インターフェイス タイプの概要
ここでは、サポートされるさまざまなインターフェイス タイプを、これらのインターフェイスの設定に関する詳細情報を含む章と関連付けて説明します。
• 「ポートベースの VLAN」
• 「スイッチ ポート」
• 「ルーテッド ポート」
• 「スイッチ仮想インターフェイス」
• 「EtherChannel ポート グループ」
• 「デュアルパーパス アップリンク ポート」
• 「インターフェイスの接続」
ポートベースの VLAN
VLAN は、ユーザの物理的な位置にかかわりなく、機能、チーム、またはアプリケーション単位で論理的なセグメントに分割したスイッチド ネットワークです。VLAN の詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。ポートで受信したパケットは、受信ポートと同じ VLAN に属するポートだけに転送されます。異なる VLAN でのネットワーク装置が相互に通信するには、VLAN 間のトラフィックをルーティングするためにレイヤ 3 装置を使用する必要があります。
VLAN パーティションによって VLAN のトラフィックに堅固なファイアウォールが提供され、各 VLAN が独自の MAC アドレス テーブルを持つようになります。VLAN が成立するのは、VLAN と関連付けるためにローカル ポートが設定された場合、VLAN Trunking Protocol(VTP; VLAN トランキング プロトコル)がトランク上のネイバーから VLAN の存在を認識した場合、またはユーザが VLAN を作成した場合です。
VLAN を設定するには、 vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。標準範囲 VLAN(VLAN ID は 1 ~ 1005)に対応する VLAN 設定は、VLAN データベースに保存されます。VTP のバージョンが 1 または 2 の場合、拡張範囲 VLAN(VLAN ID は 1006 ~ 4094)を設定するには、まず、VTP モードをトランスペアレントに設定する必要があります。トランスペアレント モードで作成された拡張範囲 VLAN は、VLAN データベースに追加されるのではなく、スイッチの実行コンフィギュレーションに保存されます。VTP バージョン 3 を使用すると、クライアント モードまたはサーバ モードで拡張範囲 VLAN を作成できます。これらの VLAN は、VLAN データベースに保存されます。
switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してポートを VLAN に追加するには、次の手順を実行します。
• インターフェイスを識別します。
• トランク ポートには、トランクの特性を設定し、必要に応じて VLAN をその所属先に定義します。
• アクセス ポートには、VLAN をその所属先に設定および定義します。
• トンネル ポートには、カスタマー固有の VLAN タグに VLAN ID を設定および定義します。「IEEE 802.1Q およびレイヤ 2 プロトコル トンネリングの設定」を参照してください。
スイッチ ポート
スイッチ ポートはレイヤ 2 限定のインターフェイスであり、物理ポートに関連付けられます。スイッチ ポートは 1 つまたは複数の VLAN に属します。スイッチ ポートを使用して、物理インターフェイスと関連するレイヤ 2 プロトコルを管理します。スイッチ ポートでは、ルーティングまたはブリッジングが処理されません。
スイッチ ポートは、アクセス ポート、トランク ポート、またはトンネル ポートとして使用できます。ポートをアクセス ポートまたはトランク ポートとして設定するか、Dynamic Trunking Protocol(DTP; ダイナミック トランキング プロトコル)をポート単位で動作させ、リンクの反対側にあるポートとネゴシエートすることでスイッチポート モードを設定できます。トンネル ポートは、IEEE 802.1Q トランク ポートに接続する非対称リンクの一部として、手動で設定する必要があります。
スイッチ ポートを設定するには、 switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
レイヤ 3 モードにあるインターフェイスをレイヤ 2 モードにするには、キーワードを指定せずに switchport コマンドを使用します。
(注) レイヤ 3 インターフェイスをレイヤ 2 モードに変更すると、影響を受けるインターフェイスに関連する設定情報が失われる可能性があり、インターフェイスはデフォルト設定に戻ります。
アクセス ポートおよびトランク ポートの特性の設定に関する詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。トンネル ポートの詳細については、「IEEE 802.1Q およびレイヤ 2 プロトコル トンネリングの設定」を参照してください。
アクセス ポート
アクセス ポートは、所属先となる 1 つの VLAN のトラフィックだけを伝送します(音声 VLAN ポートとして設定された場合は例外となります)。トラフィックは VLAN タギングのないネイティブ形式で送受信されます。アクセス ポートで受信されるトラフィックは、ポートに割り当てられた VLAN に属すると想定されます。
アクセス ポートで 802.1Q タグ付きパケットが受信される場合、パケットは廃棄され、送信元アドレスも認識されません。
サポートされるアクセス ポートは、次のとおりです。
• スタティック アクセス ポートは、手動(または IEEE 802.1x と併用する RADIUS サーバを介して)で VLAN に割り当てられます。詳細については、「802.1X 認証と VLAN 割り当て」を参照してください。
• ダイナミック アクセス ポートの VLAN メンバーシップは、着信パケットによって認識されます。ダイナミック アクセス ポートは、デフォルトで VLAN のメンバーではありません。ポートの VLAN メンバーシップが検出された場合に限り、このポートを転送先および転送元とするトラフィック転送がイネーブルになります。スイッチ上のダイナミック アクセス ポートは、VLAN Membership Policy Server(VMPS; VLAN メンバーシップ ポリシー サーバ)によって VLAN に割り当てられます。VMPS を Catalyst 6500 シリーズ スイッチにすることはできます。IE 3000 スイッチは VMPS サーバとして使用できません。
また、接続された Cisco IP Phone を使用してアクセス ポートを設定し、1 つの VLAN を音声トラフィック用に、別の VLAN を IP Phone に接続された装置からのデータ トラフィック用にすることもできます。音声 VLAN ポートの詳細については、「音声 VLAN の設定」 を参照してください。
トランク ポート
トランク ポートは複数の VLAN のトラフィックを伝送し、デフォルトで VLAN データベースに存在するすべての VLAN のメンバーになります。
このスイッチは、802.1Q トランク ポートだけをサポートします。802.1Q トランク ポートは、タグ付きおよびタグなしのトラフィックを同時にサポートします。トランク ポートは、デフォルトの Port VLAN ID(PVID; ポート VLAN ID)に割り当てられ、すべてのタグなしトラフィックはポートのデフォルト PVID 上を流れます。すべてのタグなしトラフィックと、VLAN ID が NULL のタグ付きトラフィックは、デフォルトの PVID のポートに属します。発信ポートのデフォルトの PVID と同じ VLAN ID が含まれるパケットは、タグなしで送信されます。他のすべてのトラフィックは VLAN タグ付きで送信されます。
デフォルトで、トランク ポートは VTP が認識した各 VLAN のメンバーになりますが、トランク ポートごとの VLAN に許可リストを設定して、VLAN メンバーシップを制限できます。許可された VLAN のリストは、関連付けられたトランク ポートだけに影響を与えます。デフォルトで、可能性のあるすべての VLAN(VLAN ID 1 ~ 4094)が許可リストに含まれます。トランク ポートは、VTP が VLAN を認識し、VLAN がイネーブルの場合に限り、VLAN のメンバーになることができます。VTP によって新しいイネーブル状態の VLAN が認識され、この VLAN が許可リストに含まれる場合、トランク ポートは自動的にその VLAN のメンバーになります。トラフィックはその VLAN のトランク ポートに送受信されます。VTP によってイネーブル状態の VLAN が認識されても、その VLAN がトランク ポートの許可リストに含まれない場合、このポートは VLAN のメンバーにならないため、VLAN のトラフィックはポートで送受信されません。
トランク ポートの詳細については、「VLAN の設定」 を参照してください。
トンネル ポート
トンネル ポートは、サービス プロバイダー ネットワークにおけるカスタマーのトラフィックを、同じ VLAN 番号を使用する他のカスタマーから分離するために IEEE 802.1Q トンネリングで使用します。非対称リンクは、サービス プロバイダー エッジ スイッチ上のトンネル ポートから、カスタマー スイッチ上の IEEE 802.1Q トランク ポートまでの範囲に設定します。エッジ スイッチにトンネル ポートを入力するパケットは、すでにカスタマー VLAN によって IEEE 802.1Q タグが付けられており、サービス プロバイダー ネットワークで各カスタマーに固有の VLAN ID を含む、別のレイヤの IEEE 802.1Q タグ(メトロ タグと呼ばれる)によってカプセル化されます。この二重タグ付きのパケットは、元のカスタマーの VLAN とその他のカスタマーの VLAN を分離しながら、サービス プロバイダー ネットワークを通過します。アウトバンド インターフェイスとトンネル ポートでは、メトロ タグが削除され、カスタマー ネットワークでの元の VLAN 番号が取得されます。
(注) トンネル ポートは、IP サービス イメージが稼動しているスイッチでだけサポートされます。
トンネル ポートは、トランク ポートまたはアクセス ポートにはできません。各カスタマーに固有の VLAN に属している必要があります。
トンネル ポートの詳細については、「IEEE 802.1Q およびレイヤ 2 プロトコル トンネリングの設定」を参照してください。
ルーテッド ポート
ルーテッド ポートは物理ポートであり、ルータ上でポートのように機能しますが、ルータに接続する必要はありません。ルーテッド ポートは、アクセス ポートと異なり、特定の VLAN に関連付けられません。ルーテッド ポートは、標準のルータ インターフェイスのように動作しますが、VLAN サブインターフェイスをサポートしない点が異なります。ルーテッド ポートは、レイヤ 3 ルーティング プロトコルを使用して設定できます。ルーテッド ポートはレイヤ 3 インターフェイス限定であるため、DTP および STP などのレイヤ 2 プロトコルをサポートしません。ルーテッド ポートは、IP サービス イメージを稼動するスイッチでだけサポートされます。
