Cisco Unity Express のネットワーキングの概要
Cisco Unity Express では、同一のルータまたはサーバ上に配置されていない Cisco Unity Express と Cisco Unity のボイスメール システム間でボイスメール メッセージのネットワーキングを可能にする Voice Profile for Internet Mail(VPIM)バージョン 2 プロトコルがサポートされています。ボイスメール システムは、Cisco Unified Communications Manager または Cisco Unified Communications Manager Express の通話制御プラットフォーム上に常駐できます。サポート対象となるボイスメールのネットワーク構成には、次のものがあります。
• Cisco Unity Express から Cisco Unity Express へ
• Cisco Unity Express から Cisco Unity へ
• Cisco Unity から Cisco Unity Express へ
Cisco Unity Express が各リモート ロケーションにインストールされ、設定されている必要があります。
Cisco Unity 4.0.4 がサポートされています。Cisco Unity に VPIM ネットワーキングを設定する必要があります。設定項目には、Cisco Unity のプライマリ ロケーションや、リモート Cisco Unity Express ロケーションの配信ロケーションなどがあります。詳細については、「その他のリファレンス」を参照してください。
リモート アドレス指定のタイプ
CiscoUnityExpress では、次のタイプのリモート アドレス指定がサポートされています。
• ブラインド アドレス
• 音声名の確認
ブラインド アドレス
ユーザは、リモート ロケーションの別のユーザにメッセージを送信できます。このロケーションは、ローカル(送信者の)システムで設定する必要があります。送信者は、リモート システムのロケーション ID と、リモート ロケーションでの受信者の内線番号を使用してメッセージをアドレス指定します。
リモート ユーザにメッセージを送信する場合、送信者には、受信者の名前または内線番号の確認は再生されません。これはブラインド アドレスです。
リモート ユーザの音声名の確認
管理者は、既存のリモート ロケーションのユーザに対して、ローカル Cisco Unity Express ディレクトリにユーザ ID と内線番号を割り当てることができます。また、管理者またはその他の特権ユーザは、Administration via Telephone(AvT)機能を使用して、これらのユーザの音声名を録音できます。
ローカル システムで vCard 情報が有効になっている場合は、着信する vCard 情報によって、ローカル システムのリモート ユーザ情報が更新されます。vCard 情報には、リモート ユーザの名、姓、および音声名が含まれることがあります。この情報は、Least Recently Used(LRU; 最低使用頻度)キャッシュに保存されます。
ローカル システムの送信者は、名前を入力してダイヤルするか、内線番号を入力してダイヤルすることにより、リモート ユーザに対してメッセージをアドレス指定できます。受信者の音声名を録音した場合、送信者には、確認として音声名が再生されます。受信者がローカル ディレクトリに存在せず、LRU キャッシュに存在する場合、送信者には確認として LRU キャッシュ情報が再生されます。リモート ユーザがディレクトリまたはキャッシュにない場合、送信者は受信者のロケーション ID と内線番号を受信します。
配信通知
Cisco Unity Express では、次のタイプのメッセージ配信通知がサポートされています。
• Non-Delivery Receipt(NDR)
• Delayed Delivery Receipt(DDR)
Non-Delivery Receipt(NDR)
6 時間を経過してもシステムからリモート サイトにメッセージを配信できない場合、ローカルの送信者は、メッセージが送信されなかったこと、またはメッセージが受信者のメールボックスに配信されなかったことを示す Non-Delivery Receipt(NDR; 不達確認)を受信します。
これは配信不能の理由を示しています。配信不能の理由が、受信者のメールボックスが一杯になっている、存在していない、または使用不可になっている、のいずれかである場合は、配信不能メッセージに送信者の元のメッセージが含まれます。送信者は NDR を再生したときに、宛先を再指定して元のメッセージを再送信するか、メッセージを削除することができます。
各 NDR は、送信者のメールボックス容量に対してカウントされます。
Delayed Delivery Receipt(DDR)
60 分を経過しても元のメッセージが配信されない場合、Cisco Unity Express では、ローカル送信者のメールボックスに Delayed Delivery Receipt(DDR)が送信されます。NDR とは異なり、DDR は元のメッセージを添付として含まず、送信者のメールボックスの容量に対してカウントされることはありません。
DDR は保存できず、削除することだけができます。
システムが送信者のメールボックスに格納する DDR は、特定のメッセージにつき 1 つだけです。送信者は、同じメッセージの最新の DDR を受信するには、既存の DDR を削除する必要があります。
ネットワーク ロケーションの設定
ネットワーク ロケーションを設定するには、次の手順に従ってください。
前提条件
• Cisco Unity Express が各リモート ロケーションにインストールされ、設定されている必要があります。
• Cisco Unity Express サイトと Cisco 通話制御システム サイト間がすべてネットワーク接続されている必要があります。
• Cisco Unity に VPIM ネットワーキングが設定されていることを確認します。設定項目には、Cisco Unity のプライマリ ロケーションや、リモート Cisco Unity Express ロケーションの配信ロケーションなどがあります。
この手順に必要なデータ
Cisco Unity Express にネットワーキングを設定するには、次の情報が必要です。
• ネットワーク ロケーション ID 番号:ボイスメールの送信者がリモート メッセージの送信に使用する、各ロケーションの一意の ID 番号。この番号の最大長は 7 桁の数字です。Cisco Unity Express は最大 500 のロケーションをサポートしています。
(注) 100、1001 など、競合する ID でロケーションを作成しないでください。これらのロケーションにメッセージを送信するときに宛先が不明確になり、メッセージが誤ってアドレス指定されることがあります。
• 電子メール ドメイン名:リモート ボイスメール システムの電子メール ドメイン名または IP アドレス。ドメイン名は、VPIM メッセージの送信時にローカル ボイスメール発信者の内線番号に追加されます。ローカル システムの電子メール ドメイン名は、リモート ボイスメール メッセージを受信するように設定する必要があります。
• (オプション)ロケーション名:ネットワーク ロケーションの説明的な名前。
• (オプション)短縮ロケーション名:ネットワーク ロケーションの短縮された名前。この名前の最大長は 5 文字です。
• (オプション)ボイスメール システム電話番号プレフィックス:VPIM アドレスを作成するために、ローカル ボイスメール発信者の内線番号に追加される電話番号プレフィックス。プレフィックスは、電子メール ドメインが複数のロケーションをサポートし、ロケーション間の内線番号が一意でない場合にだけ必要です。プレフィックスの最大長は 15 桁の数字です。デフォルトのプレフィックスは空です。
• (オプション)ローカル ボイスメール システムの内線番号の桁数。デフォルトの最小値は 2、デフォルトの最大値は 15 です。
