Flex Link および MAC アドレス テーブル移行更新の概要
ここでは、次の情報について説明します。
• 「Flex Link」
• 「VLAN Flex Link のロード バランシングおよびサポート」
• 「Flex Link のマルチキャスト高速コンバージェンス」
• 「MAC アドレス テーブル移行更新」
Flex Link
Flex Link は、レイヤ 2 インターフェイス(スイッチ ポートまたはポート チャネル)のペアで、1 つのインターフェイスがもう一方のインターフェイスのバックアップとして機能するように設定されています。この機能は Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)の代わりに提供され、ユーザが STP をディセーブルにした場合でも基本的なリンク冗長性を維持できます。一般的にカスタマーがスイッチで STP を実行したくないサービス プロバイダー ネットワークまたは企業ネットワーク内に設定されます。スイッチが STP を実行中の場合、STP がすでにリンクレベルの冗長性またはバックアップを提供しているので Flex Link の設定は必要ありません。
別のレイヤ 2 インターフェイスを Flex Link またはバックアップ リンクとして割り当てることで、1 つのレイヤ 2 インターフェイス(アクティブ リンク)に Flex Link を設定します。リンクの 1 つがアップでトラフィックを転送しているときは、もう一方のリンクがスタンバイ モードで、もう一方のリンクがシャット ダウンした場合にトラフィックの転送を開始できるように準備しています。どの時点でも、1 つのインターフェイスだけがリンク アップ ステートでトラフィックを転送しています。プライマリ リンクがシャットダウンすると、スタンバイ リンクがトラフィックの転送を開始します。アクティブ リンクが再びアップすると、これがスタンバイ モードになり、トラフィックの転送は行いません。STP は、Flex Link インターフェイスではディセーブルになります。
図 25-1 では、アップリンク スイッチ B および C に、スイッチ A のポート 1 およびポート 2 が接続されています。これらは Flex Link として設定されているので、1 つのインターフェイスだけがトラフィックを転送し、もう一方はスタンバイ モードになっています。ポート 1 がアクティブ リンクの場合、ポート 1 とスイッチ B との間でトラフィックの転送が開始され、ポート 2(バックアップ リンク)とスイッチ C との間ではトラフィックは転送されません。ポート 1 がダウンした場合、ポート 2 がアップになりスイッチ C へのトラフィックの転送を開始します。ポート 1 が再びアップすると、これがスタンバイ モードになり、トラフィックの転送は行いません。ポート 2 が引き続きトラフィックを転送します。
また、トラフィック転送に優先ポートを指定して、プリエンプション メカニズムを設定するように選択できます。たとえば図 25-1 の例では、Flex Link ペアをプリエンプション モードで設定できます。このシナリオでは、ポート 1 が再びアップしたときにポート 1 の帯域幅がポート 2 よりも大きい場合、ポート 1 は 60 秒後に転送を開始します。ポート 2 はスタンバイ ポートになります。これは、 switchport backup interface preemption mode bandwidth および switchport backup interface preemption delay インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力することによって、実行されます。
図 25-1 Flex Link の設定例
プライマリ(転送)リンクがダウンすると、トラップがこれをネットワーク管理ステーションに通知します。スタンバイ リンクがダウンすると、トラップはユーザに通知します。
Flex Link は レイヤ 2 ポートとポート チャネルだけでサポートされ、VLAN やレイヤ 3 ポートではサポートされません。
VLAN Flex Link のロード バランシングおよびサポート
VLAN Flex Link のロード バランシングにより、両方のポートが相互に排他的な VLAN のトラフィックを同時に転送するように、Flex Link ペアを設定できます。たとえば、Flex Link ポートが 1 ~ 100 の VLAN に設定されている場合、最初の 50 個の VLAN のトラフィックを 1 つのポートで転送し、残りのトラフィックを他のポートで転送することができます。1 つのポートに障害が発生した場合、もう 1 つのアクティブなポートがすべてのトラフィックを転送します。障害が発生したポートが復旧すると、優先 VLAN のトラフィックの転送が再開されます。このように、冗長性の提供とは別に、この Flex Link ペアは、ロード バランシングに使用できます。また、Flex Link VLAN のロード バランシングでは、アップリンク スイッチが制限されません。
図 25-2 VLAN Flex Link のロード バランシングの設定例
mrouter ポートとしての他の Flex Link ポートの学習
一般的なマルチキャスト ネットワークでは、VLAN ごとにクエリアがあります。ネットワークのエッジに配置されたスイッチには、クエリーを受信する Flex Link ポートの 1 つがあります。Flex Link ポートも常に転送しています。
クエリーを受信する Flex Link ポートは、スイッチ上の mrouter ポートとして追加されます。mrouter ポートは、スイッチが学習するすべてのマルチキャスト グループに属します。切り替え後、クエリーは別の Flex Link ポートによって受信されます。別の Flex Link ポートは mrouter ポートとして学習されます。切り替え後、マルチキャスト トラフィックは別の Flex Link ポート内を通過します。トラフィックの高速コンバージェンスを実現するため、いずれかの Flex Link ポートが mrouter ポートとして学習されるときは、両方の Flex Link ポートが mrouter ポートとして学習されます。両方の Flex Link ポートは必ずマルチキャスト グループに属します。
