ユーザープレーンの選択

APN および APN プロファイルベースのユーザープレーンの選択

マニュアルの変更履歴


(注)  


リリース 21.24 よりも前に導入された機能については、詳細な改訂履歴は示していません。


改訂の詳細

リリース

最初の導入。

21.24 より前

機能説明

CUPS アーキテクチャでは、SAEGW-C は、接続が最も少ないユーザープレーンを選択するアルゴリズムを使用してユーザープレーンを選択します。また、ユーザープレーンのフラットリストからユーザープレーンを選択します。

この機能により、オペレータは、APN または APN プロファイルに関連付けられている特定の UP グループからユーザープレーンを選択できます。

S-GW では、UP グループはアクセスポイント名(APN)プロファイルに関連付けられます。APN プロファイルは、1 つ以上の APN に適用可能な一連の APN 固有のパラメータをグループ化します。1 つの APN プロファイルを複数のオペレータポリシーと関連付けられます。

機能の仕組み

Cisco CUPS ソリューションは、UP の静的選択をサポートします。これは、アクティブで使用可能な SAEGW-U の静的選択に基づいています。UP の静的選択では、UP グループの概念が使用されます。UP グループは UP SAEGW-U のグループです。各 APN は 1 つの UP グループに関連付けられます。APN は関連付けられた UP グループによってサービスを提供されます。UP の選択では、その特定のグループで使用可能な接続数が最も少ない UP を選択するアルゴリズムが使用されます。

UP グループ

UP は 1 つの UP グループにのみ属することができます。UP グループでは、すべての UP のキャパシティと機能が同じである必要があります。異なるタイプの UP は、異なる UP グループに含める必要があります。

CUPS は、次のタイプの UP グループをサポートします。

  • 特定の UP グループ:明示的に設定された UP のセットです。特定のグループを使用すると、特定のタイプの UP を柔軟にグループ化できます。これは、特定の UP セットを特定の目的で予約するのに役立ちます。特定のグループは複数設定できます。

  • デフォルト UP グループ:これは、登録済みで、特定の UP グループに含めるよう明示的に設定されていないすべての UP をグループ化するデフォルトグループです。デフォルトグループには、CP で UP を明示的に設定することなく、ゼロタッチ方式で UP を登録できるという利点があります。このタイプのグループは、同じキャパシティと機能を持つすべての UP が同じデータセンターにあるような、コロケーション CUPS に適しています。デフォルトグループは、CP の UP 設定を最適化します。

APN は UP グループに関連付けることができます。APN に関連付けられているグループがない場合は、デフォルトの UP グループがその APN にサービスを提供するために使用されます。同様に、Pure-S コールに対して UP を選択する場合は、UP グループを APN プロファイルに関連付けることができます。APN プロファイルやオペレータポリシーが定義されていない場合、または APN プロファイルに関連付けられているグループがない場合、SAEGW-C は選択の際に「デフォルト」の UP グループを使用します。

オペレータは、特定のアプリケーション用に特定の UP を予約できます。たとえば、IMS、インターネット、および IoT は異なる UP グループを持つことができます。

この機能の目的は次のとおりです。

  • SAEGW-C には、常に「default」という名前のユーザープレーングループが 1 つあります。

  • SAEGW-C は、最大 100 のユーザープレーンをサポートします。

  • ユーザープレーンは、さまざまなグループに編成できます。

  • 現在、100 のユーザープレーングループを設定でき、1 つのグループに最大 100 のユーザープレーンを設定できます。

  • 1 つのユーザープレーンは、1 つのユーザープレーングループのみに属することができます。

  • 特定のユーザープレーングループおよびデフォルトグループには複数のユーザープレーンを設定できます。

  • SAEGW-C に関連付けられているが、どのユーザープレーングループにも定義されていないユーザープレーンは、デフォルトグループに追加されます。

  • オペレータは、ユーザープレーングループを APN および APN プロファイルに関連付けることができます。

  • Pure-P コールや Collapsed コールの APN に関連付けられているユーザープレーングループがない場合、SAEGW-C はデフォルトグループを使用してそのセッションのユーザープレーンを選択します。

  • APN プロファイルに関連付けられたユーザープレーングループがない場合、または APN プロファイルが定義されていない場合、SAEGW-C は Pure-S コールに「デフォルト」ユーザープレーングループを使用します。

  • 同じ APN を使用したマルチ PDN コールの場合、同じユーザープレーンが選択されます。異なる APN を使用したマルチ PDN コールの場合、別のユーザープレーングループの別のユーザープレーンが選択されます。

  • APN に関連付けられたユーザープレーングループは、IP プールチャンクをユーザープレーンに送信するときにも使用されます。APN に関連付けられた IP プールはチャンクに分割され、APN に関連付けられたグループからすべての UP に配布できます。

  • APN に関連付けられていないユーザープレーングループの場合、SAEGW-C はこれらのグループに属する UP に IP プールチャンクを送信しません。これは、デフォルトグループにも当てはまります。

  • 静的 IP アドレス(IPv4 または IPv6)を使用したセッションがサポートされています。静的セッションのユーザープレーンの選択は、APN に関連付けられたユーザープレーングループからユーザープレーンへのチャンクの割り当てに従って固定されます。

  • 複数の APN で同じ静的 IP アドレス範囲が使用されている場合は、それらの APN で同じユーザープレーングループを使用することを推奨します。

アーキテクチャ

次の図は、この機能のアーキテクチャの概要を示しています。

セッションリカバリと ICSR

Sx-Demux リカバリ、ICSR、Sessmgr、および VPNmgr リカバリがサポートされています。

制限事項

CUPS アーキテクチャでは、この機能には次の既知の制限事項があります。

  • SAEGW-C では、IP アドレスの一方(IPv4 または IPv6、またはその両方)が静的アドレスであっても、UE から受信した静的アドレスを使用した IPv4v6 PDN タイプのコールはサポートされていません。

  • SAEGW-C では、「allow-static」タイプのプール設定はサポートされていません。

  • 静的 IP アドレス割り当てを使用したマルチ PDN コールはサポートされていません。

ライセンス

この機能はライセンスによって制御されます。ライセンスの詳細については、シスコのアカウント担当者にお問い合わせください。

APN ベースの UP のグループ化の設定

ここでは、この機能をサポートするために使用可能な設定について説明します。

前提条件:

  • コントロールプレーンとユーザープレーンに同じ IP コンテキストが存在する必要があります。

  • APN 設定で指定された IP コンテキスト名は、コントロールプレーンとユーザープレーンで同じである必要があります。

コントロールプレーンでのユーザープレーングループの設定

新しいユーザープレーングループは、ユーザー プレーン エンドポイントをリストする [Global Configuration] モードで定義されます。

  1. ユーザープレーングループ名「default」がデフォルトで作成されます。オペレータは、デフォルトグループの peer-node-id を追加および削除できます。ただし、ユーザープレーングループ「default」は削除できません。

  2. 定義済みのユーザープレーングループのいずれにも属さないユーザープレーンノード ID の Sx 関連付けセットアップ要求を受信した場合、そのユーザープレーンノード ID はデフォルト ユーザー プレーン グループの一部となります。

ユーザープレーングループの設定

コントロールプレーンでユーザープレーンのエンドポイントグループを設定するには、次の CLI コマンドを使用します。

configure 
   [ no ] user-plane-groupgroup_name 
   end 

注:

  • ユーザープレーングループを削除すると、そのグループにある個々のピア ID のコントロールプレーンから Sx-Association Release がトリガーされます。

ピアノード ID とユーザープレーンノード IP アドレスの設定

時間ベースの PCC ルールを設定するには、次のコンフィギュレーション コマンドを使用します。

configure 
   user-plane-group group_name 
      [ no ] peer-node-id { ipv4-address | ipv6-address } 
      end 

注:

  • peer-node-id を削除すると、そのピア ID のコントロールプレーンからの Sx 関連付けの解除がトリガーされます。

ユーザープレーングループの確認

検証には、次の CLI コマンドを使用します。

show user-plane-group { all | name group_name } 

ユーザープレーングループと APN の関連付け

特定の APN へのコールは、事前定義された選択基準に基づいて特定のグループのユーザープレーンに関連付けることが推奨されます。オペレータは、ユーザープレーングループを APN 設定に関連付けることができます。

APN に設定されたユーザープレーングループは、IP プールチャンクをユーザープレーンに送信するときにも使用されます。APN に関連付けられた IP プールがある場合のみ、そのプールからのチャンクがこのグループ内のすべてのユーザープレーンに送信されます。

