接続の管理
サポートされている接続プロトコルすべてに適用できる接続管理アクティビティを設定するには、次の項で説明する作業を実行します。すべての作業は任意です。
• 「現在の端末設定の表示」
• 「端末セッションのエスケープおよび他の接続への切り替え」
• 「接続への論理名の割り当て」
• ログイン ユーザ名の変更
• 「端末へのアクセスのロック」
• 「他の端末へのメッセージの送信」
• 「TCP 接続のクリア」
• 「ルータから開始されたセッションの終了」
• 「ルータからのログアウト」
• 「回線の接続解除」
現在の端末設定の表示
端末回線接続用の現在の設定を表示するには、特権 EXEC モードまたはユーザ EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router# show terminal |
端末用の現在の設定を表示します。 |
次に、出力の例を示します。
AccessServer1> show terminal
Line 2, Location: "", Type: "VT220"
Length: 24 lines, Width: 80 columns
Baud rate (TX/RX) is 9600/9600
Status: PSI Enabled, Ready, Active, No Exit Banner
Special Chars: Escape Hold Stop Start Disconnect Activation
Timeouts: Idle EXEC Idle Session Modem Answer Session Dispatch
00:10:00 never none not set
Idle Session Disconnect Warning
Login-sequence User Response
Session limit is not set.
Time since activation: 00:01:07
History is enabled, history size is 10.
DNS resolution in show commands is enabled
Full user help is disabled
Allowed transports are lat pad v120 mop telnet rlogin nasi. Preferred is lat.
No output characters are padded
No special data dispatching characters
端末セッションのエスケープおよび他の接続への切り替え
接続を開始した後、エスケープ キー シーケンス(デフォルトでは Ctrl+Shift+6 キーを押してから X)を使用して現在の端末セッションからエスケープできます。コマンド文字は、Ctrl キーを押したままでも、Ctrl キーから指を離しても入力できます。また、大文字、小文字のどちらでも入力できます。
(注) 2 つのキャレット(^^)記号が並んで表示されている画面出力例では、最初のキャレットはコントロール キー(Ctrl)を表し、2 番目のキャレットはキー シーケンス Shift+6 を表します。この二重キャレットの組み合わせ(^^)は、Ctrl キーを押したまま Shift キーと 6 キーを押すことを意味しています。
デフォルトでは、エスケープ キー シーケンスは Ctrl+Shift+6、X です。ただし、 escape-character ライン コンフィギュレーション コマンドを使用してエスケープ キー シーケンスを変更できます。エスケープ文字の現在の設定を確認するには、 show terminal 特権またはユーザ EXEC コマンドを使用します。
複数のセッションを同時に開き、開いたセッションの間を行き来できます。
同時に開くことができるセッションの数は、 session-limit VDPN コンフィギュレーション モード コマンドで定義されています。
1 つのセッションからエスケープし、前に開いたセッションを再開することでセッションを切り替えるには、次の手順を実行します。
ステップ 1 エスケープ キー シーケンス(デフォルトでは Ctrl+Shift+6 キーを押してから X(Ctrl^、X))を押して現在のセッションからエスケープして EXEC プロンプトに戻ります。
ステップ 2 where 特権 EXEC コマンドを入力して開いているセッションのリストを表示します。現在の端末回線に関連付けられ、開いているセッションのすべてが表示されます。
ステップ 3 resume 特権 EXEC コマンドとセッション番号を入力し、接続を確立します。
リターン キーを押すことで前のセッションを再開することもできます。
Ctrl^、X キーの組み合わせ、 where および resume 特権 EXEC コマンドは、サポートされているすべての接続プロトコル(たとえば Telnet)で使用できます。
接続への論理名の割り当て
接続に論理名を割り当てるには、ユーザ EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router# name-connection |
接続に論理名を割り当てます。 |
論理名は、複数の接続を追跡する場合に役立ちます。
割り当てる接続番号と名前を求めるプロンプトが表示されます。 where 特権 EXEC コマンドにより、割り当て論理接続名のリストが表示されます。
ログイン ユーザ名の変更
現在のログイン ユーザ名を発信アクセス リストの要件またはその他のログイン プロンプトの要件に一致させる必要がある場合は、ログイン ユーザ名を変更できます。このコマンドを使用するには、ログイン サーバが稼動中で、利用可能である必要があります。ログイン ユーザ名を変更するには、ユーザ EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router> login |
現在のログイン ユーザ名を変更する目的で、システムに 2 回目のログインができます。 |
このコマンドを入力すると、システムによりユーザ名とパスワードを要求するプロンプトが表示されます。新しいユーザ名と元のパスワードを入力します。ユーザ名が一致しなくても、パスワードが一致した場合は、Cisco IOS ソフトウェアにより、 login コマンドで試行された新しいユーザ名でセッションが更新されます。たとえば、user1 としてログインしたユーザがログイン名を user2 に変更する必要があるとします。
