EtherChannel の概要
• 「EtherChannel の概要」
• 「ポートチャネル インターフェイス」
• 「Port Aggregation Protocol」
• 「Link Aggregation Control Protocol」
• 「EtherChannel の on モード」
• 「ロード バランシングおよび転送方式」
EtherChannel の概要
EtherChannel は、単一の論理リンクにバンドルされた個々のファスト イーサネットまたはギガビット イーサネット リンクで構成されます(図 40-1 を参照)。
図 40-1 一般的な EtherChannel の設定
EtherChannel は、スイッチ間またはスイッチとホスト間に、最大 800 Mbps(ファスト EtherChannel)または 8 Gbps(ギガビット EtherChannel)の全二重帯域幅を提供します。各 EtherChannel には、最大 8 個の(設定に互換性のある)イーサネット ポートを含めることができます。
各 EtherChannel 内のすべてのポートは、レイヤ 2 またはレイヤ 3 ポートのいずれかとして設定する必要があります。EtherChannel の数は、6 に制限されています。EtherChannel レイヤ 3 ポートは、ルーテッド ポートで構成されます。ルーテッド ポートは、 no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してレイヤ 3 モードに設定された物理ポートです。詳細については、「インターフェイスの特性の設定」を参照してください。
(注) レイヤ 3 EtherChannel は、IP サービス イメージが稼動しているスイッチでだけサポートされます。
詳細については、「EtherChannel 設定時の注意事項」を参照してください。
EtherChannel には、Port Aggregation Protocol(PAgP)、Link Aggregation Control Protocol(LACP)、または on のいずれかのモードを設定できます。EtherChannel の両端は同じモードで設定します。
• EtherChannel の一端を PAgP または LACP モードのいずれかで設定すると、システムはチャネルのもう一端とネゴシエートして、アクティブになるポートを決定します。互換性のないポートは独立ステートになり、他の単一リンクと同様にデータ トラフィックを継続して伝送します。ポート設定は変更されませんが、ポートは EtherChannel には参加しません。
• on モードで EtherChannel を設定した場合、ネゴシエーションは実行されません。スイッチは EtherChannel の互換性のあるポートすべてを強制的にアクティブにします。チャネルのもう一端(他のスイッチ上の)も on モードで設定する必要があります。そうしないと、パケット損失が発生します。
EtherChannel 内のリンクで障害が発生すると、障害リンク上でそれまで伝送されていたトラフィックがその EtherChannel 内の残りのリンクに切り替えられます。スイッチでトラップがイネーブルになっている場合は、障害が発生すると、スイッチ、EtherChannel、および障害リンクを識別するトラップが送信されます。EtherChannel の 1 つのリンクに着信したブロードキャストおよびマルチキャスト パケットが、EtherChannel の別のリンクに戻されることはありません。
ポートチャネル インターフェイス
EtherChannel を作成すると、ポートチャネル論理インターフェイスも作成されます。
• レイヤ 2 ポートの場合は、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポートチャネル論理インターフェイスをダイナミックに作成します。
また、 interface port-channel port-channel-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポートチャネル論理インターフェイスを手動で作成することもできます。ただし、その場合、論理インターフェイスを物理ポートにバインドするには、 channel-group channel-group-number コマンドを使用する必要があります。 channel-group-number は、 port - channel-number と同じ番号にしても、新しい番号にしてもかまいません。新しい番号を使用した場合、 channel-group コマンドは新しいポート チャネルをダイナミックに作成します。
• レイヤ 3 ポートの場合は、 interface port-channel グローバル コンフィギュレーション コマンド、およびそのあとに no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、論理インターフェイスを手動で作成する必要があります。次に、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、インターフェイスを手動で EtherChannel に割り当てます。
レイヤ 2 およびレイヤ 3 ポートのいずれの場合も、 channel-group コマンドを実行すると、物理ポートと論理インターフェイスがバインドされます(図 40-2 を参照)。
各 EtherChannel には、1 ~ 6 まで番号付けされたポートチャネル論理インターフェイスがあります。このポートチャネル インターフェイスの番号は、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドにより指定された番号に対応します。
図 40-2 物理ポート、論理ポート チャネル、およびチャネル グループの関係
EtherChannel を設定したあと、ポートチャネル インターフェイスに適用された設定の変更は、そのポートチャネル インターフェイスに割り当てられたすべての物理ポートに適用されます。物理ポートに適用された設定の変更は、設定を適用したポートだけに有効です。EtherChannel 内のすべてのポートのパラメータを変更するには、ポートチャネル インターフェイスに対してコンフィギュレーション コマンドを適用します。たとえば、spanning-tree コマンドを使用して、レイヤ 2 EtherChannel をトランクとして設定します。
Port Aggregation Protocol
Port Aggregation Protocol(PAgP)はシスコ独自のプロトコルで、Cisco スイッチと、PAgP に対応するためにライセンスを得たベンダーのスイッチでだけ動作します。PAgP を使用すると、イーサネット ポート間で PAgP パケットを交換することにより、EtherChannel を自動的に作成できます。
スイッチは PAgP を使用することによって、PAgP をサポートできるパートナーの識別情報、および各ポートの機能を学習します。次に、設定が類似しているポートを単一の論理リンク(チャネルまたは集約ポート)にダイナミックにグループ化します。設定が類似しているポートをグループ化する場合の基準は、ハードウェア、管理、およびポート パラメータ制約です。たとえば、速度、デュプレックス モード、ネイティブ VLAN、VLAN 範囲、トランキング ステータスおよびタイプが同じであるポートが PAgP によってグループ化されます。リンクが EtherChannel にグループ化されたあと、グループは PAgP によって単一のスイッチ ポートとしてスパニング ツリーに追加されます。
PAgP モード
表 40-1 に、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドにユーザが設定できる EtherChannel PAgP モードを示します。
表 40-1 EtherChannel PAgP モード
|
|
auto |
ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する PAgP パケットに応答しますが、PAgP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。この設定では、PAgP パケットの伝送が最小化されます。 |
desirable |
ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは PAgP パケットを送信することによって、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 |
スイッチ ポートは、 auto または desirable モードに設定されたパートナー ポートとだけ PAgP パケットを交換します。 on モードに設定されたポートは、PAgP パケットを交換しません。
auto および desirable モードでは、どちらの場合も、ポートはパートナー ポートとネゴシエートし、一定の基準に従って EtherChannel を形成します。その基準とは、ポート速度、およびレイヤ 2 EtherChannel の場合、トランキング ステートと VLAN 番号などです。