両方の Flex Link ポートは通常の動作モードでグループに属しますが、バックアップ ポートのすべてのトラフィックはブロックされます。したがって、通常のマルチキャスト データ フローは、mrouter ポートとしてバックアップ ポートを追加しても影響を受けません。切り替えが発生すると、バックアップ ポートのブロックは解除され、トラフィックを送信できます。この場合、バックアップ ポートのブロックが解除されるとすぐに、アップストリーム マルチキャスト データが送信されます。
IGMP レポートの生成
切り替え後にバックアップ リンクがアップすると、アップストリームの新しいディストリビューション スイッチはマルチキャスト データの転送を開始しません。アップストリーム ルータ上のポートは、ブロックされた Flex Link ポートに接続されており、マルチキャスト グループに属していないからです。バックアップ リンクがブロックされているので、マルチキャスト グループのレポートは、ダウンストリーム スイッチによって転送されませんでした。このポートがマルチキャスト グループを学習するまで、データはポート上で送信されません。これはポートがレポートを受信したあとにだけ発生します。
一般的なクエリーを受信すると、レポートはホストによって送信されます。一般的なクエリーは通常のシナリオでは 60 秒以内に送信されます。バックアップ リンクが転送を開始すると、マルチキャスト データの高速コンバージェンスを実現するため、ダウンストリーム スイッチは、一般的なクエリーを待つことなく、このポート上のすべての学習済みグループに対して、ただちにプロキシ レポートを送信します。
IGMP レポートのリーク
最小の損失でマルチキャスト トラフィック コンバージェンスを実現するには、Flex Link アクティブ リンクがダウンする前に、冗長データ パスを設定する必要があります。これは、Flex Link バックアップ リンク上の IGMP レポート パケットだけをリークすることで実現できます。リークした IGMP レポート メッセージは、アップストリーム ディストリビューション ルータによって処理されるので、マルチキャスト データ トラフィックはバックアップ インターフェイスに転送されます。バックアップ インターフェイスのすべての着信トラフィックは、アクセス スイッチの入力で廃棄されるので、重複したマルチキャスト トラフィックはホストによって受信されません。Flex Link アクティブ リンクに障害が発生すると、アクセス スイッチはバックアップ リンクからのトラフィックの受信をただちに開始します。この方式の唯一の欠点は、ディストリビューション スイッチの間のリンク上と、ディストリビューション スイッチとアクセス スイッチの間のバックアップ リンク上で帯域幅を消費することです。この機能はデフォルトではディセーブルで、switchport backup interface interface-id multicast fast-convergence コマンドを使用して設定できます。
切り替え時にこの機能がイネーブルになると、スイッチはバックアップ ポートでプロキシ レポートを生成せず、転送ポートになります。
設定例
次に、Flex Link ポートを GigabitEthernet1/1 および GigabitEthernet1/2 に設定したときに他の Flex Link ポートを mrouter ポートとして学習する例と、show interfaces switchport backup コマンドの出力を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface GigabitEthernet1/1
Switch(config-if)# switchport trunk encapsulation dot1q
Switch(config-if)# switchport mode trunk
Switch(config-if)# switchport backup interface Gi1/2
Switch(config)# interface GigabitEthernet1/2
Switch(config-if)# switchport trunk encapsulation dot1q
Switch(config-if)# switchport mode trunk
Switch# show interfaces switchport backup detail
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
GigabitEthernet1/1 GigabitEthernet1/2 Active Up/Backup Standby
Multicast Fast Convergence : Off
Bandwidth : 100000 Kbit (Gi1/1), 100000 Kbit (Gi1/2)
Mac Address Move Update Vlan : auto
次の出力では、GigabitEthernet1/1 を介してスイッチに到達するクエリーを持つ、VLAN 1 および 401 のクエリアを示します。
Switch# show ip igmp snooping querier
Vlan IP Address IGMP Version Port
-------------------------------------------------------------
次に、VLAN 1 および 401 の show ip igmp snooping mrouter コマンドの出力を示します。
Switch# show ip igmp snooping mrouter
1 Gi1/1(dynamic), Gi1/2(dynamic)
401 Gi1/1(dynamic), Gi1/2(dynamic)