この例では、パスワード letmein は初回にログインした際に使用したパスワードと同じです(この例の山カッコは、パスワードを入力しても画面には表示されないことを示しています)。2 回目の Router>
プロンプトで、ユーザは user2 としてログインしていることになります。
ログイン時にユーザ名およびパスワードが必要となるようにネットワーク管理者が指定していなかった場合は、ユーザ名およびパスワードを求めるプロンプトは表示されません。ユーザ名およびパスワードの両方を正しく入力した場合、セッションは指定されたユーザ名と関連付けられます。
TACACS セキュリティを備えたシステムにアクセスするには、次の手順で示すように、「Username:」プロンプトが表示されたときに現在のログイン名を入力するか、 user @ tacacs-server 構文を使用して TACACS サーバを指定します。
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ステップ 1 |
Router> login |
現在のログイン ユーザ名を変更する目的で、システムに 2 回目のログインができます。 |
ステップ 2 |
Username: user @ tacacs-server |
新しいユーザ名を指定して、 tacacs-server 引数で指定されたサーバでユーザ名を認証します。 |
ステップ 3 |
Password: < password > |
ステップ 2 で指定されたユーザ名の TACACS パスワードを指定します。 |
ユーザ認証情報には、指定されたホスト(tacacs-server)だけがアクセスされます。
次に、user2 が TACACS ホスト host1 を指定してパスワードを認証する例を示します。
Router> login
Username: user2@host1
Translating "HOST1"...domain server (131.108.1.111) [OK]
Password: < letmein2 >
ホストを指定しない場合、ルータは応答を受信するまでリスト内の各 TACACS サーバを試行します。指定したホストが応答しない場合、その他の TACACS サーバにクエリーが実行されることはありません。ルータはアクセスを拒否するか、または tacacs-server last-resort グローバル コンフィギュレーション コマンドが設定されていれば、このコマンドで指定されたアクションに応じて機能します。 user @ tacacs-server 引数で TACACS サーバ ホストを指定した場合、指定された TACACS サーバは以降のすべての認証または通知クエリーで使用されますが、Serial Line Internet Protocol(SLIP; シリアル ライン インターネット プロトコル)アドレス クエリーは例外となる場合があります。
TACACS の設定に関する詳細については、『 Cisco IOS Security Command Reference 』の「TACACS, Extended TACACS, and TACACS+ Commands」の章にある tacacs-server host グローバル コンフィギュレーション コマンドを参照してください。
ログイン名を変更する例については、章末のログイン ユーザ名およびパスワードの変更:例の項を参照してください。
端末へのアクセスのロック
一時的なパスワードを設定することにより、コネクションを開いたまま端末セッションへのアクセスを防止できます。この一時的なロック機能が動作するためには、まず( lockable ライン コンフィギュレーション モード コマンドを使用して)回線がロックを許可するように設定する必要があります。端末へのアクセスをロックするには、次の手順を実行します。
ステップ 1 ユーザ EXEC モードまたは特権 EXEC モードで lock コマンドを発行します。
このコマンドを発行すると、システムによりパスワードを求めるプロンプトが表示されます。
ステップ 2 パスワードを入力します。任意のストリングを使用できます。システムによりパスワードの確認を求めるプロンプトが表示されます。画面がクリアされ、メッセージ「Locked」が表示されます。
ステップ 3 セッションへのアクセスを戻すには、パスワードを再入力します。
Cisco IOS ソフトウェアは、ロックされた回線上でもセッション タイムアウトを受け入れます。この機能を削除するには、回線をクリアする必要があります。
次に、 lock コマンドが入力された後に表示されるプロンプトの例を示します。入力したパスワードは画面には表示されないため、注意してください。
他の端末へのメッセージの送信
1 つまたはすべての端末へメッセージを送信できます。一般的には、すぐにシャットダウンを実行することをユーザに知らせるために実行します。他の端末へメッセージを送信するには、ユーザ EXEC モードまたは特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router# send { line-number | * } |
他の端末へメッセージを送信します。* を使用すると、メッセージはすべての端末に送信されます。 |
システムによりメッセージを入力するプロンプトが表示されます。メッセージの長さは最大 500 文字です。Ctrl+Z キーを押してメッセージを終了します。Ctrl+C キーを押してコマンドを中断します。
TCP 接続のクリア
TCP 接続をクリアするには、特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router# clear tcp { line line-number | local host-name port remote host-name port | tcb tcb-address } |
TCP 接続をクリアします。 |
clear tcp コマンドは、機能していない TCP 接続をクリアする場合に特に便利です。
clear tcp line line-number コマンドは、指定された TTY 回線上の TCP 接続を終了します。この TTY 回線から開始されたすべての TCP セッションも終了します。
clear tcp local host-name port remote host-name port コマンドは、ローカル ルータおよびリモート ルータのホスト名とポートのペアによって識別された特定の TCP 接続を終了します。