• (オプション)VPIM 符号化スキーム:ローカル Cisco Unity Express システムでボイスメール メッセージを変換するための符号化スキーム オプションは、ダイナミック、G.711mu-law、または G.726 です。デフォルトのスキームはダイナミックです。
• (オプション)ボイスメール音声名機能:この機能を有効にすると、受信したボイスメール メッセージの冒頭に再生されるボイスメール発信者の音声名を受信できます。
• (オプション)ブロードキャスト VPIM ID:ネットワーク ロケーション間でブロードキャスト メッセージを送受信するために使用します。詳細については、ネットワーク ロケーションのブロードキャスト メッセージ VPIM ID の設定を参照してください。
• ローカル システムのロケーション ID。
概略手順
1. config t
2. network location id number
3. (オプション) name location-name
4. (オプション) abbreviation name
5. email domain domain-name
6. (オプション) voicemail phone-prefix digit string
7. (オプション)voicemail extension-length number [min number | max number]
8. (オプション)voicemail vpim-encoding {dynamic | G711ulaw | G726}
9. (オプション)voicemail spoken-name
10. end
11. リモート ロケーションごとにステップ 2 ~ 10 を繰り返します。
12. network local location id number
13. exit
14. show network locations
15. show network detail location id number
16. show network detail local
17. show network queues
詳細手順
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ステップ 1 |
config t
se-10-0-0-0# config t |
設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
network location id number
se-10-0-0-0(config)# network location id 9 |
ロケーションを追加または変更するためのロケーション設定モードを開始します。 • number:ロケーションに割り当てる一意の ID 番号。この番号は、ロケーションを識別するために使用され、ユーザが TUI でアドレス指定機能を実行するときに入力されます。この番号の最大長は 7 桁の数字です。Cisco Unity Express は、システムあたり最大 500 のロケーションをサポートします。 • ロケーションを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
ステップ 3 |
name location-name
se-10-0-0-0(config-location)# name “San Jose” |
(オプション)ロケーションを識別するための説明的な名前。スペースを使用する場合は、名前を二重引用符で囲みます。 • ロケーション名の説明を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
ステップ 4 |
abbreviation name
se-10-0-0-0(config-location)# abbreviation sjcal |
(オプション)ユーザが TUI でアドレス指定機能を実行するときに再生されるロケーションの英数字の短縮形を作成します。6 文字以上入力することはできません。 • 短縮形を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
ステップ 5 |
email domain domain-name
se-10-0-0-0(config-location)# email domain mycompany.com |
ロケーションの電子メール ドメイン名または IP アドレスを設定します。ドメイン名は、リモート ロケーションに VPIM メッセージを送信するときに追加されます(たとえば、「4843000@mycompany.com」)。ドメイン名も IP アドレスも設定しない場合、このロケーションの Cisco Unity Express システムはネットワーク メッセージを受信できません。 • 電子メール ドメイン名または IP アドレスを削除してネットワーキングを無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。
注意 ネットワーク ロケーションから電子メール ドメインを削除すると、Cisco Unity Express モジュールからそのロケーションへのネットワーキングは自動的に無効になります。
ローカル ロケーションの電子メール ドメインを削除すると、その Cisco Unity Express モジュール上のネットワーキングは無効になります。
ロケーションを再び有効にするには、有効な電子メール ドメインをそのロケーションに割り当てます。
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ステップ 6 |
voicemail phone-prefix digit-string
se-10-0-0-0(config-location)# voicemail phone-prefix 484 |
(オプション)ロケーションのユーザの VPIM アドレスを作成するために内線番号に追加される電話番号プレフィックスを設定します。プレフィックスは、電子メール ドメインが複数のロケーションをサポートし、ロケーション間の内線番号が一意でない場合にだけ必要です。有効な値は 1 ~ 15 桁です。デフォルト値は空白です。 • 電話プレフィックスを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
ステップ 7 |
voicemail extension-length {number | min number max number}
se-10-0-0-0(config-location)# voicemail extension-length 8 se-10-0-0-0(config-location)# voicemail extension-length min 5 max 9 |
(オプション)ロケーションに対するボイスメールの内線番号の桁数を設定します。 • number:ロケーションの内線番号の桁数を設定します。 • max number:内線番号の最小桁数を設定します。デフォルト値は 2 です。 • min number:内線番号の最大桁数を設定します。デフォルト値は 15 です。 • 内線番号の桁数に関する設定を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
ステップ 8 |
voicemail vpim-encoding {dynamic | G711ulaw | G726}
se-10-0-0-0(config-location)# voicemail vpim-encoding G711ulaw |
(オプション)このロケーションにボイスメール メッセージを転送するときに使用する符号化方式を設定します。 • dynamic:Cisco Unity Express は、ロケーションとネゴシエートして符号化方式を決定します。 • G711ulaw:Cisco Unity Express は、常にメッセージを G.711 mu-law の .wav ファイルとして送信します。これは、受信システムが G.711 mu-law 符号化をサポートしている場合(Cisco Unity など)にだけ設定します。 • G726:Cisco Unity Express は、常にメッセージを G726(32K ADPCM)として送信します。これは、低帯域幅接続の場合、または Cisco Unity Express の接続先のシステムが G.711 u-law をサポートしていない場合に使用します。 • デフォルト値は dynamic です。 • 符号化をデフォルト値に戻すには、このコマンドの no または default 形式を使用します。 |