APN のユーザープレーングループ設定は、P-GW の Pure-P および Collapsed コールでユーザープレーンを選択するために使用されます。

APN で特定のグループが設定されていない場合は、「デフォルト」グループが使用されます。

APN でのユーザープレーングループの設定

次の CLI コマンドを使用して、APN でユーザープレーングループを設定します。

configure 
   context context_name 
      apn apn_name 
         [ no ] user-plane-group group_name 
         end 

注:この EFT リリースでは、APN からのユーザープレーングループの削除や変更はサポートされていません。

APN でのユーザープレーングループの確認

検証には、次の CLI コマンドを使用します。

show apn name apn_name } 

ユーザープレーングループと APN プロファイルの関連付け

S-GW Pure-S コールのユーザープレーンを選択するために、SAEGW-C は、オペレータポリシーで APN プロファイルに関連付けられたユーザープレーングループを使用します。APN プロファイルにユーザープレーングループが関連付けられていないか、APN プロファイルが使用されていない場合、SAEGW-C はデフォルトのユーザープレーングループからユーザープレーンを選択します。

APN プロファイルでのユーザープレーングループの設定

次の CLI コマンドを使用して、APN でユーザープレーングループを設定します。

configure 
   apn-profile profile_name  
      [ no ] user-plane-group group_name 
      end 

ユーザープレーングループを APN から削除する、または変更するための Method of Procedure(MOP)

明示的なユーザープレーングループが設定されている場合、または暗黙的なデフォルトグループが使用されている場合、SAEGW-C は、設定されているプール(または APN に明示的なプール設定がない場合はグローバルプール)からの IP プールチャンクをグループ内のユーザープレーンに送信します。

現在、ユーザープレーンが SAEGW-C に関連付けられた後は、APN 内のユーザープレーングループのランタイム設定変更がサポートされていないため、APN に関連付けられたユーザープレーングループを変更または削除する場合は、この MOP に従うことを推奨します。

APN でユーザープレーングループを変更する前に、次の CLI コマンドを使用して、最初にその APN に関連付けられたユーザープレーングループに属する既存のコールをすべて、正常にクリアすることを推奨します。

clear subscribers saegw-only user-plane-group group_name no-select-up 

この CLI コマンドを実行すると、指定されたユーザープレーングループに属するユーザープレーンからすべてのセッションが正常に解放され、そのユーザープレーンが「セッション選択に使用不可」としてマークされます。そのユーザープレーンは関連付けられた状態のままですが、セッションの選択には使用できません。


(注)  


clear subscribers コマンドが UP で実行されると、CP には通知されず、セッションは実行中であると CP で見なされます。


セッションをクリア後、ユーザープレーンで次のいずれかの CLI コマンドを実行してコントロールプレーンから関連付けを削除し、UP の関連付けが解放された後に必要な変更を行います。

no user-plane-service service_name  

または:

no peer-node-id { ipv4-address ipv4_address | ipv6-address ipv6_address} 

APN ベースの UP のグループ化のモニタリングと障害対応

この機能は、次の CLI コマンドをサポートしています。

  • show sx peers

    • このコマンドの出力の [Group Name] 列には、コントロールプレーンでピアが属する user-plane-group の名前が表示されます。

    • どのグループにも属していないピアは、「default」ユーザープレーングループに追加されます。

    • user-plane-group がどの「apn」にも関連付けられていない場合、SAEGW-C はこのグループからユーザープレーンに IP プールを送信しません。したがって、このコマンドの出力では、「apn」に関連付けられていないグループ名の IP プールのステータスは「N – Not Applicable」になります。また、このグループのユーザープレーンについては、show sx peers を UP で実行すると、ピア ID が「0」と表示されます。

  • show ip user-plane

  • show ip pool-chunks up-id up_id user-plane-group name up_group_name

ダイナミック ユーザー プレーンの選択

マニュアルの変更履歴


(注)  


リリース 21.24 よりも前に導入された機能については、詳細な改訂履歴は示していません。


改訂の詳細

リリース

最初の導入。

21.24 より前

機能説明

マルチアクセス エッジ コンピューティング(MEC)アーキテクチャでは、エッジユーザープレーン(UP)を選択することで、低遅延と最大限の帯域幅効率が実現します。ユーザー機器(UE)のロケーション情報を使用して、UP が選択されます。

エッジ UP を選択では、次の詳細度が考慮されます。

  • 詳細度が最も低いのが、E-UTRAN セルグローバル識別子(ECGI)またはセルグローバル識別子(CGI)です。

  • 次に詳細度が低いのが、トラッキングエリア識別子(TAI)、回送エリア識別子(RAI)、またはサービスエリア識別子(SAI)です。

  • TAI-SAI-RAI-ECGI では、TAI、SAI、RAI、および ECGI には固定優先順位があり、複数の ULI タイプを受信した場合には ULI タイプを照合します。

アーキテクチャ

次回のセッションの場所パラメータに基づいて UP を選択するために、TAI/RAI /SAI または ECGI/CGI を含む DNS 命名機関ポインタ (NAPTR)クエリが DNS サーバーに送信されます。DNS(NAPTR)応答には、UP IP のリストが含まれています。このリストから UP を選択するために、負荷制御情報(LCI)とセッション数がショートリストに適用されます。

この機能により、仮想 APN の選択と動的な UP の選択が可能になります。その結果、APN は指定された基準に基づいて選択されます。仮想 APN の選択基準は、無線のアドミッションコントロール(RAC)範囲などのロケーションにも基づきます。

動的 UP の選択は、configure fqdn postfix CLI コマンドと選択した APN のタイプに基づきます。選択したタイプが ECGI または CGI の場合は、セル ID に基づいて DNS ストレート NAPTR(S-NAPTR)クエリが送信されます。選択したタイプがトラッキングエリアまたはルーティングエリアとして設定されている場合、TAI、RAI、または SAI が DNS(S-NAPTR)クエリに使用されます。

関連付けられた Sx ピアのリストを取得するために、選択した APN の UP グループが使用されます。DNS(S-NAPTR)応答の UP IP は、グループ内の Sx ピアのリストと照合されます。このリストから、負荷が最も低いピア、またはセッション数が最も少ないピアが選択されます。

ULI にサポートされていないロケーション データが含まれている場合、動的 UP 選択は、ULI 外の RAI IE に基づいて行われます。

機能の仕組み

この項では、一連の操作について説明します。

  1. P-GW、GGSN、または SAEGW の場合、fqdn-postfix と FQDN タイプ(EGCI/CGI または TAI/RAI/SAI)を含む UP の完全修飾ドメイン名(FQDN)が APN レベルで設定されます。

  2. S6b インターフェイス プロトコルベースの認証では、認証応答の fqdn-postfix 値が使用されます(P-GW、GGSN、または SAEGW サービスにのみ適用可能)。

  3. DNS(S-NAPTR)クエリが DNS サーバーに送信されます。


    (注)  


    DNS(S-NAPTR)は、GGSN の APN レベルのユーザープレーン FQDN で設定されたタイプ(E-CGI | RAI-TAI-SAI | TAI-SAI-RAI-ECGI)に基づいて生成されます。
  4. DNS サーバーから受信した応答は、P-GW/GGSN/SAEGW(Collapsed)のサービス x-3gpp-upf:x-sxb および S-GW の x-3gpp-upf:x-sxa に一致します。

  5. 一致する DNS(S-NAPTR)応答は、UP IP に対して再帰的に処理されます。

    • 有効になっている場合、処理された IP は、LCI ベースの UP の選択に関する候補リストに表示されます。

    • 有効になっていない場合、処理された IP は、セッション数ベースの UP の選択(LCI の有無にかかわらず)に関する候補リストに表示されます。

  6. 応答に存在するいずれの UP IP も、関連付けられた Sx ピアと一致しない場合、セッションの作成が失敗します。

  7. S-GW 動的 UP の選択の場合、DNS クライアントコンテキストは sgw-service コンテキストと同じである必要があります。

  8. S-GW 動的 UP の選択に対する DNS 応答が成功すると、UP アドレスの DNS 動的リストから UP が選択されます。DNS 障害が発生した場合(UP アドレスまたは DNS タイムアウトなしで DNS 応答が空になった場合)、UP の選択は、静的に設定された APN プロファイルベースのユーザープレーングループ機能にフォールバックします。


    (注)  


    • Pure S-GW マルチ PDN は、独立した DNS ベースの UP の選択で動作します。

    • S-GW の再配置の使用例は、ハンドオーバー時に独立した DNS ベースの UP の選択で機能します。ユーザープレーングループが APN プロファイルで設定されている場合、動的 UP の選択が優先されます。