ポート間で PAgP モードが異なっていても、モードが矛盾しない限り EtherChannel を形成できます。次に例を示します。
• desirable モードのポートは、 desirable モードまたは auto モードの別のポートと EtherChannel を形成できます。
• auto モードのポートは、 desirable モードの別のポートと EtherChannel を形成できます。
auto モードのポートは、どちらのポートも PAgP ネゴシエーションを開始しないので、 auto モードの別のポートとは EtherChannel を形成できません。
PAgP 対応のパートナーにスイッチが接続されている場合は、 non-silent キーワードを使用して、非サイレント動作を行うようにスイッチ ポートを設定できます。 auto モードまたは desirable モードとともに non-silent を指定しなかった場合は、サイレント モードが指定されているものと見なされます。
サイレント モードを使用するのは、PAgP 非対応で、かつほとんどパケットを送信しない装置にスイッチを接続する場合です。サイレント パートナーの例は、トラフィックを生成しないファイル サーバ、またはパケット アナライザなどです。この場合、サイレント パートナーに接続された物理ポート上で PAgP を稼動させると、このスイッチ ポートが動作しなくなります。ただし、サイレント設定を使用すると、PAgP が動作するようになり、チャネル グループにポートを接続したり、ポートを伝送に使用したりできます。
PAgP と仮想スイッチとの相互作用とデュアル アクティブ検出
1 つの仮想スイッチは、複数の Catalyst 6500 コア スイッチとなることができます。これらのコア スイッチ間は、制御トラフィックとデータ トラフィックを伝送する Virtual Switch Link(VSL; 仮想スイッチ リンク)により接続されます。これらのスイッチのうち 1 台がアクティブ モードとなり、その他はスタンバイ モードとなります。冗長性を確保するため、IE3000 スイッチなどのリモート スイッチは、Remote Satellite Link(RSL)により仮想スイッチに接続されます。
2 つのスイッチ間の VSL に障害が発生した場合、一方のスイッチはもう一方のスイッチのステータスを認識しません。両方のスイッチがアクティブ モードに変わり、ネットワーク内で設定の重複(IP アドレスやブリッジ ID の重複など)を伴う デュアル アクティブ状態 が発生する可能性があります。ネットワークがダウンする可能性があります。
デュアル アクティブ状態を回避するため、コア スイッチは RSL 経由でリモート スイッチに PAgP Protocol Data Unit(PDU; プロトコル データ ユニット)を送信します。PAgP PDU はアクティブなスイッチを識別し、リモート スイッチはコア スイッチとの同期が取れるようコア スイッチに PDU を転送します。アクティブ スイッチで障害が発生した、またはアクティブ スイッチをリセットした場合は、スタンバイ スイッチがアクティブ スイッチを引き継ぎます。VSL がダウンした場合でも、一方のコア スイッチはもう一方のスイッチのステータスを認識し、ステートを変更しません。
PAgP と他の機能との相互作用
Dynamic Trunking Protocol(DTP; ダイナミック トランキング プロトコル)および Cisco Discovery Protocol(CDP; シスコ検出プロトコル)は、EtherChannel の物理ポートを経由してパケットを送受信します。トランク ポートは、番号が最も小さい VLAN 上で PAgP プロトコル データ ユニット(PDU)を送受信します。
レイヤ 2 EtherChannel では、チャネル内で最初に起動するポートが EtherChannel に MAC アドレスを提供します。このポートがバンドルから削除されると、バンドル内の他のポートの 1 つが EtherChannel に MAC アドレスを提供します。
PAgP がPAgP PDU を送受信するのは、PAgP が auto モードまたは desirable モードでイネーブルになっている、稼動状態のポート上だけです。
Link Aggregation Control Protocol
LACP は IEEE 802.3ad で定義されており、Cisco スイッチが IEEE 802.3ad プロトコルに準拠したスイッチ間のイーサネット チャネルを管理できるようにします。LACP を使用すると、イーサネット ポート間で LACP パケットを交換することにより、EtherChannel を自動的に作成できます。
スイッチは LACP を使用することによって、LACP をサポートできるパートナーの識別情報、および各ポートの機能を学習します。次に、設定が類似しているポートを単一の論理リンク(チャネルまたは集約ポート)にダイナミックにグループ化します 。 設定が類似しているポートをグループ化する場合の基準は、ハードウェア、管理、およびポート パラメータ制約です。たとえば、速度、デュプレックス モード、ネイティブ VLAN、VLAN 範囲、トランキング ステータスおよびタイプが同じであるポートが LACP によってグループ化されます。リンクが EtherChannel にグループ化されたあと、グループは LACP によって単一のスイッチ ポートとしてスパニング ツリーに追加されます。
LACP モード
表 40-2 に、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドにユーザが設定できる EtherChannel LACP モードを示します。
表 40-2 EtherChannel LACP モード
|
|
active |
ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは LACP パケットを送信することによって、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 |
passive |
ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する LACP パケットに応答しますが、LACP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。この設定では、LACP パケットの伝送が最小化されます。 |
LACP の active モードおよび passive モードでは、どちらの場合も、ポートはパートナー ポートとネゴシエートし、一定の基準に従って EtherChannel を形成します。その基準とは、ポート速度、およびレイヤ 2 EtherChannel の場合、トランキング ステートとVLAN 番号などです。
ポート間で LACP モードが異なっていても、モードが矛盾しない限り EtherChannel を形成できます。次に例を示します。
• active モードのポートは、 active モードまたは passive モードの別のポートと EtherChannel を形成できます。
• passive モードのポートは、どちらのポートも LACP ネゴシエーションを開始しないので、 passive モードの別のポートとは EtherChannel を形成できません。
LACP と他の機能との相互作用
DTP および CDP は、EtherChannel の物理ポートを経由してパケットを送受信します。トランク ポートは、番号が最も小さい VLAN 上で LACP PDU を送受信します。
レイヤ 2 EtherChannel では、チャネル内で最初に起動するポートが EtherChannel に MAC アドレスを提供します。このポートがバンドルから削除されると、バンドル内の他のポートの 1 つが EtherChannel に MAC アドレスを提供します。
LACP がLACP PDU を送受信するのは、LACP が active モードまたは passive モードでイネーブルになっている、稼動状態のポート上だけです。
EtherChannel の on モード
EtherChannel の on モードを使用すると、手動で EherChannel を設定できます。on モードにすると、ポートはネゴシエーションせずに強制的に EtherChannel に加入されます。リモート装置で PAgP または LACP がサポートされていない場合に、 on モードは便利な機能です。on モードでは、リンクの両端のスイッチが on モードで設定されている場合に限り、EtherChannel を使用できます。
on モードで設定された同一チャネル グループ内のポートには、速度およびデュプレックスなどのポート特性に互換性がある必要があります。on モードで設定されていても、互換性のないポートは停止します。
注意 on モードの使用には注意が必要です。これは手動の設定であり、EtherChannel の両端にあるポートで同じ設定になっている必要があります。グループの設定を誤ると、パケット損失またはスパニング ツリーのループが発生することがあります。
ロード バランシングおよび転送方式
