シスコでは 4 つの重要な情報を使用して、環境に及ぼす影響の優先順位付けと管理を行っています。それがシスコ ESG の重要性評価、製品ライフサイクル管理(LCA)、環境に関する方針への取り組み、そして ISO 14001 環境管理システム(EMS)です。
環境に関する方針
シスコは環境に関する企業方針の中で、シスコの環境パフォーマンスを継続的に改善していくための高度な枠組みを定めています。また、この 10 年間で環境に対する取り組みの指針となる一連の方針を策定しました。これらの方針によってシスコは企業としての価値観を表明し、意思決定を示しています。この方針における優先事項は次のとおりです。
- シスコは環境に対する影響を排除または軽減できるよう継続的に取り組み、シスコの事業、広義の事業範囲(サプライチェーン)、製品のライフサイクル全体で環境への悪影響に対処するよう努めています。
- シスコは今後も世界全域の事業、広義の事業範囲、すべての製品に一貫して環境に関する方針を取り入れるために尽力します。
- 外部の認定を受けた ISO 14001 環境管理システムによって環境への取り組みを管理します。
- シスコは多様なアプローチで環境の問題に取り組みます。エネルギー管理や GHG 排出、製品と梱包材、水、生物多様性と土地利用、事業廃棄物、廃液、非 GHG 排出などもシスコの EMS が対処する範囲に含まれます。
- シスコは規範を示します。サプライヤから活動への協力を取り付けることが、取り組みの成功を支えます。サプライチェーンに求める環境要件は文書化して入手できるようにし、年次の CSR レポートやレポートアーカイブで提供します。
- シスコはさまざまな意見に耳を傾けます。地球のエコシステムは複雑であり、お客様や従業員、支援団体、学界などのステークホルダから学ぶことは数多くあります。
- 重要なアナリストや支援団体の存在を把握し、強固な関係性を築くことで、一貫性があり中立的な外部の指標による環境パフォーマンスの測定が可能になります。
- 2 年ごとに実施する ESG の重要性評価で、重要度の高い環境トピックを把握します。詳細については、「ステークホルダの参画と ESG の重要性」をご覧ください。
- 曖昧な点のない公的目標を掲げ、改善を推進し説明責任を果たします。現在の環境目標については「シスコが現在取り組んでいる環境目標」を、以前の環境目標の一覧については「達成済みの目標」をご覧ください。
ISO 14001 環境管理システム
シスコの ISO 14001 環境管理システム(EMS)は、CSR プログラムのすべての機能と側面に関わるグローバルフレームワークです。個人の説明責任や管理責任、主要業績評価指標(KPI)の測定、および継続的な改善の原理に基づいてビジネス目標と環境目標を達成し、環境パフォーマンスを高めます。
シスコの EMS は TUV SUD America 社 の審査を受け、国際的な EMS 規格である ISO 14001: 2015 に認定されています。EMS 認定証は写しをダウンロードしていただけます。この EMS 認定を取得、維持することをシスコに求めているお客様の数は、近年ますます増えています。
シスコでは以下の基準に即して、自社サイトの中から ISO 14001 認定を受けるサイトを選定しています。
- 施設の規模と研究エリア
- 建物に収容可能な人数または従業員数
- 施設の主要機能
上記の基準は環境へのマイナスの影響を軽減し、プラスの影響をもたらす可能性が高いサイトであることを重視しています。サイトを選定したら、次はその影響度を評価します。この分析には企業の機能分野、サイトに関連する製品、活動、またはサービス、原材料の製造または使用に伴う環境への影響、大気および水への影響、天然資源の枯渇などが含まれます。この情報から環境スコアを算出し、その結果を基に施設や問題にさらに優先順位を付けます。各サイトは固有の目標を追求するだけでなく、シスコが企業として掲げる優先事項に従って持続可能性にも配慮しています。シスコは認定基準に照らして既存のサイトと獲得したサイトを継続的に評価し、ISO 14001 の認定ロードマップに取り入れることで事業上のニーズと顧客のニーズ両方に対応しています。次の表はシスコが所有する世界各地の ISO 14001 認定サイトの所在地を、地域ごとに整理したものです。
アメリカ地域 | ヨーロッパ、中東、アフリカ、ロシア(EMEAR) | アジア太平洋、日本、中国、インド(APJCI) |
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アメリカ地域
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ヨーロッパ、中東、アフリカ、ロシア(EMEAR)
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アジア太平洋、日本、中国、インド(APJCI)
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取り組みの範囲と実践
買収の一環として取得したサイトもシスコの環境に関する方針および取り組みの対象に含まれています。そのため 14001 認定済みとして監査を受ける場合があります。次の表は ISO 14001 認定の KPI を示したものです。
KPI | 2017 年度 | 2018 年度 | 2019 年度 | 2020 年度 | 2021 年度 |
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KPIISO 14001 認定を取得したサイト数 | 2017 年度30 | 2018 年度32 | 2019 年度32 | 2020 年度31 | 2021 年度30 |
KPIISO 14001 認定を取得した不動産ポートフォリオの割合 | 2017 年度>90%1 | 2018 年度>90%1 | 2019 年度>90%1 | 2020 年度>90%1 | 2021 年度>90%1 |
1 不動産ポートフォリオの高い割合で認定を受けるという目標を達成しました。今後も認定基準を満たすサイトが 90% 以上という水準を維持していきます。
シスコは独自の EMS プロセスによって環境に最も重大な影響を及ぼす要素を把握し、各サイトでのリスク評価に基づいて妥当性のある企業目標と地域目標を設定します。ISO 14001 認定を受けた全サイトには環境面に取り組むチームがあり、各チームから環境パフォーマンスを測定するための目標、具体的な取り組み、測定方法について報告を受けます。地域の取り組みは、可能な場合は企業レベルのプログラムと一致するように設定されています。