ステップ 9 |
voicemail spoken-name
se-10-0-0-0(config-location)# voicemail spoken-name |
(オプション)ボイスメール発信者の音声名をメッセージの一部として送信する機能を有効にします。音声名が送信された場合、音声名は受信されたメッセージの冒頭に再生されます。デフォルトでは有効になっています。 • 音声名の送信を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
ステップ 10 |
end
se-10-0-0-0(config-location)# end |
ロケーション設定モードを終了します。 |
ステップ 11 |
network local location id number
se-10-0-0-0(config)# network local location id 1 |
ロケーション ID 番号で識別されたローカル Cisco Unity Express システムへのネットワーキングを有効にします。 • ローカル ロケーションを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
注意 ローカル ネットワーク ロケーションを削除してから設定を保存した場合、Cisco Unity Express をリロードしても、ローカル ネットワーク ロケーションは無効のままになります。Cisco Unity Express の再起動後、
network local location id コマンドを再入力し、このロケーションでのネットワークを再び有効にします。
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ステップ 12 |
exit
se-10-0-0-0(config)# exit |
設定モードを終了します。 |
ステップ 13 |
show network locations
se-10-0-0-0# show network locations |
(オプション)設定された Cisco Unity Express ロケーションごとに、ロケーション ID、名前、短縮形、およびドメイン名を表示します。 |
ステップ 14 |
show network detail location id number
se-10-0-0-0# show network detail location id 9 |
(オプション)送受信メッセージの数など、指定したロケーション ID のネットワーク情報を表示します。 |
ステップ 15 |
show network detail local
se-10-0-0-0# show network detail local |
(オプション)送受信メッセージの数など、ローカル Cisco Unity Express ロケーションのネットワーク情報を表示します。 |
ステップ 16 |
show network queues
se-10-0-0-0# show network queues |
(オプション)この Cisco Unity Express システムから送信される、発信キュー内のメッセージに関する情報を表示します。キュー情報は、緊急ジョブ キュー情報、通常ジョブ キュー情報、および実行ジョブ情報の 3 つに分けて表示されます。 |
例
次の例は、サンノゼにある Mycompany 社の通話制御システムに対する show network コマンドの出力結果を示しています。ここでは、6 つのリモート Cisco Unity Express サイトからリモート ボイスメールが送信されています。
se-10-0-0-0# show network locations
101 'San Jose' SJC sjc.mycompany.com
102 'Dallas/Fort Worth' DFW dfw.mycompany.com
201 'Los Angeles' LAX lax.mycompany.com
202 'Canada' CAN can.mycompany.com
301 'Chicago' CHI chi.mycompany.com
302 'New York' NYC nyc.mycompany.com
401 'Bangalore' BAN bang.mycompany.com
se-10-0-0-0# show network detail location id 102
Email domain: dfw.mycompany.com
Minimum extension length: 2
Maximum extension length: 15
Send spoken name: enabled
se-10-0-0-0# show network detail local
Email domain: sjc.mycompany.com
Minimum extension length: 2
Maximum extension length: 15
Send spoken name: enabled
次の例は、show network queues コマンドの出力結果を示しています。出力結果には、次のフィールドが含まれます。
• ID:ジョブ ID。
• Retry:Cisco Unity Express がこのジョブをリモート ロケーションに送信しようとした回数。
• Time:ジョブが再送信される時刻。
se-10-0-0-0# show network queues
ID TYPE TIME RETRY SENDER RECIPIENT
107 VPIM 06:13:26 20 jennifer 1001@sjc.mycompany.com
106 VPIM 06:28:25 20 jennifer 1001@sjc.mycompany.com
ID TYPE TIME RETRY SENDER RECIPIENT
123 VPIM 16:33:39 1 andy 9003@lax.mycompany.com
ID TYPE TIME RETRY SENDER RECIPIENT
122 VPIM 16:33:23 1 andy 9001@lax.mycompany.com
124 VPIM 16:34:28 1 andy 9003@lax.mycompany.com
125 VPIM 16:34:57 1 andy 9002@lax.mycompany.com
126 VPIM 16:35:43 1 andy 9004@lax.mycompany.com
ネットワーク ロケーションの無効化
Cisco Unity Express は、Cisco Unity Express ボイスメール メッセージの送受信に対する、Cisco Unity Express ネットワーク内のロケーションの無効化をサポートしています。ネットワーク ロケーションが Cisco Unity Express データベースから削除されることはありません。
ネットワーク ロケーションでのボイスメール メッセージの送受信を再度設定するには、 enable コマンドを使用します。
(注) ネットワーク ロケーションの電子メール ドメインを削除しても、ロケーションは無効になります。
概略手順
1. config t
2. network location id location-id
3. no enable
4. y
5. end
6. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
config t
se-10-0-0-0# config t se-10-0-0-0(config)# |