ルータから開始されたセッションの終了
セッションを開始するために使用されたプロトコルによって、そのセッションの終了方法が決まります。
SLIP および PPP 接続を終了するには、通常は現在のダイヤルイン ソフトウェアがサポートするコマンドで、ダイヤルイン接続を切断する必要があります。
ルータからリモート デバイスに対して開始された Local Area Transport(LAT; ローカル エリア トランスポート)、Telnet、rlogin、TN3270、または X.3 Packet Assembler/Disassembler(PAD; パケット アセンブラ/ディスアセンブラ)セッションを終了するには、エスケープ キー シーケンス(一部のシステムのデフォルトは Ctrl+Shift+6 を押してから X(Ctrl^X)、その他のシステムのデフォルトは Ctrl+Z)を押し、EXEC プロンプトで disconnect コマンドを入力します。リモート システムからのログアウトもできます。
アクティブな端末セッションを終了するには、EXEC モードで exit または logout コマンドのいずれも使用できます。
Telnet セッションを終了してルータに 戻る には、次の「ルータからのログアウト」の項を参照してください。
ルータからのログアウト
ルータとの接続を解除しログアウトするために使用する方法は、ルータに対するユーザの位置、およびログインしているルータ上のポートによって異なります。
端末エミュレーション アプリケーションを実行している端末またはコンピュータがルータのコンソール ポートにリモートで接続されている場合は、現在の端末エミュレーション パッケージが使用するコマンドまたはキー シーケンスを発行することによって接続解除します。たとえば、InterCon Corporation の TCP/Connect アプリケーションを実行している Macintosh コンピュータ上では、ユーザ EXEC または特権 EXEC プロンプトで Ctrl+] キーを押して接続解除します。
リモートの端末上で、ルータ上の同期インターフェイスを介して VTY に接続している場合は、ユーザ EXEC または特権 EXEC モードで次のいずれかのコマンドを発行してログアウトできます。
• exit
• logout
回線の接続解除
(注) セッションを終了するために回線を接続解除することは避けてください。代わりに、ホストからログアウトし、ルータが接続をクリアできるようにします。アクティブなセッションからログアウトできない場合(たとえば、回線のスタックまたはフリーズ)にだけ、回線を接続解除する必要があります。
回線を接続解除するには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router# disconnect [ connection ] |
回線を接続解除します。 |
端末エミュレーション アプリケーションを実行している端末またはコンピュータがルータのコンソール ポートに物理的に接続されている場合は、ルータのコンソール ポートから物理的にケーブルを取りはずすことでも、ルータから接続解除できます。
端末バナーのイネーブル化
バナーとは、ユーザに対して表示できる情報メッセージです。端末バナーをイネーブルにするには、次の項の作業のいずれかを実行します。すべての作業は任意です。
• 「Message-of-The-Day バナーの設定」
• 「ログイン バナーの設定」
• 「EXEC バナーの設定」
• 「着信接続に対し送信されるバナーの設定」
• 「SLIP-PPP バナー メッセージの設定」
• 「バナー表示のイネーブル化またはディセーブル化」
端末バナー メッセージを表示する例については、章末のバナーの設定:例の項を参照してください。
バナー トークンの使用
バナー トークンの使用により、バナーをカスタマイズできます。トークンは $( トークン )形式中のキーワードであり、バナー メッセージ内で使用される場合はトークン引数(たとえばルータ ホスト名、ドメイン名、IP アドレス)の現在設定されている値を表示します。これらのトークンを使用して、現在の Cisco IOS 設定変数を表示する独自のバナーを設計できます。Cisco IOS でサポートされているトークンだけ使用できます。独自のトークンを定義するファシリティはありません。
表 8 に、さまざまな banner コマンドでサポートされているトークンを示します。
表 8 バナー タイプで許可されるトークン
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Message-of-The-Day(MOTD)バナー
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ルータのホスト名 |
あり |
あり |
あり |
あり |
あり |
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ルータのドメイン名 |
あり |
あり |
あり |
あり |
あり |
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ピア マシンの IP アドレス |
なし |
なし |
なし |
なし |
あり |
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ゲートウェイ マシンの IP アドレス |
なし |
なし |
なし |
なし |
あり |
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カプセル化のタイプ(SLIP または PPP) |
なし |
なし |
なし |
なし |
あり |
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SLIP ではなく SL/IP と表示されるカプセル化のタイプ |
なし |
なし |
なし |
なし |
あり |
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最大伝送ユニット サイズ |
なし |
なし |
なし |
なし |
あり |
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VTY または TTY(非同期)回線番号 |
あり |
あり |
あり |
あり |
なし |