    • DNS(NAPTR)クエリが送信されてから、応答を受信するまでに数秒の遅延(tx + rx に相当)があります。

    • DNS サーバーに到達できない場合は、セッションの確立が最大 30 秒遅延してから、従来のメソッドを使用して UP が選択される場合があります。


次の項では、動的 UP の選択機能に関連するさまざまなシナリオについて説明します。

関連付けられた IP プールがある仮想 APN を持つ P-GW 動的 UP の選択

この項では、P-GW が、関連付けられた IP プールがある仮想 APN を持つ UP を動的に選択するための一連の動作について説明します。

  1. 作成セッション処理の一環として、PGW-C が TAC 範囲に基づいて仮想 APN を選択します。

  2. DNS(S-NAPTR)クエリが、選択した APN の設定に基づいて DNS サーバーに送信されます。

  3. DNS サーバーから受信した応答がサービスと照合され、サービスフィールドが一致するレコードが選択対象と見なされます。

  4. 設定された IP プールの一部であり、応答に存在する UP IP は、選択された APN の UP グループに基づいて、関連付けられた Sx ピアと照合されます。

  5. 一致リストから、P-GW が最も負荷の少ない UP を選択します。

関連付けられた IP プールがない仮想 APN を持つ P-GW 動的 UP の選択

この項では、P-GW が、関連付けられた IP プールがない仮想 APN を持つ UP を動的に選択するための一連の動作について説明します。

  1. 作成セッション処理の一環として、PGW-C が TAC 範囲に基づいて仮想 APN を選択します。

  2. DNS(S-NAPTR)クエリが、選択した APN の設定に基づいて DNS サーバーに送信されます。

  3. DNS サーバーから受信した応答がサービスと照合され、サービスフィールドが一致するレコードが選択対象と見なされます。

  4. パブリック IP プールの一部であり、応答に存在する UP IP は、選択された APN の UP グループに基づいて、関連付けられた Sx ピアと照合されます。

  5. 一致リストから、P-GW が最も負荷の少ない UP を選択します。

正常な DNS 応答に対する S-GW 動的 UP の選択

この項では、DNS サーバーから正常な応答を受信した後に、S-GW が動的に UP を選択する一連の動作について説明します。

  1. トラッキングエリア(またはセル ID)内の UE がダイナミック ECGI を使用して S-GW に接続要求を送信すると、RAI-TAI-SAI | TAI-SAI-RAI-ECGI ベースの UP の選択機能が有効になり、DNS(S-NAPTR)クエリが DNS サーバーに送信されます。

  2. S-GW が、UP IP のリストを含むクエリ応答を DNS サーバーから受信します。

  3. UP IP のリストから、S-GW が負荷が最も少ない UP を選択します。

DNS 応答タイムアウトに対する S-GW 動的 UP の選択

この項では、DNS サーバーがタイムアウトした後、またはサーバーが否定応答を送信した後に、S-GW が動的に UP を選択するための一連の動作について説明します。

  1. S-GW が DNS(S-NAPTR)クエリを DNS サーバーに送信します。

  2. DNS サーバーがタイムアウトするか、DNS(S-NAPTR)クエリが DNS サーバーに送信された後にサーバーが否定応答を送信する場合、S-GW が静的 IP で設定された APN プロファイル UP グループから UP を選択します。

  3. UP IP のリストから、S-GW が負荷が最も少ない UP を選択します。

コール フロー

ここでは、次のコールフローについて説明します。

DNS クエリの生成と応答処理のコールフロー
表 1. DNS クエリの生成と応答処理のコールフローの説明
ステップ 説明
1 MME または S-GW が、セッション作成要求メッセージをコントロールプレーン(S-GW、P-GW、GGSN、または SAEGW)に送信します。
2 コントロールプレーン(CP)は、FQDN クエリ(E-CGI または TAI-RAI- SAI または TAI-SAI-RAI-ECGI)を DNS サーバーに送信します。
3 CP は、UP IP のリストを含む FQDN クエリへの応答を受信します。
4
  • 受信したリストに UP IP が 1 つ以上含まれる場合、CP はダイナミック IP リストに LCI を適用して UP IP を選択します。

  • UP IP が含まれない場合は、CP は静的 IP リストにセッション数を適用して UP IP を選択します。

5
  • UP が選択された場合、CP は UP に Sx 確立要求メッセージを送信します(ステップ 6 に進みます)。

  • UP が選択されない場合は、セッション作成拒否メッセージが MME または S-GW に送信されます。

6

UP は応答し、Sx 確立応答メッセージを CP に送信します。

7

CP は、セッション作成応答メッセージを MME または S-GW に送信します。

プライマリ DNS の DNS クエリ タイムアウト コール フロー
表 2. プライマリ DNS の DNS クエリ タイムアウト コール フローの説明
ステップ 説明
1 MME または S-GW が、セッション作成要求メッセージをコントロールプレーン(S-GW、P-GW、GGSN、または SAEGW)に送信します。
2 コントロールプレーン(CP)は、FQDN クエリ(E-CGI または TAI-RAI- SAI または TAI-SAI-RAI-ECGI)をプライマリ DNS サーバーに送信します。
3

タイムアウトが原因でプライマリ DNS サーバーからクエリに対する応答がない場合、CP は今度はセカンダリ DNS サーバーに FQDN クエリを送信します。

4 CP は、セカンダリ DNS サーバーから UP IP のリストを含む FQDN クエリへの応答を受信します。
5
  • 受信したリストに UP IP が 1 つ以上含まれる場合、CP はダイナミック IP リストに LCI を適用して UP IP を選択します。

  • UP IP が含まれない場合は、CP は静的 IP リストにセッション数を適用して UP IP を選択します。

6
  • UP が選択された場合、CP は UP に Sx 確立要求メッセージを送信します(ステップ 7 に進みます)。

  • UP が選択されない場合は、セッション作成拒否メッセージが MME または S-GW に送信されます。

7

UP は応答し、Sx 確立応答メッセージを CP に送信します。

8

CP は、セッション作成応答メッセージを MME または S-GW に送信します。

プライマリおよびセカンダリ DNS の DNS クエリ タイムアウト コール フロー
表 3. プライマリおよびセカンダリ DNS の DNS クエリ タイムアウト コール フローの説明
ステップ 説明
1 MME または S-GW が、セッション作成要求メッセージをコントロールプレーン(S-GW、P-GW、GGSN、または SAEGW)に送信します。
2 コントロールプレーン(CP)は、FQDN クエリ(E-CGI または TAI-RAI- SAI または TAI-SAI-RAI-ECGI)をプライマリ DNS サーバーに送信します。
3

タイムアウトが原因でプライマリ DNS サーバーからクエリに対する応答がない場合、CP は今度はセカンダリ DNS サーバーに FQDN クエリを送信します。

4

セカンダリ DNS サーバーからもクエリに対する応答がない場合、CP は静的 IP リストから UP IP を選択します。

5
  • UP が選択された場合、CP は UP に Sx 確立要求メッセージを送信します(ステップ 6 に進みます)。

  • UP が選択されない場合は、セッション作成拒否メッセージが MME または S-GW に送信されます。

6

UP は応答し、Sx 確立応答メッセージを CP に送信します。

7

CP は、セッション作成応答メッセージを MME または S-GW に送信します。

制限事項

ダイナミック UP 選択機能には、次の制限事項があります。

  • P-GW、S-GW、および SAEGW にのみ適用されます。

  • SR および ICSR の場合、特定のパラメータは保存されません。smgr がリセットされると、設定された値が sessctrl から再度プッシュされます。

  • DNS サーバーへの変更は考慮されません。

  • UP で処理される IP 数の上限は 6 です。これらの IP は、IPv4 アドレスと IPv6 アドレスの組み合わせです。

ダイナミック ユーザー プレーン選択機能の設定

ここでは、ダイナミック ユーザー プレーン選択機能を設定する方法について説明します。

P-GW または GGSN の FQDN の設定

P-GW または GGSN(Pure-P コールおよび Collapsed コール)の FQDN を設定するには、次の設定を使用します。

configure 
   context context_name 
      apn apn_name 
         user-plane-fqdn 
         user-plane-fqdn fqdn_postfix_string type [ E-CGI | RAI-TAI -SAI | TAI-SAI-RAI-ECGI ] 
         end 

注:

  • user-plane-fqdn :ダイナミック UP 選択(DNS ベース)用にローカルに設定された FQDN ポストフィックスを有効にします。

  • E-CGI :UP 選択の FQDN クエリタイプを E-CGI に設定します。

  • RAI-TAI-SAI :UP 選択の FQDN クエリタイプを RAI-TAI-SAI に設定します。

  • TAI-SAI-RAI-ECGI :UP 選択の FQDN クエリタイプを TAI-SAI-RAI-ECGI に設定します。

S-GW の FQDN の設定

S-GW(Pure-S コール)の FQDN を設定するには、次の設定を使用します。

configure 
   context context_name 
      sgw-service sgw-service_name 
         user-plane-fqdn 
         user-plane-fqdn fqdn_postfix_string type [ E-CGI | RAI-TAI -SAI | TAI-SAI-RAI-ECGI ] 
         end 