設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
network location id location-id
se-10-0-0-0(config)# network location id 15 |
ネットワーク ロケーション location-id のロケーション設定モードを開始します。 |
ステップ 3 |
no enable
se-10-0-0-0(config-location)# no enable !!!WARNING!!!:Disabling location will disable networking to/from this location. Do you wish to continue[n]?: |
ネットワーク ロケーション location-id でのボイスメール メッセージの送受信を無効にします。 |
ステップ 4 |
yes を入力して、ロケーションを無効にします。 |
-- |
ステップ 5 |
end
se-10-0-0-0(config-location)# end se-10-0-0-0(config)# |
ロケーション設定モードを終了します。 |
ステップ 6 |
exit
se-10-0-0-0(config)# exit se-10-0-0-0# |
設定モードを終了します。 |
例
次の例は、ネットワーキングが無効になっているネットワーク ロケーション 15 の詳細を示しています。
se-10-0-0-0(config)# network location id 15
se-10-0-0-0(config-location)# no enable
!!!WARNING!!!:Disabling location will disable
networking to/from this location.
Do you wish to continue[n]?:y
se-10-0-0-0(config-location)# end
se-10-0-0-0(config)# exit
se-10-0-0-0# show network detail location id 15
Email domain: hou.mycompany.com
Minimum extension length: 2
Maximum extension length: 15
Send spoken name: enabled
VPIM broadcast ID: vpim-broadcast
次の例では、ネットワーク ロケーション 15 でのボイスメールの送受信が再度設定されます。
se-10-0-0-0(config)# network location id 15
se-10-0-0-0(config-location)# enable
se-10-0-0-0(config-location
ネットワーク ロケーションの音声名のダウンロードとアップロード
音声名を録音するには、Administration via Telephone(AvT)オプションを使用します。Cisco Unity Express モジュールから外部サーバに音声名をダウンロードしたり、外部サーバから Cisco Unity Express モジュールに音声名をアップロードすることができます。
次の各項では、この機能について説明します。
• 「この手順に必要なデータ」
• 「ロケーションの音声名のダウンロード」
• 「ロケーションの音声名のアップロード」
この手順に必要なデータ
• ネットワーク ロケーション ID
• サーバ上の録音された音声名ファイルの URL
• サーバへのログインおよびパスワード
ロケーションの音声名のダウンロード
ネットワーク ロケーションの音声名をダウンロードするには、Cisco Unity Express EXEC モードで次のコマンドを使用します。
network copy spokenname url url location id location-id loginname server-login password server-password
ここで、コマンド引数は次のように定義されています。
url |
サーバ上の音声名ファイルの URL |
location-id |
ネットワーク ロケーション ID |
server-login |
サーバのログイン |
server-password |
サーバのパスワード |
次の例では、ロケーション 500 の音声名ファイル rename.wav がダウンロードされます。
se-10-0-0-0# network copy spokenname url ftp://10.4.51.66/rename.wav location id 500 loginname admin password test
ロケーションの音声名のアップロード
ネットワーク ロケーションの音声名をアップロードするには、Cisco Unity Express EXEC モードで次のコマンドを使用します。
network copy spokenname location id location-id url url loginname server-login password server-password
ここで、コマンド引数は次のように定義されています。
location-id |
ネットワーク ロケーション ID |
url |
サーバ上の音声名ファイルの URL |
server-login |
サーバのログイン |
server-password |
サーバのパスワード |
次の例では、ロケーション 500 の音声名ファイル rename.wav がアップロードされます。
se-10-0-0-0# network copy spokenname location id 500 url ftp://10.4.51.66/rename.wav loginname admin password test
se-10-0-0-0(config)# exit
ローカル ディレクトリへのリモート ユーザの追加
Cisco Unity Express では、ローカル ボイスメール ディレクトリにリモート ユーザを追加できます。
ローカル Cisco Unity Express ディレクトリでは、頻繁にアドレス指定されるリモート ユーザを含めることができます。この機能を使用すると、ローカル ボイスメール送信者は、名前によるダイヤル(dial-by-name)を使用してリモート受信者をアドレス指定できます。また、送信者は、リモート受信者の音声名の確認を受信するため、名前とロケーションが正しいことを確認できます。
ライセンス レベルにかかわらず、NM-CUE-EC は最大 100 人、NM-CUE は最大 50 人、AIM-CUE は最大 20 人のリモート ユーザをそれぞれサポートしています。
リモート ユーザの音声名を録音するには AvT を使用します。リモート ユーザの音声名が録音されていない場合、システムはローカル送信者への確認として、リモート内線番号とロケーションを使用します。
vCard オプションが設定されている場合は、リモート ユーザの vCard によって、ローカル システムでリモート ユーザの名、姓、または内線番号が更新されます。
次の各項では、この機能について説明します。
• 「ローカル ディレクトリへのリモート ユーザの設定」
• 「リモート ユーザの表示」
• 「リモート ユーザ情報の削除」
ローカル ディレクトリへのリモート ユーザの設定
リモート ユーザを設定するには、次の手順を実行する必要があります。
• ローカル システムにネットワーキングを設定する。
システムにローカル サイトとリモート サイトを設定するには、CLI コマンドを使用できます。ロケーション パラメータを設定するには、GUI 画面を使用できます。
• ローカル システムに vCard 情報を設定する。
この手順については、ロケーションへの vCard 情報の設定の項を参照してください。
• リモート ユーザ情報をローカル ディレクトリに追加する。
この手順については、この項で説明します。
• リモート ユーザの音声名とロケーションを追加する。
管理者は TUI を使用して、リモート ユーザの音声名とリモート ロケーションの音声名を録音します。