no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、インターフェイスをレイヤ 3 モードにすることで、ルーテッド ポートを設定します。次に、ポートに IP アドレスを割り当て、ルーティングをイネーブルにし、ip routing および router protocol グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ルーティング プロトコルの特性を割り当てます。
(注) no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力して、インターフェイスをシャットダウンしてから再びイネーブルにすると、インターフェイスの接続先となる装置上でメッセージが生成される場合もあります。レイヤ 2 モードにあるインターフェイスをレイヤ 3 モードにすると、影響を受けるインターフェイスに関連する以前の設定情報が失われる可能性があります。
ユーザが設定可能なルーテッド ポートの数は、ソフトウェアによって制限されません。ただし、ハードウェアの制限によって、この数と、設定されている他の機能の数との関係が、CPU のパフォーマンスに影響を与える場合もあります。ハードウェアのリソースが制限に達したときの動作の詳細については、「レイヤ 3 インターフェイスの設定」を参照してください。
IP ユニキャストおよび IP マルチキャストのルーティングとルーティング プロトコルの詳細については、「IP ユニキャスト ルーティングの設定」および「IP マルチキャスト ルーティングの設定」を参照してください。
スイッチ仮想インターフェイス
Switch Virtual Interface(SVI; スイッチ仮想インターフェイス)は、スイッチ ポートの VLAN を、システム上のルーティングまたはブリッジング機能へのインターフェイスとして表します。1 つの VLAN に関連付けることができる SVI は、1 つだけです。VLAN 間でのルーティング、VLAN 間での非ルーティング プロトコルのフォールバック ブリッジング、またはスイッチに対する IP ホスト接続を実現する場合にだけ、1 つの VLAN に 1 つの SVI を設定します。
(注) SVI は、IP サービス イメージが稼動しているスイッチでだけサポートされます。
デフォルトの VLAN(VLAN 1)がリモート スイッチを管理できるように、デフォルトで SVI が作成されます。追加の SVI を明示的に設定する必要があります。
(注) インターフェイス VLAN 1 は削除できません。
SVI によって IP ホストはこのシステムだけに接続するようになります。レイヤ 3 モードでは、SVI 全体にルーティングを設定できます。スイッチは、合計 1005 の VLAN(および SVI)をサポートしますが、ハードウェアの制限により、SVI とルーテッド ポートの数と、設定されているその他機能の数との関係が、CPU のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。ハードウェアのリソースが制限に達したときの動作の詳細については、「レイヤ 3 インターフェイスの設定」を参照してください。
SVI は、初めて VLAN インターフェイスに vlan インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力したときに作成されます。この VLAN が対応するのは、カプセル化トランク ポート上のデータ フレームに関連付けられた VLAN タグ、またはアクセス ポートに設定された VLAN ID です。トラフィックをルーティングする各 VLAN に VLAN インターフェイスを設定し、それに IP アドレスを割り当てます。詳細については、「手動での IP 情報の割り当て」を参照してください。
(注) SVI を作成しても、物理ポートと関連付けられるまで、アクティブにはなりません。
SVI は、ルーティング プロトコルおよびブリッジング設定をサポートします。IP ルーティングの設定については、「IP ユニキャスト ルーティングの設定」、「IP マルチキャスト ルーティングの設定」、および「フォールバック ブリッジングの設定」を参照してください。
SVI 自動ステート除外機能
VLAN 上で複数のポートを含む SVI ライン ステートは、次の条件に一致すると アップ ステートになります。
• スイッチ上の VLAN データベースに VLAN が存在し、アクティブな状態である。
• VLAN インターフェイスが存在し、管理上のダウン状態になっていない。
• レイヤ 2(アクセスまたはトランク)のポートが少なくとも 1 つ存在し、VLAN 上に アップ ステートのリンクが含まれ、VLAN でスパニング ツリー フォワーディング ステートになっている。
(注) VLAN インターフェイスのプロトコル リンク ステートがアップ状態になるのは、対応する VLAN リンクに属する最初のスイッチポートがアップ状態になって、STP フォワーディング ステートである場合です。
VLAN に複数のポートが含まれる場合のデフォルト動作では、VLAN のすべてのポートがダウンすると SVI もダウンします。SVI 自動ステート除外機能を使用すると、SVI ラインステートのアップおよびダウンの計算に含まれないようにポートを設定できます。たとえば、VLAN で唯一アクティブなポートがモニタリング ポートの場合、そのポートに自動ステート除外機能を設定して、他のポートがすべてダウンすると VLAN もダウンするように指定できます。ポートでイネーブルになると、 自動ステート除外 はそのポートでイネーブルになっているすべての VLAN に適用されます。
VLAN インターフェイスが立ち上がるのは、VLAN の 1 つのレイヤ 2 ポートで収束する時間がある場合です(STP リスニングまたはラーニング ステートから、フォワーディング ステートへ移行する)。これにより、ルーティング プロトコルなどの機能が、まるで十分に動作可能であるかのように VLAN インターフェイスを使用することを防ぎます。また、ルーティング ブラック ホールなどの他の問題が最小限になります。自動ステート除外の設定については、「SVI 自動ステート除外の設定」を参照してください。
EtherChannel ポート グループ
EtherChannel ポート グループは、複数のスイッチ ポートを 1 つのスイッチ ポートとして処理します。EtherChannel ポート グループは、スイッチ間、またはスイッチおよびサーバ間で高帯域接続を行う単一論理ポートとして動作します。EtherChannel は、トラフィックの負荷をチャネルのリンク全体に分散させます。EtherChannel 内のリンクで障害が発生すると、障害リンク上でそれまで伝送されていたトラフィックは、残りのリンクに変更されます。複数のトランク ポートを 1 つの論理トランク ポートにグループ化したり、複数のアクセス ポートを 1 つの論理アクセス ポートにグループ化したり、複数のトンネル ポートを 1 つの論理トンネル ポートにグループ化したり、複数のルーテッド ポートを 1 つの論理ルーテッド ポートにグループ化したりできます。
ほとんどのプロトコルは、単一ポートまたは集約スイッチ ポートのいずれかで動作し、ポート グループ内の物理ポートを認識しません。DTP、Cisco Discovery Protocol(CDP; シスコ検出プロトコル)、Port Aggregation Protocol(PAgP; ポート集約プロトコル)は、物理ポート上でしか動作しません。
EtherChannel を設定する場合、ポートチャネル論理インターフェイスを作成し、EtherChannel にインターフェイスを割り当てます。 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポートチャネル論理インターフェイスをダイナミックに作成します。このコマンドにより、物理ポートおよび論理ポートが同時にバインドされます。
レイヤ 3 インターフェイスの場合、 interface port-channel グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、論理インターフェイスを手動で作成します。次に、 channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、インターフェイスを手動で EtherChannel に割り当てます。
詳細については、「EtherChannel およびリンクステート トラッキングの設定」 を参照してください。
デュアルパーパス アップリンク ポート
一部のスイッチは、デュアルパーパス アップリンク ポートをサポートします。各アップリンク ポートは、RJ-45 コネクタと Small Form-Factor Pluggable(SFP; 着脱可能小型フォーム ファクタ)モジュール コネクタのデュアル フロントエンドを備えた単一のインターフェイスと見なされます。デュアル フロントエンドは冗長インターフェイスではなく、スイッチはこのペアの一方のコネクタしかアクティブにしません。
デフォルトで、スイッチは最初にリンクがアップされたインターフェイス タイプをダイナミックに選択します。ただし、 media-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、手動で RJ-45 コネクタまたは SFP モジュール コネクタを選択できます。デュアルパーパス アップリンクの速度とデュプレックスの設定については、「インターフェイス速度とデュプレックス パラメータの設定」を参照してください。
各アップリンク ポートには 2 つの LED があります。1 つは RJ-45 ポートのステータスを示し、もう 1 つは SFP モジュール ポートのステータスを示します。ポート LED は、どのコネクタがアクティブであっても点灯しています。LED の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
インターフェイスの接続
単一の VLAN 内の装置は、任意のスイッチを介して直接通信できます。異なる VLAN のポートは、ルーティング装置を経由しないとデータを交換できません。
標準レイヤ 2 スイッチを使用する場合、異なる VLAN のポートで情報を交換するにはルータを経由する必要があります。ルーティングがイネーブルになった状態のスイッチを使用して、VLAN 20 および VLAN 30 の両方に IP アドレスが割り当てられた SVI を設定する場合、ホスト A からのパケットを、スイッチ経由でホスト B へ直接送信できます。外部ルータ(図 14-1)を使用する必要はありません。
図 14-1 レイヤ 3 スイッチと VLAN の接続
IP サービス イメージを使用する場合、スイッチは、インターフェイス間にトラフィックを転送する 2 つの方法として、ルーティングとフォールバック ブリッジングをサポートします。高度なパフォーマンスを維持するため、可能な場合はいつでもスイッチ ハードウェアによる転送が行われます。ただし、Ethernet II のカプセル化を使用する IP Version 4 のパケットだけが、ハードウェアにルーティングされます。非 IP トラフィックおよび他の方法でカプセル化されたトラフィックは、ハードウェアによってフォールバック ブリッジングできます。