EtherChannel は、フレーム内のアドレスに基づいて形成されたバイナリ パターンの一部を、チャネル内の 1 つのリンクを選択する数値に変換することによって、チャネル内のリンク間でトラフィックの負荷を分散させます。EtherChannel ロード バランシングには、MAC アドレスや IP アドレス、送信元アドレスや宛先アドレス、または送信元と宛先の両方のアドレスを使用できます。選択したモードは、スイッチ上で設定されているすべての EtherChannel に適用されます。ロード バランシングおよび転送方式を設定するには、 port-channel load-balance グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
送信元 MAC アドレス転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットの送信元 MAC アドレスに基づいてチャネル ポート間で分配されます。したがって、ロード バランシングを行うために、送信元ホストが異なるパケットはそれぞれ異なるチャネルポートを使用しますが、送信元ホストが同じパケットは同じチャネル ポートを使用します。
宛先 MAC アドレス転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットに指定されている宛先ホストの MAC アドレスに基づいてチャネル ポート間で分配されます。したがって、宛先が同じパケットは同じポートに転送され、宛先の異なるパケットはそれぞれ異なるチャネル ポートに転送されます。
送信元/宛先 MAC アドレス転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、送信元および宛先の両方の MAC アドレスに基づいてチャネル ポート間で分配されます。この転送方式は、送信元 MAC アドレス転送方式と宛先 MAC アドレス転送方式の負荷分散を組み合わせたものです。特定のスイッチに対して送信元 MAC アドレス転送と宛先 MAC アドレス転送のどちらが適切であるかが不明な場合に使用できます。送信元/宛先 MAC アドレス転送の場合、ホスト A からホスト B、ホスト A からホスト C、およびホスト C からホスト B に送信されるパケットは、それぞれ異なるチャネル ポートを使用できます。
送信元 IP アドレスベース転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットの送信元 IP アドレスに基づいて EtherChannel ポート間で分配されます。したがって、ロード バランシングを行うために、IP アドレスが異なるパケットはそれぞれ異なるチャネルポートを使用しますが、IP アドレスが同じパケットは同じチャネル ポートを使用します。
宛先 IP アドレスベース転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットの宛先 IP アドレスに基づいて EtherChannel ポート間で分配されます。したがって、ロード バランシングを行うために、同じ送信元 IP アドレスから異なる宛先 IP アドレスに送信されるパケットは、異なるチャネル ポートに送信できます。ただし、異なる送信元 IP アドレスから同じ宛先 IP アドレスに送信されるパケットは、常に同じチャネル ポートで送信されます。
送信元/宛先 IP アドレスベース転送の場合、EtherChannel に転送されたパケットは、着信パケットの送信元および宛先の両方の IP アドレスに基づいて EtherChannel ポート間で分配されます。この転送方式は、送信元 IP アドレスベース転送方式と宛先 IP アドレスベース転送方式を組み合わせたものです。特定のスイッチに対して送信元 IP アドレスベース転送と宛先 IP アドレスベース転送のどちらが適切であるかが不明な場合に使用できます。この方式では、IP アドレス A から IP アドレス B に、IP アドレス A から IP アドレス C に、および IP アドレス C から IP アドレス B に送信されるパケットは、それぞれ異なるチャネル ポートを使用できます。
ロードバランシング方式ごとに利点が異なります。ロードバランシング方式は、ネットワーク内のスイッチの位置、および負荷分散が必要なトラフィックの種類に基づいて選択する必要があります。図 40-3 では、4 台のワークステーションのデータを集約するスイッチの EtherChannel がルータと通信しています。ルータは単一の MAC アドレスを持つ装置であるため、スイッチの EtherChannel で送信元ベース転送を行うことにより、スイッチがルータで有効な帯域幅をすべて使用するようになります。ルータは、宛先ベース転送を行うように設定されます。このように設定すると、多数のワークステーションで、ルータの EtherChannel からのトラフィックが均等に分散されることが保証されるためです。
設定には最も柔軟なオプションを使用してください。たとえば、チャネル上のトラフィックが単一 MAC アドレスを宛先とする場合、宛先 MAC アドレスを使用すると、チャネル内の同じリンクが常に選択されます。送信元アドレスまたは IP アドレスを使用した方が、ロード バランシングの効率がよくなることがあります。
図 40-3 負荷分散および転送方式
EtherChannel の設定
ここでは、次の設定情報について説明します。
• 「EtherChannel のデフォルト設定」
• 「EtherChannel 設定時の注意事項」
• 「レイヤ 2 EtherChannel の設定」(必須)
• 「レイヤ 3 EtherChannel の設定」(必須)
• 「EtherChannel ロード バランシングの設定」(任意)
• 「PAgP 学習方式およびプライオリティの設定」(任意)
• 「LACP ホットスタンバイ ポートの設定」(任意)
(注) ポートが正しく設定されていることを確認してください。詳細については、「EtherChannel 設定時の注意事項」を参照してください。
(注) EtherChannel を設定したあと、ポートチャネル インターフェイスに適用された設定の変更は、そのポートチャネル インターフェイスに割り当てられたすべての物理ポートに適用されます。物理ポートに適用された設定の変更は、設定を適用したポートに限り有効です。
EtherChannel のデフォルト設定
表 40-3 に、EtherChannel のデフォルト設定を示します。
表 40-3 EtherChannel のデフォルト設定
|
|
チャネル グループ |
割り当てなし。 |
ポートチャネル論理インターフェイス |
定義なし。 |
PAgP モード |
デフォルトなし。 |
PAgP 学習方式 |
すべてのポートで集約ポート ラーニング。 |
PAgP プライオリティ |
すべてのポートで 128。 |
LACP モード |
デフォルトなし。 |
LACP 学習方式 |
すべてのポートで集約ポート ラーニング。 |
LACP ポート プライオリティ |
すべてのポートで 32768。 |
LACP システム プライオリティ |
32768。 |
LACP システム ID |
LACP システム プライオリティおよびスイッチの MAC アドレス。 |
ロード バランシング |
着信パケットの送信元 MAC アドレスに基づいてスイッチ上で負荷を分散。 |
EtherChannel 設定時の注意事項
EtherChannel ポートを正しく設定しないと、ネットワーク ループなどの問題を回避するために、一部の EtherChannel ポートが自動的にディセーブルになることがあります。設定上の問題を回避するために、次の注意事項に従ってください。
• 6 を超える数の EtherChannel をスイッチで設定しないでください。
• PAgP EtherChannel は、同じタイプのイーサネット ポートを最大 8 個使用して設定してください。
• LACP EtherChannel は、同じタイプのイーサネット ポートを最大 16 個使用して設定してください。最大 8 個のポートをアクティブにして、最大 8 個のポートをスタンバイ モードにすることができます。
• EtherChannel 内のすべてのポートが、同じ速度および同じデュプレックス モードで動作するように設定してください。
• EtherChannel のすべてのポートをイネーブルにしてください。 shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してディセーブル化された EtherChannel のポートは、リンク障害として扱われ、そのポートのトラフィックが EtherChannel 内の残りのポートの 1 つに転送されます。
• グループを初めて作成したときは、そのグループに最初に追加されたポートのパラメータ設定値をすべてのポートが引き継ぎます。次に示すパラメータのいずれかの設定を変更する場合は、グループ内のすべてのポートに関する設定も変更する必要があります。
– 許可 VLAN リスト
– 各 VLAN のスパニング ツリー パス コスト
– 各 VLAN のスパニング ツリー ポート プライオリティ
– スパニング ツリーの PortFast 設定
• ポートが複数の EtherChannel グループのメンバーにならないように設定してください。