同様に、両方の Flex Link ポートも学習済みグループに属します。この例では、GigabitEthernet1/1 は VLAN 1 のレシーバー/ホストであり、2 つのマルチキャスト グループに関連しています。
Switch# show ip igmp snooping groups
Vlan Group Type Version Port List
-----------------------------------------------------------------------
1 228.1.5.1 igmp v2 Gi1/1, Gi1/2, Fa2/1
1 228.1.5.2 igmp v2 Gi1/1, Gi1/2, Fa2/1
ホストが一般的なクエリーに応答すると、スイッチは mrouter ポート上でこのレポートを転送します。この例では、ホストがグループ 228.1.5.1 のレポートを送信するとき、バックアップ ポート GigabitEthernet1/2 はブロックされているので、レポートは GigabitEthernet1/1 でだけ送信されます。アクティブ リンクの GigabitEthernet1/1 がダウンすると、バックアップ ポートの GigabitEthernet1/2 が転送を開始します。
このポートが転送を開始するとすぐに、スイッチがホストの代わりにグループ 228.1.5.1 および 228.1.5.2 のプロキシ レポートを送信します。アップストリーム ルータはグループを学習し、マルチキャスト データの転送を開始します。これは、Flex Link のデフォルトの動作です。ユーザが switchport backup interface gigabitEthernet 1/2 multicast fast-convergence コマンドを使用して高速コンバージェンスを設定すると、この動作は変更されます。次に、この機能をオンにする例を示します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet 1/1
Switch(config-if)# switchport backup interface gigabitethernet 1/2 multicast fast-convergence
Switch# show interfaces switchport backup detail
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet1/1 GigabitEthernet1/2 Active Up/Backup Standby
Multicast Fast Convergence : On
Bandwidth : 100000 Kbit (Gi1/1), 100000 Kbit (Gi1/2)
Mac Address Move Update Vlan : auto
次の出力では、GigabitEthernet1/1 を介してスイッチに到達するクエリーを持つ、VLAN 1 および 401 のクエリアを示します。
Switch# show ip igmp snooping querier
Vlan IP Address IGMP Version Port
-------------------------------------------------------------
次に、VLAN 1 および 401 の show ip igmp snooping mrouter コマンドの出力を示します。
Switch# show ip igmp snooping mrouter
1 Gi1/1(dynamic), Gi1/2(dynamic)
401 Gi1/1(dynamic), Gi1/2(dynamic)
同様に、両方の Flex Link ポートも学習済みグループに属します。この例では、GigabitEthernet1/1 は VLAN 1 のレシーバー/ホストであり、2 つのマルチキャスト グループに関連しています。
Switch# show ip igmp snooping groups
Vlan Group Type Version Port List
-----------------------------------------------------------------------
1 228.1.5.1 igmp v2 Gi1/1, Gi1/2, Gi1/1
1 228.1.5.2 igmp v2 Gi1/1, Gi1/2, Gi1/1
ホストが一般的なクエリーに応答するたびに、スイッチは mrouter ポート上でこのレポートを転送します。コマンドライン ポートを介してこの機能をオンにし、レポートが GigabitEthernet1/1 上のスイッチによって転送されると、レポートはバックアップ ポート GigabitEthernet1/2 にもリークされます。アップストリーム ルータはグループを学習し、マルチキャスト データの転送を開始します。GigabitEthernet1/2 はブロックされているので、このデータは入力で廃棄されます。アクティブ リンクの GigabitEthernet1/1 がダウンすると、バックアップ ポートの GigabitEthernet1/2 が転送を開始します。マルチキャスト データはすでにアップストリーム ルータによって転送されているので、プロキシ レポートを送信する必要はありません。レポートをバックアップ ポートにリークすると冗長マルチキャスト パスが設定され、マルチキャスト トラフィック コンバージェンスに要する時間が最小限になります。
MAC アドレス テーブル移行更新
MAC アドレス テーブル移行更新機能により、プライマリ(転送)リンクがダウンし、スタンバイ リンクがトラフィックの転送を開始した場合、スイッチは高速双方向コンバージェンスを提供できます。
図 25-3 では、スイッチ A はアクセス スイッチで、スイッチ A のポート 1 および 2 は Flex Link ペアを介してアップリンク スイッチ B および D と接続されています。ポート 1 がトラフィックを転送し、ポート 2 はバックアップ ステートです。PC からサーバへのトラフィックは、ポート 1 からポート 3 に転送されます。PC の MAC アドレスは、スイッチ C のポート 3 で学習されます。サーバから PC へのトラフィックは、ポート 3 からポート 1 に転送されます。