• ルーティング機能は、すべての SVI およびルーテッド ポートでイネーブルにできます。スイッチは IP トラフィックだけをルーティングします。IP ルーティング プロトコル パラメータおよびアドレス設定が SVI またはルーテッド ポートに追加されると、これらのポートから受信した IP トラフィックはすべてルーティングされます。詳細については、「IP ユニキャスト ルーティングの設定」、「IP マルチキャスト ルーティングの設定」、および「MSDP の設定」を参照してください。
• フォールバック ブリッジングでは、スイッチがルーティングしなかったトラフィックや、DECnet などの非ルーティング プロトコルに属するトラフィックを転送します。フォールバック ブリッジングは、複数の SVI またはルーテッド ポート間をブリッジすることで、複数の VLAN を 1 つのブリッジ ドメインに接続します。フォールバック ブリッジングを設定する場合、SVI またはルーテッド ポートを、各 SVI が含まれるブリッジ グループ、または 1 つのブリッジ グループにだけ割り当てられたルーテッド ポートに割り当てます。同じグループ内のすべてのインターフェイスは、同じブリッジ ドメインに属します。詳細については、「フォールバック ブリッジングの設定」を参照してください。
インターフェイス コンフィギュレーション モードの使用
スイッチは次のインターフェイス タイプをサポートします。
• 物理ポート:スイッチ ポートおよびルーテッド ポート
• VLAN:スイッチ仮想インターフェイス
• ポート チャネル:EtherChannel インターフェイス
また、インターフェイスの範囲を設定できます(「インターフェイスの範囲設定」を参照)。
物理インターフェイス(ポート)を設定するには、インターフェイス タイプ、モジュール番号、およびスイッチ ポート番号を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モード を開始します。
• タイプ :ポート タイプはスイッチ上でサポートされるタイプに依存します。可能性のあるタイプは次のとおりです。 10/100 Mbps イーサネット対応のファスト イーサネット(fastethernet または fa)、10/100/1000 Mbps イーサネット ポート対応のギガビット イーサネット(gigabitethernet または gi)、10,000 Mbps 対応の 10 ギガビット イーサネット(tengigabitethernet または te)、または着脱可能小型フォーム ファクタ(SFP)モジュール ギガビット イーサネット インターフェイス。
• モジュール番号 : スイッチ上のモジュール番号。モジュール番号(1 ~ 3)は、モジュールがスイッチまたは他のモジュールと接続する方法によって異なります。
– IE-3000-4TC および IE-3000-8TC スイッチに対応するモジュール番号は 1 です。
– スイッチに直接接続するモジュールに対応するモジュール番号は 2 です。
– 別のモジュールに接続するモジュールに対応するモジュール番号は 3 です 。
• ポート番号:スイッチ上の物理インターフェイスの番号。ファスト イーサネット ポートでの IE-3000-4TC スイッチ モジュールのポート数は 1 ~ 4 であり、ギガビット イーサネット ポートの場合は 1 ~ 2 です。ファスト イーサネット ポートでの IE-3000-8TC スイッチ モジュールのポート数は 1 ~ 8 であり、ギガビット イーサネット ポートの場合は 1 ~ 2 です。 表 14-1 に、スイッチとモジュールの組み合わせおよびインターフェイス番号を示します。
表 14-1 スイッチ インターフェイス番号
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IE-3000-4TC スイッチ |
1 |
ファスト イーサネット 1/1、ファスト イーサネット 1/2、ファスト イーサネット 1/3、ファスト イーサネット 1/4、ギガビット イーサネット 1/1、およびギガビット イーサネット 1/2 |
IE-3000-8TC スイッチ |
1 |
ファスト イーサネット 1/1、ファスト イーサネット 1/2、ファスト イーサネット 1/3、ファスト イーサネット 1/4、ファスト イーサネット 1/5、ファスト イーサネット 1/6、ファスト イーサネット 1/7、ファスト イーサネット 1/8、ギガビット イーサネット 1/1、およびギガビット イーサネット 1/2 |
IEM-3000-8TM 拡張モジュール(スイッチに接続済み) |
2 |
ファスト イーサネット 2/1、ファスト イーサネット 2/2、ファスト イーサネット 2/3、ファスト イーサネット 2/4、ファスト イーサネット 2/5、ファスト イーサネット 2/6、ファスト イーサネット 2/7、およびファスト イーサネット 2/8 |
IEM-3000-8TM 拡張モジュール(別のモジュールに接続済み) |
3 |
ファスト イーサネット 3/1、ファスト イーサネット 3/2、ファスト イーサネット 3/3、ファスト イーサネット 3/4、ファスト イーサネット 3/5、ファスト イーサネット 3/6、ファスト イーサネット 3/7、およびファスト イーサネット 3/8 |
スイッチを確認すると、物理インターフェイスを特定できます。また、 show 特権 EXEC コマンドを使用して、特定のインターフェイスまたはすべてのインターフェイスに関する情報を表示できます。この章の残りの部分では、主に物理インターフェイスの設定手順を示します。
(注) このマニュアルの設定例および出力例は、特にスタック メンバー番号が存在するかどうかに関して、実際のスイッチと異なる場合があります。
インターフェイスの設定手順
次の一般的な手順は、すべてのインターフェイス設定に適用されます。
ステップ 1 特権 EXEC プロンプトで、 configure terminal コマンドを入力します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
ステップ 2 interface グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。
インターフェイス タイプとインターフェイス番号を指定します。この例では、ギガビット イーサネット ポート 1 です。
Switch(config)# interface gigabitethernet1/1
(注) 任意で、インターフェイス タイプとインターフェイス番号の間にスペースを入れます。
ステップ 3 各 interface コマンドのあとに、インターフェイスに必要なコンフィギュレーション コマンドを指定します。入力するコマンドによって、そのインターフェイス上で実行されるプロトコルとアプリケーションが決まります。別の interface コマンドを入力するか、 end を入力して特権 EXEC モードに戻ると、コマンドが収集されてインターフェイスに適用されます。
また、 interface range または interface range macro グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、インターフェイスの範囲を設定することもできます。範囲内に設定されたインターフェイスは同じタイプにし、同じ機能オプションを設定する必要があります。
ステップ 4 インターフェイスの設定後に、「インターフェイスのモニタおよびメンテナンス」に記載されている show 特権 EXEC コマンドを使用して、インターフェイスのステータスを確認します。
スイッチ上またはスイッチに設定された全インターフェイスのリストを参照するには、 show interfaces 特権 EXEC コマンドを入力します。レポートは、装置がサポートするインターフェイスごと、または特定のインターフェイスに対して出力されます。
インターフェイスの範囲設定
同じ設定パラメータで複数のインターフェイスを設定するには、 interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。インターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを開始すると、このモードを終了するまで、入力するすべてのコマンド パラメータがその範囲内の全インターフェイスに適用されます。
同じパラメータでインターフェイスの範囲を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface range { port-range | macro macro_name } |
設定するインターフェイス(VLAN または物理ポート)の範囲を指定し、インターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを開始します。 • interface range コマンドを使用して、ポートの範囲を最大 5 つ設定するか、定義済みのマクロを設定できます。 • macro 変数については、「インターフェイス レンジ マクロの設定および使用」を参照してください。 • カンマ区切りで port-range を指定する場合、エントリごとにインターフェイス タイプを入力し、カンマの前後にスペースを入力する必要があります。 • ハイフン区切りで port-range を指定する場合、インターフェイス タイプを再入力する必要はありませんが、ハイフンの前にスペースを入力します。 |
ステップ 3 |
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標準のコンフィギュレーション コマンドを使用して、範囲内のすべてのインターフェイスに設定パラメータを適用します。各コマンドは入力するたびに実行されます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces [ interface-id ] |
範囲内のインターフェイス設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用する場合は、次の注意事項を確認してください。
• port-range に有効なエントリは、スイッチ上のポート タイプによって決まります。
– vlan vlan-ID - vlan-ID (VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094)
– module は常に 0
– fastethernet module/{first port } - { last port }(module は常に 0)
– gigabitethernet module/{ first port } - { last port }(module は常に 0)
– port-channel port-channel-number - port-channel-number ( port-channel-number は 1 ~ 6)
(注) ポート チャネルで interface range コマンドを使用する場合、最初と最後のポートチャネル番号をアクティブなポート チャネルにする必要があります。
• interface range コマンドを使用するときは、最初のインターフェイス番号とハイフンの間にスペースを入れる必要があります。