• EtherChannel は、PAgP と LACP の両方のモードには設定しないでください。PAgP と LACP が稼動している EtherChannel グループは同じスイッチ上に共存できます。個々の EtherChannel グループは PAgP または LACP のどちらかを実行できますが、相互運用することはできません。
• Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)宛先ポートを EtherChannel の一部として設定しないでください。
• セキュア ポートを EtherChannel の一部として、またはその逆として設定しないでください。
• プライベート VLAN ポートを EtherChannel の一部として設定しないでください。
• アクティブまたはアクティブでない EtherChannel メンバーを IEEE 802.1x ポートとして設定しないでください。EtherChannel ポートで IEEE 802.1x をイネーブルにしようとすると、エラー メッセージが表示され、IEEE 802.1x はイネーブルになりません。
• EtherChannel がスイッチ インターフェイスに設定されている場合、 dot1x system-auth-control グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してスイッチの IEEE 802.1x をグローバルにイネーブルにする前に、インターフェイスから EtherChannel の設定を削除します。
• ダウンストリーム Etherchannel インターフェイスの一部になる個別のインターフェイスでリンクステート トラッキングをイネーブルにしないでください。
• レイヤ 2 EtherChannel の場合
– EtherChannel 内のすべてのポートを同じ VLAN に割り当てるか、またはトランクとして設定してください。複数のネイティブ VLAN に接続されているポートは、EtherChannel を形成できません。
– トランク ポートから EtherChannel を設定する場合は、すべてのトランクでトランキング モード(Inter-Switch Link(ISL; スイッチ間リンク)または IEEE 802.1Q)が同じであることを確認してください。EtherChannel ポートでトランク モードが統一されていない場合は、予想外の結果が生じる可能性があります。
– EtherChannel は、トランキング レイヤ 2 EtherChannel 内のすべてのポートで同じ許容範囲の VLAN をサポートします。VLAN の許容範囲が異なる場合、PAgP が auto モードまたは desirable モードに設定されていても、ポートは EtherChannel を形成しません。
– スパニング ツリー パス コストが異なるポートは、設定に互換性があれば、EtherChannel を形成できます。異なるスパニング ツリー パス コストを設定しても、それ自体は、EtherChannel を形成でポートに矛盾をもたらしません。
• レイヤ 3 EtherChannel の場合は、チャネル内の物理ポートに対してではなく、ポートチャネル論理インターフェイスに対してレイヤ 3 アドレスを割り当ててください。
レイヤ 2 EtherChannel の設定
レイヤ 2 EtherChannel を設定するには、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、チャネル グループにポートを割り当てます。このコマンドにより、ポートチャネル論理インターフェイスが自動的に作成されます。
レイヤ 2 EtherChannel にレイヤ 2 イーサネット ポートを割り当てるには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は必須です。
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 指定できるインターフェイスとして、物理ポートも含まれます。 PAgP EtherChannel の場合、同じタイプおよび同じ速度のポートを 8 個まで同じグループに設定できます。 LACP EtherChannel の場合は、同じタイプのイーサネット ポートを 16 個まで設定できます。最大 8 個のポートをアクティブにして、最大 8 個のポートをスタンバイ モードにすることができます。 |
ステップ 3 |
switchport mode { access | trunk } switchport access vlan vlan-id |
すべてのポートをスタティック アクセス ポートとして同じ VLAN に割り当てるか、またはトランクとして設定します。 ポートをスタティック アクセス ポートとして設定する場合は、ポートを 1 つの VLAN にだけ割り当ててください。指定できる範囲は 1 ~ 4094 です。 |
ステップ 4 |
channel-group channel -group-number mode { auto [ non-silent ] | desirable [ non-silent ] | on } | { active | passive } |
ポートをチャネル グループに割り当て、PAgP または LACP モードを指定します。 channel-group-number に指定できる範囲は、1 ~ 6 です。 mode には、次に示すキーワードのいずれかを選択します。 • auto : PAgP 装置が検出された場合に限り、PAgP をイネーブルにします。ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する PAgP パケットに応答しますが、PAgP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。 • desirable : PAgP を無条件でイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは PAgP パケットを送信することによって、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 • on : PAgP や LACP を使用せずに、ポートを強制的にチャネル化します。 on モードでは、使用可能な EtherChannel が存在するのは、 on モードのポート グループが、 on モードの別のポート グループに接続する場合だけです。 • non-silent :(任意) PAgP 対応のパートナーに接続されたスイッチのポートが auto または desirable モードの場合に、非サイレント動作を行うようにスイッチ ポートを設定します。 non-silent を指定しなかった場合は、サイレントが指定されているものと見なされます。サイレント設定は、ファイル サーバまたはパケット アナライザに接続する場合に使用します。この設定を使用すると、PAgP が動作するようになり、チャネル グループにポートを接続したり、ポートを伝送に使用したりできます。 • active :LACP 装置が検出された場合に限り、LACP をイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは LACP パケットを送信することによって、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 • passive : ポートで LACP をイネーブルにしてパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する LACP パケットに応答しますが、LACP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。 スイッチおよびパートナーのモードの互換性については、「PAgP モード」および「LACP モード」を参照してください。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
EtherChannel グループからポートを削除するには、 no channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、スイッチ上で EtherChannel を設定する例を示します。2 つのポートを、VLAN 10 のスタティック アクセス ポートとして、PAgP モード desirable であるチャネル 5 に割り当てます。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range gigabitethernet1/1 -2
Switch(config-if-range)# switchport mode access
Switch(config-if-range)# switchport access vlan 10
Switch(config-if-range)# channel-group 5 mode desirable non-silent
Switch(config-if-range)# end