リモート ユーザの設定は、Cisco Unity Express の設定モードと EXEC モードで実行できます。どちらのモードも、リモート ユーザをローカル ディレクトリに追加することはできますが、他のユーザ情報に関する機能は異なります。リモート ユーザをネットワーク ロケーションと関連付けるには、どちらかのモードで remote username location コマンドを 1 回使用します。
設定モード
ローカル システムにリモート ユーザを設定するには、この Cisco Unity Express 設定モードの手順を使用します。
この手順に必要なデータ
ローカル システムにリモート ユーザを設定するには次の情報が必要です。
• リモート ユーザ名
• リモート ユーザの内線番号
• リモート ロケーション ID
概略手順
1. config t
2. remote username username location location-id create
3. remote username username phonenumber extension-number
4. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
config t
se-10-0-0-0# config t se-10-0-0-0(config)# |
設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
remote username username location location-id create
se-10-0-0-0(config)# remote username user1 location sjc create |
username を持つ、ロケーションが location-id のユーザをローカル ディレクトリに追加します。 次のいずれかの状態が発生した場合は、エラー メッセージが表示されます。 • 同じユーザ名を持つローカル ユーザ、グループ、またはリモート ユーザが存在する。 • システムに最大数のリモート ユーザがすでに設定されている。 • location-id が存在しない。 • location-id がローカル ロケーションである。 |
ステップ 3 |
remote username username phonenumber extension-number
se-10-0-0-0(config)# remote username user1 phonenumber 75555 |
リモート ユーザ username を extension-number と関連付けます。 ローカル システムはリモート内線番号を確認しません。 次のいずれかの状態が発生した場合は、エラー メッセージが表示されます。 • username が存在しない。 • extension-number の桁数が、ユーザのロケーションに対する内線番号の最大桁数と最小桁数の間にない。 |
ステップ 4 |
exit
se-10-0-0-0(config)# exit se-10-0-0-0# |
設定モードを終了します。 |
EXEC モード
ローカル システムにリモート ユーザを設定するには、この Cisco Unity Express EXEC モードの手順を使用します。
この手順に必要なデータ
ローカル システムにリモート ユーザを設定するには次の情報が必要です。
• リモート ユーザ名
• リモート ロケーション ID
• リモート ユーザの表示用の名、姓、およびログイン ユーザ名
概略手順
1. remote username username location location-id create
2. remote username username fullname display display-name
3. remote username username fullname first first-name
4. remote username username fullname last last-name
詳細手順
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ステップ 1 |
remote username username location location-id create
se-10-0-0-0# remote username user1 location sjc create |
username を持つ、ロケーションが location-id のユーザをローカル ディレクトリに追加します。 次のいずれかの状態が発生した場合は、エラー メッセージが表示されます。 • 同じユーザ名を持つローカル ユーザ、グループ、またはリモート ユーザが存在する。 • システムに最大数のリモート ユーザがすでに設定されている。 • location-id が存在しない。 • location-id がローカル ロケーションである。 |
ステップ 2 |
remote username username fullname display display-name
se-10-0-0-0# remote username user1 fullname display “Al Brown” |
リモート ユーザ username を表示名と関連付けます。 |
ステップ 3 |
remote username username fullname first first-name
se-10-0-0-0# remote username user1 fullname first Al |
リモート ユーザ username を表示用の名と関連付けます。 |
ステップ 4 |
remote username username fullname last last-name
se-10-0-0-0# remote username user1 fullname last Brown |
リモート ユーザ username を表示用の姓と関連付けます。 |
例
次の例では、複数のリモート ユーザが設定されます。
se-10-0-0-0(config)# remote username user2 location sjc create
se-10-0-0-0(config)# remote username user2 phonenumber 84444
se-10-0-0-0(config)# remote username user5 location sjc create
se-10-0-0-0(config)# remote username user5 phonenumber 81111
se-10-0-0-0(config)# remote username user3 location nyc create
se-10-0-0-0(config)# remote username user3 phonenumber 92222
se-10-0-0-0(config)# remote username user4 location nyc create
se-10-0-0-0(config)# remote username user4 phonenumber 93333
se-10-0-0-0# remote username user2 fullname display “User 2”
se-10-0-0-0# remote username user2 fullname first User
se-10-0-0-0# remote username user2 fullname last 2
se-10-0-0-0# remote username user5 fullname display “User 5”
se-10-0-0-0# remote username user5 fullname first User
se-10-0-0-0# remote username user5 fullname last 5
se-10-0-0-0# remote username user3 fullname display “User” 3
