SmartPort マクロの概要
SmartPort マクロを使用すると、共通の設定を簡単に保存および共有できます。SmartPort マクロを使用して、ネットワーク内のスイッチの場所に基づいて機能や設定をイネーブルにしたり、ネットワーク上で大規模な設定の配置を行うことができます。
各 SmartPort マクロは、定義する一連の CLI コマンドです。SmartPort マクロには、新しい CLI コマンドは含まれていません。SmartPort マクロは、単なる既存の CLI コマンドのグループです。
SmartPort マクロをインターフェイスに適用すると、マクロ内の CLI コマンドがインターフェイスに設定されます。マクロがインターフェイスに適用された場合、既存のインターフェイス設定は失われません。新しいコマンドはインターフェイスに追加され、実行コンフィギュレーション ファイルに保存されます。
SmartPort マクロの設定
• 「SmartPort のデフォルト設定」
• 「SmartPort 設定時の注意事項」
• 「SmartPort マクロの適用」
SmartPort のデフォルト設定
スイッチで SmartPort マクロはイネーブルになっていません。
表 15-1 デフォルト SmartPort マクロ
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cisco-ie-global |
このグローバル コンフィギュレーション マクロを使用して、スイッチの設定を工業用イーサネットの環境に合わせてスイッチの設定を行います。このマクロは、Express Setup を使用してスイッチを初期設定するときに自動的に適用されます。 マクロを適用する必要があります。 |
cisco-ie-desktop |
このインターフェイス コンフィギュレーション マクロを使用して、PC などのデスクトップ装置をスイッチ ポートに接続しているときのネットワーク セキュリティと信頼性を高めます。このマクロは、工業オートメーション トラフィック用に最適化されています。 |
cisco-ie-phone |
このインターフェイス コンフィギュレーション マクロは、Cisco IP Phone を使用している PC などのデスクトップ装置をスイッチ ポートに接続している場合に使用します。このマクロは、 cisco-ie-desktop マクロの拡張で、同じセキュリティと復元力機能を備えていますが、遅延に影響されやすい音声トラフィックを正しく処理できるように専用の音声 VLAN が追加されています。このマクロは、工業オートメーション トラフィック用に最適化されています。 |
cisco-ie-switch |
このインターフェイス コンフィギュレーション マクロは、アクセス スイッチとディストリビューション スイッチを接続している場合や、Small Form-Factor Pluggable(SFP; 着脱可能小型フォーム ファクタ)モジュールを使用して接続されているアクセス スイッチ間で接続している場合に使用します。このマクロは、工業オートメーション トラフィック用に最適化されています。 |
cisco-ie-router |
このインターフェイス コンフィギュレーション マクロは、スイッチと WAN ルータを接続しているときに使用します。このマクロは、工業オートメーション トラフィック用に最適化されています。 |
cisco-ie-wireless |
このインターフェイス コンフィギュレーション マクロは、スイッチとワイヤレス アクセス ポイントを接続しているときに使用します。このマクロは、工業オートメーション トラフィック用に最適化されています。 |
cisco-ethernetip |
このインターフェイス コンフィギュレーション マクロは、スイッチを EtherNet IP 装置に接続しているときに使用します。 マクロを適用する必要があります。 |
SmartPort 設定時の注意事項
• マクロがスイッチまたはスイッチ インターフェイスにグローバルに適用されている場合、インターフェイス上の既存のすべての設定が保持されます。これは、設定の差分を適用する場合に役立ちます。
• 構文エラーまたは設定エラーのためにコマンドが失敗した場合、マクロは引き続き残りのコマンドを適用します。 macro global trace macro-name グローバル コンフィギュレーション コマンドまたは macro trace macro-name インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、構文または設定エラーを判別するためにマクロを適用およびデバッグできます。
• 一部の CLI コマンドは、特定のインターフェイス タイプに固有です。設定を受け入れないインターフェイスにマクロを適用すると、マクロが構文または設定のチェックに失敗し、スイッチはエラー メッセージを返します。
• マクロをインターフェイスの範囲に適用することは、マクロを単一のインターフェイスに適用することと同じです。インターフェイスの範囲を使用する場合、マクロはその範囲内の各インターフェイスに順番に適用されます。あるインターフェイスでマクロ コマンドが失敗した場合、残りのインターフェイスに適用されていきます。
• マクロをスイッチまたはスイッチ インターフェイスに適用する場合、マクロ名が自動的にスイッチまたはインターフェイスに追加されます。 show running-config ユーザ EXEC コマンドを使用すると、適用されたコマンドおよびマクロ名を表示できます。
SmartPort マクロの適用
SmartPort マクロを適用するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
show parser macro |
スイッチ ソフトウェアに埋め込まれているシスコ デフォルト SmartPort マクロを表示します。 |
ステップ 2 |
show parser macro name macro-name |
適用する特定のマクロを表示します。 |
ステップ 3 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
macro global { apply | trace } macro-name [ parameter { value }] [ parameter { value }] [ parameter { value }] |
macro global apply macro-name を入力して、マクロで定義された個々のコマンドをスイッチに適用します。 macro global trace macro-name を指定して、構文または設定エラーを判別するためにマクロを適用およびデバッグします。 parameter value キーワードを使用して、必要な値をマクロに追加します。 $ で始まるキーワードには、一意のパラメータ値が必要です。 macro global apply macro-name ? コマンドを使用すると、マクロで必要な値を一覧表示できます。キーワード値を入力せずにマクロを適用した場合、コマンドは無効となり、マクロは適用されません。 (任意)スイッチに固有の一意のパラメータ値を指定します。最高 3 つのキーワードと値の組み合わせを入力できます。パラメータ キーワードの照合では、大文字と小文字が区別されます。キーワードで一致が見られると、すべて対応する値に置き換えられます。 |