注:

  • user-plane-fqdn :ダイナミック UP 選択(DNS ベース)用にローカルに設定された FQDN ポストフィックスを有効にします。

  • E-CGI :UP 選択の FQDN クエリタイプを E-CGI に設定します。

  • RAI-TAI-SAI :UP 選択の FQDN クエリタイプを RAI-TAI-SAI に設定します。

  • TAI-SAI-RAI-ECGI :UP 選択の FQDN クエリタイプを TAI-SAI-RAI-ECGI に設定します。

Boxer の設定

ここでは、次の Boxer の設定と制限事項について説明します。

  1. DNS クライアントを設定し、P-GW および GGSN サービスに関連付ける必要があります。

  2. UP FQDN は APN で設定する必要があります。

  3. プライマリおよびセカンダリ DNS サーバーの IP アドレスは、ISP コンテキストで設定する必要があります。

  4. S-GW のダイナミック UP 選択を可能にするため、UP FQDN を S-GW サービスで設定する必要があります。

DNS サーバーの設定

ここでは、外部 DNS サーバーの設定に関する、次のガイドラインと制約事項について説明します。

  1. NAPTR に ECFI/CGI/TAI/RAI/SAI を記録させる場合には、DNS を設定する必要があります。

  2. NAPTR レコードのサービスフィールドは、P-GW/SAEGW(Collapsed)および GGSN サービスの場合は「x-3gpp-upf:x-sxb」、S-GW の場合は「x-3gpp-upf:x-sxa」に設定されている必要があります。

  3. NAPTR レコードでは、置換文字列が A レコードまたは AAAA レコードの FQDN であることを示すフラグが「a」に設定されている必要があります。

次の CLI コマンドは、DNS サーバーの設定例を示しています。

$ORIGIN 3gppnetwork.org.

$TTL 60              ; Put the Default
        TTL in seconds here (Its 1 day currently)
3gppnetwork.org.     IN SOA  nsbng.3gppnetwork.org. root.3gppnetwork.org.

273 ; serial

7200 ; refresh (2 hours)

3600 ; retry (1 hour)

86400 ; expire (1 day)

43200 ; minimum (12 hours)

)

 NS    nsbng.3gppnetwork.org.

ns AAAA 3001::41

;CUPS NAPTR Records Start From Here

;TAI NAPTR Records

tac-lb89.tac-hb67.tac.epc.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR 1  1  "a"   "x-3gpp-upf:x-sxb" ""
        uplane-address1-v4.3gppnetwork.org.
tac-lb89.tac-hb67.tac.epc.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR 1  1  "a"   "x-3gpp-upf:x-sxb" ""
        uplane-address1-v6.3gppnetwork.org.
tac-lb89.tac-hb67.tac.epc.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR 1  1  "a"   "x-3gpp-upf:x-sxa" ""
        uplane-address1-v4.3gppnetwork.org.
tac-lb89.tac-hb67.tac.epc.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR 1  1  "a"   "x-3gpp-upf:x-sxa" ""
        uplane-address1-v6.3gppnetwork.org.

;RAI NAPTR Records

rac34.lac-lb34.lac-hb12.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR 1  1  "a"   "x-3gpp-upf:x-sxb" ""
          uplane-address1-v4.3gppnetwork.org
rac34.lac-lb34.lac-hb12.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR 1  2  "a"   "x-3gpp-upf:x-sxb" ""
        uplane-address1-v6.3gppnetwork.org.

;SAI NAPTR Records

sac1234.lac-lb34.lac-hb12.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR 1  1  'a'   'x-3gpp-upf:x-sxb' '' 
           uplane-address1-v4.3gppnetwork.org.
sac1234.lac-lb34.lac-hb12.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR 1  2  'a'   'x-3gpp-upf:x-sxb' ''
         uplane-address1-v6.3gppnetwork.org.

;ECGI NAPTR Records

eci-b167.eci-b245.eci-b323.eci-b401.eci.epc.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR 1  1  "a"   "x-3gpp-upf:x-sxb" ""
        uplane-address1-v4.3gppnetwork.org.
eci-b167.eci-b245.eci-b323.eci-b401.eci.epc.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR 1  1  "a"   "x-3gpp-upf:x-sxb" ""
        uplane-address1-v6.3gppnetwork.org.

;CGI NAPTR Records

ci-lb34.ci-hb12.ci.lac-lb34.lac-hb12.lac.ggsn.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR
          1  1 
          "a"   "x-3gpp-upf:x-sxb" ""
        uplane-address1-v4.3gppnetwork.org.
ci-lb34.ci-hb12.ci.lac-lb34.lac-hb12.lac.ggsn.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. IN NAPTR
          1  1 
          "a"   "x-3gpp-upf:x-sxb" ""s
        uplane-address1-v6.3gppnetwork.org.

;A Records

uplane-address1-v4   100     IN     
          A    209.165.200.225
;uplane-address1-v4   100     IN      A   
      209.165.200.225
uplane-address1-v4   100     IN     
          A    209.165.200.225
;uplane-address2-v4   100     IN     
          A    209.165.200.225

;AAAA Records

uplane-address1-v6   100     IN     
          AAAA    1::1:111
uplane-address1-v6   100     IN     
          AAAA    1111::1:111
;uplane-address2-v6   100     IN     
          AAAA    1111::1:111

S6b の設定(オプション)

ここでは、カスタム属性 aaa-uplane-fqdn および fqdn_post_fix_string をサポートするための外部 S6b の設定に関するガイドラインを説明します。
AA-Answer 
   apn-config 
      uplane-fqdn 

インターフェイス

以下の項では、DNS クエリと応答のフォーマットについて説明します。

DNS(S-NAPTR)クエリフォーマット

ここでは、DNS(S-NAPTR)クエリメッセージのフォーマットについて説明します。


重要


SAI ベースの FQDN は独自のフォーマットになっており、3GPP TS 23.003 19.4.2 完全修飾ドメイン名のようには指定しません。
ネットワークノード クエリのフォーマット
SGW-C

ECGI ベース

eci b1<ECI byte-1>.eci b2<ECI-byte-2>. Eci b3<ECI byte-3>

.eci b4<ECI-byte-4>.eci.epc.mnc <MNC.mcc<MCC>.3gppnetwork.org

TAI ベース

tac lb<TAC low byte>.tac hb<TAC-high-byte>

.tac.epc.mnc<MNC>.mcc<MCC>.3gppnetwork.org

PGW-C

ECGI ベース

eci‑b1<TAC‑byte-1>.eci‑b2 <ECI-byte-2.Eci‑b3<TAC‑byte-3>

.eci‑b4<ECI-byte-4>.eci.epc.mnc<MNC>

.mcc<MCC>.3gppnetwork.org

TAI ベース

tac-lb<TAC‑low‑byte> .tac-hb<TAC-high-byte>

.tac.epc.mnc<MNC>.mcc<MCC>.3gppnetwork.org

GGSN-C

CGI ベース

ci‑lb<CI‑low-byte>.ci‑hb<CI-high-byte>

.eci.lac‑lb<LAC‑low‑byte>.lac‑hb<LAC-high-byte>

.lac.ggsn.mnc<MNC>.mcc<MCC>. 3gppnetwork.org

RAI ベース

rac<RAC>.lac‑lb<LAC‑low‑byte>

.lac‑hb<LAC-high-byte>.lac.ggsn.mnc<MNC>

.mcc<MCC>.3gppnetwork.org

SAI ベース

sac<SAC>.lac‑lb<LAC‑low‑byte>.

lac‑hb<LAC-high-byte>.lac.ggsn

mnc<MNC>.mcc<MCC>.3gppnetwork.org

SAEGW-C(Collapsed) ECGI ベース

eci‑b1<TAC‑byte-1>.eci‑b2<ECI-byte-2>

. Eci‑b3<TAC‑byte-3>.eci‑b4<ECI-byte-4>

.eci.epc.mnc<MNC>.mcc<MCC>.3gppnetwork.org

TAI ベース

tac‑lb<TAC‑low‑byte>

.tac‑hb<TAC-high-byte>.tac.epc.mnc

<MNC>.mcc<MCC>.3gppnetwork.org

SAI ベース

sac<SAC>.lac lb<LAC low byte>

.lac hb<LAC-high-byte>.lac.epc.

mnc<MNC>.mcc<MCC>.3gppnetwork.org

DNS(S-NAPTR)応答フォーマット

ここでは、DNS(S-NAPTR)応答メッセージのフォーマットの例を紹介します。

Query ID              : 22290     
Type                  : Response   
Question              : NAPTR ?
          ci-lb34.ci-hb12.ci.lac-lb34.lac-hb12.lac.ggsn.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. 
Answer                :       
  Name                :
          ci-lb34.ci-hb12.ci.lac-lb34.lac-hb12.lac.ggsn.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org. 
  TTL                 : 60    
  Type                : NAPTR    
  Order               : 1     

Preference : 1

  Flags               : a  
  Service             : x-3gpp-upf:x-sxb    
  Regexp              :   

Replacement : uplane-address2.3gppnetwork.org.