se-10-0-0-0# remote username user3 fullname first User
se-10-0-0-0# remote username user3 fullname last 3
se-10-0-0-0# remote username user4 fullname display “User 4”
se-10-0-0-0# remote username user4 fullname first User
se-10-0-0-0# remote username user4 fullname last 4
リモート ユーザの表示
リモート ユーザを表示するときは、複数のコマンドを使用できます。
すべてのリモート ユーザの表示
次のコマンドは、ローカル システムに設定されたリモート ユーザをすべて表示します。
show remote users
このコマンドの出力結果は、たとえば次のように表示されます。
se-10-0-0-0# show remote users
特定のリモート ユーザの表示
次のコマンドは、特定のリモート ユーザの詳細を表示します。
show remote user detail username username
ここで、 username は特定のリモート ユーザです。
このコマンドの出力結果は、たとえば次のように表示されます。
se-10-0-0-0# show remote user detail username user2
リモート ユーザ情報の削除
ローカル ディレクトリからリモート ユーザ情報を削除するときは、複数のコマンドを使用できます。
内線番号の削除
次の設定モードのコマンドは、リモート ユーザの内線番号を削除します。
no remote username username phonenumber extension-number
ここで、 username はリモート ユーザの名前で、 extension-number はリモート ユーザの内線番号です。
次の例では、リモート User2 の内線番号 84444 が削除されます。
se-10-0-0-0(config)# no remote username user2 phonenumber 84444
ローカル ディレクトリ内のリモート ユーザ エントリの削除
次の EXEC モードのコマンドは、ローカル ディレクトリからリモート ユーザを削除します。
remote username username delete
ここで、 username はリモート ユーザの名前です。
次の例では、リモート ユーザ User2 が削除されます。
se-10-0-0-0# remote username user2 delete
リモート ユーザ名の削除
次の EXEC モードのコマンドは、リモート ユーザの名前を削除します。
no remote username username fullname display display-name
no remote username username fullname first first-name
no remote username username fullname last last-name
ここで、 username はリモート ユーザの名前、 display-name はリモート ユーザの表示名、 first-name はリモート ユーザの名、および last-name はリモート ユーザの姓です。
次の例では、リモート ユーザ User2 の表示名が削除されます。
se-10-0-0-0# no remote username user2 fullname display “User 2”
次の例では、リモート ユーザ User2 の名が削除されます。
se-10-0-0-0# no remote username user2 fullname first User
次の例では、リモート ユーザ User2 の姓が削除されます。
se-10-0-0-0# no remote username user2 fullname last 2
リモート ユーザの音声名のダウンロードとアップロード
音声名を録音するには、Administration via Telephone(AvT)オプションを使用します。Cisco Unity Express モジュールから外部サーバに音声名をダウンロードしたり、外部サーバから Cisco Unity Express モジュールに音声名をアップロードすることができます。
次の各項では、この機能について説明します。
• 「この手順に必要なデータ」
• 「リモート ユーザの音声名のダウンロード」
• 「リモート ユーザの音声名のアップロード」
この手順に必要なデータ
• ユーザ名
• サーバ上の録音された音声名ファイルの URL
• サーバへのログインおよびパスワード
リモート ユーザの音声名のダウンロード
リモート ユーザの音声名をダウンロードするには、Cisco Unity Express EXEC モードで次のコマンドを使用します。
remote copy spokenname url url username username loginname server-login password server-password
ここで、コマンド引数は次のように定義されています。
url |
サーバ上の音声名ファイルの URL |
username |
リモート ユーザ ID |
server-login |
サーバのログイン |
server-password |
サーバのパスワード |
次の例では、リモート ユーザ user1 の音声名ファイル user1.wav がダウンロードされます。
se-10-0-0-0# remote copy spokenname url ftp://10.4.51.66/user1.wav username user1 loginname admin password test
リモート ユーザの音声名のアップロード
ネットワーク ロケーションの音声名をアップロードするには、Cisco Unity Express EXEC モードで次のコマンドを使用します。
remote copy spokenname username username url url loginname server-login password server-password
ここで、コマンド引数は次のように定義されています。
username |
リモート ユーザ ID |
url |
サーバ上の音声名ファイルの URL |
server-login |
サーバのログイン |
server-password |
サーバのパスワード |
次の例では、リモート ユーザ user1 の音声名ファイル user1.wav がダウンロードされます。
se-10-0-0-0# remote copy spokenname username user1 url ftp://10.4.51.66/user1.wav loginname admin password test
ロケーションへの vCard 情報の設定
Cisco Unity Express では、ボイスメール メッセージでの vCard 情報の送受信がサポートされています。リモート ユーザの vCard 情報には、ユーザの名、姓、および内線番号が含まれています。Cisco Unity Express は、着信 Voice Profile for Internet Mail(VPIM)メッセージの vCard 情報と録音された音声名を使用して、リモート ユーザ情報に関する LRU キャッシュのデータ入力と更新を行います(音声名の設定に関する詳細については、ローカル ディレクトリへのリモート ユーザの追加を参照)。
メッセージの宛先にリモート ユーザを指定する場合、ローカル送信者には、目的の受信者の確認として音声名が再生されます。LRU キャッシュは、音声名のソースの 1 つです。LRU キャッシュが格納するユーザ数は、インストールされているハードウェア モジュールで決まります。サポートされる最大キャッシュ ユーザ数については、『 Release Notes for Cisco Unity Express 』を参照してください。
次の各項では、この機能について説明します。
