L2 マーキングのサポート

マニュアルの変更履歴


(注)  


リリース 21.24 よりも前に導入された機能については、詳細な改訂履歴は示していません。


改訂の詳細

リリース

初版

21.24 より前

機能説明

CUPS の L2 マーキングのサポートにより、CUPS の QoS クラス識別子(QCI)のマーキングおよび Differentiated Services Code Point(DSCP)から派生した L2 マーキングが可能になります。QoS マーキングのサポートは、非 CUPS プラットフォームでサポートされる QoS マーキングのサポートに似ており、パケットが L2 ルータを通過するときに QoS 処理が維持されます。

機能の仕組み

ここでは、L2 マーキングの仕組みについて簡単に説明します。

基本的機能

  • L2 マーキングのタイプは、サービス設定に従ってコントロールプレーン(CP)で決定されます。サポートされる L2 マーキングのタイプは、[DSCP-based]、[QCI-based]、および [None] です。

  • ユーザープレーン(UP)で QCI 値が決まると、サービスに関連付けられた QCI テーブルでルックアップが実行されます。ルックアップの結果に基づき、対応する QCI 値の優先順位が選択または決定されます。

  • 選択されたレイヤ 2 マーキングのタイプと優先順位は、Sx メッセージで UP に通知されます。

  • UP への新しい情報の受け渡しをサポートするため、新しいカスタム IE が FAR IE に追加されます。

    • レイヤ 2 マーキング:

      • タイプと優先順位:<type> <priority-value>

        新しいカスタム IE は type-number「228」と定義されます。

  • L2 マーキング(タイプまたは優先順位)が変更されると、ベアラーの更新が発生した場合と同じ内容が UP に通知されます。

Sx インターフェイスの変更

FAR 内の Layer 2 Marking IE

ベアラーの L2 マーキング情報を UP に渡すため、新しいカスタム IE が定義され、これを含む FAR が次のように変更されます。

表 1. レイヤ 2 マーキング情報要素

情報要素

条件/コメント

アプリケーション

IE ID

Sxa

Sxb

Sxc

N4

レイヤ 2 マーキング

この IE は、レイヤ 2 マーキングのタイプ(存在する場合)を示します。

X

X

Layer 2 Marking IE は次のようにエンコードされます。

表 2. PFCP FAR 内の Layer 2 Marking IE

オクテット 1 および 2

Layer 2 Marking IE タイプ = 228(10 進数)

オクテット 3 および 4

長さ = n

情報要素

条件/コメント

アプリケーション

Sxa

Sxb

Sxc

N4

レイヤ 2 マーキング

この IE は、この FAR に一致するパケットに適用されるレイヤ 2 マーキングを特定します。

IE の長さは「0」または「1」です。この 1 バイトの中には、次の情報が含まれます。

  • タイプと優先順位:<type> <priority-value>

  • タイプ:(1-DSCP、2-QCI、3-None):最初の 2 ビット

    Priority-Value:最後の 6 ビット

    • タイプが [QCI] / [None] の場合は内部プライオリティ

    • タイプが [DSCP] の場合は DCSP 値

X

X

Sxc

N4

制限事項

このリリースにおけるこの機能の制限事項は次のとおりです。

QCI テーブルの変更は、サブスクライバにすぐには適用されず、ベアラーの更新後にのみ適用されます。

L2 マーキングの設定のサポート

ここでは、機能を有効または無効にするために使用できる CLI コマンドについて説明します。

内部優先順位の設定

GGSN、GTPv1 P-GW、および SAEGW コールの QCI マッピングテーブルで内部優先順位を設定するには、次のサービス固有の設定を使用します。GGSN サービス コンフィギュレーションのこのコマンドは、データパケット専用の QCI - QoS マッピングの動作をオーバーライドします。

configure 
      context context_name 
         ggsn-service service_name 
            internal-qos data { dscp-derived | none | qci-derived } 
            { no | default } internal-qos data { dscp-derived | none | qci-derived } 
            end 

注:

  • no: :指定された機能を無効にします。

  • default: :機能を無効にします。

  • dscp-derived: :データパケットは、QCI - QoS マッピングテーブルで設定された DSCP に基づいてレイヤ 2 でマーキングされます。DSCP が QCI - QoS マッピングテーブルで設定されていない場合、データパケットはマーキングされません。

  • none: :データパケットは、レイヤ 2(MPLS EXP/802.1P)マーキングでマーキングされません。

  • qci-derived: :データパケットは、QCI - QoS マッピングテーブルで設定された internal-qos-priority に基づいてレイヤ 2 でマーキングされます。internal-qos-priority が QCI - QoS マッピングテーブルで設定されていない場合、データパケットはマーキングされません。

QCI-QoS マッピングテーブルの関連付け

CP で QCI-QoS マッピングテーブルを関連付けるには、次のコマンドを使用します。

configure 
   context context_name 
      associate qci-qos-mapping { map_table_name map_table_name } 
      exit 

  • map_table_name map_table_name :QoS を L2 値にマッピングする内部テーブルの名前を指定します。

    map_table_name は、0 ~ 80 文字の文字列である必要があります。

  • このコマンドは、デフォルトで無効になっています。

QCI 派生 L2 マーキングの設定

下記のコマンドを使用すると、次のことを行えます。

  • レイヤ 2 マッピングテーブルを作成または変更する。

  • QoS L2 マッピング コンフィギュレーション モードを開始して、内部 QoS の優先順位をユーザープレーン(UP)のレイヤ 2 QoS 値にマッピングする。

configure 
   qos l2-mapping-table { name map_table_name| system-default } 
   exit 

  • name map_table_name :QoS を L2 値にマッピングする QoS マッピングテーブルの名前を指定します。802.1p、mpls などの L2 値への内部マッピングを有効にします。

    map_table_name は、0 ~ 80 文字の英数字文字列である必要があります。

  • system-default :システムのデフォルトマッピングを設定します。システムデフォルトは、すべての VRF またはコンテキストのデフォルトとして常に関連付けられます。

  • このコマンドは、デフォルトでイネーブルになっています。

L2 マッピングテーブルの関連付け

設定された L2 マッピングテーブルを特定の VRF やコンテキストに関連付けるには、次のコマンドを使用します。

configure 
   context context_name 
      associate l2-mapping-table name table_name 
      exit 

  • l2-mapping-table name table_name :QoS を L2 値にマッピングする内部テーブルの名前を指定します。

    map_table_name は、0 ~ 80 文字の英数字文字列で指定する必要があります。

  • このコマンドは、デフォルトでイネーブルになっています。

DSCP 派生 L2 マーキングの設定

次のコマンドを使用して、ユーザープレーン(UP)で Differentiated Services Code Point(DSCP; DiffServ コードポイント)からサービスクラス(CoS)へのマッピングを変更します。

configure 
   qos ip-dscp-iphb-mapping dscp dscp_value internal-priority cos class_of_service_value 
   exit 

  • ip-dscp-iphb-mapping :パケット内の DSCP 情報の内部 QoS マーキングへのマッピングを管理します。

    「ip-dscp-iphb-mapping」は、UP ごとのグローバルテーブルです。

  • dscp dscp_value :IP DSCP 値を内部 QoS にマッピングします。

    dscp_value は、0x0 ~ 0x3F の 16 進数である必要があります。

  • internal-priority cos class_of_service_value :内部 QoS 優先順位または CoS にマッピングします。

    class_of_service_value は、0x0 ~ 0x7 の 16 進数である必要があります。

  • このコマンドは、デフォルトでイネーブルになっています。