ゲートキーパーの設定
ゲートキーパー デバイスは、Cisco Multimedia Conference Manager(MCM)とも呼ばれ、コール アドミッション制御、帯域幅割り当て、およびダイヤル パターン解決(コール ルーティング)に使用される H.225 RAS(Registration, Admission, and Status Protocol)メッセージ セットをサポートしています。ゲートキーパーは、Cisco CallManager クラスタと H.323 ネットワークの間の通信のためにこれらのサービスを提供します。Cisco CallManager クラスタごとに、複数のゲートキーパー デバイスを設定できます。冗長化のために代替ゲートキーパーを設定することもできます。代替ゲートキーパーの設定の詳細については、MCM のマニュアルを参照してください。
ゲートキーパーの設定は、次の 2 つの要素から構成されます。
• Cisco CallManager の設定。各 Cisco CallManager クラスタは、1 つまたは複数のゲートキーパーに登録できます。この章では、Cisco CallManager サーバでゲートキーパーを設定する方法を説明します。また、Trunk Configuration ウィンドウでトランク デバイスを設定する必要があります。 第63章「トランクの設定」 を参照してください。
• ルータ上でのゲートキーパーの設定。この設定は、ゲートキーパーの役目をする Cisco IOS Multimedia Conference Manager(MCM)に適用されます。ゲートキーパー用に推奨されるプラットフォームは、Cisco IOS リリース 12.1(3)T 以上を搭載した Cisco 2600、3600、7200 ルータなどです。ゲートキーパーの設定については、MCM の資料を参照してください。代替ゲートキーパー設定は MCM でのみ行うので、Cisco CallManager での設定は必要ありません。
Cisco CallManager Administration でのゲートキーパーの設定については、次のトピックを参照してください。
• 「ゲートキーパーの検索」
• 「ゲートキーパーの追加」
• 「ゲートキーパーの削除」
• 「ゲートキーパーの変更」
• 「ゲートキーパーのリセット」
• 「ゲートキーパーの設定値」
次のトピックには、ゲートキーパーに関連する追加情報が記載されています。
• 『 Cisco CallManager システム ガイド 』の「ゲートキーパーとトランク」
• Cisco IP テレフォニー ネットワーク デザイン ガイド
• Cisco IOS Multimedia Conference Manager (Command Reference) の資料
ゲートキーパーの検索
ネットワーク内にはいくつかのゲートキーパーが存在することがあるので、Cisco CallManager Administration では、固有の条件を指定して、特定のゲートキーパーを見つけることができます。ゲートキーパーを見つける手順は、次のとおりです。
(注) Cisco CallManager Administration では、ブラウザ セッションでの作業中は、ゲートキーパーの検索設定が保持されます。別のメニュー項目に移動してからこのメニュー項目に戻ってくる場合でも、検索に変更を加えたり、ブラウザを閉じたりしない限り、ゲートキーパーの検索設定は保持されます。
手順
ステップ 1 Device > Gatekeeper の順に選択します。
Find and List Gatekeeper ウィンドウが表示されます。2 つのドロップダウン リスト ボックスを使用して、ゲートキーパーを検索します。
ステップ 2 最初の Find gatekeepers where ドロップダウン リスト ボックスから、次の条件のいずれかを選択します。
• Name
• Description
(注) このドロップダウン リスト ボックスで選択する条件によって、検索時に生成されるゲートキーパー リストのソート方法が決まります。たとえば、Description を選択すると、Description 列が結果リストの左側の列に表示されます。
2 番目の Find gatekeepers where ドロップダウン リスト ボックスから、次の条件のいずれかを選択します。
• begins with(前方一致)
• contains(中間一致)
• ends with(後方一致)
• is exactly(完全一致)
• is not empty(非空白)
• is empty(空白)
ステップ 3 必要に応じて適切な検索テキストを指定し、 Find をクリックします。また、ページごとに表示する項目の数も指定できます。
ヒント データベースに登録されているゲートキーパーをすべて検索するには、検索テキストを入力せずに Find をクリックします。
検出されたゲートキーパーのリストが、次の項目別に表示されます。
• Gatekeeper icon
• Gatekeeper name
• Description
(注) 該当するゲートキーパーの横にあるチェックボックスをオンにして、Delete Selected をクリックすると、Find and List Gatekeeper ウィンドウから複数のゲートキーパーを削除できます。Matching Records タイトルバーにあるチェックボックスをオンにして Delete Selected をクリックすると、ウィンドウ内のすべてのゲートキーパーを削除できます。
ステップ 4 レコードのリストから、検索条件と一致する Gatekeeper icon、Gatekeeper name、または Description をクリックします。
選択したゲートキーパーがウィンドウに表示されます。
関連項目
• 「ゲートキーパーの追加」
• 「ゲートキーパーの削除」
• 「ゲートキーパーの変更」
• 「ゲートキーパーのリセット」
• 「ゲートキーパーの設定値」
ゲートキーパーの追加
ゲートキーパー デバイスを追加する手順は、次のとおりです。
(注) Cisco CallManager クラスタごとに、複数のゲートキーパー デバイスを設定できます。
手順
ステップ 1 Device > Gatekeeper の順に選択します。
Find and List Gatekeeper Configuration ウィンドウが表示されます。
ウィンドウの右上にある Add a New Gatekeeper リンクをクリックします。