MAC アドレス テーブル移行更新機能が設定されていない場合にポート 1 がダウンすると、ポート 2 がトラフィックの転送を開始します。ただし、スイッチ C はポート 3 を介してサーバから PC へのトラフィックの転送を一時的に維持します。また、ポート 1 がダウンしているため、PC はトラフィックを受け取りません。スイッチ C がポート 3 上の PC の MAC アドレスを削除し、ポート 4 上で再学習すると、ポート 2 を介してサーバから PC へトラフィックを転送できます。
図 25-3 のスイッチで、MAC アドレス テーブル移行更新機能が設定されていて、イネーブルの場合に、ポート 1 がダウンすると、ポート 2 が PC からサーバへのトラフィックの転送を開始します。スイッチは、ポート 2 から MAC アドレス テーブル移行更新パケットを送信します。スイッチ C はポート 4 でこのパケットを受け取り、ただちにポート 4 上で PC の MAC アドレスを学習します。これにより、再コンバージェンス時間が短縮されます。
アクセス スイッチであるスイッチ A が、MAC アドレス テーブル移行更新メッセージを 送信する ように設定できます。また、アップリンク スイッチ B、C、および D が、MAC アドレス テーブル移行更新メッセージを 受信して 、処理するように設定できます。スイッチ C が、スイッチ A から MAC アドレス テーブル移行更新メッセージを受信すると、スイッチ C はポート 4 で PC の MAC アドレスを学習します。スイッチ C は、PC の転送テーブルのエントリを含む MAC アドレス テーブルを更新します。
スイッチ A は、MAC アドレス テーブルの更新を待機する必要はありません。スイッチがポート 1 で障害を検出し、新しい転送ポートであるポート 2 からのサーバ トラフィックの転送をただちに開始します。この変更は 100 ミリ秒(ms)以内に発生します。PC はスイッチ A に直接接続され、接続ステータスは変更されません。スイッチ A は、MAC アドレス テーブル内の PC エントリを更新する必要はありません。
図 25-3 MAC アドレス テーブル移行更新の例
Flex Link および MAC アドレス テーブル移行更新の設定
ここでは、次の情報について説明します。
• 「デフォルト設定」
• 「設定時の注意事項」
• 「Flex Link の設定」
• 「Flex Link での VLAN ロード バランシングの設定」
• 「MAC アドレス テーブル移行更新機能の設定」
デフォルト設定
Flex Link は設定されておらず、バックアップ インターフェイスは定義されていません。
プリエンプション モードはオフです。
プリエンプション遅延は 35 秒です。
MAC アドレス テーブル移行更新機能は、スイッチで設定されていません。
設定時の注意事項
Flex Link の設定時には、次の注意事項に従ってください。
• 設定できるバックアップ リンクは、最大で 16 個です。
• アクティブ リンクに対して設定可能な Flex Link バックアップ リンクは 1 つだけで、アクティブ インターフェイスとは異なるインターフェイスでなければなりません。
• インターフェイスが所属できる Flex Link ペアは 1 つだけです。インターフェイスは、1 つのアクティブ リンクに対してだけバックアップ リンクになれます。アクティブ リンクは別の FLex Link ペアに属することはできません。
• いずれのリンクも EtherChannel に属するポートにはなれません。ただし、2 つのポート チャネル(EtherChannel 論理インターフェイス)を Flex Link として設定でき、ポート チャネルと物理インターフェイスを Flex Link として設定でき、ポート チャネルまたは物理インターフェイスをアクティブ リンクにできます。
• バックアップ リンクはアクティブ リンクと同じタイプ(ファスト イーサネット、ギガビット イーサネット、またはポート チャネル)でなくてもかまいません。ただし、スタンバイ リンクがトラフィック転送を開始した場合にループが発生したり動作が変更したりしないように、両方の FLex Link を似たような特性で設定する必要があります。
• Flex Link ポートでは、STP はディセーブルです。ポートの VLAN に STP が設定されていても、Flex Link ポートは STP に参加しません。STP がイネーブルでない場合、設定されているトポロジでループが発生していないことを確認してください。Flex Link の設定を削除すると、STP がポートで再びイネーブルになります。
Flex Link 機能に VLAN ロード バランシングを設定するときは、次の注意事項に従ってください。
• Flex Link VLAN ロード バランシングでは、バックアップ インターフェイスで優先 VLAN を選択する必要があります。
• 同じ Flex Link ペアに対して、プリエンプション メカニズムと VLAN ロード バランシングを設定することはできません。
MAC アドレス テーブル移行更新機能を設定するときは、次の注意事項に従ってください。
• アクセス スイッチでこの機能をイネーブルにして設定すると、MAC アドレス テーブル移行更新を 送信 できます。
• アップリンク スイッチでこの機能をイネーブルにして設定すると、MAC アドレス テーブル移行更新を 受信 できます。
Flex Link の設定
Flex Link のペアを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスには物理レイヤ 2 インターフェイスまたはポート チャネル(論理インターフェイス)を指定できます。ポート チャネル範囲は 1 ~ 6 です。 |
ステップ 3 |
switchport backup interface interface-id |
