コラボレーションによるパッケージイノベーション
現在、世界でリサイクルされているプラスチックは 9% に過ぎません。パレタイズした製品を安定させ保護するためにプラスチック製のパレットラップが使用されていますが、シスコはそれに代わる資材を模索しています。2019 年度には、再利用可能なパレットラップを試験的に導入し、2021 年度までその利用を継続しました。この取り組みにより、3 年間で約 79,147 キロ(174,490 ポンド)のプラスチック製ラップの使用を回避できました。これは、1,400 万枚の高密度なレジ袋に相当します。シスコは 2021 年度にこの試験的利用に基づいて、Microsoft 社ほか 9 社と共同で Ellen MacArthur Foundation ネットワークプロジェクトに参加しました。このプロジェクトでは、使い捨てのパレットラップを排除するために、3 つの方法が検討されています。
梱包材
シスコでは通常、リサイクル素材を少なくとも 25% 含む段ボール資材を梱包に使用しています。シスコの新製品で使用する梱包材は、ほとんどの場合、単一の素材、またはリサイクル分別が可能な複数の素材で構成されています。シスコの世界市場で見られるリサイクルの実践方法は、お客様、自治体、地域によって大きく異なります。お客様のリサイクル施設によっては、シスコ製品の梱包材をリサイクルできないこともあります。
シスコが梱包に使用するプラスチックは、樹脂識別コード 1 ~ 7 に基づくカテゴリに分類され、その多くはポリエチレン(コード 2 とコード 4)に該当します。一部のプラスチック部品には、使用済みプラスチックのリサイクルをサポートするプラスチック リサイクル コード番号のラベルが付いています。シスコでは、バージン材、または代替品のリサイクル材を熱成形した中密度のポリエチレン緩衝材を使用しています。地域的に利用可能で技術的に実現可能な場合は、リサイクルポリエチレン製の緩衝材を使用します。買収した企業の製品を含むシスコのレガシー製品では、現在の梱包のベストプラクティスがすべて採用されているとは限りません。シスコのサプライヤがお客様に直接提供する OEM 製品の梱包にも同様の課題が存在します。
シスコでは、リサイクル可能なパッケージを使用するよう努めていますが、代替となる持続可能な資材の選択肢が限られているため、それが不可能な場合もあります。たとえば、金属化された帯電防止バッグは簡単にリサイクルできませんが、静電放電による損傷を受けやすい製品を安全に輸送するには不可欠です。そのため、出荷する製品に合わせてサイズを調整し、使用する資材の量を最小限に抑えています。また、シスコの契約製造業者では、帯電防止バッグの再利用が行われています。
使用済みの製品梱包材
シスコ製品のパッケージは、分別とリサイクルを行えるように設計されているため、地域の梱包材リサイクルプログラムで消費できます。リサイクル目的で空の箱をシスコに送り返すと、環境への不要な影響が生じるため、シスコではそうした梱包材の回収をしていません。ただし、特定のシナリオを想定して、再利用可能な梱包オプションを検討しています。たとえば、シスコの配送拠点の近くにいるお客様向けに、再利用可能な梱包材を使用するなどです。これにより、2 拠点間で梱包材を移動させて再利用できる一方で、空の箱を送ることで生じる環境への影響を最小限に抑えられます。シスコが環境上の梱包関連規制にどのように準拠しているかについては、こちらをご覧ください。
サプライチェーンにおける資材廃棄削減
循環型経済の発展と促進に注力することで、サプライチェーン上流での原材料消費を把握する取り組みが加速しました。シスコは、シスコの部品サプライヤと製造サプライヤの 70%(調達額の割合)が、2025 年度までに 1 つ以上の拠点で廃棄物ゼロ転換率を達成することを確約しています。サプライヤとの連携による廃棄物ゼロへの取り組みについてはこちらを参照してください。
製品の返品、再利用、リサイクル
循環型経済の概念で最も重要なのは、資産を可能な限り最大限に活用することです。
シスコは 20 年以上にわたり、さまざまなプログラムの実践に尽力してきました。それらを通じて、再利用とリサイクルを目的とした製品返品の促進、包括的なサービスと修理、Cisco Refresh を通じた使用済み機器の再生と再販売などを行いました。こうしたプログラムによって機器を再生することで、次の製造に必要な資源を節約し、無駄を削減できます。
2018 年の世界経済フォーラムでは、シスコの CEO が Platform for Accelerating the Circular Economy(PACE)と共同で Capital Equipment Pledge に署名しました。これは、要求があれば、無償の製品返品を常に受け付けることを約束するものです。
サービスプログラム
製品の使用は、シスコの循環型経済アプローチを機器のライフサイクル管理に取り入れるときの最初の重要なステップとなります。シスコのグローバル サービス サプライ チェーンの組織は、お客様とパートナーにハードウェア返品許可(RMA)とそのサポートを行います。また、シスコでは、部品の使用、お客様による新製品の導入、古いハードウェアの廃止に合わせて、ネットワークと在庫のレベルを常に最適化しています。製品の耐用年数を最大限に延ばすために、広範なロジスティクス、倉庫、計画、修理の運用ネットワークを通じ、必要に応じて機器や部品を交換、回収、再生しています。各デバイスには修理と頻繁なテストを行い、それらが最新の製造仕様に準拠していることを確認しています。