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ユーザ指定の回線の説明 |
あり |
あり |
あり |
あり |
なし |
Message-of-The-Day バナーの設定
接続されたすべての端末上に Message-of-The-Day(MOTD; 今日のお知らせ)バナーを表示するように設定できます。このバナーはログイン時に表示され、すべてのネットワーク ユーザに影響するメッセージ(すぐにシステムをシャットダウンするなど)を送信する場合に役立ちます。これを実行するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# banner motd d message d |
Message-of-The-Day バナーを表示するようにシステムを設定します。引数 d は、任意の区切り文字を表します。 |
ログイン バナーの設定
接続されたすべての端末上にログイン バナーが表示されるように設定できます。このバナーは MOTD バナーの後、ログイン プロンプトの前に表示されます。
ログイン バナーを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# banner login d message d |
ユーザ名およびパスワードのログイン プロンプトの前にバナーを表示するようにシステムを設定します。引数 d は、任意の区切り文字を表します。 |
ログイン バナーは回線ごとにディセーブルにできません。ログイン バナーをグローバルにディセーブルにするには、 no banner login コマンドでログイン バナーを削除する必要があります。
EXEC バナーの設定
EXEC プロセスが開始されるたびにバナーが表示されるように設定できます。たとえば、このバナーは Telnet を使用してシステムにアクセスするユーザが、ユーザ名およびパスワードを入力してから、ユーザ EXEC モード プロンプトが表示される前に表示されます。EXEC バナーを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# banner exec d message d |
EXEC プロセスが開始されるたびにバナーを表示するようにシステムを設定します。引数 d は、任意の区切り文字を表します。 |
着信接続に対し送信されるバナーの設定
リバース Telnet 回線に接続された端末上にバナーが表示されるように設定できます。このバナーは、これらのタイプの接続を使用するユーザに対し、指示を提供する場合に役立ちます。リバース Telnet 接続に関する詳細は、『 Release 12.4 Cisco IOS Dial Technologies Configuration Guide 』の「Configuring and Managing External Modems」の章で説明されています。
着信接続に対して送信されるバナーを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# banner incoming d message d |
ネットワーク上のホストから端末回線に接続着信があったときにバナーを表示するようにシステムを設定します。引数 d は、任意の区切り文字を表します。 |
SLIP-PPP バナー メッセージの設定
デフォルトのバナー メッセージは、他社製の SLIP および PPP ダイヤルアップ ソフトウェアの一部で接続の問題を引き起こす場合のあることが知られています。SLIP-PPP バナー メッセージをカスタマイズして、シスコの SLIP および PPP が他社製のダイヤルアップ ソフトウェアと互換性を持つようにできます。SLIP-PPP バナー メッセージを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# banner slip-ppp d message d |
カスタマイズされたメッセージを表示するように SLIP-PPP バナーを設定します。引数 d は、任意の区切り文字を表します。 |
バナー表示のイネーブル化またはディセーブル化
MOTD および回線アクティベーション(EXEC)バナーの表示を制御できます。デフォルトでは、これらのバナーはすべての回線上で表示されます。このようなバナーの表示をイネーブルまたはディセーブルにするには、必要に応じてライン コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-line)# no exec-banner |
MOTD および EXEC バナーの表示を抑制します。 |
Router(config-line)# exec-banner |
EXEC または MOTD バナーの表示を元に戻します。 |
Router(config-line)# no motd-banner |
MOTD バナーの表示を抑制します。 |
Router(config-line)# motd-banner |
MOTD バナーの表示を元に戻します。 |
これらのコマンドは、EXEC セッションを作成したときに、ルータが EXEC バナーおよび MOTD バナーを表示するかどうかを決定します。これらのバナーは、 banner motd および banner exec グローバル コンフィギュレーション コマンドで定義されます。デフォルトでは、MOTD バナーおよび EXEC バナーは、すべての回線上でイネーブルです。
no exec-banner コマンドを使用して、EXEC および MOTD バナーをディセーブルにします。
MOTD バナーは、 no motd-banner ライン コンフィギュレーション コマンドでもディセーブルにできます。このコマンドは、回線上の MOTD バナーをディセーブルにします。回線上で no exec-banner コマンドが設定されている場合、 motd-banner コマンドがイネーブルかディセーブルかに関係なく、MOTD バナーはディセーブルになります。 表 9 に、 exec-banner コマンドおよび motd-banner コマンドの組み合わせの影響をまとめています。
表 9 exec-banner および motd-banner コマンドの組み合わせで表示されるバナー
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MOTD バナー EXEC バナー |
なし |