次に、スイッチ上で EtherChannel を設定する例を示します。2 つのポートを、VLAN 10 のスタティック アクセス ポートとして、LACP モード active であるチャネル 5 に割り当てます 。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range gigabitethernet1/1 -2
Switch(config-if-range)# switchport mode access
Switch(config-if-range)# switchport access vlan 10
Switch(config-if-range)# channel-group 5 mode active
Switch(config-if-range)# end
レイヤ 3 EtherChannel の設定
レイヤ3 EtherChannel を設定するには、ポートチャネル論理インターフェイスを作成し、そのポートチャネルにイーサネット ポートを組み込みます。次に設定方法を説明します。
ポートチャネル論理インターフェイスの作成
レイヤ 3 EtherChannel を設定する場合、まず interface port-channel グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポートチャネル論理インターフェイスを手動で作成する必要があります。次に、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、論理インターフェイスをチャネル グループに配置します。
(注) 物理ポートから EtherChannel に IP アドレスを移動するには、物理ポートから IP アドレスを削除したあとで、その IP アドレスをポートチャネル インターフェイス上で設定する必要があります。
レイヤ3 EtherChannel 用のポートチャネル インターフェイスを作成するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は必須です。
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface port-channel port- channel-number |
ポートチャネル論理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 port - channel-number に指定できる範囲は、1 ~ 6 です。 |
ステップ 3 |
no switchport |
インターフェイスをレイヤ 3 モードにします。 |
ステップ 4 |
ip address ip-address mask |
EtherChannel に IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show etherchannel channel-group-number detail |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
ステップ 8 |
|
レイヤ 3 EtherChannel にイーサネット ポートを割り当てます。詳細については、「物理インターフェイスの設定」を参照してください。 |
ポートチャネルを削除するには、 no interface port-channel port-channel-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、論理ポート チャネル 5 を作成し、IP アドレスとして 172.10.20.10 を割り当てる例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface port-channel 5
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# ip address 172.10.20.10 255.255.255.0
物理インターフェイスの設定
レイヤ3 EtherChannel にイーサネット ポートを割り当てるには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は必須です。
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 指定できるインターフェイスとして、物理ポートも含まれます。 PAgP EtherChannel の場合、同じタイプおよび同じ速度のポートを 8 個まで同じグループに設定できます。 LACP EtherChannel の場合は、同じタイプのイーサネット ポートを 16 個まで設定できます。最大 8 個のポートをアクティブにして、最大 8 個のポートをスタンバイ モードにすることができます。 |
ステップ 3 |
no ip address |
この物理ポートに IP アドレスが割り当てられていないことを確認します。 |
ステップ 4 |
no switchport |
ポートをレイヤ 3 モードにします。 |
ステップ 5 |
channel-group channel -group-number mode { auto [ non-silent ] | desirable [ non-silent ] | on } | { active | passive } |
ポートをチャネル グループに割り当て、PAgP または LACP モードを指定します。 channel-group-number に指定できる範囲は、1 ~ 6 です。この番号は、「ポートチャネル論理インターフェイスの作成」で設定された port-channel-number (論理ポート)と同じである必要があります。 mode には、次に示すキーワードのいずれかを選択します。 • auto :PAgP 装置が検出された場合に限り、PAgP をイネーブルにします。ポートをパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する PAgP パケットに応答しますが、PAgP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。 • desirable :PAgP を無条件でイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは PAgP パケットを送信することによって、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 • on :PAgP や LACP を使用せずに、ポートを強制的にチャネル化します。 on モードでは、使用可能な EtherChannel が存在するのは、 on モードのポート グループが、 on モードの別のポート グループに接続する場合だけです。 • non-silent :(任意)PAgP 対応のパートナーに接続されたスイッチのポートが auto または desirable モードの場合に、非サイレント動作を行うようにスイッチ ポートを設定します。 non-silent を指定しなかった場合は、サイレントが指定されているものと見なされます。サイレント設定は、ファイル サーバまたはパケット アナライザに接続する場合に使用します。この設定を使用すると、PAgP が動作するようになり、チャネル グループにポートを接続したり、ポートを伝送に使用したりできます。 • active :LACP 装置が検出された場合に限り、LACP をイネーブルにします。ポートをアクティブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは LACP パケットを送信することによって、他のポートとのネゴシエーションを開始します。 • passive : ポートで LACP をイネーブルにしてパッシブ ネゴシエーション ステートにします。この場合、ポートは受信する LACP パケットに応答しますが、LACP パケット ネゴシエーションを開始することはありません。 スイッチおよびパートナーのモードの互換性については、「PAgP モード」および「LACP モード」を参照してください。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
次の例では、EtherChannel を設定する方法を示します。2 つのポートを、LACP モード active であるチャネル 5 に割り当てます。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range gigabitethernet1/1 -2
Switch(config-if-range)# no ip address
Switch(config-if-range)# no switchport
Switch(config-if-range)# channel-group 5 mode active
Switch(config-if-range)# end
EtherChannel ロード バランシングの設定
ここでは、送信元ベースまたは宛先ベースの転送方式を使用して、EtherChannel ロード バランシングを設定する方法について説明します。詳細については、「ロード バランシングおよび転送方式」を参照してください。
