UP での Sx の自己過負荷検出とアドミッションコントロール

マニュアルの変更履歴


(注)  


リリース 21.24 よりも前に導入された機能については、詳細な改訂履歴は示していません。


改訂の詳細

リリース

初版

21.24 より前

機能説明

ユーザープレーン(UP)での過負荷の検出および制御は、eMPS 機能を使用して実装されます。Sx での過負荷シナリオでは、すべての非 eMPS サブスクライバを対象に、Sx(UP)で受信したセッション確立要求およびセッション変更要求が拒否されます。

現在、過負荷制御は Sx コントロールプレーン(CP)でサポートされています。UP で eMPS をサポートするため、CP は PFCP ヘッダーの Message Priority IE に eMPS 値を追加し、UP にメッセージを送信します。

UP は、Sx セッション確立/変更要求を受信すると、過負荷チェックを実行します。検出されたシステム負荷が正常であれば、セッションの確立/変更が許可され、セッションは PFCP ヘッダーに設定された MP フラグに基づいて優先セッションとしてマークされます。

検出されたシステム負荷が過負荷状態であれば、すべての eMPS サブスクライバを対象に、Sx セッションの確立/変更が拒否されます。

システムの負荷レベルは、次の要因によって決まります。

  • システム使用率(CPU、メモリ、およびライセンス)

  • セッションマネージャの使用率(CPU およびメモリ)

  • VPP-CPU 使用率

制限事項

この機能には次の既知の制限事項があります。

  • データスロットリングはサポートされません。

  • アラームはサポートされません。

  • バルク統計はサポートされません。

  • Pure-S シナリオでの APN ベースの緊急コールの処理はサポートされません。IMSI ベースや IMEI の有効性ベースなど、その他の緊急コールは処理されます。

  • このリリースでは、自己過負荷保護のみがサポートされます。

  • ユーザープレーン ICSR は、このリリースではサポートされません。

  • 既存のコールへの影響:userplane-overload-control-profile が設定され、ユーザープレーンサービスに関連付けられている状態で、システムが過負荷状態に移行し、ユーザープレーンサービスが SX セッション確立および SX セッション変更メッセージを拒否した場合、SX セッション変更メッセージをトリガーする関連コールのコールクリーンアップ/ドロップが発生します。この動作は、システムが通常の負荷状態に戻るまで続きます。

ユーザープレーンでの過負荷制御の設定

コントロールプレーンの S-GW および P-GW サービスに対する eMPS プロファイルの作成および関連付け


重要


この設定は、UP で過負荷制御プロファイルを設定する前に行う必要があります。
configure 
   emps-profile profile_name 
      earp earp_value 
      end 
configure 
   context context_name 
      sgw-service service_name 
         associate emps-profile profile_name 
         exit 
      pgw-service service_name 
         associate emps-profile profile_name 
         end 

UP での過負荷制御プロファイルの設定

過負荷制御プロファイルを設定するには、次のコマンドを使用します。

configure 
   userplane-overload-control-profile profile_name 
   end 

過負荷しきい値パラメータの設定

過負荷しきい値パラメータを設定するには、次のコマンドを使用します。

configure 
   userplane-overload-control-profile profile_name 
      overload-threshold system lower-limit limit_value upper-limit limit_value sessmgr lower-limit limit_value upper-limit limit_value vpp-cpu lower-limit limit_value upper-limit limit_value 
      end 

  • overload-threshold :system、sessmgr、および vpp-cpu の過負荷しきい値制限を設定します。

  • system :ノードが自己保護モードに移行するまでの過負荷システムしきい値を設定します。

  • vpp-cpu :ノードが自己保護モードに移行するまでの過負荷 vpp-cpu しきい値を設定します。

  • sessmgr :ノードが自己保護モードに移行するまでのセッションマネージャの過負荷しきい値を設定します。

  • upper-limit limit_value :ノードが自己保護モードに移行するまでの過負荷 vpp-cpu しきい値 L2 を設定します。デフォルトの制限値は 60% です。

  • lower-limit limit_value :ノードが自己保護モードに移行するまでの過負荷 vpp-cpu しきい値 L1 を設定します。デフォルトの制限値は 50% です。

