Cisco CallManager 4.0 以降のリリースへのアップグレード後の変更
いくつかの項目を再設定して、セットアップしたシナリオ タイプに応じてオリジナルのボイスメール ポート機能を保持する必要があります。また、この項の説明に従ってセットアップを変更する必要があります。
セットアップが受ける影響
最後のボイスメール ポートがルート パターン(ゲートウェイまたはクラスタ間トランク(ICT))へ転送されると、アップグレード後にこの設定が消滅します。クラスタ間トランクまたはゲートウェイをルート グループに追加して、ボイスメール パイロット番号に付加されたルート パターンの対応するルート/ハント リストに、ルート グループを追加する必要があります。ルート グループには、ルート/ハント リストの最後のメンバーが表示されます。
(注) Broadcast 分散アルゴリズムと Cisco Unity のボイスメール ポートの実行との併用はお勧めしません。
回線グループの転送および Cisco Unity フェールオーバー
推奨される Cisco Unity フェールオーバー ボイスメール ポートのセットアップを使用している場合は、ボイスメール ポートに使用される回線グループに対して次の値を設定する必要があります。
• No Answer:残りのメンバーをスキップして、直接次のグループへ進む。
• Busy:次のメンバーに進むが、次のグループへは進まない。
• Not Available:残りのメンバーをスキップして、直接次のグループへ進む。
このマニュアル全体の様々なシナリオでは、これらの値に関する固有の情報について説明しています。
最後のボイスメール ポートがオペレータに対して設定され、オペレータが Call Forward No Answer(CFNA)および Call Forward Busy(CFB)をボイスメール パイロットに戻すように設定されている場合、CFB または CFNA を同じボイス メッセージ システムに戻すことができなくなります。オペレータ回線を含む回線グループを、ボイスメール ハント リストに追加できます。
アップグレード後、システムによって、フェールオーバー ボイスメール ポートがある回線グループが、ハント リスト パイロット番号に関連付けられたルート/ハント リストに配置されます。最初の設定に基づいて、ハント オプションを手動で選択する必要があります。
アップグレード後の変更内容
Cisco CallManager の前のバージョンから Cisco CallManager 4.0 以降のリリースへアップグレードすると、次の現象が発生する場合があります。
• Cisco Voice Mail Port Configuration ウィンドウに転送フィールドがない。
• ボイスメール ポートが回線グループ、ルート/ハント リスト、およびハント パイロット番号を使用している。データベースに既存のボイスメール ポートのセットアップがある場合、これらのエンティティはアップグレード後に自動的に作成されます。最初の設定に基づいて、ハント オプションを選択する必要があります。
• パイロット番号に最初のボイスメール ポートと同じ番号を持つルート パターンが別のパーティションで表示される。パイロット番号に使用されるパーティションは、本来、最初のボイスメール ポートに関連付けられたパーティションだったものです。
• ボイスメール ポートが、システムによってアップグレード処理中に新しく作成されたパーティションに配置される。
• MWI および発信コールに使用されるボイスメール ポートが、システムによって別の回線グループ、ルート/ハント リスト、およびハントリスト パイロット番号に配置される。
Cisco Unity フェールオーバー ボイスメール ポートのセットアップ
サポートされるフェールオーバー設定は 2 つあります。これらのフェールオーバー設定については、White Paper『 Cisco CallManager Port Configuration for Cisco Unity Failover (Cisco Unity Versions 4.0 and 3.1(2) and Later) 』に記載されています。
この項では、Cisco CallManager 3.3(x) の設定例および Cisco CallManager 4.0 以降のリリースへのアップグレード後の各設定の類似点の概要について説明します。Cisco CallManager バージョン 4.0 以降のリリースへアップグレード後、一部の設定を手動で行う必要があります。また、これらの変更の概要についても説明します。
ここでは、次の内容について説明します。
• 「Cisco CallManager 3.3(x) での Cisco Unity フェールオーバーの設定 1(推奨)」
• 「Cisco CallManager 4.0 以降のリリースへ移行後の Cisco Unity フェールオーバーの設定 1(推奨)」
• 「1 つの Cisco CallManager クラスタを持つ 1 台の Cisco Unity サーバ」
• 「Cisco CallManager 3.3(x) で 1 つの Cisco CallManager クラスタを持つ 1 台の Cisco Unity サーバ」
• 「Cisco CallManager 4.0 以降のリリースへ移行後に 1 つの Cisco CallManager クラスタを持つ 1 台の Cisco Unity サーバ」
Cisco CallManager 3.3(x) での Cisco Unity フェールオーバーの設定 1(推奨)
この例では、各サーバで 4 つのポートが着信コールを処理し、2 つのポートが発信コールおよび MWI を処理します。PhoneCSS には、登録者の電話機に割り当てられたパーティションおよび VMPilotNumberPT が含まれます。
VMRestrictedCSS には VMRestrictedPT だけが含まれ、VM ポートだけに割り当てられます。
プライマリ Cisco Unity サーバの VM ポートの設定例は次のとおりです。
Port 1: (Line: 2001) Device Settings - CSS = PhoneCSS
Port 1: (Line: 2001) Directory Number Settings - Partition = VMPilotNumberPT, CSS = VMRestrictedCSS
Ports 2 to 6: (Lines: 2002-2006) Device Settings - CSS = PhoneCSS
Ports 2 to 6: (Lines: 2002-2006) Directory Number Settings - Partition = VMRestrictedPT, CSS = VMRestrictedCSS