• 「vCard 情報の有効化と無効化」
• 「vCard ステータスの表示」
vCard 情報の有効化と無効化
ロケーションでの vCard 情報の受信を有効にするには、リモート ロケーション ID 番号が必要です。
システム デフォルトは、vCard 情報を送信するようになっています。
概略手順
1. config t
2. network location id location-id
3. voicemail vcard
4. end
5. exit
詳細手順
|
|
|
ステップ 1 |
config t
se-10-0-0-0# config t se-10-0-0-0(config)# |
設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
network location id location-id
se-10-0-0-0(config)# network location id 15 |
ネットワーク ロケーション location-id のロケーション設定モードを開始します。 |
ステップ 3 |
voicemail vcard
se-10-0-0-0(config-location)# voicemail vcard |
ネットワーク ロケーション location-id での vCard 情報の受信を有効にします。 vCard 情報の受信を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。 |
ステップ 4 |
end
se-10-0-0-0(config-location)# end se-10-0-0-0(config)# |
ロケーション設定モードを終了します。 |
ステップ 5 |
exit
se-10-0-0-0(config)# exit se-10-0-0-0# |
設定モードを終了します。 |
例
次の例では、ネットワーク ロケーション 23 および nyc での vCard 情報の受信が有効になります。
se-10-0-0-0(config)# network location 23
se-10-0-0-0(config-location)# voicemail vcard
se-10-0-0-0(config-location)# end
se-10-0-0-0(config)# network location nyc
se-10-0-0-0(config-location)# voicemail vcard
se-10-0-0-0(config-location)# end
se-10-0-0-0(config)# exit
次のコマンドは、ネットワーク ロケーション nyc での vCard 情報の受信を無効にします。
se-10-0-0-0(config)# network location nyc
se-10-0-0-0(config-location)# no voicemail vcard
se-10-0-0-0(config-location)# end
se-10-0-0-0(config)# exit
vCard ステータスの表示
vCard ステータスを表示するときは、複数のコマンドを使用できます。
特定のロケーションに対する vCard ステータスの表示
次の Cisco Unity Express EXEC モードのコマンドは、特定のリモート ロケーションに関する詳細を表示します。
show network detail location id location-id
ここで、 location-id はリモート ロケーション番号です。
次の例は、vCard が有効になっているネットワーク ロケーション 15 に関する詳細を示しています。
se-10-0-0-0# show network detail location id 15
Email domain: hou.mycompany.com
Minimum extension length: 2
Maximum extension length: 15
Send spoken name: enabled
VPIM broadcast ID: vpim-broadcast
ローカル システムの vCard ステータスの表示
次の EXEC モードのコマンドは、ローカル Cisco Unity Express システムに関する詳細を表示します。
show network detail local
次の例は、vCard が有効になっているローカル システムに関する詳細を示しています。
se-10-0-0-0# show network detail local
Email domain: sjc.mycompany.com
Minimum extension length: 2
Maximum extension length: 15
Send spoken name: enabled
VPIM broadcast ID: vpim-broadcast
LRU キャッシュの設定
Cisco Unity Express では、リモート ユーザに関する vCard 情報を含む LRU キャッシュがサポートされています。LRU キャッシュとは、リモート ユーザの名、姓、および音声名に関するデータベースです。これらのリモート ユーザは、Remote User Directory に設定されていません。キャッシュに含まれているユーザは、キャッシュ ユーザと呼ばれます。
ネットワーク メッセージによって LRU キャッシュの内容が更新されます。ローカル送信者がボイスメール メッセージの宛先にリモート ユーザを指定すると、システムはこの情報にアクセスして、リモート ユーザに関する音声名の確認をローカル送信者に送信します。キャッシュ ユーザからネットワーク メッセージが着信するたび、またはローカル送信者がキャッシュ ユーザにボイス メッセージを送信するたびに、システムは LRU キャッシュにあるキャッシュ ユーザのエントリのタイムスタンプを更新します。
LRU キャッシュが最大容量に達すると、新しいエントリによって、タイムスタンプが最も古い既存のエントリが消去されます。このことは、次にローカル送信者がリモート ユーザに電話するときに、リモート ユーザが LRU キャッシュから消去されている場合、送信者は音声名の確認を受信しないことを意味します。LRU キャッシュが格納するユーザ数は、インストールされているハードウェア モジュールで決まります。サポートされる最大キャッシュ ユーザ数については、『 Release Notes for Cisco Unity Express 』を参照してください。
一貫性のない確認応答を避けるため、次のどちらかまたは両方を行います。
• 送信者がリモート ユーザの音声名の確認を必ず受信することを保証するには、リモート ユーザを Remote User Directory に設定します。
• LRU キャッシュを無効にします。
LRU キャッシュの内容は、システムのリロード後に保存されます。
デフォルトでは、LRU キャッシュはローカル システムで有効になっています。LRU キャッシュのステータスを変更するには、GUI の [Defaults] > [Voice Mail] オプションまたは以降に示す CLI コマンドを使用します。
次の各項では、この機能について説明します。
• 「LRU キャッシュの有効化と無効化」
• 「LRU キャッシュ データの表示」
LRU キャッシュの有効化と無効化
ローカル システムの LRU キャッシュを有効にするには、次の Cisco Unity Express 設定モードのコマンドを使用します。
remote cache enable
次の例は、ローカル システムの LRU キャッシュを有効にする方法を示しています。
se-10-0-0-0(config)# remote cache enable
se-10-0-0-0(config)# exit
ローカル システムの LRU キャッシュを無効にするには、次の Cisco Unity Express 設定モードのコマンドを使用します。キャッシュを無効にすると、キャッシュ エントリがすべて消去され、新しいユーザ エントリを格納できなくなります。