  Name                :
        ci-lb34.ci-hb12.ci.lac-lb34.lac-hb12.lac.ggsn.mnc365.mcc214.3gppnetwork.org.
  TTL                 : 60           
  Type                : NAPTR   
  Order               : 1  
  Preference          : 1  
  Flags               : a   
  Service             : x-3gpp-upf:x-sxb  
  Regexp              :    

Replacement : uplane-address1.3gppnetwork.org.

Query ID              : 44640  

Type : Query

Question              : A?
        uplane-address2.3gppnetwork.org.

Query ID : 55480

Type                  : Query 
Question              : A?
        uplane-address1.3gppnetwork.org.

Query ID : 55480

Type                  : Response     
Question              : A?
          uplane-address1.3gppnetwork.org. 
Answer                :   

Name : uplane-address1.3gppnetwork.org.

  TTL                 : 100   
  Type                : A  

Address : 20.20.20.108

Query ID              : 44640   
Type                  : Response  
Question              : A?
          uplane-address2.3gppnetwork.org.  
Answer                :   
  Name                : uplane-address2.3gppnetwork.org.   
  TTL                 : 100  
  Type                : A    

Address : 209.165.200.225

コマンドの表示

ここでは、ダイナミック UP 選択機能でサポートされるコマンドについて説明します。

show apn name apn_name

このコマンドは、Pure-P コールと Collapsed コールの DNS 関連情報を表示します。

このコマンドの出力を使用して、次の値を確認できます。

  • APN の FQDN

  • FQDN のタイプ

show sgw-service name sgw_service_name

このコマンドは、Pure-S コールの DNS 関連情報を表示します。

このコマンドの出力を使用して、次の値を確認できます。

  • APN の FQDN

  • FQDN のタイプ

show saegw-service statistics

show saegw-service statistics CLI コマンドを使用して、統計情報を収集します。

以下に、show saegw-service statistics all および show saegw-service statistics name SAEGW21 CLI コマンドの出力例の一部を示します。

Dynamic Uplane Selection Statistics:
   Attempted              :             x
   Successful             :             x
   Failure                :             x
   Peer not Found         :             x
   Negative DNS response  :             x
   DNS timed out          :             x
   Unsolicited UP Selection Response:   x
   DNS Query Response post DNS timeout: x

以下に、show saegw-service statistics all function sgw CLI コマンドの出力例の一部を示します。

Dynamic Uplane Selection Statistics:
  Attempted:                             7
  Successful                             4
  Failure:                               3
    Mismatch DNS response:               1
    Negative DNS response:               1
    DNS timed out:                       1
    Unsolicited UP Selection Response:   1
    DNS Query Response post DNS timeout: 1

バルク統計情報

SAEGW Schema

このスキーマを使用して、動的ユーザープレーン選択機能に関連する次のバルク統計情報を収集します。

  • saegw-dyn-up-attempt

  • saegw-dyn-up-attempt

  • saegw-dyn-up-success

  • saegw-dyn-up-success

  • saegw-dyn-up-failure

  • saegw-dyn-up-failure

  • saegw-dyn-up-peer-not-found

  • saegw-dyn-up-peer-not-found

  • saegw-dyn-up-dns-timeout

  • saegw-dyn-up-dns-timeout

  • saegw-dyn-up-neg-resp

  • saegw-dyn-up-neg-resp

マルチ UP グループのサポート

マニュアルの変更履歴

表 4. マニュアルの変更履歴

改訂の詳細

リリース

最初の導入。

21.25

機能説明

リモート CUPS を使用すると、オペレータネットワークでプログレッシブ設定をロールアウトできます。特定の CP または UP プールでパイロットまたはカナリアバージョン N+1 を展開してアクティブ化できますが、バージョン N の設定は、モニタリング期間後に、この N+1 設定をすべての CP または UP プールにロールアウトするとオペレータが決めるまで、他の CP または UP プールでアクティブなままです。

この機能の使用例は次のとおりです。

  • ECS または ADC 設定の更新のロールアウト:一方の CP または UP で古い設定を使用している間に、もう一方の CP または UP パイロットを使用して設定をテストする機能。

  • 新しい APN 設定の更新:別のコンポーネントで古い設定を使用している間に、一連の CP または UP パイロットを使用して新しい APN 設定をテストする機能。

  • IP プールの設定の更新を追加または削除します。

関係

TAC RAC プロファイルサポート機能は、テスト用仮想 APN の選択に使用される複数 UP グループサポート機能に関連するものです。

アーキテクチャ

次の図は、プログレッシブな設定の運用開始アーキテクチャを示しています。

図 1. プログレッシブな設定の運用開始

コンポーネント

次の図は、提案される導入コンポーネントを示しています。

図 2. 導入案

機能の仕組み

パイロット CP は、着信テストパイロットコールをパイロット UP グループにルーティングします。

パイロット CP は、通常のビジネスコールも元の展開に従って任意の UP にルーティングするため、この機能は 1 つの APN にある複数の UP グループをサポートします。最初の UP グループにパイロット UP が含まれ、2 番目の UP グループに他のすべての非パイロット UP が含まれます。1 つの UP が 2 つの UP グループに同時に存在することはできません。UP と UP グループ間には厳密な 1:1 マッピングがあります。

制限事項と制約事項

複数 UP グループのサポート機能には次の制限事項と制約事項があります。

  • パイロット設定は、UP グループレベルでのみ適用できます。

  • CP と UP は個別に設定します。

  • ruledef、課金アクションなどの下位レベルで発生する ECS 設定の変更は、パイロット UP から分離できません。ルールベースレベルで区別する必要があります。

  • パイロット CP と UP は、展開時に指定する必要があります。展開後の指定では、既存のセッションをクリアする必要があります。

  • ユーザーグループがいずれの APN にも接続されていない場合は、対応する UP ノードを登録解除し、CP 設定から削除する必要があります。

  • 静的 IP プールはサポートされていません。

複数 UP グループのサポート機能の設定

ここでは、 複数 UP グループのサポート機能の設定方法を説明します。

複数 UP グループのサポート機能を設定するには、次の手順を実行します。

シリアル番号

設定

パイロット設定の場合

1

ECS または ADC の設定

(ruledef、rulebase、課金アクションなど)

パイロット CP の場合:設定の差別化は rulebase レベルで実施する行必要があります。ruledef、課金アクションなどの設定エンティティを変更する場合は、重複が必要となります。

パイロット CP の場合:対応する設定変更を 1 つまたは複数のパイロット UP で直接実行する必要があります。

2

APN 設定

  • 必要な設定を変更して新しい APN を作成します。

  • 必要なリダイレクトルールを設定して、既存の APN でテスト用 APN を仮想 APN として設定します。または、MME を使用してコールをテスト用 APN にリダイレクトします。

3

UP グループ設定

  • 展開時にパイロット CP と UP を選択します。

  • APN に設定する必要がある複数の UP グループを有効にします。

4

IP プール設定

新規 IP プール:

  • 新しい IP プールを作成し、テスト用 APN に関連付けます。

既存の IP プールの更新:

  • 直接 IP プールの設定を変更します。

注:変更を 1 つまたは複数のパイロット UP のみにローカライズすることはできません。

UP 管理ポリシーの設定

UP 管理ポリシーを設定するには、次の設定を使用します。

configure 
   up-mgmt-policy policy_name 
      user-plane-group group_name 
      end 

注:

  • up-mgmt-policy policy_name :UP 管理ポリシーを 1 ~ 31 文字の文字列で指定します。

  • user-plane-group group_name :ユーザープレーングループの名前を指定します。

Pure-P コールおよび Collapsed コールの UP 選択

Pure-P および Collapsed コールタイプの UP 選択を設定するには、次の設定を使用します。

configure 
   context context_name 
      apn apn_name 
         up-mgmt-policy policy_name 
         end 

Pure-S コールの UP 選択

Pure-S コールタイプの UP 選択を設定するには、次の設定を使用します。

configure 
   context context_name 
      apn-profile profile_name 
         up-mgmt-policy policy_name 
         end 

注:

  • up-mgmt-policy policy_name は、1 ~ 31 文字の文字列である必要があります。

  • APN プロファイルレベルの UP グループまたは UP 管理ポリシーのいずれかを設定できます。

  • APN プロファイルの場合、設定できる UP 管理ポリシーは 1 つだけです。

  • IP アドレス割り当てのプール名を割り当てます。

UP グループ間の優先順位

マニュアルの変更履歴

改訂の詳細

リリース

最初の導入。

21.27.2

機能説明

CUPS では、同じ CP に関連付けられた異なる UP 間での IP プールの重複がサポートされます。同じ CP に関連付けられた UP グループはすべて、同じ IP プール範囲を取得します。分離 IP プールは、異なる CP で設定されるもので、異なるロケーションにある UE に同じ IP を割り当てることができます。プールでは Virtual Routing and Forwarding(VRF)を使用して、2 つの UE のトラフィックを区別します。

機能の仕組み

ユーザープレーンは、共通の特性、つまり地理的ロケーションに基づいて UP グループへとクラスタ化されます。CP は、これらの UP グループを特定の IP プールに関連付けます。このとき、同じ地理的ロケーションの UP が同じ IP プール範囲を持つことはできず、異なる地理的ロケーションの UP は同じ IP プール範囲を取得できます。この動作は、IP プール管理ポリシーと呼ばれる新しいポリシーを導入することによって実現されます。IP プール管理ポリシーは APN で適用されます。

UP 選択では、IP プール管理ポリシーの UP グループに DNS ベースの UP 選択アルゴリズムが 使用されます。DNS クエリ応答は、DNS クエリ要求で送信される TAC/RAC 値に基づいて、対象となる UP IP アドレスをリストします。その後、対象となる UP IP アドレスに最小負荷アルゴリズムが使用され、最終的に UP が選択されます。

モバイル IP プールの重複をサポートするため、次の要件が満たされます。

  • UP グループ固有の IP プールのサポート

  • プールが任意の UP グループの固有プールに設定されている場合の UP への IP プールチャンクの割り当て

  • 複数の UP グループでの DNS ベースの UP 選択アルゴリズム

以下に、DNS ベースの UP 選択機能に関する考慮事項のリストを示します。

  • UP グループに特定の IP プール/グループ名が設定されていない場合、APN に IP プール管理ポリシーが設定されていると、パブリックプールからチャンクを取得します。

  • UP 選択は、そのグループ内の他の UP の負荷が少ない場合でも、最小セッション数 UP 選択アルゴリズムと UP 可用性ステータスに基づいて、返された UP IP アドレスの中から行われます。

  • DNS クエリ応答では、上限である最大 6 つの UP IP アドレスに対して受信された UP のリストは、IP プール管理ポリシーの設定によっては異なる UP グループに属し、その中で最もセッション数の少ない UP が選択されます。

  • UP の選択完了後に、Sx 確立要求が UP から拒否された場合、再試行は行われません。

  • IP プールまたはグループ名が複数の UP グループ間で共有されている場合、IP チャンクの割り当ては、UP 登録時に先着順で行われます。このため、IP プールのチャンクが均等に配分されない可能性があります。

  • APN で UP グループと IP プール管理ポリシーを同時に設定することはできません。

  • UP が選択された後、その UP に十分な IP アドレスがない場合、使用可能なリソースが不足しているため、コールは拒否されます。

  • 設定中に RCM で必要な変更はありません。

  • CP インスタンス間で分離 IP プールを設定する必要があります。

ダイナミック APN IP プール更新

ダイナミック APN IP プール更新は、UP 関連付けを解除することなく、UP で IP プールチャンクを割り当てまたは解放する必要がある場合に実行されます。IP プール関連の設定変更後に、次の CLI コマンドを実行する必要があります。この CLI は、これまで UP グループと IP プールで APN レベルでサポートされていたものです。それが拡張され、UP グループと IP プールで IP プール管理ポリシーレベルでサポートされるようになりました。

update ip-pool apn all 

詳細については、「ダイナミック APN および IP プールのサポート」 の章を参照してください。

UP グループ固有の IP プールのサポート

APN の複数の UP グループおよび UP グループ固有の IP プールを設定するには、IP プール管理ポリシーを使用します。UP がすでに関連付けられている場合、IP プールに関する APN の変更については、このガイドの「ダイナミック APN および IP プールのサポート」の章で説明しているダイナミック IP プール手順を実行する必要があります。この手順によって、IP プールのチャンクが UP グループに再割り当てされます。

UP への IP プールチャンクの割り当て

UP を関連付けると、UP 登録要求が VPN に送信されます。要求メッセージには、チャンクが UP に割り当てられる IP プールのリストが含まれます。IP プールのリストは、次の図に示されている動作に従って作成されます。

図 3. IP プール管理ポリシーを介した APN に関連付けられた UP グループに対するチャンクの割り当て

次の表は、G4/G6 がグローバル/パブリック IPv4/IPv6 プール、U4/U6 が UP グループレベルの IPv4/IPv6 プールの場合に予想される動作の例です。

UP グループレベルの IPv4 プール(U-4) UP グループレベルの IPv6 プール(U-6) 予想される動作
F F G4+G6
F T U6+G4
T F U4+G6
T T U4+U6

次の図は、UP グループレベルの IP プールを使用した APN レベルの IP プールの設定を示しています。

図 4. UP グループレベルの IP プールを使用した APN レベルの IP プールの設定

関連付けられた IP プールは、ip-pool-mgmt-policy で設定された user-plane-group で更新され、UP は再度関連付けられません。これは、IP プール管理ポリシーのダイナミック IP プール更新機能のサポートが有効になっているために可能です。UP は、APN 設定のステータスに基づいて IP プールのチャンクを取得します。

また、コールの確立時に、APN で設定されている現在の IP プール名が、選択した UP グループ名の対応する IP プール名とともに使用されます。

UP を再度関連付けずに、「ip-pool-mgmt-policy」で設定された「user-plane-group」の関連付けられた IP プールを更新できます。これは、IP プール管理ポリシーのダイナミック IP プール更新機能(「ダイナミック APN および IP プールのサポート」の章を参照)のサポートを拡張することで可能になります。UP は、APN 設定の最新のスナップショットに基づいて IP プールのチャンクを取得します。

また、コールの確立時に、APN で設定された IP プール名が、選択した UP グループ名の対応する IP プール名とともに使用されます。

複数の UP グループでの DNS ベースの UP 選択アルゴリズム

DNS は、ロケーション(TAC/RAC)情報を使用してクエリされます。UP 選択アルゴリズムは、DNS から受信した UP(UP IP アドレス)のリストに基づいて、設定された UP グループの UP をフィルタ処理し、結果の一連の UP に対して UP 選択アルゴリズム(LCI/OCI またはセッションカウント)を実行します。この機能は「ip-pool-mgmt-policy」用に拡張されています。フィルタリングは、「ip-pool-mgmt-policy」の一部であるすべての UP グループに適用されるようになりました。

次の図は、DNS ベースの UP の選択に関するイベントとデータの一般的なフローを示しています。

図 5. DNS ベースの UP の選択に関するイベントとデータのフロー
表 5. DNS ベースの UP の選択に関するイベントとデータの一般的なフロー
手順 説明
1.

CS 要求メッセージが PGW-C に送信されます。

2 に送信します。

TAC/RAC 情報を含む DNS クエリ要求が、PGW-C によって DNS サーバーに送信されます。

3. DNS クエリ応答が、DNS サーバーから PGW-C に返送されます。
4.

PGW-C が、DNS 応答と UP グループまたは「ip-pool-mgmt-policy」から一連の UP の共通部分を検出します。

5.

PGW-C が、結果のセットから UP および UP グループを選択します。

6.

PGW-C が、UP グループとプール名に基づいて IP アドレスを選択します。

7.