たとえば、interface range gigabitethernet1/1 - 2 は有効な範囲指定ですが、interface range gigabit ethernet 1/1-2 は無効です。
• interface range コマンドは、 interface vlan コマンドを使用して設定された VLAN インターフェイスに限定して機能します。 show running-config 特権 EXEC コマンドは、設定済みの VLAN インターフェイスを表示します。 show running-config コマンドによって表示されない VLAN インターフェイスは、 interface range コマンドで使用できません。
• 1 つの範囲内にあるすべてのインターフェイスは同じタイプ(すべてファスト イーサネット ポート、すべてギガビット イーサネット ポート、すべて EtherChannel ポート、またはすべて VLAN)にする必要がありますが、コマンド内に複数の範囲を入力できます。
次に、 interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポート 1 ~ 2 の速度を 100 Mbps に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range gigabitethernet1/1 - 2
Switch(config-if-range)# speed 100
次に、カンマを使用して異なるインターフェイス タイプ ストリングを範囲に追加し、ファスト イーサネット ポート 1 ~ 3 とギガビット イーサネット ポート 1 と 2 をイネーブルにして、フロー制御のポーズ フレームを受信する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range fastethernet1/1 - 3, gigabitethernet1/1 - 2
Switch(config-if-range)# flowcontrol receive on
インターフェイス レンジ モードの実行中に複数のコンフィギュレーション コマンドを入力する場合は、入力するたびに各コマンドが実行されます。コマンドはインターフェイス レンジ モードの終了後に一括して実行されるわけではありません。コマンドの実行中にインターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを終了すると、一部のコマンドが範囲内のすべてのインターフェイスに実行されない場合があります。コマンド プロンプトが再表示されるのを確認してから、インターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを終了してください。
インターフェイス レンジ マクロの設定および使用
インターフェイス レンジ マクロを作成し、設定するインターフェイスの範囲を自動的に選択することができます。macro キーワードを interface range macro グローバル コンフィギュレーション コマンド ストリングで使用するには、 define interface-range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してマクロを定義する必要があります。
インターフェイス レンジ マクロを定義するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
define interface-range macro_name interface-range |
インターフェイス レンジ マクロを定義して、NVRAM(不揮発性 RAM)に保存します。 • macro_name は最大 32 文字の文字列です。 • 1 つのマクロには、カンマで区切ってインターフェイス範囲を最大 5 つ含めることができます。 • 各 interface-range は同じポート タイプで構成されます。 |
ステップ 3 |
interface range macro macro_name |
設定するインターフェイス範囲を選択するには、 macro_name と呼ばれるインターフェイス レンジ マクロに保存された値を使用します。 これで、標準のコンフィギュレーション コマンドを使用して、定義されたマクロ内の全インターフェイスに設定を適用できます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running-config | include define |
定義済みのインターフェイス レンジ マクロの設定を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
マクロを削除するには、 no define interface-range macro_name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
define interface-range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用する場合は、次の注意事項を確認してください。
• interface-range に有効なエントリは、スイッチ上のポート タイプによって決まります。
– vlan vlan-ID - vlan-ID (VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094)
– fastethernet module/{first port } - { last port }(module は常に 0)
– gigabitethernet module/{ first port } - { last port }(module は常に 0)
– port-channel port-channel-number - port-channel-number ( port-channel-number は 1 ~ 6)
(注) ポート チャネルで interface range コマンドを使用する場合、最初と最後のポートチャネル番号をアクティブなポート チャネルにする必要があります。
• interface-range を入力するときは、最初のインターフェイス番号とハイフンの間にスペースを入れる必要があります。
たとえば、 gigabitethernet1/1 - 2 は有効な範囲指定ですが、 gigabit ethernet 1/1-2 は無効です。
• VLAN インターフェイスは、 interface vlan コマンドを使用して設定する必要があります。 show running-config 特権 EXEC コマンドは、設定済みの VLAN インターフェイスを表示します。 show running-config コマンドによって表示されない VLAN インターフェイスは、 interface-range として使用できません。
• 1 つの範囲内にあるすべてのインターフェイスは同じタイプ(すべてファスト イーサネット ポート、すべてギガビット イーサネット ポート、すべて EtherChannel ポート、またはすべて VLAN)にする必要がありますが、マクロ内で複数のインターフェイス タイプを組み合わせることができます。
次に、 enet_list という名前のインターフェイス範囲を定義してポート 1 と 2 に含め、マクロ設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# define interface-range enet_list gigabitethernet1/1 - 2
Switch# show running-config | include define
Switch# define interface-range enet_list gigabitethernet1/1 - 2
次に、 macro1 という名前で、複数のインターフェイス マクロを作成する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# define interface-range macro1 fastethernet1/1 - 2, gigabitethernet1/1 - 2
次に、インターフェイス レンジ マクロ enet_list でインターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range macro enet_list
次に、インターフェイス レンジ マクロ enet_list を削除し、削除されたことを確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# no define interface-range enet_list
Switch# show run | include define
イーサネット インターフェイスの設定
ここでは、次の設定情報について説明します。
• 「イーサネット インターフェイスのデフォルト設定」
• 「デュアルパーパス アップリンク ポート タイプの設定」
• 「インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定」
• 「IEEE 802.3x フロー制御の設定」
• 「インターフェイスでの Auto-MDIX の設定」
• 「インターフェイスに関する説明の追加」
イーサネット インターフェイスのデフォルト設定
表 14-2 に、イーサネット インターフェイスのデフォルト設定を示します。表に記載されている VLAN パラメータの詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。ポートへのトラフィック制御の詳細については、「ポートベースのトラフィック制御の設定」 を参照してください。
(注) レイヤ 2 パラメータを設定するには、インターフェイスがレイヤ 3 モードである場合は、パラメータを指定せずに switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力し、インターフェイスをレイヤ 2 モードにする必要があります。この操作で、インターフェイスをシャットダウンしてから再びイネーブルにすると、インターフェイスの接続先である装置上にメッセージが生成される場合があります。レイヤ 3 モードにあるインターフェイスをレイヤ 2 モードにすると、影響を受けるインターフェイスに関連する以前の設定情報が失われる可能性があり、インターフェイスはデフォルト設定に戻ります。
表 14-2 レイヤ 2 イーサネット インターフェイスのデフォルト設定
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動作モード |
レイヤ 2 または スイッチング モード ( switchport コマンド)。 |
VLAN 許容範囲 |
VLAN 1 ~ 4094。 |
デフォルトの VLAN(アクセス ポート用) |
VLAN 1(レイヤ 2 インターフェイス限定)。 |
ネイティブ VLAN(IEEE 802.1Q トランク用) |
VLAN 1(レイヤ 2 インターフェイス限定)。 |
VLAN トランキング |
スイッチポート モード dynamic auto(DTP をサポート)(レイヤ 2 インターフェイス限定)。 |
ポート イネーブル ステート |
すべてのポートがイネーブル。 |
ポートの説明 |
