Gx を介したボリュームレポート

マニュアルの変更履歴


(注)  


リリース 21.24 よりも前に導入された機能については、詳細な改訂履歴は示していません。


改訂の詳細

リリース

CUPS で、3G のトリガーベースの使用状況レポートをサポート。

21.25

初版

21.24 より前

機能説明

Volume Reporting over Gx(VoGx)機能により、PCRF はサブスクライバのデータ使用量に基づいてリアルタイムの決定ができます。

この機能は、コントロールプレーンの既存の非 CUPS アーキテクチャを使用して実装されます。実装は、既存の VoGx フレームワークと FAR、PDR、URR などの CUPS データ構造をマッピングすることで行われます。


重要


Volume Reporting over Gx は、ボリュームクォータにのみ適用されます。


機能の仕組み

次の手順を通じて、Gx を介したボリュームレポートの仕組みについて説明します。

  1. PCEF は、PCRF からメッセージを受信した後、使用状況モニタリング関連の AVP を解析し、その情報を IMSA に送信します。

  2. IMSA はこの情報で ECS を更新します。

  3. PCRF からの使用状況モニタリング情報で ECS が更新されると、PCEF(ECS)はデータ使用状況の追跡を開始します。

  4. セッションレベルのモニタリングの場合、ECS がデータ使用状況を保持します。

  5. PCC ルールモニタリングの場合、モニタリングキーを一意の識別子として使用状況がモニタリングされます。各ノードがモニタリングキーごとの使用状況情報を保持します。データトラフィックが通過すると、使用状況がチェックされ、使用状況のしきい値に照らしてレポートされます。


    (注)  


    21.22 より前のリリースでは、モニタリングキー値の範囲は 0 ~ 134217727 でした。

    21.22 以降のリリースでは、モニタリングキー値の範囲は 1 ~ 4000000000 となります。


  6. PCEF は、しきい値に達した後、PCRF によって新しいしきい値が提供されるまで、データ使用状況を追跡し続けます。使用状況が報告された IP-CAN セッション変更の確認応答で、PCRF から新しい使用状況しきい値が提供されない場合、その IP CAN セッションを対象とした PCEF での使用状況モニタリングは続行されません。

詳細については、『SAEGW Administration Guide』[英語] を参照してください。

サポートされる規格

Gx を介したボリュームレポート機能は、次の標準規格に基づいています。3GPP TS 29.212 V9.5.0 (2010-06): 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Core Network and Terminals; Policy and Charging Control over Gx reference point (Release 9)

VoGx のコントロールプレーンの処理

セッションセットアップ中の URR の作成

  • Sx セッション確立要求は、GxSPI フレームワークに従って使用されます。

  • コントロールプレーン機能は、Sx セッション確立要求で URR のリストと、対応する PDR での参照先を送信します。

接続解除要求における URR 処理

  • URR 情報は、Sx セッション削除応答の一部として PGW-U によって送信されます。

  • PGW-C は、これらの URR を対応するモニタリングキーバケットにマッピングし、使用状況レポートを含む CCR-T を送信します。

Sx セッションレポート要求

PGW-U は、ボリュームしきい値に対する使用状況レポートを送信します。PGW-C は対応するモニタリングキーバケットに URR をマッピングし、それに応じて Gx CCR-U を生成します。

使用状況モニタリング関連の AVP を使用した RAR の処理

Gx エイリアスルールに関連付けられたモニタリングキーを含む使用状況モニタリング情報が、ルールが関連付けられていない RAR で受信されると、使用状況モニタリング情報(ボリュームまたは時間)を含む Create URR IE が UP に送信されます。