Gatekeeper Configuration ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 適切な設定値を入力します( 表60-1 を参照)。
ステップ 3 Insert をクリックして、新規ゲートキーパーを追加します。
ゲートキーパーがデータベースに追加されます。
関連項目
• 「ゲートキーパーの検索」
• 「ゲートキーパーの削除」
• 「ゲートキーパーの変更」
• 「ゲートキーパーのリセット」
• 「ゲートキーパーの設定値」
ゲートキーパーの削除
ゲートキーパーを削除する手順は、次のとおりです。
始める前に
1 つまたは複数のトランクに割り当てられているゲートキーパーは、削除できません。 ゲートキーパーを使用しているトランクを検索するには、Gatekeeper Configuration ウィンドウの Dependency Records リンクをクリックします。Dependency Records がシステムで使用可能になっていない場合、Dependency Records Summary ウィンドウにメッセージが表示されます。Dependency Records の詳細については、「Dependency Records へのアクセス」を参照してください。使用されているゲートキーパーを削除しようとすると、Cisco CallManager はエラー メッセージを表示します。現在使用されているゲートキーパーを削除する場合は、事前に、次の作業のどちらか一方または両方を実行しておく必要があります。
• 削除するゲートキーパーを使用しているトランクすべてに、別のゲートキーパーを割り当てる。「トランクの変更」を参照してください。
• 削除するゲートキーパーを使用しているトランクを削除する。「トランクの削除」を参照してください。
手順
ステップ 1 「ゲートキーパーの検索」の手順を使用して、ゲートキーパーを見つけます。
ステップ 2 一致するレコードのリストから、削除するゲートキーパーを選択します。
ステップ 3 Delete ボタンをクリックします。
確認のダイアログボックスが表示されます。
ステップ 4 OK をクリックして、ゲートキーパーを削除します。
関連項目
• 「ゲートキーパーの検索」
• 「ゲートキーパーの追加」
• 「ゲートキーパーの変更」
• 「ゲートキーパーのリセット」
• 「ゲートキーパーの設定値」
ゲートキーパーのリセット
ゲートキーパーのリセットによって、物理デバイスがリセットされるわけではありません。ゲートキーパーのリセットは、Cisco CallManager のゲートキーパーへの論理接続のリセットおよびゲートキーパーへの再登録が強制されます。再登録の間および再登録が正常終了するまで、このトランクを使用して行われるコールは、このゲートキーパーを使用しますが、失敗します。ゲートキーパーをリセットする手順は、次のとおりです。
(注) ゲートキーパーをリセットしても、ゲートキーパーが制御しているすべてのコールが終了するわけではありませんが、新しいコールは失敗を試みます。
手順
ステップ 1 「ゲートキーパーの検索」の手順を使用して、ゲートキーパーを見つけます。
ステップ 2 一致するレコードのリストから、リセットするゲートキーパーを選択します。
ステップ 3 Gatekeeper Device の設定値を変更した場合は、 Reset Gatekeeper をクリックします。
Reset Device ダイアログが表示されます。
ステップ 4 次のいずれかの項目をクリックします。
• Restart :コールを終了させることなく新しいゲートキーパー設定を反映させるために、内部ゲートキーパー デバイスを再起動する。
• Reset :内部ゲートキーパー デバイスをシャットダウンしてから再起動する。Cisco CallManager クラスタは、ゲートキーパーへの登録を解除(URQ)した後、再登録(RRQ)します。
• Close :何も実行しないで、Reset Device ダイアログを閉じる。
関連項目
• 「ゲートキーパーの検索」
• 「ゲートキーパーの追加」
• 「ゲートキーパーの削除」
• 「ゲートキーパーの変更」
• 「ゲートキーパーの設定値」
ゲートキーパーの設定値
表60-1 では、ゲートキーパーの設定値について説明します。
表60-1 ゲートキーパーの設定値
|
|
|
Host Name/IP Address |
ゲートキーパーの IP アドレスまたはホスト名を入力します。これは必須フィールドです。 Cisco CallManager クラスタごとに、複数のゲートキーパーを登録できます。 |
Description |
ゲートキーパーの内容を表す名前を入力します。 |
Registration Request Time to Live |
Cisco TAC から指示される場合を除いて、この値を変更しないでください。時間を秒数で入力します。デフォルト値は 60 秒です。 Registration Request Time to Live フィールドは、ゲートキーパーが登録要求(RRQ)を有効であるとみなす時間を指定します。キープアライブ RRQ は、RRQ Time to Live の期限が切れる前に、ゲートキーパーへ送信される必要があります。 Cisco CallManager は、ゲートキーパーに RRQ を送信して、そのゲートキーパーに登録し、その後、そのゲートキーパーとの接続を保持します。ゲートキーパーは、要求の確認(RCF)または拒否(RRJ)を行います。 |
Registration Retry Timeout |
Cisco TAC から指示される場合を除いて、この値を変更しないでください。時間を秒数で入力します。デフォルト値は 300 秒です。 Registration Retry Timeout フィールドは、登録しようとして失敗した後、ゲートキーパーへの登録をやり直すまで、Cisco CallManager が待機する時間を指定します。 |
Enable Device |
このチェックボックスを使用すると、このゲートキーパーを Cisco CallManager に登録できます。デフォルトでは、このチェックボックスはオンになっています。Cisco CallManager からゲートキーパーの登録を解除するには、このチェックボックスをオフにします。このフィールドを更新してから約 1 分以内に、ゲートキーパーの登録は解除されます。 |
関連項目
• 「ゲートキーパーの検索」
• 「ゲートキーパーの追加」
• 「ゲートキーパーの削除」
• 「ゲートキーパーのリセット」
• 「ゲートキーパーの変更」