物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)をインターフェイスがある Flex Link ペアの一部として設定します。1 つのリンクがトラフィックを転送している場合、もう一方のインターフェイスはスタンバイ モードです。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces [ interface-id ] switchport backup |
設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup config |
(任意)スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
Flex Link バックアップ インターフェイスをディセーブルにするには、 no switchport backup interface interface-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、バックアップ インターフェイスを持つインターフェイスを設定し、その設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(conf)# interface gigabitethernet1/1
Switch(conf-if)# switchport backup interface gigabitethernet1/2
Switch# show interfaces switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet1/1 GigabitEthernet1/2 Active Standby/Backup Up
Vlans Preferred on Active Interface: 1-3,5-4094
Vlans Preferred on Backup Interface: 4
Flex Link のペアにプリエンプション スキームを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスには物理レイヤ 2 インターフェイスまたはポート チャネル(論理インターフェイス)を指定できます。ポート チャネル範囲は 1 ~ 6 です。 |
ステップ 3 |
switchport backup interface interface-id |
物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)をインターフェイスがある Flex Link ペアの一部として設定します。1 つのリンクがトラフィックを転送している場合、もう一方のインターフェイスはスタンバイ モードです。 |
ステップ 4 |
switchport backup interface interface-id preemption mode [ forced | bandwidth | off ] |
Flex Link のインターフェイス ペアに、プリエンプション メカニズムおよびプリエンプション遅延を設定します。プリエンプションは、次のように設定できます。 • forced:アクティブ インターフェイスが常に、バックアップをプリエンプトします。 • bandwidth:より高い帯域幅を持つインターフェイスが常に、アクティブ インターフェイスとして動作します。 • off:アクティブからバックアップへのプリエンプションは発生しません。 |
ステップ 5 |
switchport backup interface interface-id preemption delay delay-time |
特定のポートが別のポートをプリエンプトするまでの遅延時間を設定します。 (注) 遅延時間の設定は、forced および bandwidth モードでだけ機能します。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show interfaces [ interface-id ] switchport backup |
設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup config |
(任意)スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
プリエンプション スキームを削除するには、 no switchport backup interface interface-id preemption mode インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。遅延時間をデフォルトにリセットするには、 no switchport backup interface interface-id preemption delay インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、バックアップ インターフェイス ペアに対して、プリエンプション モードを forced として設定し、設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(conf)# interface gigabitethernet1/1
Switch(conf-if)#switchport backup interface gigabitethernet1/2 preemption mode forced
Switch(conf-if)#switchport backup interface gigabitethernet1/2 preemption delay 50
Switch# show interfaces switchport backup detail
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet1/1 GigabitEthernet1/2 Active Up/Backup Standby