定義なし。 |
速度 |
自動ネゴシエーション。 |
デュプレックス モード |
自動ネゴシエーション。 |
フロー制御 |
フロー制御は receive off に設定されます。送信パケットは常に off になります。 |
EtherChannel(PAgP) |
すべてのイーサネット ポート上でディセーブル。「EtherChannel およびリンクステート トラッキングの設定」を参照してください。 |
ポート ブロッキング(不明なマルチキャスト トラフィックおよび不明なユニキャスト トラフィック) |
ディセーブル(非ブロック)(レイヤ 2 インターフェイス限定)。「ポート ブロッキングの設定」を参照してください。 |
ブロードキャスト、マルチキャスト、およびユニキャストのストーム制御 |
ディセーブル。「ストーム制御のデフォルト設定」を参照してください。 |
保護ポート |
ディセーブル(レイヤ 2 インターフェイス限定)。「保護ポートの設定」を参照してください。 |
ポート セキュリティ |
ディセーブル(レイヤ 2 インターフェイス限定)。「ポート セキュリティのデフォルト設定」を参照してください。 |
PortFast |
ディセーブル。「オプションのスパニング ツリーのデフォルト設定」を参照してください。 |
Auto-MDIX |
イネーブル。 (注) 受電装置がクロス ケーブルを経由してスイッチに接続している場合、スイッチは、Cisco IP Phone などの先行標準の受電装置や、IEEE 802.3af をフル サポートしていないアクセス ポイントをサポートしない場合があります。これは、スイッチ ポート上で Auto-MDIX がイネーブルになっているかどうかに関係しません。 |
キープアライブ メッセージ |
SFP モジュール ポート上ではディセーブルですが、その他すべてのポート上ではイネーブルです。 |
デュアルパーパス アップリンク ポート タイプの設定
(注) デュアルパーパス アップリンク ポートを備えているのは、Catalyst 2960 スイッチだけです。
一部のスイッチは、デュアルパーパス アップリンク ポートをサポートします。デフォルトで、スイッチは最初にリンクがアップされたインターフェイス タイプをダイナミックに選択します。ただし、 media-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、手動で RJ-45 コネクタまたは SFP モジュール コネクタを選択できます。詳細については、「デュアルパーパス アップリンク ポート」を参照してください。
デュアルパーパス アップリンクを選択し、速度とデュプレックスを設定できるようにアクティブにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は任意です。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定するデュアルパーパス アップリンク ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
media-type { auto-select | rj45 | sfp } |
デュアルパーパス アップリンク ポートのインターフェイスとタイプを選択します。キーワードの意味は次のとおりです。 • auto-select : スイッチはタイプをダイナミックに選択します。リンクの確立が完了すると、スイッチはアクティブ リンクが終了するまでの間、もう一方のタイプをディセーブルにします。アクティブ リンクが終了すると、スイッチはいずれかのリンクが確立されるまでの間、両方のタイプをイネーブルにします。auto-select モードでは、スイッチはいずれのタイプも速度とデュプレックスの自動ネゴシエーションに基づいて設定します(デフォルト)。インストールされた SFP モジュールのタイプによっては、スイッチがタイプをダイナミックに選択できない場合もあります。詳細については、この手順の最後の情報を参照してください。 • rj45 : スイッチは SFP モジュール インターフェイスをディセーブルにします。SFP モジュールをこのポートに接続すると、RJ-45 側でリンクがダウンしていたり、接続していない場合でも、リンクは確立できません。このモードでは、デュアルパーパス ポートは 10/100/1000BASE-TX インターフェイスと同様に動作します。このインターフェイス タイプに合った速度とデュプレックスが設定できます。 • sfp : スイッチは RJ-45 インターフェイスをディセーブルにします。RJ-45 ポートにケーブルを接続すると、SFP モジュール側がダウンしている場合や、SFP モジュールが存在しない場合でも、リンクは確立できません。搭載された SFP モジュール タイプに応じて、このインターフェイス タイプに合った速度とデュプレックスが設定できます。 速度とデュプレックスの設定の詳細については、「速度およびデュプレックス設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id transceiver properties |
設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
デフォルト設定に戻すには、 media-type auto interface または no media-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
速度とデュプレックス(デフォルト)を自動ネゴシエートするには、スイッチによって両方のタイプを設定します。 auto-select を設定した場合、 speed および duplex インターフェイス コンフィギュレーション コマンドは設定できません。
スイッチの電源投入時、または shutdown および no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドでデュアルパーパス アップリンク ポートをイネーブルにした場合は、SFP モジュール インターフェイスが優先されます。それ以外の場合は、最初にリンクが確立されたタイプがスイッチによって選択されます。
このスイッチと 100BASE- x (- x は -BX、-FX、-FE、-LX のいずれか)SFP モジュールを併用すると、次のように動作します。
• 100BASE - x SFP モジュールがモジュール スロットに挿入され、RJ-45 側にリンクが存在しない場合には、スイッチは RJ-45 インターフェイスをディセーブルにして SFP モジュール インターフェイスを選択します。SFP モジュール側にケーブルが接続されておらず、リンクが存在しない場合でも、このような動作になります。
• 100BASE- x SFP モジュールが挿入されており、RJ-45 側にリンクが存在する場合には、スイッチはそのリンクを使用します。リンクがダウンすると、スイッチは RJ-45 側をディセーブルにし、SFP モジュール インターフェイスを選択します。
• 100BASE- x SFP モジュールが取り外されると、スイッチは再度タイプをダイナミックに選択( auto-select )し、RJ-45 側を再度イネーブルにします。
スイッチは 100BASE-FX-GE SFP モジュールに対しては、このような動作はしません。
インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定
サポートするポート タイプによっては、スイッチ上のイーサネット インターフェイスは 10、100、1000 Mbps、または 10,000 Mbps の速度で動作し、半二重モードまたは全二重モードのいずれかになります。全二重モードでは、2 つのステーション間でトラフィックの送受信を同時に行うことができます。通常、10 Mbps のポートは半二重モードで動作します。つまり、ステーションはトラフィックの送信または受信のいずれか一方を行います。
スイッチ モデルには、次の組み合わせを含めることができます。ファスト イーサネット(10/100 Mbps)ポート、ギガビット イーサネット(10/100/1000 Mbps)ポート、10 ギガビット モジュール ポート、および着脱可能小型フォーム ファクタ(SFP)モジュールをサポートする SFP モジュール スロット。
ここでは、インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定手順について説明します。
• 「速度およびデュプレックス設定時の注意事項」
• 「インターフェイス速度とデュプレックス パラメータの設定」
速度およびデュプレックス設定時の注意事項
インターフェイス速度とデュプレックス モードを設定する際は、次の注意事項を確認してください。
• ファスト イーサネット(10/100 Mbps)ポートは、すべての速度とデュプレックス オプションをサポートします。
• ギガビット イーサネット(10/100/1000 Mbps)ポートは、すべての速度とデュプレックス オプション(自動、半二重、全二重)をサポートします。ただし、1000 Mbps で動作するギガビット イーサネット ポートは、半二重モードをサポートしません。
• SFP モジュール ポートの場合、速度とデュプレックス CLI オプションは、SFP モジュールのタイプによって変化します。
– 1000BASE- x (- x は -BX、-CWDM、-LX、-SX、および -ZX)SFP モジュール ポートは、 speed インターフェイス コンフィギュレーション コマンドにある nonegotiate キーワードをサポートします。デュプレックス オプションはサポートされません。
– 1000BASE-T SFP モジュール ポートは、10/100/1000 Mbps ポートと同じ速度とデュプレックス オプションをサポートします。
– 100BASE- x (- x は -BX、-CWDM、-LX、-SX、および -ZX)SFP モジュール ポートは、100 Mbps しかサポートしません。これらのモジュールは、全二重および半二重のデュプレックス オプションをサポートしますが、自動ネゴシエーションはサポートしません。
ご使用のスイッチでサポートされている SFP モジュールについては、製品のリリース ノートを参照してください。
• ラインの両端が自動ネゴシエーションをサポートしている場合、デフォルトの auto ネゴシエーション設定を使用することを推奨します。
• 片方のインターフェイスが自動ネゴシエーションをサポートし、もう一方がサポートしていない場合、両方のインターフェイス上でデュプレックスと速度を設定しても、サポートしている側で auto 設定を使用しないでください。
• STP がイネーブルになっていてポートが再設定されている場合、スイッチはループを確認するために最大 30 秒かけることができます。ポート LED は、STP の再設定中にオレンジになります。
注意 インターフェイス速度とデュプレックス モードの設定を変更すると、再設定中にインターフェイスがシャットダウンし、再度イネーブルになる場合があります。
インターフェイス速度とデュプレックス パラメータの設定
物理インターフェイスに速度とデュプレックス モードを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