システム重み付けパラメータの設定

セッションマネージャの重みパラメータを設定するには、次のコマンドを使用します。

configure 
   userplane-overload-control-profile profile_name 
      system-weightage system-cpu-utilization utilization_value system-memory-utilization utilization_value license-session-utilization utilization_value 
      end 

  • system-weightage :さまざまな過負荷制御パラメータのシステムの重みを設定します。全パラメータの重みの合計は 100 である必要があります。デフォルト値は、system-cpu-utilization に対する重みが 40%、system-memory-utilization に対する重みが 30%、license-session-utilization に対する重みが 30% です。

  • system-cpu-utilization :システムの CPU 使用率の重みをパーセンテージで設定します。過負荷係数のデフォルトの重みは 40% です。

  • system-memory-utilization :システムメモリ使用率の重みをパーセンテージで設定します。過負荷係数のデフォルトの重みは 30% です。

  • license-session-utilization :ユーザープレーンサービスのライセンスセッション使用率の重みをパーセンテージで設定します。過負荷係数のデフォルトの重みは 30% です。

セッションマネージャの重みパラメータの設定

セッションマネージャの重みパラメータを設定するには、次のコマンドを使用します。

configure 
   userplane-overload-control-profile profile_name 
      sessmgr-weightage sessmgr-cpu-utilization utilization_value sessmgr-memory-utilization utilization_value 
      end 

  • sessmgr-weightage :さまざまな負荷制御パラメータに対するセッションマネージャの重みを設定します。全パラメータの重みの合計は 100 である必要があります。デフォルト値は、sessmgr-cpu-utilization に対して 35% の重み、sessmgr-memory-utilization に対して 65% の重みです。

  • sessmgr-cpu-utilization :セッションマネージャの CPU 使用率の重みをパーセンテージで設定します。過負荷係数のデフォルトの重みは 35% です。

  • sessmgr-memory-utilization :セッションマネージャのメモリ使用率の重みをパーセンテージで設定します。過負荷係数のデフォルトの重みは 65% です。

過負荷制御プロファイルとユーザープレーンサービスの関連付け

次のコマンドを使用して、過負荷制御プロファイルをユーザープレーンサービスに関連付けます。

configure 
   context context_name 
      user-plane-service service_name 
      [ no ] associate userplane-overload-control-profile profile_name 

  • associate :このコマンドは、ユーザープレーン過負荷制御プロファイルをユーザープレーンサービスに関連付けます。

モニタリングおよびトラブルシューティング

show コマンドの入力と出力

ここでは、この機能をサポートする show コマンドとその出力について説明します。

show user-plane-service name name

この機能をサポートするために、次のフィールドが表示されます。

  • Service name

    • Service-Id

    • Context

    • Status

    • PGW Ingress GTPU Service

    • SGW Ingress GTPU Service

    • SGW Egress GTPU Service

    • Control Plane Tunnel GTPU Service

    • Sx Service

    • Control Plane Group

    • Userplane Overload Control Profile

    • Fast-Path service

show user-plane-service statistics name user_plane_service_name

この機能をサポートするために、次のフィールドが表示されます。

  • 過負荷制御情報

    • 現在の過負荷率(System):すべてのユーザープレーンサービス値の平均

    • 現在の過負荷率(SessMgr)

    • 現在の過負荷率(VPP-CPU)

    • 過負荷しきい値に達した回数

    • 過負荷中に拒否されたセッション確立要求の数

    • 過負荷中に拒否されたセッション変更要求の数

    • 過負荷中に許可された eMPS セッション確立要求の数

    • 過負荷中に許可された eMPS セッション変更要求の数

show userplane-overload-control-profile name name

この機能をサポートするために、次のフィールドが表示されます。

  • ユーザープレーン過負荷制御プロファイル

  • ユーザープレーン過負荷制御プロファイル名

  • システムの重みとしきい値:

    • CPU Utilization Weightage

    • Memory Utilization Weightage

    • License Session Utilization Weightage

    • System Threshold Lower Limit

    • System Threshold Upper Limit

  • Sessmgr の重みとしきい値:

    • CPU Utilization Weightage

    • Memory Utilization Weightage

    • Sessmgr Threshold Lower Limit

    • Sessmgr Threshold Upper Limit

  • VPP の重みとしきい値:

    • VPP Utilization Weightage

    • vpp-cpu Threshold Lower Limit

    • vpp-cpu Threshold Upper Limit