no remote cache enable
次の例は、ローカル システムの LRU キャッシュを無効にする方法を示しています。
se-10-0-0-0(config)# no remote cache enable
se-10-0-0-0(config)# exit
LRU キャッシュ データの表示
ローカル システムの LRU キャッシュ データを表示するには、次の Cisco Unity Express EXEC モードのコマンドを使用します。
show remote cache
キャッシュ ユーザごとに、ロケーション ID、ロケーション名、内線番号、およびアクセス時刻が表示されます。
se-10-0-0-0# show remote cache
Remote user cache is enabled
ID LOCATION EXTENSION LAST ACCESSED TIME
3014001 sjc 5555 Tue Sep 21 10:38:28 PDT 2004
6661005 nyc 1111 Tue Sep 21 14:55:11 PDT 2004
ネットワーク ロケーションのブロードキャスト メッセージ VPIM ID の設定
ネットワーク ロケーションのブロードキャスト メッセージ VPIM ID を設定するには、次の手順を使用します。
この手順に必要なデータ
• ネットワーク ロケーション ID
• ネットワーク ロケーション VPIM ID
概略手順
1. config t
2. network location id location-id
3. voicemail broadcast vpim-id vpim-id
4. end
5. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
config t
se-10-0-0-0# config t se-10-0-0-0(config)# |
設定モードを開始します。 |
ステップ 2 |
network location id location-id
se-10-0-0-0(config)# network location id 15 |
ネットワーク ロケーションを指定します。 |
ステップ 3 |
voicemail broadcast vpim-id vpim-id
se-10-0-0-0(config-location)# voicemail broadcast vpim-id 159a |
ロケーション設定モードを開始し、ロケーションの VPIM ID を指定します。有効な VPIM ID には、英字、数字、下線(_)、ダッシュ(-)、ドット(.)を使用できます。最大長は 32 文字です。 |
ステップ 4 |
end
se-10-0-0-0(config-location)# end se-10-0-0-0(config)# |
ロケーション設定モードを終了します。 |
ステップ 5 |
exit
se-10-0-0-0(config)# exit se-10-0-0-0# |
設定モードを終了します。 |
例
次の例では、ネットワーク ロケーション 150 の VPIM ID が ny-270 に設定されます。
se-10-0-0-0(config)# network location id 150
se-10-0-0-0(config-location)# voicemail broadcast vpim-id ny-270
se-10-0-0-0(config-location)# end
se-10-0-0-0(config)# exit
トラブルシューティング コマンド
Cisco Unity Express のネットワーク コンフィギュレーションについてトラブルシューティングを行うには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
概略手順
1. trace networking smtp [all | receive | send | work]
2. trace networking vpim [all | receive | send]
3. trace networking sysdb [all]
4. trace networking dns [all]
5. trace networking database [all | connection | execute | garbage | largeobject | mgmt | query | results | transaction]
6. trace networking jobqueue [all | job number]
詳細手順
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ステップ 1 |
trace networking smtp [all | receive | send | work]
se-10-0-0-0# trace networking smtp all |
SMTP ネットワーク機能のトレースを有効にします。 • all:すべての SMTP アクティビティをトレースします。 • receive:SMTP 受信をトレースします。 • send:SMTP 送信をトレースします。 • work:ジョブが SMTP キューに格納されるか、SMTP キューから削除されたときにトレースします。 |
ステップ 2 |
trace networking vpim [all | receive | send]
se-10-0-0-0# trace networking vpim all |
VPIM ネットワーク機能のトレースを有効にします。 • all:すべての VPIM アクティビティをトレースします。 • receive:VPIM 受信をトレースします。 • send:VPIM 送信をトレースします。 |
ステップ 3 |
trace networking sysdb [all]
se-10-0-0-0# trace networking sysdb |
sysdb イベントのトレースを有効にします。 • all:すべての sysdb イベントをトレースします。 |
ステップ 4 |
trace networking dns [all]
se-10-0-0-0# trace networking dns |
DNS アクティビティのトレースを有効にします。実行された DNS 検索、管理者がロケーションに電子メール ドメインを追加した際の結果、および SMTP を使用してドメインを確認および解決した際の結果を表示します。 • all:すべての DNS イベントをトレースします。 |
ステップ 5 |
trace networking database [all | connection | execute | garbage | largeobject | mgmt | query | results | transaction]]
se-10-0-0-0# trace networking database results |
データベース機能のトレースを有効にします。次のキーワードは、トレースのタイプを指定します。 • all:すべてのデータベース イベント。 • connection:データベース接続。 • execute:データベースに対して実行された挿入および更新。 • garbage:ガーベジ コレクション プロセス。 • largeobject:データベースに対する大規模オブジェクトの読み取りおよび書き込み。 • mgmt:データベース管理プロセス。 • query:データベースに対して実行されたクエリー。 • results:クエリー、挿入、および更新の結果。 • transactions:データベース トランザクションの開始および終了。 |
ステップ 6 |
trace networking jobqueue [all | job number]
se-10-0-0-0# trace networking jobqueue job 101 |
ジョブ キューのトレースを有効にします。 • all:キュー内のすべてのジョブをトレースします。 • job number:キュー内の指定されたジョブをトレースします。 |