speed { 10 | 100 | 1000 | auto [ 10 | 100 | 1000 ] | nonegotiate } |
インターフェイスに適切な速度パラメータを入力します。 • 10 、 100 、または 1000 を入力し、インターフェイスに特定の速度を設定します。 1000 キーワードは、10/100/1000 Mbps のポートだけに利用可能です。 • auto を入力してインターフェイスをイネーブルにし、接続先装置と速度を自動ネゴシエートします。 10 、 100 、または 1000 キーワードと auto キーワードを併用する場合、ポートは指定した速度に限定して自動ネゴシエートします。 • nonegotiate キーワードは、SFP モジュール ポートだけに利用可能です。SFP モジュール ポートは 1000 Mbps に限定して動作するため、接続先の装置が自動ネゴシエーションをサポートしない場合は、ネゴシエーションを設定できません。 速度設定の詳細については、「速度およびデュプレックス設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 4 |
duplex { auto | full | half } |
インターフェイスにデュプレックス パラメータを入力します。 半二重モードをイネーブルにします(10 Mbps または 100 Mbps に限定して動作するインターフェイス用)。1000 Mbps で動作するインターフェイスには、半二重モードを設定できません。 デュプレックス設定の詳細については、「速度およびデュプレックス設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show interfaces interface-id |
インターフェイスの速度およびデュプレックス モードの設定を表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
no speed および no duplex インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、インターフェイスをデフォルトの速度とデュプレックスの設定に戻します(自動ネゴシエーション)。すべてのインターフェイスをデフォルト設定に戻すには、 default interface interface-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、インターフェイス速度を 10 Mbps に設定し、デュプレックス モードを 10/100 Mbps ポート上で半二重モードに設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface fasttethernet1/3
Switch(config-if)# speed 10
Switch(config-if)# duplex half
次に、10/100/1000 Mbps ポート上でインターフェイス速度を 100 Mbps に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/2
Switch(config)# interface gigabitethernet1/2
Switch(config-if)# speed 100
IEEE 802.3x フロー制御の設定
フロー制御によって、接続されたイーサネット ポートをイネーブルにし、輻輳したノードの一端でリンクの動作を休止させることで、輻輳中のトラフィック レートを制御します。一方のポートが輻輳しており、それ以上のトラフィックを受信できない場合、その状態がクリアされるまで送信を停止するために、ポーズ フレームを送信してもう片方のポートに通知します。ポーズ フレームを受信すると、送信元の装置がデータ パケットの送信を停止するため、輻輳期間中にデータ パケットが失われるのを防ぎます。
(注) スイッチ上のポートはポーズ フレームを受信できますが、送信はできません。
flowcontrol インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポーズ フレームを 受信 するインターフェイスの機能を、 on 、 off 、または desired に設定できます。デフォルトのステートは off です。
ステートが desired に設定された場合、フロー制御パケットを送信する必要がある接続装置、またはフロー制御パケットを送信する必要はないが送信可能な接続装置を、インターフェイスとともに動作できます。
次のルールは、装置上のフロー制御設定に適用されます。
• receive on (または desired ):ポートはポーズ フレームを送信できませんが、ポーズ フレームを送信する必要のある接続装置、またはポーズ フレームを送信可能な接続装置とともに動作できます。ポートはポーズ フレームを受信できます。
• receive off :フロー制御はどちらの方向にも動作しません。輻輳が生じても、リンクの相手側に通知はなく、どちら側の装置もポーズ フレームの送受信を行いません。
(注) コマンド設定と、その結果となるローカル ポートとリモート ポートでのフロー制御解決の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスの flowcontrol インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを参照してください。
インターフェイス上でフロー制御を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
flowcontrol { receive } { on | off | desired } |
フロー制御モードをポートに設定します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id |
インターフェイスのフロー制御設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
フロー制御をディセーブルにするには、 flowcontrol receive off インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートでフロー制御を有効にする例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet1/1
Switch(config-if)# flowcontrol receive on
インターフェイスでの Auto-MDIX の設定
Automatic Medium-Dependent Interface Crossover(Auto-MDIX)がインターフェイス上でイネーブルな場合、インターフェイスは必要なケーブルの接続タイプ(ストレートまたはクロス)を自動的に検出し、接続を適切に設定します。Auto-MDIX 機能を使用せずにスイッチを接続する場合、サーバ、ワークステーション、またはルータなどの装置に接続するにはストレート ケーブルを使用し、その他のスイッチまたはリピータに接続するにはクロス ケーブルを使用します。Auto-MDIX がイネーブルの場合、いずれかのタイプのケーブルを使用してその他の装置に接続すると、インターフェイスによって不適切なケーブル接続が自動的に修正されます。ケーブル接続要件の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
Auto-MDIX はデフォルトでイネーブルになっています。Auto MDIX をイネーブルにする場合は、機能が正常に動作するように、インターフェイス速度とデュプレックスも auto に設定する必要があります。
Auto-MDIX は、すべての 10/100 および 10/100/1000 Mbps インターフェイスでサポートされます。1000BASE-SX または 1000BASE-LX SFP モジュール インターフェイスではサポートされません。
表 14-3 に、Auto-MDIX の設定と適切および不適切なケーブル接続の結果によるリンク ステートを示します。
表 14-3 リンク条件と Auto-MDIX 設定
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点灯 |
点灯 |
リンクアップ |
リンクアップ |
点灯 |
消灯 |
リンクアップ |
リンクアップ |
消灯 |
点灯 |
リンクアップ |
リンクアップ |
消灯 |
消灯 |
リンクアップ |
リンクダウン |
インターフェイス上に Auto-MDIX を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
speed auto |
インターフェイスが接続先装置と速度を自動ネゴシエートするように設定します。 |
ステップ 4 |
duplex auto |
インターフェイスが接続先装置とデュプレックス モードを自動ネゴシエートするように設定します。 |
ステップ 5 |
mdix auto |
インターフェイス上で Auto-MDIX をイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show controllers ethernet-controller interface-id phy |
インターフェイス上の Auto-MDIX 機能の動作ステートを確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
Auto-MDIX をディセーブルにするには、 no mdix auto インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次の例では、ポートの Auto MDIX をイネーブルにする方法を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet1/1
Switch(config-if)# speed auto
Switch(config-if)# duplex auto
Switch(config-if)# mdix auto
インターフェイスに関する説明の追加
インターフェイスの機能をわかりやすくするため、インターフェイスに関する説明を追加できます。説明は、 show configuration 、 show running-config 、および show interfaces 特権 EXEC コマンドの出力に表示されます。
インターフェイスに関する説明を追加するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
説明を追加するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
description string |
インターフェイスに関する説明(最大 240 文字)を追加します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id description または show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
説明を削除するには、 no description インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポート上に説明を追加し、説明を確認する例を示します。