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EXEC バナー |
なし |
リバース Telnet 接続の場合、EXEC バナーが表示されることはありません。代わりに、着信バナーが表示されます。MOTD バナーはデフォルトでは表示されますが、 no exec-banner コマンドまたは no motd-banner コマンドのいずれかが設定されている場合はディセーブルになります。 表 10 に、リバース Telnet 接続での exec-banner コマンドおよび motd-banner コマンドの組み合わせの影響をまとめています。
表 10 非同期回線へのリバース Telnet セッションで exec-banner および motd-banner コマンドの組み合わせに基づいて表示されるバナー
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MOTD バナー 着信バナー |
着信バナー |
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着信バナー |
着信バナー |
メニューの作成
メニューとは、表示されるアクションのリストです。ユーザは、下位のコマンドレベルの詳細を知らなくても、このリストからアクションを選択できます。メニュー システム(ユーザ メニューともいいます)は、ユーザがアクセスできる機能を効率的に制御します。図 6 は、一般的なメニューを構成する部分を図示したものです。
図 6 一般的なメニューの例
コンフィギュレーション モードに移行できるユーザであれば、誰でもメニューを作成できます。メニューを作成する場合は、次の注意事項に留意してください。
• 各メニュー項目は、それぞれ 1 つのユーザ コマンドを表しています。
• メニュー システムのデフォルトは標準の「ダム」端末で、24 行× 80 列形式のテキストだけを表示します。
• 1 つのメニューに含められるメニュー項目は、最大で 18 個です。メニュー項目が 9 個を超える場合、メニューは自動的にシングル スペース メニューとして設定されます。メニュー項目が 9 個以下の場合、メニューは自動的にダブル スペース メニューとして設定されますが、 menu single-space グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してシングル スペース メニューに設定することも可能です(メニューの表示設定オプションに関する詳細については、この章のメニュー表示設定オプションの指定の項を参照してください)。
• 項目キーには、数字、文字、ストリングを使用できます。ストリングを使用する場合は、 menu line-mode グローバル コンフィギュレーション コマンドを設定する必要があります。
• メニューを作成するときは、ユーザがメニューを終了する方法と、終了後のユーザの行き先を必ず指定してください。たとえば menu-exit コマンド(この章のメニュー項目の下位コマンドの指定の項で説明されています)を使用するなどしてメニューからの出口を提供しないと、ユーザはメニューから出られなくなります。
exec-timeout ライン コンフィギュレーション コマンドを使用して、アイドル メニューを閉じ、クリーンアップできます。 session-timeout コマンドを使用して、接続が開いているメニューをクリーンアップできます。
メニュー タイトルの指定
メニューに識別のためのタイトルを指定できます。メニュー タイトルを指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name title d title d |
メニューのタイトルを指定します。引数 d は、任意の区切り文字を表します。 |
次に、OnRamp メニューが選択されたときに表示されるタイトルを指定する例を示します。タイトルは、次の 4 つの主要な要素で構成されます。
• menu title コマンド
• タイトル テキストを開いたり閉じたりする区切り文字
• 画面をクリアするエスケープ文字(任意)
• タイトル テキスト
次に、図 6 に示したメニューのタイトルを作成するために使用されるコマンドの例を示します。
Router(config)# menu OnRamp title %^[[H^[[J
Enter TEXT message. End with the character '%'.
Welcome to OnRamp Internet Services
Type a number to select an option;
タイトル テキストの前に空白文字を入れると、メニューのタイトルの水平位置を決めることができます。Enter キーを押すことにより、タイトルの上下にスペース行を追加することもできます。
この例では、タイトル テキストは次の要素で構成されています。
• 1 行のタイトル
• スペース
• 2 行のメニュー指示バナー
タイトル テキストはテキスト区切り文字(この例ではパーセント記号(%))で囲む必要があります。タイトル テキストの区切り文字は、スラッシュ(/)、二重引用符(")、または波ダッシュ(~)などの、通常はタイトルのテキスト内に現れない文字です。通常はタイトルのテキスト内では使用されない文字であれば、どのような文字でも区切り文字として使用できます。Ctrl+C キーは特殊用途に予約されているため、タイトルのテキスト内では使用できません。
このタイトル テキストの例には、メニューを表示する前に画面をクリアするため、エスケープ文字シーケンスも含まれています。この場合、ストリング ^[[H^[[J
は、多くの VT100 互換端末で画面をクリアするために使用されるエスケープ ストリングです。このストリングを入力するには、Ctrl+V キーを入力してから、各エスケープ文字(^[)を入力する必要があります。
メニュー タイトルに端末固有のストリングを埋め込む代わりに、 menu clear-screen グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してメニューおよびサブメニューを表示する前に画面をクリアすることもできます。このオプションはルータ内で定義された termcap エントリとユーザの端末用に設定された端末のタイプに基づいて、端末に依存しないメカニズムを使用します。 menu clear-screen コマンドを使用すると、メニュー タイトルの中に端末固有のストリングを埋め込まなくても、複数の端末のタイプで同じメニューを使用できるようになります。termcap エントリに clear ストリングが含まれていない場合、メニュー システムにより新たに 24 行が挿入され、既存のテキストすべてを端末画面の上部へスクロールさせてクリアします。