EtherChannel ロード バランシングを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は任意です。
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
port-channel load-balance { dst-ip | dst-mac | src-dst-ip | src-dst-mac | src-ip | src-mac } |
EtherChannel ロードバランシング方式を設定します。 デフォルトは src-mac です。 次に示す負荷分散方式のいずれかを選択します。 • dst-ip :宛先ホストの IP アドレスに基づいた負荷分散。 • dst-mac :着信パケットの宛先ホストの MAC アドレスに基づいた負荷分散。 • src-dst-ip :送信元および宛先ホストの IP アドレスに基づいた負荷分散。 • src-dst-mac :送信元および宛先ホストの MAC アドレスに基づいた負荷分散。 • src-ip :送信元ホストの IP アドレスに基づいた負荷分散。 • src-mac :着信パケットの送信元の MAC アドレスに基づいた負荷分散。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show etherchannel load-balance |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
EtherChannel ロード バランシングをデフォルト設定に戻すには、 no port-channel load-balance グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
PAgP 学習方式およびプライオリティの設定
ネットワーク装置は PAgP の物理ラーナーまたは集約ポート ラーナーとして分類されます。物理ポートでアドレスを学習し、その知識に基づいて伝送を指示する装置が物理ラーナーです。集約(論理)ポートでアドレスを学習する装置は、集約ポート ラーナーです。学習方式は、リンクの両端で同一の設定にする必要があります。
装置とそのパートナーが両方とも集約ポート ラーナーである場合、これらは論理ポートチャネルのアドレスを学習します。装置は、EtherChannel のいずれかのポートを使用することによって、送信元にパケットを送信します。集約ポート ラーニングの場合、どの物理ポートにパケットが届くかは重要でありません。
PAgP は、パートナー装置が物理ラーナーであるときと、ローカル装置が集約ポート ラーナーであるときを自動的に検出できません。したがって、物理ポートを使用してアドレスを学習する場合は、ローカル装置に手動で学習方式を設定する必要があります。負荷分散方式を送信元ベースに設定して、指定された送信元 MAC アドレスが常に同じ物理ポートに送信されるようにする必要もあります。
グループ内の 1 つのポートですべての伝送を行うように設定して、他のポートをホット スタンバイに使用することもできます。選択された 1 つのポートでハードウェア信号が検出されなくなった場合は、数秒以内にグループ内の未使用のポートに切り替えて動作させることができます。あるポートが常にパケット伝送に選択されるように設定するには、 pagp port-priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してプライオリティを変更します。プライオリティが高いほど、そのポートが選択される可能性が高まります。
(注) CLI を経由して physical-port キーワードが指定された場合でも、スイッチがサポートするのは、集約ポートでのアドレス学習だけです。スイッチ ハードウェアでは、pagp learn-method コマンドおよび pagp port-priority コマンドは無効ですが、物理ポートによるアドレス学習だけをサポートする装置との PAgP の相互運用にはこれらのコマンドが必要です。
スイッチのリンク パートナーが物理ラーナー(Catalyst 1900 シリーズ スイッチなど)である場合、pagp learn-method physical-port インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、IE 3000 スイッチを物理ポート ラーナーとして設定することを推奨します。送信元 MAC アドレスに基づく負荷分散方式を設定するには、port-channel load-balance src-mac グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。この設定により、スイッチは、送信元アドレスを学習したものと同じ EtherChannel 内のポートを使用して Catalyst 1900 へパケットを送信します。この状況に限り、pagp learn-method コマンドを使用します。
スイッチを PAgP 物理ポート ラーナーとして設定し、バンドル内の同じポートがパケット送信用として選択されるようにプライオリティを調整するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は任意です。
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
伝送用のポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
pagp learn-method physical-port |
PAgP 学習方式を選択します。 デフォルトでは、 aggregation-port learning が選択されています。つまり、スイッチは、EtherChannel 内のいずれかのポートを使用することによって、送信元にパケットを送信します。集約ポート ラーニングの場合、どの物理ポートにパケットが届くかは重要でありません。 物理ラーナーである別のスイッチに接続するには、 physical-port を選択します。 port-channel load-balance グローバル コンフィギュレーション コマンドは、必ず src-mac に設定してください(「EtherChannel ロード バランシングの設定」を参照)。 学習方式は、リンクの両端で同一の設定にする必要があります。 |
ステップ 4 |
pagp port-priority priority |
選択したポートがパケット伝送用として選択されるように、プライオリティを割り当てます。 priority に指定できる範囲は 0 ~ 255 です。デフォルト値は 128 です。プライオリティが高いほど、そのポートが PAgP 伝送に使用される可能性が高まります。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show running-config または show pagp channel-group-number internal |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
プライオリティをデフォルト設定に戻すには、 no pagp port-priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。学習方式をデフォルト設定に戻すには、 no pagp learn-method インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
LACP ホットスタンバイ ポートの設定
LACP がイネーブルの場合、チャネル内に最大数の LACP 対応ポートを設定しようとします(最大 16 ポート)。同時にアクティブにできる LACP リンクは 8 つだけです。それ以上のリンクはソフトウェアによってホットスタンバイ モードになります。アクティブ リンクの 1 つが非アクティブになると、代わりにホットスタンバイ モードになっているリンクがアクティブになります。
EtherChannel グループに 8 リンクより多く設定されている場合、LACP プライオリティに基づいてアクティブにするホットスタンバイ ポートがソフトウェアによって自動的に決定されます。ソフトウェアは LACP が動作するシステム間のリンクごとに、次の要素(プライオリティ順)からなる一意のプライオリティを割り当てます。
• LACP システム プライオリティ
• システム ID(スイッチの MAC アドレス)
• LACP ポート プライオリティ
• ポート番号
プライオリティの比較においては、数値が小さいほどプライオリティが高くなります。ハードウェアの制限により互換性のあるすべてのポートを集約できない場合、プライオリティによって、スタンバイ モードにする必要があるポートが決定されます。
アクティブ ポートかホットスタンバイ ポートかを判別するには、次の(2 つの)手順を使用します。はじめに、数値的に低いシステム プライオリティとシステム ID を持つシステムの方を選びます。次に、ポート プライオリティおよびポート番号の値に基づいて、そのシステムのアクティブ ポートとホットスタンバイ ポートを決定します。他のシステムのポートプライオリティとポート番号の値は使用されません。