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet1/2
Switch(config-if)# description Connects to Marketing
Switch# show interfaces gigabitethernet1/2 description
Interface Status .Protocol Description
Gi1/2 admin down down Connects to Marketing
レイヤ 3 インターフェイスの設定
スイッチは、次のタイプのレイヤ 3 インターフェイスをサポートします。
• SVI:トラフィックをルーティングするすべての VLAN に SVI を設定する必要があります。 interface vlan グローバル コンフィギュレーション コマンドのあとに VLAN ID を入力すると、SVI が作成されます。SVI を削除するには、 no interface vlan グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。インターフェイス VLAN 1 は削除できません。
(注) 物理ポートと関連付けられていない場合、SVI を作成してもアクティブにはなりません。レイヤ 2 ポートを VLAN に割り当てる方法の詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。
SVI を設定する場合、SVI 自動ステート除外を SVI のポートに設定すると、そのポートが SVI ラインステート ステータスの判断に含まれないようにすることができます。「SVI 自動ステート除外の設定」を参照してください。
• ルーテッド ポート: no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドの使用してレイヤ 3 モードに設定された物理ポートです。
• レイヤ 3 EtherChannel ポート:EtherChannel インターフェイスは、ルーテッド ポートで構成されます。
EtherChannel ポートのインターフェイスについては、「EtherChannel およびリンクステート トラッキングの設定」を参照してください。
レイヤ 3 スイッチは、各ルーテッド ポートおよび SVI に割り当てられた IP アドレスを持つことができます。
1 つのスイッチに設定可能な SVI とルーテッド ポートの数は制限が定義されていません。ただし、ハードウェアの制限により、SVI とルーテッド ポートの数と、設定されている他の機能の数との関係が、CPU 使用率に影響を与える可能性があります。スイッチがハードウェア リソースを最大限に使用している場合、ルーテッド ポートまたは SVI の作成を試行すると次のような結果になります。
• 新しいルーテッド ポートを作成する場合、インターフェイスをルーテッド ポートに変換するリソースが十分でないというメッセージがスイッチによって生成され、インターフェイスはスイッチポートのままになります。
• 拡張範囲 VLAN の作成を試行すると、エラー メッセージが生成されて拡張範囲 VLAN は拒否されます。
• VLAN トランキング プロトコル(VTP)によって、スイッチに新しい VLAN の生成が通知されると、スイッチは、利用可能なハードウェア リソースが不足しているというメッセージを送信し、VLAN をシャットダウンします。 show vlan ユーザ EXEC コマンドの出力には、VLAN が中断ステートになっていることが示されます。
• ハードウェアがサポート可能な VLAN とルーテッド ポートを超える設定でスイッチの起動を試行すると、VLAN は作成されますが、ルーテッド ポートがシャットダウンされます。この原因はハードウェア リソースの不足であるというメッセージが、スイッチから送信されます。
すべてのレイヤ 3 インターフェイスは、トラフィックをルーティングするための IP アドレスを必要とします。この手順では、インターフェイスをレイヤ 3 インターフェイスとして設定し、インターフェイスに IP アドレスを割り当てる方法を示します。
(注) 物理ポートがレイヤ 2 モード(デフォルト)である場合、no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力し、インターフェイスをレイヤ 3 モードにする必要があります。no switchport コマンドを入力してインターフェイスをディセーブルにしてから再びイネーブルにすると、接続先となる装置上でメッセージが生成される場合があります。また、レイヤ 2 モードにあるインターフェイスをレイヤ 3 モードにすると、影響を受けるインターフェイスに関連する以前の設定情報が失われる可能性があり、インターフェイスがデフォルト設定に戻ります。
レイヤ 3 インターフェイスを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface {{ fastethernet | gigabitethernet } interface-id } | { vlan vlan-id } | { port-channel port-channel-number } |
レイヤ 3 インターフェイスとして設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
no switchport |
物理ポートだけの場合は、レイヤ 3 モードを入力します。 |
ステップ 4 |
ip address ip_address subnet_mask |
IP アドレスおよび IP サブネットを設定します。 |
ステップ 5 |
no shutdown |
インターフェイスをイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show interfaces [ interface-id ] show ip interface [ interface-id ] show running-config interface [ interface-id ] |
設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
インターフェイスから IP アドレスを削除するには、 no ip address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートをルーテッド ポートとして設定し、ポートに IP アドレスを割り当てる例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line.End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet0/2
Switch(config)# interface gigabitethernet1/2
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# ip address 192.20.135.21 255.255.255.0
Switch(config-if)# no shutdown
SVI 自動ステート除外の設定
SVI 自動ステート除外を SVI のアクセス ポートまたはトランク ポートに設定すると、同じ VLAN に属していても、SVI のステータス(ライン ステートのアップまたはダウン)の計算にそのポートが含まれなくなります。除外されたポートがアップ ステートであり、VLAN 内の他のポートがすべてダウン ステートである場合、SVI ステートはダウンに変更されます。
VLAN では少なくとも 1 つのポートをアップにする必要があるため、SVI ライン ステートのアップの維持は除外されません。このコマンドを使用して、SVI のステータスを判断する際に、モニタリング ポートのステータスを除外できます。
SVI ステート変更の計算からポートを除外するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
レイヤ 2 インターフェイス(物理ポートまたはポート チャネル)を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
switchport autostate exclude |
SVI ライン ステート(アップまたはダウン)のステータスを定義する際に、アクセス ポートまたはトランク ポートを除外します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running config interface interface-id show interface interface-id switchport |
(任意)実行コンフィギュレーションを表示します。 設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
次に、ステータスの計算に含まれないように SVI 内にアクセス ポートまたはトランク ポートを設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line.End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet0/2
Switch(config)# interface gigabitethernet1/2
Switch(config-if)# switchport autostate exclude
システム最大伝送ユニット(MTU)の設定
フレームを受信して全インターフェイス上に伝送するための Maximum Transmission Unit(MTU; 最大伝送ユニット)のデフォルト サイズは、1500 バイトです。10 Mbps または 100 Mbps で稼動するすべてのインターフェイス用に MTU サイズを増加させるには、 system mtu グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。MTU サイズを増加させてすべてのギガビット イーサネット インターフェイス上でジャンボ フレームをサポートするには、 system mtu jumbo グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
ルーテッド ポート用に MTU サイズを変更するには、 system mtu routing グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
(注) システム MTU サイズを超えるルーティング MTU サイズは設定できません。システム MTU サイズを現在設定されているルーティング MTU サイズより小さい値に変更すると、設定変更は受け入れられますが、次にスイッチをリセットするまで適用されません。設定変更が有効になると、ルーティング MTU サイズは自動的に新しいシステム MTU サイズのデフォルトになります。
ギガビット イーサネット ポートは system mtu コマンドの影響を受けず、10/100 ポートは system mtu jumbo コマンドの影響を受けません。 system mtu jumbo コマンドを設定しない場合、 system mtu コマンドの設定がすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに適用されます。