Ports 1 to 6: (Lines: 2001-2006) Call Forwarding Settings on Busy and No Answer CSS = VMRestrictedCSS
Line: 2001, CFNA = 3001, CFB = 2002
Line: 2002, CFNA = 3001, CFB = 2003
Line: 2003, CFNA = 3001, CFB = 2004
Line: 2004, CFNA = 3001, CFB = 2001
Line: 2005, CFNA = 2001, CFB = Blank (for outbound calls and MWI)
Line: 2006, CFNA = 2001, CFB = Blank (for outbound calls and MWI)
セカンダリ Cisco Unity サーバの VM ポートの設定例を次に示します(ポートがすべて使用中または Ring No Answer(RNA)の場合、コールがオペレータに送信されない)。
Ports 1 to 6: (Lines: 3001-3006) Device Settings - CSS = PhoneCSS
Ports 1 to 6: (Lines: 3001-3006) Directory Number Settings - Partition = VMRestrictedPT, CSS = VMRestrictedCSS
Ports 1 to 6: (Lines: 3001-3006) Call Forwarding Settings on Busy and No Answer CSS = VMRestrictedCSS
Line: 3001, CFNA = 3002, CFB = 3002
Line: 3002, CFNA = 3003, CFB = 3003
Line: 3003, CFNA = 3004, CFB = 3004
Line: 3004, CFNA = 3001, CFB = 3001
Line: 3005, CFNA = 3001, CFB = Blank (for outbound calls and MWI)
Line: 3006, CFNA = 3001, CFB = Blank (for outbound calls and MWI)
セカンダリ Cisco Unity サーバの VM ポートの設定例を次に示します(ポートがすべて使用中または RNA の場合、コールがオペレータに送信される)。
Ports 1 to 6: (Lines: 3001-3006) Device Settings - CSS = PhoneCSS
Ports 1 to 6: (Lines: 3001-3006) Directory Number Settings - Partition = VMRestrictedPT, CSS = VMRestrictedCSS
Ports 1 to 6: (Lines: 3001-3006) Call Forwarding Settings on Busy and No Answer CSS = VMRestrictedCSS
Line: 3001, CFNA = 3002, CFB = 3002
Line: 3002, CFNA = 3003, CFB = 3003
Line: 3003, CFNA = 3004, CFB = 3004
Line: 3004, CFNA = operator DN, CFB = operator DN
Line: 3005, CFNA = 3001, CFB = Blank (for outbound calls and MWI)
Line: 3006, CFNA = 3001, CFB = Blank (for outbound calls and MWI)
Cisco CallManager 4.0 以降のリリースへ移行後の Cisco Unity フェールオーバーの設定 1(推奨)
この例では、各サーバで 4 つのポートが着信コールを処理し、2 つのポートが発信コールおよび MWI を処理します。PhoneCSS には、登録者の電話機に割り当てられたパーティションおよび VMPilotNumberPT が含まれます。
VMRestrictedCSS には VMRestrictedPT だけが含まれ、VM ポートだけに割り当てられます。VMPilotPartition が自動的に作成され、ボイスメール ポートに割り当てられます。
プライマリ Cisco Unity サーバの VM ポートの設定例を次に示します。
Ports 1 to 6: (Lines: 2001-2006) Device Settings - CSS = PhoneCSS
Ports 1 to 6: (Lines: 2001-2006) Directory Number Settings - Partition = VMPilotPartition, CSS = VMRestrictedCSS
セカンダリ Cisco Unity サーバの VM ポートの設定例を次に示します。
Ports 1 to 6: (Lines: 3001-3006) Device Settings - CSS = PhoneCSS
Ports 1 to 6: (Lines: 3001-3006) Directory Number Settings - Partition = VMPilotPartition, CSS = VMRestrictedCSS
回線グループの設定例を次に示します(ポートがすべて使用中または RNA の場合、コールはオペレータに送信されない)。
1. Line Group Name: LG2001 は 2001 ~ 2004 を含み、次の設定値を持ちます。
No Answer: Skip remaining members, and go directly to next group (Because this setting is not the default, you must set it manually.)
Busy: Try next member, but do not go to next group (Because this setting is not the default, you must set it manually.)
Not Available: Skip remaining members, and go directly to next group (Because this setting is not the default, you must set it manually.)