メニューを表示する前に画面をクリアするには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name clear-screen |
メニューおよびサブメニューを表示する前に、スクリーンをクリアするように指定します。 |
次に、OnRamp メニューまたはサブメニューを移動させる前に画面をクリアする例を示します。
Router(config)# menu OnRamp clear-screen
メニュー プロンプトの指定
メニュー プロンプトを指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name prompt d prompt d |
メニューのプロンプトを指定します。引数 d は、任意の区切り文字を表します。 |
メニュー項目テキストの指定
表示される各メニュー エントリは、選択キー(数字、文字、またはストリング)および実行されるアクションを説明するテキストで構成されています。最大 18 のメニュー項目に対し、説明テキストを指定できます。各メニュー エントリは、それぞれ 1 つのユーザ インターフェイス コマンドを表すため、メニュー項目テキストは 1 回につき 1 エントリずつ指定する必要があります。メニュー項目テキストを指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name text menu-item menu-text |
メニュー項目のテキストを指定します。 |
次に、OnRamp メニュー内の 3 つのエントリに対して表示されるテキストを指定する例を示します。
Router(config)# menu OnRamp text 1 Read email
Router(config)# menu OnRamp text 2 UNIX Internet Access
Router(config)# menu OnRamp text 9 Exit menu system
「ヘルプ サーバ」ホストを作成し、そのホストとの接続を確立するメニュー エントリを使用して、状況依存ヘルプへのアクセスを可能にできます。
メニュー選択キーは連続している必要はありません。特定の数字、文字、またはストリングをヘルプや終了などの特殊機能に割り当てることにより、メニュー内のメニュー エントリ数に関係なく複数のメニュー間に一貫性を持たせることができます。たとえば、メニュー エントリ H を、すべてのメニューでヘルプとして予約できます。
1 つのメニューで 9 個を超えるメニュー項目が定義された場合、 menu line-mode および menu single-space グローバル コンフィギュレーション コマンドが自動的にアクティブになります。このコマンドは、9 項目以下のメニューに明示的に設定できます。これらのコマンドに関する詳細については、この章のメニュー表示設定オプションの指定の項を参照してください。
メニュー項目の下位コマンドの指定
ユーザが表示された各メニュー エントリのキーを入力すると、そのメニュー エントリにより、ユーザ インターフェイス コマンドが発行されます。各メニュー エントリに関連付けられるコマンドは、1 つだけです。下位のメニュー項目コマンドを指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name command menu-item command |
メニュー項目を選択したときに実行されるコマンドを指定します。 |
次に、OnRamp メニューの 3 つのエントリに関連付けられるコマンドを指定する例を示します。
Router(config)# menu OnRamp command 1 rlogin mailsys
Router(config)# menu OnRamp command 2 rlogin unix.cisco.com
Router(config)# menu OnRamp command 9 menu-exit
menu-exit コマンドは、メニューの中からだけ使用できます。このコマンドは、上位レベルのメニューへ戻るか、またはメニュー システムを終了するためにあります。
接続を確立できるメニュー項目の場合、そのメニュー項目には接続を再開するために使用できるエントリも含まれている必要があります。そのようなエントリが含まれていないと、接続からエスケープしてメニューに戻った後、セッションを再開する手段がありません。セッションは、ユーザがログアウトするまでアイドルになります。
ユーザが接続を再開できるようにメニュー エントリ内に resume connection ユーザ EXEC コマンドを構築するか、または escape-char none コマンドを使用して、ユーザがセッションからエスケープできないように回線を設定できます。
メニュー項目コマンドの一部として接続の再開を指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name command menu-item resume [ connection ] /connect [ connect string ] |
メニュー項目が選択されたときに resume コマンドが実行されることを指定します。 |
menu コマンドの中に resume コマンドを埋め込むと、ユーザは指名された接続を再開するか、またはその名前のアクティブな接続がなければ、指定された名前を使用して別の接続を確立できるようになります。オプションとして、初期接続に必要な接続ストリングを指定することも可能です。この接続ストリングを指定しない場合、指定された接続名がコマンドにより使用されます。
次のメニュー エントリで resume コマンドを使用できます。
• メニュー エントリに埋め込んで使用する。
• 独立した特定のメニュー エントリとして使用する。
• 複数の接続を順番に回る「ロータリー」メニュー エントリとして使用する。
次に、 menu コマンドの中に resume コマンドが埋め込まれている例を示します。この例では、メニュー項目を選択すると、指定された接続セッションが(まだ開かれていなければ)開始されるか、または(すでに開かれたセッションがあれば)セッションが再開されます。