VoGx のユーザープレーンの処理

ボリュームのしきい値違反

データパケットが特定の PDR と一致し、その PDR に関連付けられている URR の測定方法がボリュームに設定されている場合、アップリンクおよびダウンリンクの使用状況カウンタは、PDR 送信元インターフェイスのタイプに応じて増分されます。特定の URR のボリュームしきい値を超えると、Sx セッションレポート要求メッセージが生成され、使用状況レポートのトリガーがボリュームしきい値に設定されて送信されます。報告された URR のすべての使用状況カウンタは、メッセージが生成されてコントロールプレーンに送信されるとクリアされます。ただし、既存のしきい値制限は、以降のトランザクションに適用されます。

制限事項

VoGx 機能には、次の制限事項があります。

  • 次のイベントトリガー中の PCRF への使用状況のレポートは、CUPS ではサポートされません。

    • トリガー

      • PGW_TRACE_CONTROL (24)

      • QOS_CHANGE_EXCEEDING_AUTHORIZATION (11)

      • APN_AMBR_MODIFICATION_FAILURE (29)

      • CHARGING_CORRELATION_EXCHANGE (28)

      • OUT_OF_CREDIT (15)

      • REALLOCATION_OF_CREDIT (16)

      • UE_IP_ADDRESS_ALLOCATE (18)

      • UE_IP_ADDRESS_RELEASE (19)

      • APPLICATION_START (39)

      • APPLICATION_STOP (40)

      • REVALIDATION_TIMEOUT (17)

  • トリガーベースの使用状況レポートは、CUPS の 3G ではサポートされません。

VoGx モニタリングキー範囲の設定

リリース 21.22 以降では、静的ルールおよび事前定義ルールの一部として、PCEF でローカルに設定されたすべてのモニタリングキーの monitoring-key urr-id-prefix エントリを定義する必要があります。

モニタリングキーの範囲を有効にするには、次の設定を使用します。

configure 
   active-charging service service_name 
      mon-key-urr-list list_name 
         monitoring-key value urr-id-prefix urr_id 
         end 

  • mon-key-urr-list list_name :モニタリングキーリスト名を指定します。list_name は、1 ~ 63 文字の文字列である必要があります。

  • monitoring-key value value は 1 ~ 4000000000 までの整数である必要があります。

  • urr-id-prefix urr_id urr_id は 1 ~ 8388607 までの整数である必要があります。

  • リスト名には、モニタリングキーと URR ID の複数の組み合わせを設定できます。推奨されるエントリ数の上限は 2500 です。

  • この CLI コマンドは、コントロールプレーンとユーザープレーンの両方で設定できます。コントロールプレーンでこの CLI コマンドを設定した後、PFD プッシュメカニズムを使用して設定をユーザープレーンにプッシュする必要があります。RCM の場合、CLI を設定する前にユーザープレーンで require rcm-configmgr を設定しておく必要があります。RCM 設定の CLI を使用して、コントロールプレーンとユーザープレーンの両方を設定する必要があります。

  • 設定するモニタリングキーと URR-ID の組み合わせは、すべて一意である必要があります。mon-key-urr-list で設定された URR-ID が、urr-list で設定された URR-ID と一致していけません。このような設定を試みた場合、CLI はエラーをスローします。

  • コントロールプレーンでランタイムにこの CLI が追加された場合、PFD プッシュメカニズムを使用して CLI をプッシュし、UP と CP の両方で設定を更新できるようにする必要があります。これらの設定は、次回のコール以降、または次の URR の作成時に適用されます。

VoGx のモニタリングと障害対応

ここでは、CUPS の VoGx のモニタリングと障害対応で使用できる CLI コマンドについて説明します。

show コマンドと出力

show active-charging subsystem all debug-only

この CLI コマンドの出力範囲が拡張され、CUPS の VoGx 機能をサポートする次のフィールドが追加されました。

  • Total Mon-Key Urr Entries in list

  • Total Mon-Key lookup success

  • Total Mon-Key lookup failure

show user-plane-service monitoring-key-urr-id-list all

この CLI コマンドを使用すると、コントロールプレーンからユーザープレーンにプッシュされたすべてのモニタリングキーが表示されます。