MTU サイズは個別のインターフェイスに設定できないため、10/100 インターフェイスのすべて、またはギガビット イーサネット インターフェイスのすべてに設定します。システム MTU またはジャンボ MUT のサイズを変更する場合、新しい設定内容を反映させるには、スイッチをリセットする必要があります。 system mtu routing コマンドの場合、変更内容を反映させるためにスイッチをリセットする必要はありません。
スイッチ CPU が受信可能なフレーム サイズは 1998 バイトに制限されます。これは、system mtu または system mtu jumbo コマンドによって入力された値に関係しません。通常、転送またはルーティングされるフレームは CPU で受信されませんが、制御トラフィック、SNMP、Telnet、またはルーティング プロトコルへ送信されるトラフィックなど、パケットが CPU へ送信される場合もあります。
ルーテッド パケットは、出力ポートで MTU のチェックを受けます。ルーテッド ポートに使用される MTU 値は、適用済みの system mtu 値( system mtu jumbo 値ではない)から派生します。つまり、ルーテッド MTU 値が、すべての VLAN に対応するシステム MTU 値より大きくなることはありません。ルーティング プロトコルは、隣接やリンクの MTU をネゴシエートする場合は、システム MTU 値を使用します。たとえば、ピア ルータとの隣接を設定するには、Open Shortest Path First(OSPF)プロトコルにこの MTU 値が使用されます。特定の VLAN に対応するルーテッド パケットの MTU 値を表示するには、 show platform port-asic mvid 特権 EXEC コマンドを使用します。
(注) レイヤ 2 ギガビット イーサネット インターフェイスを設定して 10/100 インターフェイスより大きいフレームを受け入れる場合は、レイヤ 2 ギガビット イーサネット インターフェイスで受信し、レイヤ 2 の 10/100 インターフェイスで送信されたジャンボ フレームが廃棄されます。
すべての 10/100 またはギガビット イーサネット インターフェイスに対応する MTU サイズを変更するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
system mtu bytes |
(任意)10 Mbps または 100 Mbps で動作するスイッチ上のすべてのインターフェイスに対する MTU サイズを変更します。 指定できる範囲は 1500 ~ 1998 バイトです。デフォルトは 1500 バイトです。 |
ステップ 3 |
system mtu jumbo bytes |
(任意)スイッチ上のすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに対応する MTU サイズを変更します。 指定できる範囲は 1500 ~ 9000 バイトです。デフォルトは 1500 バイトです。 |
ステップ 4 |
system mtu routing bytes |
(任意)ルーテッド ポートのシステム MTU サイズを変更します。指定できる範囲は 1500 ~システム MTU 値です。システム MTU 値は、すべてのポートにルーティングできる最大 MTU です。 より大きいパケットも受け入れられますが、ルーティングはできません。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
ステップ 7 |
reload |
オペレーティング システムをリロードします。 |
特定のインターフェイス タイプに許容範囲外の値を入力すると、値が拒否されます。
スイッチがリロードされると、show system mtu 特権 EXEC コマンドを入力して、設定を確認できます。
次に、ギガビット イーサネット ポートの最大パケット サイズを 1800 バイトに設定する例を示します。
Switch(config)# system mtu jumbo 1800
次に、ギガビット イーサネット インターフェイスに範囲外の数値を設定しようとした場合の応答の例を示します。
Switch(config)# system mtu jumbo 25000
% Invalid input detected at '^' marker.
インターフェイスのモニタおよびメンテナンス
ここでは、インターフェイスのモニタおよびメンテナンスの情報について説明します。
• 「インターフェイス ステータスのモニタ」
• 「インターフェイスとカウンタのクリアとリセット」
• 「インターフェイスのシャットダウンおよび再起動」
インターフェイス ステータスのモニタ
特権 EXEC プロンプトに入力したコマンドによって、ソフトウェアとハードウェアのバージョン、設定、インターフェイスの統計情報など、インターフェイスに関する情報が表示されます。 表 14-4 に、インターフェイス モニタ コマンドの一部を示します( show コマンドの全リストは、特権 EXEC プロンプトで show ? コマンドを使用して表示できます)。これらのコマンドの詳細な説明については、Cisco.com ページの [Documentation] > [Cisco IOS Software] > [12.2 Mainline] > [Command References] にある『 Cisco IOS Interface Command Reference, Release 12.2 』を参照してください。
表 14-4 インターフェイスの show コマンド
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show interfaces [ interface-id ] |
(任意)すべてのインターフェイスまたは特定のインターフェイスについて、ステータスと設定を表示します。 |
show interfaces interface-id status [ err-disabled ] |
(任意)インターフェイスのステータスまたは errdisable ステートにあるインターフェイスのリストを表示します。 |
show interfaces [ interface-id ] switchport |
(任意)スイッチング ポートの管理ステータスおよび動作ステータスを表示します。このコマンドを使用して、ポートがルーティング モードまたはスイッチング モードにあるかどうかを確認できます。 |
show interfaces [ interface-id ] description |
(任意)1 つのインターフェイスまたはすべてのインターフェイスに設定された説明とインターフェイス ステータスを表示します。 |
show ip interface [ interface-id ] |
(任意)IP ルーティングに設定されたすべてのインターフェイスまたは特定のインターフェイスのユーザビリティ ステータスを表示します。 |
show interface [ interface-id ] stats |
(任意)インターフェイスのスイッチング パスによる入出力パケットを表示します。 |
show interfaces transceiver properties |
(任意)インターフェイスの速度とデュプレックスの設定を表示します。 |
show interfaces transceiver detail |
(任意)インターフェイス上の温度、電圧、または電流量を表示します。 |
show interfaces [ interface-id ] [{ transceiver properties | detail }] module number ] |
SFP モジュールに関する物理ステータスと動作ステータスを表示します。 |
show running-config interface [ interface-id ] |
インターフェイスに対応する RAM の実行コンフィギュレーションを表示します。 |
show version |
ハードウェア設定、ソフトウェアのバージョン、コンフィギュレーション ファイル名と送信元、およびブート イメージを表示します。 |
show controllers ethernet-controller interface-id phy |
インターフェイス上の Auto-MDIX 機能の動作ステートを表示します。 |
インターフェイスとカウンタのクリアとリセット
表 14-5 に示す特権 EXEC モードの clear コマンドを使用してカウンタをクリアし、インターフェイスをリセットできます。
表 14-5 インターフェイスの clear コマンド
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clear counters [ interface-id ] |
インターフェイス カウンタをクリアします。 |
clear interface interface-id |
インターフェイスのハードウェア論理をリセットします。 |
clear line [ number | console 0 | vty number ] |
非同期シリアル ラインのハードウェア論理をリセットします。 |
show interfaces 特権 EXEC コマンドで表示されたインターフェイス カウンタをクリアするには、 clear counters 特権 EXEC コマンドを使用します。 clear counters コマンドを使用すると、インターフェイスから現在のインターフェイス カウンタをすべてクリアします。ただし、オプションの引数を指定して、特定のインターフェイス番号から特定のインターフェイス タイプだけをクリアする場合は例外となります。
(注) clear counters 特権 EXEC コマンドでは、Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)を使用して取得したカウンタをクリアしませんが、これらのカウンタが認識されるのは、show interface 特権 EXEC コマンドを使用する場合だけです。
インターフェイスのシャットダウンおよび再起動
インターフェイスをシャットダウンすると、指定したインターフェイス上の全機能がディセーブルになり、そのインターフェイスはすべてのモニタ コマンド表示で使用不能に指定されます。この情報は、あらゆるダイナミック ルーティング プロトコルを通じて、他のネットワーク サーバに伝達されます。そのインターフェイスは、すべてのルーティング アップデートにも含まれなくなります。
インターフェイスをシャットダウンするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface { vlan vlan-id } | {{ fastethernet | gigabitethernet } interface-id } | { port-channel port-channel-number } |
設定するインターフェイスを選択します。 |
ステップ 3 |
shutdown |
インターフェイスをシャットダウンします。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running-config |
設定を確認します。 |