Router(config)# menu newmenu text 1 Read email
Router(config)# menu newmenu command 1 resume mailsys /connect rlogin mailsys
次に、特定の接続を再開するために、 resume コマンドが独立したメニュー エントリ(エントリ 3)内で使用されている例を示します。
Router(config)# menu newmenu text 3 Resume UNIX Internet Access
Router(config)# menu newmenu command 3 resume unix.cisco.com
ユーザの接続リスト内の次の開いた接続を再開するには、 resume/next コマンドを使用します。このコマンドにより、すべてのユーザ接続を進んでいく 1 つのメニュー エントリを作成できます。メニュー項目コマンドの一部として resume/next での接続の再開を指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name command menu-item resume/next |
resume/next での接続の再開を指定します。 |
次に、すべてのユーザ接続を進むために作成されたメニュー エントリ(エントリ 6)の例を示します。
Router(config)# menu newmenu text 6 Resume next connection
Router(config)# menu newmenu command 6 resume/next
メニューのデフォルト コマンドの指定
ユーザが項目を指定しないで Enter キーを押した場合、ルータによりデフォルト項目用のコマンドが実行されます。デフォルト項目を指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu- name default menu-item |
メニュー ユーザがメニュー項目を選択しなかった場合に実行されるコマンドを指定します。 |
サブメニューの作成
上位レベルのメニュー エントリを選択すると開くサブメニューを作成するには、 menu コマンドを使用してライン メニュー エントリ内のメニューを呼び出します。サブメニュー項目コマンドを指定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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ステップ 1 |
Router(config)# menu menu-name text menu-item menu-text |
サブメニューを呼び出すメニュー項目を指定します。 |
ステップ 2 |
Router(config)# menu menu-name command menu-item menu menu-name2 |
メニュー項目が選択されたときに使用されるコマンドを指定します。 |
ステップ 3 |
Router(config)# menu menu-name title delimiter menu-title delimiter |
サブメニューのタイトルを指定します。 |
ステップ 4 |
Router(config)# menu menu-name text menu-item menu-text |
サブメニュー項目を指定します。 |
ステップ 5 |
Router(config)# menu menu-name command menu-item command |
サブメニュー項目が選択されたときに使用されるコマンドを指定します。必要に応じてこのコマンドを繰り返します。 |
次に、OnRamp メニュー内のサブメニューがメニュー項目(エントリ 8)でアクティブ化されるように指定する例を示します。
Router(config)# menu OnRamp text 8 Set terminal type
次に、OnRamp メニュー内でメニュー項目(エントリ 8)が選択されたときに実行されるコマンドを指定する例を示します。
Router(config)# menu OnRamp command 8 menu Terminals
次に、Terminals サブメニューのタイトルを指定する例を示します。
Router(config)# menu Terminals title /
Type a number to select an option;
Type 9 to return to the previous menu.
次に、Terminals サブメニューのサブメニュー項目を指定する例を示します。
Router(config)# menu Terminals text 1 DEC VT420 or similar
Router(config)# menu Terminals text 2 Heath H-19
Router(config)# menu Terminals text 3 IBM 3051 or equivalent
Router(config)# menu Terminals text 4 Macintosh with gterm emulator
Router(config)# menu Terminals text 9 Return to previous menu
次に、Terminals サブメニューの項目に関連付けられるコマンドを指定する例を示します。
Router(config)# menu Terminals command 1 term terminal-type vt420
Router(config)# menu Terminals command 2 term terminal-type h19
Router(config)# menu Terminals command 3 term terminal-type ibm3051
Router(config)# menu Terminals command 4 term terminal-type gterm
Router(config)# menu Terminals command 9 menu-exit
メイン メニューでエントリ 8 を選択すると、次の Terminals サブメニューが表示されます。
Type a number to select an option;
Type 9 to return to the previous menu.