Interface Pair : Gi1/1, Gi1/2
Preemption Delay : 50 seconds
Bandwidth : 100000 Kbit (Gi1/1), 100000 Kbit (Gi1/2)
Mac Address Move Update Vlan : auto
Flex Link での VLAN ロード バランシングの設定
Flex Link に VLAN ロード バランシングを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスには物理レイヤ 2 インターフェイスまたはポート チャネル(論理インターフェイス)を指定できます。ポート チャネル範囲は 1 ~ 6 です。 |
ステップ 3 |
switchport backup interface interface-id prefer vlan vlan-range |
物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)をインターフェイスがある Flex Link ペアの一部として設定し、インターフェイス上で伝送された VLAN を指定します。指定できる VLAN ID の範囲は 1 ~ 4094 です。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces [ interface-id ] switchport backup |
設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup config |
(任意)スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
VLAN ロード バランシング機能をディセーブルにするには、 no switchport backup interface interface-id prefer vlan vlan-range インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次の例では、スイッチで VLAN 1 ~ 50、60、100 ~ 120 が設定されています。
Switch(config)#interface gigabitEthernet 1/2
Switch(config-if)#switchport backup interface gigabitEthernet 1/2 prefer vlan 60,100-120
両方のインターフェイスが動作中の場合は、Gi1/1 が VLAN 60 および VLAN 100 ~ 120 のトラフィックを転送し、Gi1/2 が VLAN 1 ~ 50 のトラフィックを転送します。
Switch#show interfaces switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet1/1 GigabitEthernet1/2 Active Up/Backup Up
Vlans Preferred on Active Interface: 1-50
Vlans Preferred on Backup Interface: 60, 100-120
Flex Link インターフェイスがダウンすると(LINK_DOWN)、このインターフェイスで優先される VLAN は Flex Link ペアのピア インターフェイスに移動します。この例では、インターフェイス Gi1/1 がダウンすると、Gi1/2 が Flex Link ペアのすべての VLAN を伝送します。
Switch# show interfaces switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet1/1 GigabitEthernet1/2 Active Down/Backup Up
Vlans Preferred on Active Interface: 1-50
Vlans Preferred on Backup Interface: 60, 100-120
Flex Link インターフェイスがアップになると、このインターフェイスで優先される VLAN はピア インターフェイスでブロックされ、アップしたインターフェイスでフォワーディング ステートになります。この例では、インターフェイス Gi1/1 がアップになると、このインターフェイスで優先される VLAN がピア インターフェイス Gi1/2 でブロックされ、Gi1/1 で転送されます。
Switch#show interfaces switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet1/1 GigabitEthernet1/2 Active Up/Backup Up
Vlans Preferred on Active Interface: 1-50
Vlans Preferred on Backup Interface: 60, 100-120
Switch#show interfaces switchport backup detail
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet1/3 FastEthernet1/4 Active Down/Backup Up
Vlans Preferred on Active Interface: 1-2,5-4094
Vlans Preferred on Backup Interface: 3-4
Bandwidth : 10000 Kbit (Fa1/3), 100000 Kbit (Fa1/4)
Mac Address Move Update Vlan : auto
MAC アドレス テーブル移行更新機能の設定
ここでは、次の情報について説明します。
• スイッチの MAC アドレス テーブル移行更新の送信設定
• スイッチの MAC アドレス テーブル移行更新の受信設定
