発信を行う前に、システムは規制テーブルをチェックします。電話番号がテーブルに制限対象としてリストされている場合、システムはユーザにメッセージを送信します。
ユーザがデバイスに設定済みの番号があり、後から管理者がその番号をシステム全体で制限した場合、その番号に通知通話が行われなくなります。管理者は、ユーザごとにその番号を削除する必要があります。
Cisco Unity Express には、次の 2 つの条件を定義したデフォルトの規制テーブルが用意されています。
– 電話番号で許可される、アクセス コードを含めた最小桁数と最大桁数。最小は 1 桁、最大は 30 桁です。デフォルトは 1 桁です。
– 制限された番号を表す、最大 10 文字のダイヤル ストリング。各ストリングは、ダイヤル パターン、およびそのパターンと一致する電話番号を制限するかどうかを指定する設定で構成されます。
有効なパターンには、0 ~ 9 の数字、アスタリスク(*)、およびドット(.)を使用できます。* は 0 個以上の桁との一致を示します。ドットは、1 桁分のプレースホルダになります。
有効な設定値は allowed または disallowed です。
ユーザがデバイスに割り当てる電話番号を設定または変更しようとすると、システムはその番号の桁数が許可されているかどうかを検証します。許可されていない場合、ユーザはシステム メッセージを受け取ります。
桁数が許容範囲の場合、システムはその番号を規制テーブル内の最初のパターン(設定 1)から順に、ダイヤル パターンと照合します。その番号が最初のパターンと一致しない場合、システムはテーブル内の次のパターン(設定 2)と照合し、一致するものが見つかるまで繰り返します。システムはダイヤル ストリングの指定に従って、通話を許可または制限します。
デフォルトの規制テーブルでは、 表 11 に示すようにすべての電話番号の使用が許可されています。
このパターンは、設定および許可だけを変更できます。
規制テーブルには、同じダイヤル パターンと許可設定を持つ同一のダイヤル ストリングを含めることができます。これには、デフォルト パターンが含まれます。テーブルに「 1 つ以上 」のデフォルト パターンが含まれている場合は、これらのダイヤル ストリングのいずれかを削除できます。
表 12 に、国際電話番号と制限番号のある規制テーブルを示します。
表 12 国際電話番号のある規制テーブル
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1 |
9011* |
いいえ |
2 |
91.......... |
いいえ |
3 |
* |
はい |
表 13 に、ある市外局番で 1 つの番号を許可し、その市外局番の他のすべての番号を制限する規制テーブルを示します。
表 13 制限された市外局番のある規制テーブル
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1 |
9011* |
いいえ |
2 |
912225550150 |
はい |
3 |
91222....... |
いいえ |
4 |
* |
はい |
• SMTP サーバの設定:ユーザの電子メールへの通知の送信、または文字対応デバイスへのテキスト メッセージの送信には、SMTP サーバが必要です。Cisco Unity Express がテキスト通知の送信に使用する外部 SMTP サーバを、管理者が設定する必要があります。SMTP サーバのアドレスは、ホスト名と IP アドレスのどちらでもかまいません。ホスト名を使用するには、DNS サーバが設定されていることを確認してください。
SMTP サーバで認証にユーザ ID とパスワードが必要な場合は、管理者が Cisco Unity Express ソフトウェア上でユーザ ID とパスワードを設定する必要があります。
• 発信電子メールの発信元アドレス:Cisco Unity Express から送信される電子メールおよび通知には、差出人フィールドにアドレス hostname@domain が表示されます。ここで、 hostname は Cisco Unity Express 用に設定されたホスト名、 domain は Cisco Unity Express 用に設定されたドメイン名です。管理者は、よりわかりやすい電子メール アドレスをこのフィールドで使用するように設定することができます。最大長は 128 文字です。
ユーザおよびデバイス固有の設定