ステップ 5 |
interface interface-id |
(任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、マクロを適用するインターフェイスを指定します。 |
ステップ 6 |
default interface interface-id |
(任意)指定されたインターフェイスからすべての設定を消去します。 |
ステップ 7 |
macro { apply | trace } macro-name [ parameter { value }] [ parameter { value }] [ parameter { value }] |
macro global apply macro-name を入力して、マクロで定義された個々のコマンドをポートに適用します。 macro global trace macro-name を指定して、構文または設定エラーを判別するためにマクロを適用およびデバッグします。 parameter value キーワードを使用して、必要な値をマクロに追加します。 $ で始まるキーワードには、一意のパラメータ値が必要です。 macro global apply macro-name ? コマンドを使用すると、マクロで必要な値を一覧表示できます。キーワード値を入力せずにマクロを適用した場合、コマンドは無効となり、マクロは適用されません。 (任意)スイッチに固有の一意のパラメータ値を指定します。最高 3 つのキーワードと値の組み合わせを入力できます。パラメータ キーワードの照合では、大文字と小文字が区別されます。キーワードで一致が見られると、すべて対応する値に置き換えられます。 |
ステップ 8 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 9 |
show running-config interface interface-id |
マクロがインターフェイスに適用されていることを確認します。 |
ステップ 10 |
copy running-config startup-config |
(任意)設定をコンフィギュレーション ファイルに保存します。 |
マクロに含まれる各コマンドの no バージョンを入力したときにだけ、スイッチで適用されたグローバル マクロ設定を削除できます。 default interface interface-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力すれば、ポートで適用されたマクロの設定を削除できます。
次に、 cisco-ie-desktop マクロを表示する例、およびインターフェイス上でマクロを適用し、アクセス VLAN ID を 25 に設定する例を示します。
Switch# show parser macro name cisco-ie-desktop
--------------------------------------------------------------
Macro name : cisco-ie-desktop
Macro type : default interface
# macro keywords ACCESS_VLAN
#macro name cisco-ie-desktop
switchport mode access
switchport access vlan ACCESS_VLAN
switchport port-security
switchport port-security maximum 1
switchport port-security aging time 2
switchport port-security violation restrict
switchport port-security aging type inactivity
spanning-tree portfast
spanning-tree bpduguard enable
no macro description
macro description cisco-ie-desktop
--------------------------------------------------------------
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet1/4
Switch(config-if)# macro apply cisco-ie-desktop $AVID 25
次に、 cisco-ethernetip マクロを表示する例と、このマクロをインターフェイスに適用する例を示します。
Switch# show parser macro name cisco-ethernetip
Macro name : cisco-ie-global
Macro type : default interface
#macro name cisco-ethernetip
#macro keywords ACCESS_VLAN
#macro description cisco-ethernetip
switchport access vlan ACCESS-VLAN
storm-control broadcast level 3.00 1.00
service-policy input CIP-Traffic
#service-policy input 1588
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface fastethernet 1/1
Switch(config-if)# macro apply cisco-ethernetip ACCESS_VLAN 1
switchport mode will be set to access
spanning-tree portfast will be enabled
channel group will be disabled
SmartPort マクロの表示
SmartPort マクロを表示するには、 表 15-2 の 1 つまたは複数の特権 EXEC コマンドを使用します。
表 15-2 SmartPort マクロを表示するためのコマンド
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show parser macro |
すべての SmartPort マクロを表示します。 |
show parser macro name macro-name |
特定の SmartPort マクロを表示します。 |
show parser macro brief |
SmartPort マクロの名前を表示します。 |
show parser macro description [ interface interface-id ] |
すべてのインターフェイスまたは特定のインターフェイスに関する SmartPort マクロの説明を表示します。 |