4 Macintosh with gterm emulator
9 Return to previous menu
(注) メニューに多くのレベルをネストし過ぎると、システムにより端末にエラー メッセージが表示され、前のメニュー レベルに戻ります。
非表示メニュー エントリの作成
非表示メニュー エントリとは、選択キーは含まれているものの、実行されるアクションを説明するテキストがないメニュー項目のことです。ユーザにヘルプを提供するシステム管理者を支援するために、このタイプのメニュー エントリを含めます。通常の手順は、メニュー コマンドを指定し、項目のテキスト指定を省略します。非表示メニュー項目を作成するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name command menu-item command |
非表示メニュー エントリが選択されたときに使用されるコマンドを指定します。 |
次に、OnRamp メニューのサブメニュー エントリに関連付けられたコマンドの例を示します。
Router(config)# menu OnRamp command 7 show whoami
show whoami コマンドに追加テキストが付加されている場合、そのテキストが回線に関するデータの一部として表示されます。たとえば、このコマンドによって作成された非表示メニュー エントリ、
Router(config)# menu OnRamp command 7 show whoami Terminals submenu of OnRamp Internet Access menu
は次のような情報を表示します。
Comm Server "cs101", Line 0 at 0 bps. Location "Second floor, West"
Additional data: Terminals submenu of OnRamp Internet Access menu
メニュー表示により画面がクリアされたときにこの情報が失われないようにするために、このコマンドは戻る前に常に --More-- プロンプトを表示します。
メニュー表示設定オプションの指定
menu clear-screen グローバル コンフィギュレーション コマンド(メニュー タイトルの指定の項で説明)に加えて、次の 3 つの menu コマンドによりメニュー機能が定義されます。
• menu line-mode
• menu single-space
• menu status-line
ライン モードで動作するメニューの設定
項目が 9 個以下のメニューでは、通常、項目の番号または文字を入力してメニュー項目を選択します。ライン モードでは、項目キーを入力して Enter キーを押すことで、メニュー エントリを選択します。ライン モードでは、Backspace キーで選択を取り消し、別の項目を選択してから Enter キーを押してコマンドを発行できます。この機能により、コマンドを呼び出す前に選択を変更できます。
ライン モードで動作するようにメニューを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name line-mode |
メニュー項目の入力にライン モードを使用するようにメニューを設定します。 |
ラインモード オプションは、定義されているメニュー項目が 9 個を超える場合は自動的に呼び出されますが、項目が 9 個以下のメニューでも、明示的に設定できます。
選択キーとしてストリングを使用するには、 menu line-mode コマンドをイネーブルにする必要があります。
シングルスペース メニューの表示
メニュー項目が 9 個以下の場合、Cisco IOS ソフトウェアは、通常、ダブルスペースで区切ってメニュー項目を表示します。項目が 9 個を超えるメニューでは、メニューを通常 24 行の端末画面に収めるために single-space オプションは自動的にアクティブになります。ただし、項目が 9 個以下のメニューでも、 single-space オプションを明示的に設定できます。
single-space オプションを使用してシングルスペースで区切られたメニューを表示するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name single-space |
シングルスペース区切りで表示されるようにメニューを設定します。 |
情報ステータス行の表示
status-line オプションでは、メニュー タイトルが表示される前に、端末画面の一番上の行に現在のユーザに関するステータス情報が表示されます。ステータス行には、ルータのホスト名、ユーザの回線番号、および現在の端末のタイプとキーマップのタイプ(ある場合)が表示されます。
informational status line を表示するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name status-line |
ステータス行を表示するように指定されたメニューを設定します。 |
項目ごとのメニュー オプションの指定
項目ごとのメニュー オプションを設定するには、必要に応じてグローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# menu menu-name options menu-item pause |
ユーザが指定されたメニュー項目を選択した後、一時停止するようにシステムを設定します。このコマンドは、一時停止するメニュー項目ごとに 1 回ずつ入力します。 |
Router(config)# menu menu-name options menu-item login |
コマンドを実行する前に、ログインが要求されるように指定されたメニュー項目を設定します。このコマンドは、ログインを要求するメニュー項目ごとに 1 回ずつ入力します。 |
メニューの呼び出し
メニューを呼び出す(メニューにアクセスする)には、ユーザ EXEC モードまたは特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。
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Router# menu menu-name |
設定済みのユーザ メニューを呼び出します。 |
特権 EXEC コマンドが含まれるメニューも定義できますが、そのメニューを起動するユーザは特権アクセスを持っている必要があります。
回線上でメニューが確実に自動的に呼び出されるようにするには、ユーザ自身では操作できないインターフェイスにユーザを取り残してしまう終了パスがメニューに含まれていないことを確認してから、 autocommand menu menu-name ライン コンフィギュレーション コマンドでその回線を設定します( autocommand menu menu-name コマンドは、回線上でユーザが接続を開始したときに、 menu menu-name コマンドが自動的に実行されるように回線を設定します)。
autocommand コマンドをローカル ユーザ名に定義することにより、ユーザ単位でメニューが呼び出されるようにすることもできます。
次に、OnRamp メニューが呼び出される例を示します。
Welcome to OnRamp Internet Services
Type a number to select an option;
コンフィギュレーションからのメニューの削除
コンフィギュレーションからメニューを削除するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config)# no menu menu-name |
メニュー名を指定してメニューを削除します。 |
メニューを再度使用するには、メニュー全体を再設定する必要があります。
次に、コンフィギュレーションから OnRamp メニューを削除する例を示します。
Router(config)# no menu OnRamp