ユーザは、Telephone User Interface(TUI; 電話ユーザ インターフェイス)、グラフィカル ユーザ インターフェイス(GUI)、または VoiceView Express を使用して、メッセージ通知の送信先となる電話機および数字用ポケットベルを指定できます。ユーザが、通知を受信する電子メールの受信ボックスまたは文字対応デバイスの設定に使用できるのは、GUI または VoiceView Express だけです。
管理者は、この項で説明する GUI、VoiceView Express、または CLI の手順を使用して、通知の受信用に任意のサポート済みデバイスを設定できます。
メッセージ通知の設定には、次の設定を使用できます。
• 電話番号:メールボックスに新しいメッセージを受信すると、システムはこの番号にダイヤルします。番号には数字の 0 ~ 9 だけを使用し、その他の文字や休止は使用できません。電話番号には、アクセス コードを含められます。
電子メールの受信ボックスと文字対応デバイスに対しては、この設定を使用できません。
電話番号が削除されると、そのデバイスが無効になります。
管理者は、どの電話番号をメッセージ通知用に許可するかを制御する、規制テーブルを設定します。規制テーブルの詳細については、システム全体でのメッセージ通知の設定を参照してください。
• 追加の番号:電話番号にダイヤル後に発信通話に応答があると、システムはこの番号をダイヤルします。この番号は、Cisco Unity Express から通話先デバイスに対する DTMF 番号として扱われます。
この番号のダイヤル結果は、通話先デバイスによって異なります。たとえば、数字用ポケットベルにはこの番号が表示されます。
追加の番号には、数字 0 ~ 9、ポンド記号またはハッシュ記号(#)、アスタリスク(*)、およびプラス記号(+)を使用できます。プラス記号は、1 秒間の休止の挿入に使用されます。追加の番号の最大長は 64 文字です。
電子メールの受信ボックスまたは文字対応デバイスに対しては、この設定を使用できません。
• 宛先:この設定は、メッセージ通知を受信する電子メールアドレスです。電子メール アドレスの最大長は 129 文字です。
この設定は、電子メールの受信ボックスと文字対応デバイスだけで使用できます。
電子メール アドレスが削除されると、そのデバイスが無効になります。
• テキスト:電子メールの本文、または文字対応デバイスのテキスト ページとして表示される、テキスト メッセージの内容です。メッセージの最大長は 128 文字です。
• 電子メールへの添付:この設定を有効にすると、メッセージ通知の電子メールに新しいボイス メッセージが .wav ファイルとして添付されます。.wav ファイルの形式は、G711 mu-law、8KHz 8 ビット、Mono です。
この設定は、電子メールの受信ボックスだけで使用できます。
この設定はデフォルトで無効となり、メッセージ通知にボイス メッセージが添付されません。
この設定に関係なく、システムがプライベート メッセージを通知電子メールに添付することはありません。
システム全体の添付設定は、ユーザまたはグループごとの設定よりも優先されます。管理者が、システム全体で電子メールの添付設定を無効にすると、ユーザが自分のデバイスに対して設定を有効にできなくなります。
管理者がこのシステム全体の設定を無効から有効に変更した場合、システムは個別に設定されたユーザまたはグループの設定を変更しません。
• デバイスの有効化:ユーザまたは管理者は、メッセージ通知を受信するデバイスを有効にする必要があります。電話機および数字用ポケットベルでは、正しい電話番号を有効にする必要があります。電子メールの受信ボックスおよび文字対応デバイスでは、正しい電子メール アドレスを有効にする必要があります。
管理者がシステム全体の設定を無効に変更すると、ユーザはすべてのデバイスを有効にできなくなります。ユーザがデバイスを有効にできるのは、システム全体の設定が有効になっている場合だけです。
• 通知設定:ユーザまたは管理者は、通知が送信されるメッセージのタイプ(すべてのメッセージまたは緊急メッセージ)を設定できます。デフォルトは緊急メッセージです。
システム全体の添付設定は、ユーザまたはグループごとの設定よりも優先されます。管理者がシステム全体の設定を「すべて」から「緊急」に変更すると、ユーザは自分のデバイスの設定を有効にできなくなります。
• 通知スケジュール:ユーザまたは管理者は、特定のデバイスに対して通知をアクティブにするスケジュールを設定できます。タイム スロットは曜日に関係なく 24 時間を使用でき、30 分単位で設定できます。
デフォルトのスケジュールは、月曜日から金曜日の午前 8:00 から午後 5:00 です。
デバイスが非アクティブのときに新規メッセージが届いた場合、次のアクティブなタイム スロットになったときにメッセージが「新規」状態であっても、システムは通知を送信しません。