LACP システム プライオリティおよび LACP ポート プライオリティのデフォルト値を変更して、ソフトウェアによるアクティブおよびスタンバイ リンクの選択方法を変更できます。詳細については、「LACP システム プライオリティの設定」および「LACP ポート プライオリティの設定」を参照してください。
LACP システム プライオリティの設定
lacp system-priority グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、LACP でイネーブルになっているすべての EtherChannel にシステム プライオリティを設定できます。各 LACP 設定チャネルにはシステム プライオリティを設定できません。この値をデフォルトから変更すると、ソフトウェアによるアクティブおよびスタンバイ リンクの選択方法を変更できます。
ホットスタンバイ モードにあるポート(H ポートステート フラグで表されます)を確認するには、 show etherchannel summary 特権 EXEC コマンドを使用します。
LACP システム プライオリティを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は任意です。
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
lacp system-priority priority |
LACP システム プライオリティを設定します。 priority に指定できる範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルト値は 32768 です。 値が小さいほど、システム プライオリティは高くなります。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show running-config または show lacp sys-id |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
LACP システム プライオリティをデフォルト値に戻すには、 no lacp system-priority グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
LACP ポート プライオリティの設定
デフォルトでは、すべてのポートは同じポート プライオリティに設定されています。ローカル システムのシステム プライオリティおよびシステム ID の値がリモート システムよりも小さい場合は、LACP EtherChannel ポートのポート プライオリティをデフォルトよりも小さな値に変更して、最初にアクティブになるホットスタンバイ リンクを変更できます 。 ポート番号が小さなホットスタンバイ ポートほど、先にチャネル内でアクティブになります。ホットスタンバイ モードにあるポート( H ポートステート フラグで表されます)を確認するには、 show etherchannel summary 特権 EXEC コマンドを使用します。
(注) 互換性のあるすべてのポートを LACP が集約できない場合(たとえば、リモート システムのハードウェア制限が厳しい場合)、EtherChannel にアクティブに追加できないすべてのポートはホットスタンバイ ステートになり、チャネル ポートのいずれかに障害が発生した場合に限り使用されます。
LACP ポート プライオリティを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は任意です。
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定するポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
lacp port-priority priority |
LACP ポート プライオリティを設定します。 priority に指定できる範囲は 1 ~ 65535 です。デフォルト値は 32768 です。値が小さいほど、そのポートが LACP 伝送に使用される可能性が高まります。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running-config または show lacp [ channel-group-number ] internal |
設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
LACP ポート プライオリティをデフォルト値に戻すには、 no lacp port-priority インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
リンクステート トラッキングの概要
リンクステート トラッキングは、トランク フェールオーバーとも呼ばれ、複数のインターフェイスのリンク ステートをバインドする機能です。たとえば、リンクステート トラッキングをサーバ Network Interface Card(NIC; ネットワーク インターフェイス カード)アダプタ チーミング機能とともに使用すると、ネットワークの冗長性が実現されます。サーバ ネットワーク アダプタがチーミングと呼ばれるプライマリまたはセカンダリ関係で設定され、プライマリ インターフェイスでリンクが切断された場合、接続はセカンダリ インターフェイスにトランスペアレントに切り替えられます。
(注) ポートの集合(EtherChannel)、アクセス モードまたはトランク モードの単一の物理ポート、またはルーテッド ポートをインターフェイスに指定できます 。
図 40-4 に、リンクステート トラッキングが設定されたネットワークを示します。リンクステート トラッキングをイネーブルにするには、 link-state group を作成し、リンクステート グループに割り当てるインターフェイスを指定します。リンクステート グループでは、これらのインターフェイスはまとめてバンドルされます。 ダウンストリーム インターフェイス は、 アップストリーム インターフェイス にバインドされます。サーバに接続されたインターフェイスはダウンストリーム インターフェイスと呼ばれ、ディストリビューション スイッチおよびネットワーク装置に接続されたインターフェイスはアップストリーム インターフェイスと呼ばれます。
図 40-4 に示された設定では、ネットワーク トラフィック フローが次のようにバランシングされていることが確認できます。
• スイッチおよびその他のネットワーク装置へのリンク
– サーバ 1 とサーバ 2 は、プライマリ リンクにスイッチ A を使用し、セカンダリ リンクにスイッチ B を使用しています。
– サーバ 3 とサーバ 4 は、プライマリ リンクにスイッチ B を使用し、セカンダリ リンクにスイッチ A を使用しています。
• スイッチ A 上のリンクステート グループ 1
– スイッチ A は、リンクステート グループ 1 を介してサーバ 1 とサーバ 2 にプライマリ リンクを提供します。ポート 1 はサーバ 1 に、ポート 2 はサーバ 2 に接続されます。ポート 1 およびポート 2 は、リンクステート グループ 1 のダウンストリーム インターフェイスです。
– ポート 5 およびポート 6 は、リンクステート グループ 1 を介してディストリビューション スイッチ 1 に接続されます。ポート 5 およびポート 6 は、リンクステート グループ 1 のアップストリーム インターフェイスです。
• スイッチ A 上のリンクステート グループ 2
– スイッチ A は、リンクステート グループ 2 を介してサーバ 3 とサーバ 4 にセカンダリ リンクを提供します。ポート 3 はサーバ 3 に、ポート 4 はサーバ 4 に接続されます。ポート 3 およびポート 4 は、リンクステート グループ 2 のダウンストリーム インターフェイスです。
– ポート 7 およびポート 8 は、リンクステート グループ 2 を介してディストリビューション スイッチ 2 に接続されます。ポート 7 およびポート 8 は、リンクステート グループ 2 のアップストリーム インターフェイスです。
• スイッチ B 上のリンクステート グループ 2
– スイッチ B は、リンクステート グループ 2 を介してサーバ 3 とサーバ 4 にプライマリ リンクを提供します。ポート 3 はサーバ 3 に、ポート 4 はサーバ 4 に接続されます。ポート 3 およびポート 4 は、リンクステート グループ 2 のダウンストリーム インターフェイスです。
– ポート 5 およびポート 6 は、リンクステート グループ 2 を介してディストリビューション スイッチ 2 に接続されます。ポート 5 およびポート 6 は、リンクステート グループ 2 のアップストリーム インターフェイスです。
• スイッチ B 上のリンクステート グループ 1
– スイッチ B は、リンクステート グループ 1 を介してサーバ 1 とサーバ 2 にセカンダリ リンクを提供します。ポート 1 はサーバ 1 に、ポート 2 はサーバ 2 に接続されます。ポート 1 およびポート 2 は、リンクステート グループ 1 のダウンストリーム インターフェイスです。