PGW-C が、Sx 確立要求をユーザープレーンに送信します。

制限事項

この機能には次の既知の制限事項があります。

  • UP オーバーライド機能は、IP プール管理ポリシーではサポートされません。

  • DNS ベースの UP 選択プロセスで処理される、TAC/RAC ロケーションごとに許可される UP の最大数は 6 です。

  • DNS ベースの UP 選択では、UP 間でコールが不均一に配分され、IP プールが枯渇する可能性があります。これは、DNS サーバーが UP のセッション数を認識しないため、TTL が原因で発生します。

  • デフォルト UP グループの場合のような、デフォルト IP プール管理ポリシーはありません。

  • 静的コールは、IP プール管理ポリシーではサポートされません。

  • 1 つの IP プール管理ポリシーに対し、分離した複数の UP グループを設定できます。または、2 つの IP プール管理ポリシーが共通する 1 つの UP グループを共有する場合には、2 つのポリシーの他の UP グループも同じにする必要があります。そうしないと、ロードバランシングが不均一になり、IP プールが枯渇する可能性があります。

  • 20 の UP グループを対象とする IP プール管理ポリシーあたり、最大 20 の IP プール管理ポリシーを含むことができます。

  • CP システム全体で許可される UP グループの最大数は 100 です。

  • 1 つの UP グループで許可される UP の最大数は 100 です。

  • 1 つの CP で許可される UP の最大数は 100 です。

特定の IP プールを使用した IP プール管理ポリシーと UP グループの設定

IP プール管理ポリシーを設定するには、次の設定を使用します。

configure 
   context context_name 
      apn apn_name 
         ip-pool-mgmt-policy policy_name 
         end 

  • ip-pool-mgmt-policy policy_name :IP プール管理ポリシー名を 1 ~ 32 文字の文字列で指定します。

特定の IP プールを使用して UP グループを設定するには、次の設定を使用します。

configure 
   ip-pool-mgmt-policy policy_name 
      user-plane-group group_name { ip-address-pool-name ipv4_pool_name | ipv6-address-pool-name ipv6_pool_name } [ secondary ] 
      end 

  • ip-pool-mgmt-policy policy_name :IP プール管理ポリシー名を 1 ~ 31 文字の文字列で指定します。

  • user-plane-group group_name :UP グループ名を 1 ~ 31 文字の文字列で指定します。

  • ip-address-pool-name ipv4_pool_name :IPv4 アドレスプール名を 1 ~ 31 文字の文字列で指定します。

  • ipv6-address-pool-name ipv6_pool_name :IPv6 アドレスプール名を 1 ~ 31 文字の文字列で指定します。

UP および UP グループを追加および削除するための MOP

UP を削除するための MOP
  1. CP でコマンドを実行して、その UP に配置されている新しいセッションをブロックし、任意で、up-ip-address を使用してサブスクライバをクリアします。詳細については、「ユーザープレーンノードの停止手順」の章を参照してください。


    (注)  


    clear subscribers コマンドが UP で実行されると、CP には通知されず、セッションは実行中であると見なされます。


  2. すべてのサブスクライバが正常に解放されているか、UP で強制的に切断されていることを確認します。また、すべてのセッションが切断されていることを確認します。

  3. UP で、 コマンドを実行して CP との関連付けを解除します。CP から UP の関連付けが解除され、CP では以降のセッションにこの UP が選択されません。

  4. CP で、UP グループから UP を削除するコマンドを実行します(UP の BFD モニタリングも登録解除されます)。

  5. no monitor-group コマンドを使用して、UP および CP でのモニタリングの BFD 設定を無効にします。

UP グループを削除するための MOP
  1. 「UP を削除するための MOP」を使用して、UP グループから UP を削除します。

  2. 設定から UP グループを削除します。UP グループが APN 範囲または IP プール管理ポリシーに関連付けられているか確認します。

    • APN レベル

      • APN からの UP グループの関連付け解除

    • IP プール管理ポリシー

      • IP プール管理ポリシーからの UP グループの関連付け解除

UP グループを追加するための MOP
  1. UP IP アドレスと新しい UP グループを設定に追加します。

  2. UP グループは、APN 範囲または IP プール管理ポリシーに追加できます。

    • APN レベル

      • APN での UP グループと IP プールの関連付け

    • IP プール管理ポリシー

      • IP プール管理ポリシーでの UP グループと IP プールの関連付け

APN で IP プール管理ポリシーを削除および変更するための MOP

変更は、削除、追加の順で実行します。

  1. 「UP を削除するための MOP」を使用して、UP グループから UP を削除します。

  2. 設定から UP グループを削除します。

    • IP プール管理ポリシーからの UP グループの関連付け解除

  3. APN の IP プール管理ポリシーを変更または削除できます。

UP グループでの追加操作

IP プールを UP グループに関連付ける方法を以下に示します。

UP グループに IPv4 プールと IPv6 プールの両方を追加

IPv4 と IPv6 の両方のプールを UP グループに追加するには、次の設定を使用します。

configure 
   ip-pool-mgmt-policy policy_name  
      user-plane-group group_name ip-address-pool-name ipv4_pool_name ipv6-address-pool-name ipv6_pool_name 
      end 
UP グループに IPv4 プールのみを追加

IPv4 プールのみを UP グループに追加するには、次の設定を使用します。

configure 
   ip-pool-mgmt-policy policy_name  
      user-plane-group group_name ip-address-pool-name ipv4_pool_name 
      end 

(注)  


APN のタイプが IPv4v6 の場合、IPv6 プレフィックスを意味し、この場合はパブリックプールが使用されます。


UP グループに IPv6 プールのみを追加

IPv6 プールのみを UP グループに追加するには、次の設定を使用します。

configure 
   ip-pool-mgmt-policy policy_name  
      user-plane-group group_name  ipv6-address-pool-name ipv6_pool_name 
      end 

(注)  


APN のタイプが IPv4v6 の場合、IPv4 アドレスを意味し、この場合はパブリックプールが使用されます。


UP グループでの削除操作
次に、UP グループから IP プールの関連付けを解除する方法を示します。
UP グループの削除

UP グループ自体を削除するには、次の設定を使用します。

configure 
   ip-pool-mgmt-policy policy_name  
      no user-plane-group group_name  
      end 
UP グループからの IPv4 プールと IPv6 プールの両方の削除

UP グループから IPv4 と IPv6 の両方のプールを削除するには、IP プールを指定せずに UP グループを再設定します。

設定例

configure 
   ip-pool-mgmt-policy xyz 
      user-plane-group G1 ip-address-pool-name v4-pool ipv6-address-pool-name v6-pool 
      end 

次の CLI コマンドを使用して、UP グループを再設定します。

configure 
   ip-pool-mgmt-policy xyz 
      user-plane-group G1 
      end 

(注)  


APN が IPv4v6 タイプの場合、パブリックプールは IPv4 および IPv6 アドレスに使用されます。
UP グループからの IPv4 または IPv6 プールのみの削除

IPv4 または IPv6 プールを削除するには、削除する UP グループを再設定します。

設定例

configure 
   ip-pool-mgmt-policy xyz 
      user-plane-group G1 ip-address-pool-name v4-pool ipv6-address-pool-name v6-pool 
      end 

次の CLI コマンドを使用して、UP グループを再設定します。

configure 
   ip-pool-mgmt-policy xyz 
      user-plane-group G1 ipv6-address-pool-name v6-pool 
      end 

(注)  


APN が IPv4v6 タイプで、IPv6 プールのみが UP グループに関連付けられている場合、パブリックプールが IPv4 アドレスに使用されます。IPv4 プールが UP グループに関連付けられている場合、パブリックプールが IPv6 アドレスに使用されます。


設定例

コントロールプレーン:1
config
   context egress
      ip pool PRIVATE-1 192.168.0.0/16 private chunk-size 1024 vrf-name vf-name-1
      ip pool PRIVATE-2 192.168.0.0/16 private chunk-size 1024 vrf-name vf-name-2
      ip pool PRIVATE-3 192.168.0.0/16 private chunk-size 1024 vrf-name vf-name-3
   exit
#exit
user-plane-group UP-Grp-1
   peer-node-id ipv4-address 192.168.0.1
exit
user-plane-group UP-Grp-2
   peer-node-id ipv4-address 192.168.0.2
exit
user-plane-group UP-Grp-3
   peer-node-id ipv4-address 192.168.0.3
exit
ip-pool-mgmt-policy xyz
   user-plane-group UP-Grp-1 ip-pool name PRIVATE-1
   user-plane-group UP-Grp-2 ip-pool name PRIVATE-2
   user-plane-group UP-Grp-3 ip-pool name PRIVATE-3
end

config
   context ingress
      apn intershat
         ip context-name egress
         ip-pool-mgmt-policy xyz
      exit
  #exit
end

UP-Grp-1 ===> Region 1 (192.168.0.0/16)
UP-Grp-2 ===> Region 2 (192.168.0.0/16)
UP-Grp-3 ===> Region 3 (192.168.0.0/16)
コントロールプレーン:2
config
   context egress
      ip pool PRIVATE-1 172.16.0.0/12 private chunk-size 1024 vrf-name vf-name-1
      ip pool PRIVATE-2 172.16.0.0/12 private chunk-size 1024 vrf-name vf-name-2
      ip pool PRIVATE-3 172.16.0.0/12 private chunk-size 1024 vrf-name vf-name-3
   exit
#exit
user-plane-group UP-Grp-1
   peer-node-id ipv4-address 192.168.0.1
exit
user-plane-group UP-Grp-2
   peer-node-id ipv4-address 192.168.0.2
exit
user-plane-group UP-Grp-3
   peer-node-id ipv4-address 192.168.0.3
exit
ip-pool-mgmt-policy xyz
   user-plane-group UP-Grp-1 ip-pool name PRIVATE-1
   user-plane-group UP-Grp-2 ip-pool name PRIVATE-2
   user-plane-group UP-Grp-3 ip-pool name PRIVATE-3
end

config
   context ingress
      apn intershat
         ip context-name egress
         ip-pool-mgmt-policy xyz
      exit
  #exit
end