MAC アドレス テーブル移行更新を送信するようにアクセス スイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスには物理レイヤ 2 インターフェイスまたはポート チャネル(論理インターフェイス)を指定できます。ポート チャネル範囲は 1 ~ 6 です。 |
ステップ 3 |
switchport backup interface interface-id または switchport backup interface interface-id mmu primary vlan vlan-id |
物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)をインターフェイスがある Flex Link ペアの一部として設定します。MAC アドレス テーブル移行更新の VLAN は、インターフェイス上で最も小さい VLAN ID です。 物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を設定して、MAC アドレス テーブル移行更新の送信に使用される、インターフェイス上の VLAN ID を指定します。 1 つのリンクがトラフィックを転送している場合、もう一方のインターフェイスはスタンバイ モードです。 |
ステップ 4 |
end |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
mac address-table move update transmit |
プライマリ リンクがダウンして、スイッチがスタンバイ リンクを介してトラフィックの転送を開始する場合に、アクセス スイッチをイネーブルにして、ネットワーク内の他のスイッチに MAC アドレス テーブル移行更新を送信するようにします。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show mac address-table move update |
設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup config |
(任意)スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
MAC アドレス テーブル移行更新機能をディセーブルにするには、 no mac address-table move update transmit インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。MAC アドレス テーブル移行更新情報を表示するには、 show mac address-table move update 特権 EXEC コマンドを使用します。
次の例では、アクセス スイッチが MAC アドレス テーブル移行更新メッセージを送信するように設定する方法を示します。
Switch(conf)# interface gigabitethernet1/1
Switch(conf-if)# switchport backup interface gigabitethernet1/2 mmu primary vlan 2
Switch(conf)# mac address-table move update transmit
次に、設定を確認する例を示します。
Switch# show mac-address-table move update
Switch-ID : 010b.4630.1780
Dst mac-address : 0180.c200.0010
Vlans/Macs supported : 1023/8320
Default/Current settings: Rcv Off/On, Xmt Off/On
Max packets per min : Rcv 40, Xmt 60
Rcv conforming packet count : 5
Rcv invalid packet count : 0
Rcv packet count this min : 0
Rcv threshold exceed count : 0
Rcv last sequence# this min : 0
Rcv last src-mac-address : 000b.462d.c502
Rcv last switch-ID : 0403.fd6a.8700
Xmt packet count this min : 0
Xmt threshold exceed count : 0
Xmt pak buf unavail cnt : 0
Xmt last interface : None
MAC アドレス テーブル移行更新メッセージを受信して処理するようにスイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
mac address-table move update receive |
スイッチをイネーブルにして、MAC アドレス テーブル移行更新を受信して処理するようにします。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show mac address-table move update |
設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup config |
(任意)スイッチのスタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
MAC アドレス テーブル移行更新機能をディセーブルにするには、 no mac address-table move update receive コンフィギュレーション コマンドを使用します。MAC アドレス テーブル移行更新情報を表示するには、 show mac address-table move update 特権 EXEC コマンドを使用します。
次に、スイッチが MAC アドレス テーブル移行更新メッセージを受信して処理するように設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(conf)# mac address-table move update receive