– ポート 7 およびポート 8 は、リンクステート グループ 1 を介してディストリビューション スイッチ 1 に接続されます。ポート 7 およびポート 8 は、リンクステート グループ 1 のアップストリーム インターフェイスです。
リンクステート グループでは、ディストリビューション スイッチまたはルータの障害、ケーブル切断、またはリンク損失のため、アップストリーム ポートが使用不可能になったり、接続が切断されたりする場合があります。リンクステート トラッキングがイネーブルである場合、ダウンストリーム インターフェイスとアップストリーム インターフェイス間は相互作用します。
• 任意のアップストリーム インターフェイスがリンクアップ ステートになった場合、ダウンストリーム インターフェイスもリンクアップ ステートに変更するか、またはリンクアップ ステートのまま維持されます。
• すべてのアップストリーム インターフェイスが使用不可能になると、ダウンストリーム インターフェイスは、リンクステート トラッキングにより自動的に errdisable ステートとなります。サーバとの間の接続は、プライマリ サーバ インターフェイスからセカンダリ サーバ インターフェイスに自動的に変更されます。
スイッチ A でリンクステート グループ 1 からリンクステート グループ 2 への接続変更の例について、図 40-4 を参照してください。ポート 6 のアップストリーム リンクが切断されても、ダウンストリーム ポート 1 および 2 のリンク ステートは変わりません。ただし、アップストリーム ポート 5 のリンクも切断された場合、ダウンストリーム ポートのリンク ステートはリンクダウン ステートに変わります。次に、サーバ 1 およびサーバ 2 への接続が、リンクステート グループ 1 からリンクステート グループ 2 に変わります。ダウンストリーム ポート 3 および 4 は、リンクグループ 2 に存在するため、ステートの変更はありません。
• リンクステート グループが設定済みで、リンクステート トラッキングがディセーブルである場合は、アップストリーム インターフェイスで接続が切断されても、ダウンストリーム インターフェイスのリンク ステートは変わりません。サーバはアップストリームの接続が切断されたことを認識しないため、セカンダリ インターフェイスにフェールオーバーしません。
リンクステート グループから障害のあるダウンストリーム ポートを削除することにより、ダウンストリーム インターフェイスのリンクダウン状態から回復できます。複数のダウンストリーム インターフェイスを回復するには、リンクステート グループをディセーブルにします。
図 40-4 一般的なリンクステート トラッキングの設定
リンクステート トラッキングの設定
• 「リンクステート トラッキングのデフォルト設定」
• 「リンクステート トラッキング設定時の注意事項」
• 「リンクステート トラッキングの設定」
• 「リンクステート トラッキング ステータスの表示」
リンクステート トラッキングのデフォルト設定
リンクステート グループは定義されていません。また、リンクステート トラッキングはどのグループに対してもイネーブルではありません。
リンクステート トラッキング設定時の注意事項
設定上の問題を回避するために、次の注意事項に従ってください。
• アップストリーム インターフェイスとして定義されているインターフェイスを、同じまたは異なるリンクステート グループ内でダウンストリーム インターフェイスとして定義することはできません。その逆も同様です。
• ダウンストリーム Etherchannel インターフェイスの一部になる個別のインターフェイスでリンクステート トラッキングをイネーブルにしないでください。
• インターフェイスは、複数のリンクステート グループのメンバーにはなれません。
• スイッチごとに設定できるのは、2 個のリンクステート グループだけです。
リンクステート トラッキングの設定
リンクステート グループを設定し、そのグループにインターフェイスを割り当てるには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
link state track number |
リンクステート グループを作成し、リンクステート トラッキングをイネーブルにします。グループ番号は、1 ~ 2 です。デフォルトは 1 です。 |
ステップ 3 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスまたはインターフェイスの範囲を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 有効なインターフェイスには、アクセス モードまたはトランク モード(IEEE 802.1Q)のスイッチ ポート、ルーテッド ポート、アップストリーム EtherChannel インターフェイス(スタティック、PAgP、または LACP)にバンドルされている複数のポート(トランク モード)が含まれます。 (注) ダウンストリーム Etherchannel インターフェイスの一部になる個別のインターフェイスでリンクステート トラッキングをイネーブルにしないでください。 |
ステップ 4 |
link state group [ number ] { upstream | downstream } |
リンクステート グループを指定し、グループ内の アップストリーム または ダウンストリーム インターフェイスとしてインターフェイスを設定します。グループ番号は、1 ~ 2 です。デフォルトは 1 です。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
次に、リンクステート グループを作成し、インターフェイスを設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# link state track 1
Switch(config)# interface range gigabitethernet1/1 -2
Switch(config-if)# link state group 1 upstream
Switch(config-if)# interface gigabitethernet1/1
Switch(config-if)# link state group 1 downstream
Switch(config-if)# interface gigabitethernet1/1
Switch(config-if)# link state group 1 downstream
Switch(config-if)# interface gigabitethernet1/2
Switch(config-if)# link state group 1 downstream
リンクステート グループをディセーブルにするには、 no link state track number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
リンクステート トラッキング ステータスの表示
リンクステート グループ情報を表示するには、 show link state group コマンドを使用します。キーワードを指定しないでこのコマンドを使用すると、すべてのリンクステート グループの情報が表示されます。特定のグループの情報を表示するには、グループ番号を入力します。グループの詳細情報を表示するには、detail キーワードを使用します。
次の例では、 show link state group 1 コマンドの出力を示します。
Switch> show link state group 1
Link State Group: 1 Status: Enabled, Down
次の例では、 show link state group detail コマンドの出力を示します。
Switch> show link state group detail
(Up):Interface up (Dwn):Interface Down (Dis):Interface disabled
Link State Group: 1 Status: Enabled, Down
Upstream Interfaces : Fa1/7(Dwn) Fa1/8(Dwn)
Downstream Interfaces : Fa1/3(Dis) Fa1/4(Dis) Fa1/5(Dis) Fa1/6(Dis)
Link State Group: 2 Status: Enabled, Down
Upstream Interfaces : Fa1/6(Dwn) Fa1/7(Dwn) Fa1/8(Dwn)
Downstream Interfaces : Fa1/2(Dis) Fa1/3(Dis) Fa1/4(Dis) Fa1/5(Dis)
(Up):Interface up (Dwn):Interface Down (Dis):Interface disabled
出力に表示されるフィールドの詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。