UP-Grp-1 ===> Region 1 (172.16.0.0/12)
UP-Grp-2 ===> Region 2 (172.16.0.0/12)
UP-Grp-3 ===> Region 3 (172.16.0.0/12)

IP プール管理ポリシーの設定の確認

IP プール管理ポリシーを確認するには、次の CLI コマンドを使用します。
show ip-pool-mgmt-policy all  
特定の UP グループの IP プール管理ポリシーを確認するには、次の CLI コマンドを使用します。
show ip-pool-mgmt-policy user-plane-group-name group_name 
プール名の使用済み IP チャンクと空き IP チャンクを確認するには、次の CLI コマンドを使用します。
show ip pool-chunks pool-name 

TAC 範囲に基づくユーザープレーンの選択

マニュアルの変更履歴


(注)  


リリース 21.24 よりも前に導入された機能については、詳細な改訂履歴は示していません。


改訂の詳細

リリース

このリリースでは、TAC/RAC プロファイル設定がサポートされるようになりました。

21.25

初版

21.24 より前

機能説明

この機能を使用すると、アクセスポイント名(APN)に基づいてユーザープレーングループを選択できます。仮想 APN 選択のルールの組み合わせでトラッキングエリアコード(TAC)範囲を設定する機能は、エッジコンピューティングやその他のサービス用のロケーションベースのユーザープレーン選択用の柔軟なネットワーク設計に役立ちます。

21.25 以降のリリースでは、コントロールプレーンノードで TAC およびルーティングエリアコード(RAC)プロファイルを設定するためのサポートが追加されています。この機能を使用すると、範囲ではなく、TAC/RAC プロファイルの離散値に基づいて APN を選択できるようになりました。

機能の仕組み

非 CUPS アーキテクチャでは、仮想 APN の選択は次のパラメータに基づきます。

  • サブスクライバ IP

  • Access-gw-address

  • Bearer-access

  • cc-behavior

  • cc-profile

  • ドメイン

  • mcc

  • msisdn-range

  • pdp-type

  • rat-type

  • roaming-mode

  • serv-gw-plmnid

CUPS アーキテクチャでは、仮想 APN の選択はトラッキングエリアコードの範囲に基づいて行われ、その他にも cc-profile や mcc/mnc などのオプションが考慮されます。

この機能をサポートするため、次の点が変更になります。

  • 新しいパラメータに対応するため、新しい CLI キーワードを導入します。

  • コール処理中に、受信したトラッキングエリアコードが設定済みのトラッキングエリアコードの範囲と比較され、仮想 APN が決定されます。

トラッキングエリアコードに基づく仮想 APN の選択:

  • 仮想 APN に対し、30 以上の tracking-area-code-range の設定をサポートします。

  • 重複する範囲(サブセットまたはスーパーセット)をサポートします。優先順位が異なる場合は、tracking-area-code-range の重複は許可されません。

  • CLI 設定に基づいて仮想 APN を選択し、ユーザープレーンは新しいコールの仮想 APN に応じて、その UE の tracking-area-code に基づいて選択されます。

  • 優先順位が同じ tracking-area-code-range と cc-profile の組み合わせをサポートします。

仮想 APN 機能には、リアル/Gn APN ごとのすべての仮想 APN 選択ルールの保存機能が含まれます。すべてのルールには複数の条件があります。ルールはプリファレンス番号によって識別されます。APN のリストが保存され、APN 内でルールはプリファレンス番号によって識別されます。

CSReq(TAI)で受信したトラッキングエリアコードを渡すための新しいパラメータが導入されました。

制限事項

この機能の既知の制限事項と制約事項は次のとおりです。

  • 仮想 APN 選択では、複数の選択基準がある新しい設定は、古いビルドやリリースでは機能しません。ユーザーは、古いビルドやリリースの設定に関する個別のコピーを用意する必要があります。

  • 仮想 APN ルールの変更操作はサポートされていません。変更操作を実行するには、既存のルールを削除し、新しいルールを追加する必要があります。

  • 同じルールで同じオプションが複数回指定されている場合、後で指定したオプションの値が選択対象と見なされます。

  • すべての APN に追加される仮想 APN ルールの総数は 2,048 に制限されています。この制限は、非 CUPS アーキテクチャの制限です。

  • 最大 1,000 の TAC/RAC プロファイルを設定できます。メモリ使用量は、設定されたプロファイルの数に基づきます。

  • プロファイルでサポートされる TAC/RAC の離散値の最大数は 100 です。メモリ使用量はプロファイルごとに固定されます。

  • TAC/RAC の範囲または離散値は、既存のプロファイルの分割などのメンテナンスアクティビティをサポートするために、プロファイル間で重複できます。

  • これは Day-0 および Day-1 の設定です。

  • 複数のプロファイルを 1 つの APN に関連付けられます。

  • 既存の IP プール機能に変更はありません。

  • ICSR またはマルチ Sx 設定に対する具体的な影響はありません。

  • サービスエリアコード(SAC)はサポートされていません。

  • Pure-S コールはサポートされていません。

  • UP の選択要件は、複数 UP グループのサポート機能で処理されます。

TAC 範囲に基づいたユーザープレーンの選択の設定

この項では、この機能をサポートするために使用可能な CLI コマンドについて説明します。

トラッキングエリアコード範囲の設定

次の CLI コマンドを使用して、コントロールプレーンノードでトラッキングエリアコード範囲の APN を設定します。

configure 
   context context_name 
      apn apn_name 
         virtual-apn preference preference apn apn_name tracking-area-code-range tac_range 
         end 

注:

  • tracking-area-code-range tac_range :トラッキングエリアコード範囲の APN を設定します。tac_range は、0 ~ 65,535 の範囲の整数値です。

トラッキングエリアコード範囲の設定の確認

次の CLI コマンドを使用して、機能が有効になっているかどうか、およびトラッキングエリアコードの範囲が設定されているかどうかを確認します。

  • show configuration apn apn_name

  • show apn name apn_name

トラッキング エリア コード プロファイルの設定

21.25 以降のリリースから、トラッキング エリア コード プロファイルはコントロールプレーンノードで設定できます。この機能を使用することで、TAC の範囲のみではなく、個別の値に基づいて APN を選択できるようになります。

次の CLI コマンドを使用して、個別の値と範囲を使ってトラッキング エリア コード プロファイルを設定します。

configure 
   context context_name 
      tac-profile tac_profile_name 
         tac range X to Y 
         tac value 

注:

  • tac-profile tac_profile :トラッキング エリア コード プロファイルの APN を設定します。tac_profile は、0 ~ 65535 までの任意の範囲または個別の整数値です。

  • CLI コマンド 1 回あたりにサポートされる個別の TAC 値の数は 16 です。

TAC プロファイルと APN の関連付け

TAC プロファイルを APN に関連付けるには、次の設定を使用します。
configure 
   context context_name 
      apn apn_name 
         virtual-apn preference preference apn apn_name tac-profile tac_profile 
         end 

トラッキング エリア コード プロファイルの設定の確認

次の CLI コマンドを使用して、機能が有効になっているかどうか、およびトラッキング エリア コード プロファイルの範囲が設定されているかどうかを確認します。

  • show configuration apn apn_name

  • show apn name apn_name

  • show rule definition tac_profile

ルーティング エリア コード プロファイルの設定

21.25 以降のリリースから、ルーティング エリア コード プロファイルはコントロールプレーンノードで設定できます。この機能を使用することで、範囲ではなく、RAC プロファイルの個別の値に基づいて APN を選択できるようになりました。

次の CLI コマンドを使用して、個別の値を指定してルーティング エリア コード プロファイルを設定します。

configure 
   context context_name 
      rac-profile rac_profile_name 
         rac range X to Y 
         rac value 

注:

  • routing-area-code-profile rac_profile :ルーティング エリア コード プロファイルの APN を設定します。 rac_profile は、0 ~ 255 の任意の範囲または個別の整数値です。

  • 最大 16 個の RAC プロファイル値を設定できます。

RAC プロファイルと APN の関連付け

TAC プロファイルを APN に関連付けるには、次の設定を使用します。
configure 
   context context_name 
      apn apn_name 
         virtual-apn preference preference apn apn_name routing-area-code-profile rac_profile 
         end 

ルーティング エリア コード プロファイルの設定の確認

次の CLI コマンドを使用して、機能が有効になっているか、およびルーティング エリア コード プロファイルの範囲が設定されているかを確認します。

  • show configuration apn apn_name

  • show apn name apn_name

  • show rule definition rac_profile