2. Line Group Name: LG3001 は 3001 ~ 3004 を含み、次の設定値を持ちます。
No Answer: Try next member, but do not go to next group
Busy: Try next member, but do not go to next group
Not Available: Try next member, but do not go to next group
これらの値は、アップグレード後に必ず手動で設定してください。
回線グループの設定例を次に示します(ポートがすべて使用中または RNA の場合、コールはオペレータに送信される)。
(注) 着信回線グループだけを設定し、ダイヤル アウトした回線グループはそのままにしてください。
1. Line Group Name: LG2001 は 2001 ~ 2004 を含み、次の設定値を持ちます。
No Answer: Skip remaining members, and go directly to next group
Busy: Try next member, but do not go to next group
Not Available: Skip remaining members, and go directly to next group
これらの値は、アップグレード後に必ず手動で設定してください。
2. Line Group Name: LG3001 は 3001 ~ 3004 を含み、次の設定値を持ちます。
No Answer: Try next member, but do not go to next group
Busy: Try next member, but do not go to next group
Not Available: Skip remaining members, and go directly to next group
これらの値は、アップグレード後に必ず手動で設定してください。
3. Line Group Name: Operator は、オペレータの内線(たとえば 1000)を含みます。
No Answer: Try next member, but do not go to next group
Busy: Try next member, but do not go to next group
Not Available: Try next member, but do not go to next group
アップグレード後、ハント リストは自動的に次のように設定されます。
Hunt List Name: HL2001, includes Line Groups LG2001 and LG3001, and operator LG if used, in this order.
アップグレード後、ハント パイロットは自動的に次のように設定されます。
Hunt Pilot: 2001, Partition: VMPilotNumberPT, Hunt List: HL2001
1 つの Cisco CallManager クラスタを持つ 1 台の Cisco Unity サーバ
この項では、1 台の Cisco Unity サーバおよび 1 つの Cisco CallManager クラスタでのボイスメール ポートの設定の概要について説明します。ここでは、次の設定例について説明します。
• 「Cisco CallManager 3.3(x) で 1 つの Cisco CallManager クラスタを持つ 1 台の Cisco Unity サーバ」
• 「Cisco CallManager 4.0 以降のリリースへ移行後に 1 つの Cisco CallManager クラスタを持つ 1 台の Cisco Unity サーバ」
Cisco CallManager 3.3(x) で 1 つの Cisco CallManager クラスタを持つ 1 台の Cisco Unity サーバ
この例では、ボイスメール ポートが次のように設定されます。
Port 1: (Line: 2001) Device Settings - CSS = PhoneCSS
Port 1: (Line: 2001) Directory Number Settings - Partition = VMPilotNumberPT, CSS = VMRestrictedCSS
Ports 2 to 6: (Lines: 2002-2006) Device Settings - CSS = PhoneCSS
Ports 2 to 6: (Lines: 2002-2006) Directory Number Settings - Partition = VMRestrictedPT, CSS = VMRestrictedCSS
Ports 1 to 6: (Lines: 2001-2006) Call Forwarding Settings on Busy and No Answer CSS = VMRestrictedCSS
Line: 2001, CFNA = 2002, CFB = 2002
Line: 2002, CFNA = 2003, CFB = 2003
Line: 2003, CFNA = 2004, CFB = 2004
Line: 2004, CFNA = 2001, CFB = 2001
Line: 2005, CFNA = 2001, CFB = Blank (for outbound calls and MWI)
Line: 2006, CFNA = 2001, CFB = Blank (for outbound calls and MWI)
Cisco CallManager 4.0 以降のリリースへ移行後に 1 つの Cisco CallManager クラスタを持つ 1 台の Cisco Unity サーバ
この例では、ボイスメール ポートが次のように設定されます。
Ports 1 to 6: (Lines: 2001-2006) Device Settings - CSS = PhoneCSS
Ports 1 to 6: (Lines: 2001-2006) Directory Number Settings - Partition = VMPilotPartition, CSS = VMRestrictedCSS
回線グループは、次のように設定されます。
Line Group Name: LG2001 は 2001 ~ 2004 を含み、次の設定値を持ちます。
No Answer: Try next member, but do not go to next group
Busy: Try next member, but do not go to next group
Not Available: Try next member, but do not go to next group
発信ポートに次の回線グループを作成します。
LG2005, include 2005 and 2006
これらの回線グループを次の値で設定します。
No Answer: Stop hunting. (Because this setting is not the default, you must set it manually.)
Busy: Stop hunting. (Because this setting is not the default, you must set it manually.)
Not Available: Stop hunting. (Because this setting is not the default, you must set it manually.)
ハント リストは、次のように設定されます。
Hunt List Name: HL2001, includes Line Groups LG2001
Hunt List Name: HL2004, includes Line Groups LG2004 and LG2001, in that order
Hunt List Name: HL2005, includes Line Groups LG2005 and LG2001, in that order
ハント パイロットは、次のように設定されます。
Hunt Pilot: 2001, Partition: VMPilotNumberPT, Hunt List: HL2001